ラベル トーネード後継機調達 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル トーネード後継機調達 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年12月16日土曜日

ドイツ制服組はF-35に期待し、国防省はヨーロッパ製品第一を掲げる

ヨーロッパが自信をつけすぎたのか、米国が信用を無くしているのかわかりませんが、
空軍将官の見方と官僚の価値観がことなっているということでしょうか。
EUの頭でっかちな官僚主義(EU指令)を思い起こすものもありますね。
末尾で出てくるB61核爆弾はNATOが共同運用することになっている核抑止力ですね。
実際には米国が運用のカギを握っており、ここも考えると米製装備が圧倒的に有利なはず
なのですが。

U.S. still sees prospects for German fighter jet sales 

ドイツ次期戦闘機選定に期待する米側の思惑

Tornado - RIAT 2009 (3794714860)
By Tim Felce (Airwolfhound) (Tornado – RIAT 2009) [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons
http://alert5.com/2017/12/15/americans-still-believe-theres-a-chance-to-replace-german-tornados-with-u-s-fighters/#KZILdzB5XmbT2YHy.99 で詳細を読む

BERLIN, Dec 14 (Reuters) -
  • ドイツ国防省がトーネード(85機)の後継機種にユーロファイター・タイフーンを検討と発表したが米軍関係者は米戦闘機売却の可能性に依然として期待する。
  • 国防省は12月11日に空軍参謀総長カール・ミュルナー中将Air Force Chief of Staff Lieutenant General Karl Muellnerの談話から距離を置いた。参謀総長はステルス性能、長距離攻撃能力からロッキード・マーティンF-35が望ましいと以前発言していた。
  • 同省は参謀総長の見解に合意せず、第一義的にヨーロッパ製装備を検討し、米製戦闘機三機種は二次的な選択肢に過ぎないとした。また総合的な判断で決定すると述べた。
  • ワシントンは来年3月31日までにドイツが発出したF-35、並びにボーイングのF-15、F/A-18E/F各機の情報開示請求への回答を迫られる。なお、ドイツはユーロファイターへも同様の請求をしている。
  • 同省はトーネード後継機候補の評価結果を伝えるとも述べている。トーネードは2030年ごろ退役予定で、「2020年代の調達を前提で提案を募りたい」としている。
  • 米軍関係者の一人は選定手続きは実質上もう始まっていると見ている。「米国は米国製装備が十分競争力ある対象だと自信を持っている」という。
  • 米国法体系により米政府は海外における選定競合では米国製品をすべて平等に扱う義務がある。
  • ロッキードはドイツ国内でロビー活動を大々的に展開しており、F-35シミュレーター体験を国防省関係者や議会関係者にさせているほか、ドイツ空軍の要求内容に同社製品は十分応える「実証済み性能」があると述べている。
  • 同社はまたベルリン上空を飛ぶF-35の合成大判写真を展示している。「当社は開かれて公平な競争を期待します」と同社広報は述べている。「F-35がNATO空軍力に最適の選択であり信頼できる抑止力効果を将来にも実現する」と見ている。ボーイングからはコメントは出ていない。
  • 米政府はドイツ側にボーイング各機の戦闘能力を先月開示し、ロッキード製品については7月に先行実施していた。
  • ドイツでユーロファイターの代理店となるエアバスは書簡についてコメントを拒否している。
  • ユーロファイター事業は英国もBAEシステムズが、イタリアはレオナルドを通じて参加しており、ドイツ軍に機体の更なる開発でどこまで能力を増強できるかの情報を提示済みだという。
  • ドイツがNATO貢献で重視するのがドイツ西方の基地に厳重保管中の米核兵器B61爆弾の運用能力だ。
  • ユーロファイターでは核爆弾運用に改装と運用証明が必要となり、ワシントンが素直に首を振るとは思えない。F-15はすでに証明取得済みで、F-35は2020年代初頭にこの能力を獲得する見込みだ。■



2017年10月2日月曜日

★ドイツがF-15(F/A-18)導入の構えを示し、思わず経済効果を期待するセントルイス地元紙報道をご覧ください。



さすが地元紙ですね。ちゃっかりボーイング受注で予測される経済効果にそろばんをはじいています。そういえばこれまでドイツがF-35に食指を動かさなかった理由があるのでしょう。ユーロファイター・タイフーンが運用に面倒な機材になっている分だけしっかり稼働するF-15などが魅力的に見えるのでしょうか。F-15やF/A-18E/Fにもまだまだチャンスがあるということですね。それにしてもヨーロッパは結構面倒な市場ですね。

Germany asks for Boeing fighter data as weighs order options

発注検討中のドイツがボーイングに戦闘機データ開示を請求
By Andrea Shalal Reuters
Sep 29, 2017
Boeing-made F-15 fighter
ボーイングF-15はセントルイス製だ。ボーイングの防衛部門に陽光の兆しが見えてきたのか。(Boeing Corp. photo)






  1. BERLIN •ドイツ政府が米軍にボーイング製戦闘機二機種の機密情報開示を請求した。ドイツはトーネード後継機を検討中で成約となればカナダ、英国との紛糾で動きが取れない同社に大きな商機となる。
  2. ドイツ国防省の企画計画部の書簡はロイターによればボーイングのF-15とF/A-18E/Fをトーネード後継機として想定している。ともにセントルイスが生産拠点だ。
  3. 機密情報の開示は11月にも行われる見込みで、同様に7月には米側がF-35戦闘機の情報開示を行っている。
  4. 同省によれば同様にヨーロッパの大手エアバスにもユーロファイター・タイフーンの情報開示を求めている。
  5. この案件はボーイングにとってはカナダ、英国と揉めている同社にとっては大きな追い風になる。同社の訴えで米国政府はボンバルディア製Cシリーズに220パーセント関税をかけるようになった。
  6. ボーイングは米国政府と連携しドイツが請求中の情報開示に向け作業を開始している。
  7. ドイツは2018年中にトーネード後継機の決定をする予定で、7月にフランスと共同で戦闘機を生産する構想を発表している。だがこの新型機が稼働開始するのは2025年以降と見られ、それまでトーネード戦闘機は用途廃止を迎えてしまう。
  8. 内部に詳しい筋によればドイツは二段構えで既存機種をトーネード後継機として導入する一方でフランスと共同で新型ヨーロッパ製戦闘機をユーロファイター後継機として調達する方針だという。
  9. 専門家によればトーネード後継機発注の規模は数百億ドル規模になるが、ドイツはまだ導入機数と導入予定を決定していない。
  10. 書簡は正式な情報開示請求の形で価格とともに米国製戦闘機三機種の調達可能背について9月末時点の情報を求めている。
  11. 英国からボーイングに今週に将来の防衛契約で暗雲となる通告が届いている。これはカナダのボンバルディアとの貿易問題に端を発しており、米国による関税適用により英国の北アイルランドで4,200名分の雇用が危機に瀕していることを特記している。北アイルランドではCシリーズの炭素繊維主翼の生産が実施されている。
  12. カナダ首相ジャスティン・トルドー Justin Trudeau からも紛糾が解決しない限りボーイングF/A-18スーパーホーネット18機の調達は凍結すると発言があった。
  13. そこでドイツが米国製戦闘機導入に動けばエアバス労働組合からの強い反対は必至で、ドイツ国防省が米国製ヘリコプター二機種を大型ヘリコプター調達の選定対象としたことで同労組からは疑義が出ている。
  14. 英国、オランダ、ノルウェー、トルコ、イタリアといったドイツの主要同盟国でNATO加盟国はすでにF-35導入で現行機の交替を予定しており、ほかにもスイス、ベルギー、フィンランドからも第五世代機への関心が表明されているのはロシアとの緊張が今までになく高まっている中の傾向だ。
  15. 軍事筋によれば米製戦闘機を導入すればユーロファイターの技術問題に直面するドイツにとって理にかなった選択になるという。■