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2025年7月2日水曜日

米空軍の次世代核巡航ミサイルAGM-181 LRSOが登場(The Aviationist)



LRSO rendering

AGM-181 LRSOの予想図。 (米空軍)


空軍は、現行のAGM-86B ALCMの後継となる新型AGM-181Aロングレンジ・スタンドオフ(LRSO)のレンダリングを初公開した。

同兵器は現在、近い将来B-21レイダーとB-52ストラトフォートレスに採用される。

 核三本柱の近代化に取り組んでいる空軍にとってLRSOは優先事項であり、B-21レイダーの重要な能力として期待されている。新型ステルス爆撃機には、AGM-181LRSO巡航ミサイル、B61-12およびB61-13爆弾の3種類の核兵器が搭載されることになっている。

 昨年、空軍の調達責任者アンドリュー・ハンターは、上院軍事委員会に対し、「プログラムは順調に進捗中で、タイムラインを達成し戦闘部隊に提供できるよう、間違いなく軌道に乗っている」と述べていた。

 6月9日に公開されたレンダリングは、新兵器を公に示した最初のもので、プログラムの秘密性を考えれば、保安上の理由から変更されている可能性があるため、レンダリングが正確とは限らない。

 今回発表のレンダリングでは、空気注入口が確認できないが、これは注入口が上側にあるか、あるいは兵器の重要な特徴のひとつであるため、画像から削除された可能性がある。 LRSOの能力についてはあまり知られていないが、この兵器は空気吸い込み式エンジンによって亜音速で推進されると予想されている。

 レンダリングを見ると、AGM-181は台形で、機首と尾翼はくさびのような形をしている。現行兵器と同様に、LRSOは折りたたみ式主翼を装備し、下側の垂直尾翼とわずかに傾斜した水平尾翼を持つ。


AGM-181 LRSO

 LRSO兵器システムは、空軍のグローバル攻撃能力と戦略的抑止の中核機能となり、戦略目標を起訴するために、スタンドオフ距離から敵の統合防空システム(IADS)を貫通し、生き残ることができる。

 2020年、空軍はこのプログラムの主契約者としてレイセオンを選定し、その1年後、LRSOは技術・製造・開発(EMD)に入った。2022年、LRSOは9回の主要な飛行試験に成功し、B-52Hから安全に分離する能力、武器飛行面の展開、エンジン操作、飛行制御作動、制御飛行を実証したことが明らかになった。

 当初、空軍と議会は、このミサイルの従来型武装型の取得の可能性も議論していた。しかし、その後、LRSOの通常弾頭バージョンは追求しないことが決定され、空軍は現在、通常空発射巡航ミサイルの要件を満たすためにAGM-158B JASSM-ER(Joint Air-to-Surface Standoff Missile-Extended Range)とAGM-158D JASSM-XR(JASSM-Extreme Range)に注目している。

 空軍はファクトシートで、AGM-86Bミサイルは1,715発生産されたと述べているが、2007年に528発に削減する決定を発表した。国防総省の取得報告書を引用したウォーゾーン誌によれば、この兵器は2030年までに退役し、約1,020発のAGM-181に置き換わるとある。

 2022年にログラムの総費用は約160億ドルと見積もられ、最新見積もりでは1ユニットあたりのコストは1000万ドルと予想されていたが、今は1400万ドル程度と言及されている。低率初期生産の決定は、2027会計年度に予想されている。■


Meet the AGM-181 LRSO: U.S. Air Force Reveals Next-Gen Nuclear Cruise Missile

Published on: June 11, 2025 at 12:17 PMGoogle News IconFollow Us On Google News

 Stefano D'Urso

https://theaviationist.com/2025/06/11/agm-181-lrso-rendering/

Stefano D'Ursoはイタリアのレッチェを拠点とするフリーランスのジャーナリストであり、TheAviationistの寄稿者である。 産業工学を専攻し、航空宇宙工学の修士号取得を目指している。 電子戦、滞空弾、OSINT技術を軍事作戦や現在の紛争に応用することが専門分野。

2019年6月3日月曜日

B-21開発は順調に進んでいる模様 しかしブラックのため依然その姿は不明

B-21 Stealth Bomber: The Air Force's Ultimate "Black" Program (Armed with Nukes) B-21ステルス爆撃機は米空軍の究極の「ブラック」事業だ (核武装つき)

More details are emerging on this new long-range bomber. 新型長距離爆撃機の詳細が浮上してきた
May 29, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: B-21B-2BomberMilitaryTechnologyWorldStealth
空軍のB-21ステルス爆撃機で極秘のうちに開発が進んでおり部品テストと初号機生産の開始に向かうようだ。
米空軍上層部によれば同機は新型の兵装、センサー、攻撃技術とステルス技術を搭載しこれまでにない機体になるという。
同機の具体的な開発日程は保安上の理由で公開されていない。B-21は「ブラック」事業であり、開発関係者は重要設計審査段階を終え製造段階に入っていると述べている。空軍長官を辞したヘザー・ウィルソンは2018年度米空軍調達年次報告で同機の生産状況を公式に伝えていた。「B-21事業は順調に推移し、設計段階から製造段階に移行中でB-21試験機が一機生産される」
ウィルソンがB-21テスト機材の一号機に言及しているのは現時点の調達事業の技術製造設計が順調に進行中であることの裏返しだ。2020年代中頃に第一線配備を目指す予定には変更がなく、空軍は最小でも100機を調達する。
「重要な設計審査作業を2018年11月に完了し、詳細設計作業が進行中である」と空軍報告書は述べている。
同報告ではB-21で重要となる核兵器運用能力の取得でも進捗を述べている。「初期作戦能力獲得から二年以内に核兵器運用認証を受ける」とある。
核兵器では確実ではないが可能性があるのが開発中の長距離スタンドオフ兵器(LRSO)のB-21搭載で空軍調達報告ではLRSOはB-52とB-21双方で運用可能となるとある。さらに報告書ではLRSO1,000発を調達するとある。また「初期作戦能力確立は2030年予定」とあり、システム要求条件・システム審査は2018年に完了したともある。
空軍は同巡航ミサイルの開発に業界と取り組んでおり、2022年までに技術製造開発段階に入るという。
米空軍兵器開発部門では新型核搭載長距離スタンドオフ兵器により攻撃部隊は敵領土奥深くの地点を攻撃しながら敵が展開する新防空体制による損耗を避けられる。またLRSOはペンタゴンの核戦力整備検討(NRP)にも大きく関係する。
LRSOは空中発射装備でペンタゴンが攻撃能力の増強手段として重点を置き、NPRでは低威力の潜水艦発射巡航ミサイルとあわせ早期整備を期待している。
核搭載巡航ミサイルに大きな可能性がある。ステルス機でも到達不可能な標的も攻撃対象となるからだ。防空体制の進化でステルス爆撃機といえども探知を免れなくなる日が来る。
このため、空軍上層部は新型長距離スタンドオフ兵器に核装備すればハイテク防空体制を突破可能な兵器が生まれると期待を寄せる。核抑止力にも大きな意味があるが、核搭載巡航ミサイルにより核戦争のしきい値が下がると批判する向きがあるし、敵陣営も核攻撃なのか通常兵器による攻撃なのかで混乱する可能性もある。ペンタゴンや空軍当局は新兵器は米核抑止力体制で不可欠な存在と一貫して主張している。
米国に大規模核攻撃が加えられればスタンドオフ空中発射式核巡航ミサイルは潜水艦発射核ミサイルとともに報復手段となり、核先制攻撃を防ぐ抑止力として機能するはずだ。
LRSO開発で旧式化したAGM-86B空中発射巡航ミサイルALCMは用途廃止される。AGM-86Bは想定を超える期間で供用中でそもそも1980年代初頭に登場した際は10年間の使用期間とされた。空軍ではALCMでは防空体制の進展に対応できないと見ている。■

Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army - Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has a Masters in Comparative Literature from Columbia University.

2018年2月14日水曜日

核武装対応F-35の登場で核抑止力の強化を狙う米戦略

F-35が核武装と聞くと一部の勢力が騒ぎ出しそうですが,核装備運用には特殊改装が必要で何も全部のF-35が核武装可能となるわけはないのですが、今後成り行きを注目する必要があります。また核の小型化もすぐ戦場に投入する構想と騒ぐ傾向がありますが、抑止理論を全く理解できない人たちがあちこちにいるのには辟易としますね。Warrior Mavenの記事です。



Mattis: Nuclear-Armed F-35 Can Change "Deterrence" Equation 

マティス長官:核装備F-35で抑止力の構造が変わる

ペンタゴンはF-35の核攻撃力が今回発表された核戦力整備構想のカギとみている。


By Kris Osborn - Managing Editor - Warrior Maven


ンタゴンが「核武装」型F-35の開発を急ぐのは戦略核兵器近代化でロシア、中国、さらに北朝鮮への対抗が急務であるためだ。同時に世界各地で核兵器の脅威が高まっていることも背景にある。
F-35に核運用能力を追加して核の三本柱のうち爆撃機部分のB-2、B-52さらに今後登場するB-21を補強すれば米核攻撃手段に選択肢が広がり、潜在敵国には今までにない圧力となるだろう。
核抑止力でF-35が浮上したのは最近の下院軍事委員会がペンタゴン発表の核戦力検討案 Nuclear Posture Review (NPR)での聴取でだ。
ジェイムズ・マティス国務長官はF-35を米国・NATOによる核抑止力で不可欠な要素と書面で表現している。
「戦闘爆撃機戦力で核・非核両用能力を近代化する中でF-35戦闘機がNATOの抑止力体制やわが方の前方配備戦力の実効性の維持を果たし安全保障上で必要な事態に対応する」と長官は述べている。
マティス長官はF-35が「核運搬能力」手段に浮上してきたのは米核戦力近代化のペースが世界各地の脅威環境の進展にみあっていないことへの深刻な懸念が背景があるとする。
「過去八年間の核運搬手段の近代化でロシア、中国、北朝鮮に米国が後れを取っており、敵側が新型装備合計34種類を開発したのに対し米国は一種類しかない。つまりF-35である」(マティス長官)
国防長官官房はWarrior Mavenに対しF-35の「核運用型」について長官が書面で言及したと認めた。複数報道が国防総省上層部の発言を引用しており、核武装型F-35は遅くとも2020年代初頭に登場するという。F-35はB61核爆弾を搭載するとAir Force Magazineは解説している。
F-35が米核抑止戦略に関与することは理にかなっている。F-35は太平洋に展開中で朝鮮半島で演習に参加している。搭載する兵装、ISR技術や多機能から攻撃の選択肢が幅広くなる。
速度、操縦性、低高度戦闘能力から核武装F-35は新しい形の脅威として潜在敵国に写るはずだ。戦術面でもF-35に長距離センサーや目標捕捉技術があり移動式発射装置の探知破壊に効果を発揮するほか、その他小型移動目標にも有効対応できるはずだ。
F-35は各種兵装の投下テストを完了しており、IM-9X、 AIM-120、 AIM-132、 GBU-12、 JDAM、 JSOW、 SDB-1、ペイヴウェイ IVの運用が可能となったとロッキード・マーティンは説明。核兵器運用がどうなるのかは不明だが、F-35は兵装3,500ポンドの運用がステルスモードで可能であり、ステルスを捨てれば18千ポンドまで搭載できる。
ペンタゴン高官が個別の事態や攻撃想定を口にしたくないのは理解できるが、NPRでは明確に「抑止力」強化として核兵器を率先して使用する姿勢を見せるとしている。
世界の脅威状況を鑑みてNPRでは核兵器オプション二つを急いで実現すべきと訴えている。ひとつは海軍向け巡航核ミサイルの導入だ。「核巡航ミサイルと一部潜水艦発射弾道ミサイルの弾頭改修で低威力核兵器の選択肢を実現することで抑止効果が高まり、敵勢力は限定核攻撃に踏み切っても有利になれずエスカレーションの意味もないことを悟るはずだ」と統合参謀本部副議長ポール・セルヴァ大将 Gen. Paul Selvaが報道陣に語っている。
ペンタゴン上層部はNPRの提言で新型核兵器開発にむかうわけではなく、核兵器の全体数を増やすわけではないと強調する。NPRの提言通りに整備を行っても米国の核不拡散方針に反するものではないとDoDは強調。
マティス長官はじめ上層部はNPRの戦略アプローチで矛盾が生まれることは承知しているようだ。議会から低出力核兵器を新規投入すれば核戦争の「閾値が下がり」、危険が逆に増すとの指摘がある。マティス長官は議会に対して核攻撃力を増強すれば逆の効果が生まれるとし、核兵器増備で抑止効果が上がるので平和が維持できると主張。
具体的にはマティス長官は潜水艦発射弾道ミサイルを低出力化することがロシアに圧力となりINF条約の違反状態を改善する交渉に応じるはずだとする。
「ロシアのINF違反は把握しており、交渉でロシアに条約順守に戻らせたい」(マティス長官)
こうした戦略面と別にマティス長官はNPRでは核兵器投入は最も極端な事態に限定されていると強調し、「核兵器投入は戦略面を一変させる。核抑止力は慎重に取り扱うべきだ」と述べた。
敵防空装備が急速に高性能化していることをあげて、マティス長官は海から発射する巡航ミサイルが敵に脅威を与えるため必要で空中投下型の低出力兵器の投入が困難な場合に有効な選択肢になると述べている。
「重力投下型爆弾が低出力だと爆撃機は敵防空網を突破する必要があるが、現在の防空網は20年前から大きく変わっている」(マティス)
例としてロシアのS-400さらに登場しつつあるS-500には各種周波数を使い従来より遠距離で航空機探知の能力がある。高速コンピュータ処理とデジタルネットワークで各地の防空装備をつなぎ、広範囲で標的に対応できる。
またペンタゴンが進めたい新型核搭載空中発射式巡航ミサイルの長距離スタンドオフ兵器(LRSO)が注目される。核巡航ミサイルは爆撃機が対応できない敵のハイテク防衛網があっても敵攻撃が期待されるからだ。
LRSO批判派はLRSO導入で核兵器使用の可能性が「不安定化」すると主張。空軍兵器開発部門の関係者はWarrior Mavenに抑止力を強調しながら新型LRSOを追加すれば逆に「安定化」効果が期待できる、つまり敵が先制攻撃をためらう効果が期待できると述べている。
NPR推進派は核戦力強化が必要なのは現在の脅威環境で疑いなく核を投入する武力衝突の可能性が高まっているためと主張。

「敵対勢力の考え方が核兵器で変化していることに懸念しています。核兵器に一層信頼を置き、ロシアの核ドクトリンでは『逆エスカレーションのためにエスカレーションする』と言っています」とジョン・ルード John Rood国防次官(政策担当)が報道陣に語っている。■

2017年12月4日月曜日

B-52エンジン換装は2020年以降に先送り、その他米空軍主要戦略事業の概況



No $ For New B-52 Engines Til 2020; Nuke Modernization Moves Ahead: Gen. Rand

B-52エンジン換装の予算がつくのは2020年まで無理、核近代化は前進とランド大将
B-52H Stratofortress
By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on November 30, 2017 at 5:09 PM
  1. ロビン・ランド大将Gen. Robin Randは米空軍の爆撃機、ミサイル部門のボスで老朽化進むB-52のエンジン換装を本当に望んでいる。空軍は関心を有する企業を招きに二日にわたり情報公開セッションを行うが、ボーイングロールズロイスがすでに受注目指し動きはじめている。だがランド大将はAssociation of Old Crows主催の会議に集まった記者に早くても2020年まで予算のめどがつかないと述べた。
  2. 76機残るB-52Hのエンジン交換実施は当然その後になる。空軍は新型B-21爆撃機やICBMの更新を控えており、海軍にもミサイル潜水艦の建造事業がある。
Air Force photo
Gen. Robin Rand
  1. B-52エンジン換装は「検討課題であり進めたいが、長官の前では口ごもらざるを得ない」
  2. つまり「エンジン換装の決断に今までになく近くなっている」が「それだけ事態が切迫しておりB-52を今後も供用するならエンジン換装が必要だ」とする。
  3. この点で後押しする企画が技術公開日で、実際は12月12日13日の二日間ルイジアナのバークスデイル空軍基地が会場だ。公式案内では空軍が民間から情報を求める企画で正式提案を受けつける意図はなく、調達を決めるわけでもないが、空軍が求める契約の大枠がわかるはずだ。
  4. 業界は大いに興奮しており、ボーイングは8月に5分半の動画をYouTubeに掲載し、同社のエンジン換装案を広報した。9月にはロールズロイス役員トム・ハートマンがFlightGlobalで「急いで対応する」と述べていた。
  5. だが実際はそうではない。「FY20年度計画の選択肢の一部にすぎない」とランド大将は言う。複雑な予算手続きで議会が2018年度の支出法案作りに取り組んでおり政権は2019年度予算要求案をまとめ来年初めに提出する。エンジン換装はその後になるとランド大将は明言している。「まだ決定されておらず、あるとすれば20年早々だろう」
  6. 航空業界に造詣が深いアナリストのリチャード・アボウラフィアRichard Aboulafiaはエンジン換装に懐疑的だ。「たしかに名案だが、それはこれまで30年の間に限ってのことで実施は困難だろう」とするが、ペンタゴンの予算作業を考えると実施はきびしいのか。
  7. 「問題はエンジン換装で節約できるのはO&M勘定(燃料、部品予算)なのに出どころは調達勘定になっていること」とアボウラフィアは述べている。「O&Mの節約分が調達費を上回るがそれぞれで相殺するわけではない。O&M節約分で調達予算が助かるわけではないのですが、DoDはこれに固執していますね」
  8. 「このためエンジン換装はなかなか実現していない。例外はKC-135とC-5Aだけです。後者のTF39は本当に面倒なエンジンで稼働率が低いうえにスペアパーツが入手しにくくなってますからね」
GBSD次期ICBM整備
  1. B-52の次に2020年度予算ではランド大将のグローバル打撃群段はもう一つ大事な決定が必要だ。ICBMでボーイング、ノースロップ・グラマンのどちらを選定しミニットマンIIIミサイルの後継機種を実現するかだ。(8月に両社とも3億ドル超の技術成熟化リスク低減契約を交付されているがロッキードがこの段階で落とされた) 地上配備戦略抑止力(GBSD)となる同事業の最終規模はペンタゴンの費用解析事業評価(CAPE)室によれば少なくとも850億ドルになるという。
Minuteman III in silo
  1. これはミサイル本体だけで済む問題ではないとランド大将は報道陣に語った。GBSDは「本体の保全方法、指揮命令方法他大幅に変更を伴う。ただし契約企業の仕事のやり方で異なってくるので今の段階でこうなるとは簡単に言えない」
ALCMあらためLRSOスタンドオフミサイル
  1. 他方で1980年代製の空中発射巡航ミサイル(ALCM)の交替が進んでいる。8月には「概算9億ドル」で試作品の長距離スタンドオフ(LRSO)ミサイルの製作契約をロッキード・マーティン、レイセオンの各社に交付している。最終選考は2022年の予定だ。ただ核兵器嫌いの民主党議員が事業をつぶさないかぎりLRSOはB-52、B-2および開発中のB-21が運用するはずだ。
B-21
  1. B-21は最低でも100機を単価550百万ドルで調達する。この野心的ともいえるコスト目標のため通常の調達手続きではなく空軍迅速戦力整備室(RCO)が進めており、事業規模の大きさのためRCO職員が多数B-21に向けられている。
  2. B-21はグローバル打撃軍団最大の謎である。空軍がノースロップ・グラマンに契約交付して二年以上になるが、極端までの極秘扱いで、制式名とニックネームのみB-21レイダーとして意図的に不明確なCGI図と公表されたただけだ。空軍は同機は無人機運用も可能とし、大量の爆弾搭載能力があり、核兵器運用も後日可能となるだろう。また搭載内容をモジュラー化し、ISR、電子戦に使い分ける。会議ではランド大将が電子戦について語っていたので記者はEW能力がB-21に搭載され敵の高度対空装備を突破できるとのうわさについて聞いてみた。大将は詳細に触れず基本的な考え方についてのみ語った。
B-21 Raider artist rendering
  1. 「B-21はシステムをファミリー構造にしている」とし、単一の機体にはならないとランド大将は述べた。「具体的な性能についてここでは話せない」としながら「B-21は厳しい状況でも十分に活躍できる機体になる」と後で記者団に語ってくれた。
  2. 「センサー中心の機体となるだろう」とレーダー他の装置が兵装同様に重要になり、F-35共用打撃戦闘機と似てくると述べ、「長距離打撃機となりスタンドオフ攻撃と敵地侵入能力を実現する」とし、敵対空装備の有効範囲外から長距離巡航ミサイルを発射するか、防空網をかいくぐりステルス性能と電子欺瞞能力を発揮するのだろう。
  3. いわゆる接近阻止領域拒否の防衛体制がロシアや中国で整備が進んでいるが、B-21はその弱点を探し出す。「A2/ADを通過不可能な壁のようにいう人がいるが、実はA2/ADはチーズの塊、スイスチーズで、穴がいっぱいあるんですよ』■