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2025年4月20日日曜日

ベトナムが米F-16戦闘機購入で合意か(19fortyfive) ― ロシア製機材一辺倒だったベトナム(ベトナム戦終結で米製機材が手に入ったことがありましたが)にも変化が生まれそうです

 


F-16 Fighter

第100航空給油団の米空軍KC-135ストラトタンカーが、ギリシャ沿岸上空を飛行中のRAMSTEIN FLAG 2024演習で、ギリシャ空軍F-16ファイティングファルコン機に給油する(2024年10月4日)。同演習はNATOの団結と強さを示し、ユーロ大西洋地域の同盟国が防衛的・攻撃的な航空作戦シナリオで肩を並べ訓練することで、共有された価値観への永続的なコミットメントと新たな環境への適応を支援する。(米空軍撮影:エドガー・グリマルド上級空兵)



誌取材に応じた複数の情報源(交渉に詳しい元米政府高官や複数の米防衛産業代表を含む)によると、ベトナムはF-16戦闘機を獲得することで米国と合意に達した。 この主張は、両政府間の長期にわたる協議と交渉に続くもので、東南アジア諸国が単発戦闘機の新たな顧客になる可能性があるようだ。



U.S. Air Force Capt. Ethan “Bantam” Smith, Pacific Air Forces F-16 Demonstration Team pilot, conducts a falcon turn during Misawa Air Fest at Misawa Air Base, Japan, Sept. 8, 2024. The demonstration team’s primary mission is to inspire goodwill and promote positive relations between the U.S. and partner nations across the Indo-Pacific region by showcasing displays of F-16 combat prowess and dedication to U.S. Air Force core values. (U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Peter Reft)

2024年9月8日、日本の三沢基地で開催された三沢エアフェスタで急旋回を行う太平洋空軍F-16デモンストレーションチームのパイロット、イーサン "バンタム "スミス米空軍少佐。 (米空軍撮影:Tech. Sgt.)


ベトナムへのF-16戦闘機売却: これまでに判明していること

機数について言及がないが、24機は下らないと予想されている。 F-16と、ベトナムがアメリカからの調達を希望している他のプラットフォームが組み合わされれば、両国間で最大の防衛協定が結ばれることになる。

 昨年7月の報道では、両国がハノイへのC-130ハーキュリーズ軍用輸送機の売却を協議していることが明らかになった。50年以上前に互いに戦争を戦った2国間の安全保障協力強化に向けた良い第一歩だと考えられていた。


変化する供給基地

C-130とF-16に関する合意形成は昨年期待されていたが、ベトナムへの米軍用ハードウェアの供給は厄介な問題だった。

 ハノイは2022年末に、兵器システムの調達を従来のサプライヤーからシフトするつもりと述べていたが、この線に沿った決定はなされなかった。

 ハノイへの軍事品売却の禁輸措置を米国が解除した2016年以来、ベトナムへのF-16売却に関する協議は断続的に行われていた。 しかし、このプラットフォームに関する話し合いは、C-130に関する交渉よりも静かで、あまり進展していなかった。

 ベトナム高官が調達政策について議論するときはいつも「その話題は非常にデリケートだ」というのがお決まりのセリフだ。 ベトナム人民空軍(VPAF)が新鋭戦闘機を獲得する可能性に言及すると、このセリフはさらに頻繁に口にされる。

 というのも、新型の戦術戦闘機を導入すれば、ハノイの他の地域諸国、特に中国との関係に影響を及ぼす可能性が高くなるからだ。

 C-130は貨物機であり、通常は非武装であり、この地域で他国がすでに運用しているため、それほど敏感ではないとみなされている。


ロシアとの決別

過去にVPAFのカウンターパートと話したことのあるウクライナ企業の代表は、ベトナム空軍がスホーイSu-27SK/UBとSu-30MK2V航空機の運用に大きな問題を経験しつつあると本誌に語った。これは、米国製戦闘機の調達を促す問題の一部である。

 ロシア製航空機の一番の問題は、保証期間が終了していることだ。 VPAFが航空機の整備支援を打診したところ、RosoboronexportとSukhoiの代表者は、多額の前払い金がなければプラットフォームのサポートを継続したくないと話した。

 ベトナムはお金の支払いに消極的だとウクライナ人は言う。ハノイはまた、米国とEUの制裁体制に対する懸念から、ロシア側への支払いを警戒している。

 ウクライナ側によると、VPAFはすでに2024年にSu-30を4機で飛行停止措置を迫られた。 整備方法を見つけ、スペアパーツを調達する方法を確立するまでは、任務を遂行できるようにすることはできない。2025年末までに、さらに10機がこの状態に陥るだろう。


F-16の問題は承認

ベトナム政府関係者は、F-16はC-130よりも米国議会の承認が複雑になる可能性があると強調していた。 ウクライナがF-16で経験した困難から、ハノイはまたAIM-120AMRAAM空対空ミサイルのようなF-16用の高度なミサイルがベトナムへの販売を許可されないかもしれないことを心配している。

 もうひとつ複雑な要因は、安価な旧型F-16の在庫がもうほとんどないことだ。ベトナムはおそらく新型のF-16Vのいずれかを選択しなければならないだろうが、これは高価であり、またAN/APG-83 AESAレーダーを搭載しているため、技術流出の問題にも脆弱である。


NATO F-16 Fighter. Image Credit: Creative Commons.

NATOのF-16戦闘機。 画像出典:クリエイティブ・コモンズ


 この協議に詳しい米国の業界代表によれば、ハノイがF-16を調達する資金を米国が援助する可能性があるという。■


Vietnam Has Reached An Agreement to Buy U.S. F-16 Fighter Jets

By

Reuben Johnson

https://www.19fortyfive.com/2025/04/vietnam-has-reached-an-agreement-to-buy-u-s-f-16-fighter-jets/


文/ルーベン・ジョンソン

ルーベン・F・ジョンソンは2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の生存者であり、現在はFundacja im.の対外軍事問題専門家である。 ワルシャワのFundacja im. Kazimierza Pułaskiegoの対外軍事問題専門家であり、国防技術や兵器システム設計の分野で国防総省、複数のNATO政府、オーストラリア政府のコンサルタントを務めている。 過去30年以上にわたり、ロシア、ウクライナ、ポーランド、ブラジル、中華人民共和国、オーストラリアに滞在。



2015年8月9日日曜日

★南シナ海>ベトナム漁船を追尾し衝突してきた中国海軍艦船



海洋法が定めるルールは世界各国が尊重するべきものですが、中国は別のようです。さらに海上衝突をしかけてくるというのはどういうメンタリティなのでしょうか。この報道は日本ではされていないようなので、お伝えすることにしました。中国国内で報道されているのか知りませんが、報道しても不当なベトナム漁船を排除した、とか都合のよい内容になっているのでしょうね。

Report: Chinese Navy Warship Rammed Two Vietnamese Fishing Vessels

By: Sam LaGrone
August 7, 2015 3:52 PMUpdated: August 7, 2015 4:14 PM

An undated photo of a Chinese Type Yuting II Type 072A tank landing ship (LST). PLAN Photo
An undated photo of a Chinese Type Yuting II Type 072A tank landing ship (LST). PLAN Photo


人民解放軍海軍(PLAN)の揚陸艦がスプラトリー諸島付近で7月にベトナム漁船2隻に意図的に衝突を試みたことが現地報道で伝えられているとし、海軍情報部は域内を通航する船舶に注意喚起している。

  1. 漁船乗組員の証言が Nguoi Lao Dong 現地新聞にあり、7月21日にスプラトリー諸島西15カイリ地点で「艦船番号994の中国船が突然姿を現し、警笛を鳴らしながら接近してきた」中国船は漁船に放水しつつ30分にわあたり追尾してきた。
  2. 「衝突しそうになったので遠ざかるよう操舵したが、なぞの艦はそのまま追跡してきて右舷側に衝突してきた」と船長Nguyen Nhat Ngocが同紙に語っている。同船長は重武装の中国艦は二回衝突をしてから追尾をやめたという。
  3. 「もうひとりの地元漁民Thanh Ninh によれば7月23日にも同様の攻撃を同じ中国艦(艦番号994)がしかけてきたという」(Thanh Nien新聞)
  4. 海軍情報局(ONI)によれば艦番号994は4,800トンの宇霆 Yuting II タイプ072A戦車揚陸艦の Daiyun Shan  (994)だ。同艦の全長は100メートル超。
Screen grab of ONI's Chinese ship identification guide. ONI Image
Screen grab of ONI’s Chinese ship identification guide. ONI Image


  1. 今回の報道は7月に発出されたONIによる世界対象の海運脅威報告(WTS)と照合している。その報告によればPLAN艦船とは断定していなかった。
  2. ベトナム漁業関係者は中国の海警および民間船舶との対立が2014年に中国がベトナム領海内に石油掘削施設を二ヶ月にわたり設置して以来増えているという。
  3. 「中国による挑発行為はベトナムが米国と高位レベルの接触を拡充する中で発生している」と The Diplomatが7月に報じている。
  4. ジョン・ケリー国務長官は8月6日に中国の南シナ海での進出ならびに同地域内のアクセスを制限しようとする動きを非難している。
  5. 「航海の自由、上空飛行の自由は国際海洋法上の基本部分だ」とケリー長官はクアラルンプールで開催中の東アジアサミットで発言しているとロイターが伝えている。「それぞれの自由を尊重するというが、ここにきて制約を加えようとする動きに警告をだしているところだ」
  6. 一方で中国はスプラトリー諸島内で埋め立て工事を続行しており、3千メートル級滑走路をフィリピンに近いフィアリークロス礁に建設中だ。■
 
 

関連

南シナ海で軍事衝突は発生するのか

ジェフ・ペンソン海軍中佐によれば近代中国の父鄧小平は南シナ海を「太古の時代からの」中国の領土と位置づけている。この20年ほど中国は南シナ海での軍事衝突を回避してきたが、情勢が緊張してきたのは間違いがない。


2014年10月7日火曜日

ベトナム向け武器売却解禁に出たアメリカの狙いは



ベトナム経済は堅調ですし、地政学的にも中国の南方で海洋アクセスを抑える重要な位置にありますので、単に中古機材を押し付ける相手ではなさそうですね。今回の米越接近は日本にとっても考えさせられるニュースではないでしょうか。

New Vietnam Ruling Could Open Door To Further Exports

Oct. 4, 2014 - 03:30PM   |  
By AARON MEHTA   |   CommentsNew Life for old Planes: US-built P-3 Orion maritime patrol aircraft are among the equipment Vietnam may want to purchase, after the US loosened its regulations governing sales to Vietnam.
P-3オライオン哨戒機はベトナムが導入を希望する機種のひとつ。米国が武器輸出の規制を緩和した事が大きい。(MC2 Jillian Lotti/ / US Navy)

WASHINGTON — ベトナム向け武器輸出の解禁が決定されたが地域バランスと米国産業界双方に影響が出そうだ。
  1. ベトナム向け武器輸出がベトナム戦終結後はじめて可能となるが、ときあたかも中国が南シナ海で敵対的な姿勢を強めている。
  2. ただし販売は海洋防衛に限定し、合衆国政府は事案ごとにベトナム軍への売却の可否を検討する。
  3. ベトナムの海上防衛力の強化を人権侵害を発生させずに実現するのが目標と国務省関係者が説明している。
  4. 国務省は今回の決定はベトナム関係の改善を背景とし、中国をけん制するものではないと説明している。
  5. 米越関係はこの数年間で好転し、とくに2010年にヒラリー・クリントン国務長官(当時)のハノイ訪問以降に顕著だ。国務省は人権面で一定の進展がベトナムに見られたと指摘する。
  6. だが中国の好戦的な態度が大きくなっていることは否定出来ない。この夏には中国軍がベトナムが領有を主張する海面で石油掘削施設を完成させ、両国の海軍部隊が緊張する場面があったばかりだ。
  7. 中国は同施設を撤収したが、この事件でベトナムは北の隣国の「向こう側を見通す」必要性を痛感した。
  8. 中国としては南の隣国への武器引き渡しを歓迎できないところだ。
  9. 「中国を意識した事前集積で、中国としては不快だ。が、過剰反応はしない。中国とベトナムの間に危機的状態があるわけでないから。だがオバマ大統領がAPEC会合で北京へ来たらこの話題は避けられないだろう」(上海交通大学のZhuang Jianzhong of Shanghai Jiao Tong University )
  10. 国務省の解釈では海上防衛手段は航空機を含む。これは予算削減が続く米産業界にとって海外販路を拡大し利益を計上する好機となる。ベトナムは金鉱になるかもしれないとTeal Groupのリチャード・アブラフィアは言う。「いつの日にかベトナムは米国製装備の重要市場になるかもしれません」
  11. 中でも米海軍の余剰P-3の売却が可能性が高いとアブラフィアは見る。米海軍はP-8導入でP-3の退役を進めている。
  12. また中古C-130輸送機も海上救難捜索任務に最適だ。沿岸警備隊のC-130Hが候補で、C-130J導入で余剰になっている。.
  13. そこで注目すべきはジョン・ケリー国務長官が2013年末に発表したベトナム向け高速非武装パトロール艇5隻供与の案件だ。前出の国務省関係者によればベトナムからは当初想定の5隻への関心は示されておらず、武装カッターの発注に関心を示しているという。
  14. ベトナムヘ米企業が強気の期待を寄せるが、米政府も同様だ。
  15. 国務省は残る武器輸出解禁の予定はないとしながら、将来に含みを残す。「関係の変化あるいは人権面で進展が見られれば、次の段階に進める可能性が高くなる。したがって進展があるかぎり解禁がないとはいえない」■