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2011年9月21日水曜日

F-35 テストは順調に進展中

Lockheed Wraps Up F-35 Structural Testing

aviationweek.com  Sep 20, 2011     By Amy Butler
                                                        
ロッキード・マーティンの共用打撃戦闘機開発は静的構造テストを完了したことで重大課題5件のひとつを達成し、報奨金の受け取りが期待できる。

今回達成したF-35Cの静的テストはA型B型ではすでに完了している。2011年予定の5つの課題の中では難易度が一番低いとはいえ、同機開発が正しい方向に向かっていることは確実だ。:

同社は2010年に合計6億ドル以上の報奨金を得ているが、今年は35百万ドルを獲得している。さらに以下の各課題につき7百万ドルを手に入れることができる。

*F-35Bの空母運用試験
*カタパルト発信および拘束着艦試験
*ブロック1Bソフトウェアの訓練開始
*ブロック2ソフトウェアを飛行テスト用に使用可能とする
*F-35C艦載型の静的モデル公試
同 社F-35開発統合担当執行副社長トム・バーベッジTom Burbageによると特別装備の二機のF-35B短距離離陸垂直着陸型(Stovl)を揚陸艦ワスプに搭載する準備が進んでおり、10月第一週に実施す るという。これが艦載公試の皮切りで艦艇と同機のインターフェースを見ることになる。公試期間中に合計67回の垂直着艦をワスプで試す予定だ。

こ れとは別にF-35テストチームと米海軍はジェット噴射偏向板のテストを実施している。同機の飛行運用の効果測定として偏向板は艦と搭載機を発進時の高温 ジェット噴射から守る役目がある。バーベッジによると現状の偏向板を改修する必要なく、F-35Cを空母に導入できると確認できた。同機の空母上の公試は 来年春に開始となるという。

現時点でStovlテストは合計156回実施され、ロッキード・マーティンによるとテスト飛行で一時中断はあったものの、年間計画では8%計画を先行しているペースだという。本年に入ってからの飛行回数は以下のとおり。

*F-35Aによる通常型離着陸 314回
*F-35B Stovl: 226回
*F-35C艦載型 102回 
 
テストは順調に進んでいるが、資金確保では逆風状態だ。バーベッジによると同社は2013年度予算で上院歳出委員会国防省委員会が提唱している大幅予算削減の効果を慎重に検討しているという。

2011年1月5日水曜日

F-35飛行テストの現況 今年の目標

F-35 Begins Year With Test Objectives Unmet
aviationweek.com Jan 4, 2011

1. F-35共用打撃戦闘機の飛行テストは2011年になりペースがあがるものの、2010年の当初の目標の多くは未達成のまま年を越しており、このままでは開発計画に大幅な変更が加わりそうだ。
2. 飛行回数こそ目標の394回を上回ったものの、通常型離着陸(CTOL)型ではパイロット訓練開始、短距離離陸垂直着陸(Stovl)型の訓練、初の艦船運用の目標はいずれも昨年中に実現出来ていない。.
3. CTOL型F-35Aの「訓練開始状態」(RFT)飛行許可習得に必要な飛行テストは1月中に完了する予定とされ、RFTがあれば生産型のF-35の飛行が可能となる。
4. F- 35の低レート初期生産(LRIP)バッチ機体であるAF-6およびAF-7のエドワーズ空軍基地(カリフォーニア州)への搬入は5月の予定で開発テストを加速するだろう。一方、LRIP2バッチ機体のAF-8以降はエグリン空軍基地(フロリダ州)の訓練センターに引き渡される。
5. LRIP1および2のRFT許可では飛行速度は350ノット、マッハ0.8,4Gに制限されるが、2011年中にこれがLRIP3の機体で550ノット、マッハ0.95、7Gまで許可される。各機はこれまで580ノット、マッハ1.3、7Gまでの飛行を実施している。
6. Stovl タイプのF-35BではRFT許可は通常飛行および推力つき離陸の各モードに関連する。さらに艦船運用の許可も加わるが、これが2011年までずれこんだのは機構上の信頼性の問題がテスト機体で見つかったため。これを克服して、月間の飛行回数は昨年下半期から増加しているという。
7. エドワーズ基地のF-35Aは6月以降は月間平均10回のフライトをこなしているが、パタクセント海軍航空基地(メリーランド州)のF-35Bの飛行回数はなかなか上がっていない。サンキの月の平均飛行回数は9回だった。
8. 問題原の冷却ファンを交換し、信頼性の低い上部リフトファンのドアの作動機構の設計変更を行ったところ、問題はなくなったとする。
9. 垂直着陸は9月に補助インレットドアのヒンジで疲労が見つかって以来中止となっていたが、今月中に再開の予定。ヒンジの部品を再設計し、リフトファンのドアの作動方法を変更し、補助ドアにかかる荷重を減らすことで解決したという。
10. リフトファンのドアは120ノット以下では65度に開放され、速度がそれ以上になると35度になる。ただドアを完全に開けると、補助インレットドアの荷重が減るので、リフトファンのドアは165ノットまでは65度に固定して短距離離陸をすることになる。
11. 2010 年3月からこれまでの垂直着陸の実施回数はわずか10回で、このうち7回しか最低40快必要な艦艇運用の開始条件に合致していない。当初は3月の予定であった艦船での運用テストは8月から11月になりそうで、LHD型の揚陸艦型空母に改造を加え、Stovl運用に際し艦船上の運用を記録する測定装置を取り付ける工程からテスト実施時期が決まる。
12. これまでのところの飛行テスト結果は各型で順調で、空中給油および向かい風下での着陸を実施している。ミッションシステム系のソフトウェアの安定性は満足のいく水準で、センサーの性能も期待通りだという。
13. 亜音速飛行をCTOL型のF-35Aで行ったところ主翼でロールオフが発生しているが、すでに予想されていたので解決策を実施中だという。その中にはリーデイングエッジ、トレイリングエッジのフラップ位置と角度の変更過程の変更がある。ロールオフが発生するのは衝撃波が迎え角の変化と非対称に主翼上を移動しないためだ。
14. そこで同じ解決策をStovl型F-35Bと艦載型F-35Cにも試すことになる。とくにC型の主翼は大きくなっており、スポイラーが飛び出す設計になっている。そこでF-35Cの2011年内のテスト項目にはRFT取得に加え、陸上に設置したカタパルトおよび拘束装置の使用テストをレイクハースト海軍航空基地(ニュージャージー州)で実施することが入っている。
15. 全体としてのF-35飛行テスト実績は2010年は目標の3,700テスト項目達成にあとわずかまで行ったが、F-35AとF-35Cが先行している一方、 Stovlおよびミッションシステム系のテストが目標を下回っている。このため2011年は未達成のテスト項目をクリアしてStovlのRFT取得と艦船運用の許可を獲得することが大きな目標だ。
16. 一方、F-35開発計画の大幅修正が2月早々に発表される見込みだ。