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2019年12月7日土曜日

F-3はこんな機体になる。F-35と併用する近未来の日本の航空戦力の姿とは

ご注意 今回の記事には新しい情報は少ないです。時間の無い方はとばしてください。それはともかく、F-3がF-2後継機というのは無理があるきがします。かといってF-15、F-2の代わりをつとめるためには派生型の開発もすすめるのでしょうか。一機種で全部のミッションをこなせるのでしょうか。予算が厳しく機種の統合がこれから進むと思いますので、多任務をこなせるだけの機体システムの余裕が最初からほしいところです。機体重量が20トンというのが本当なら相当の大型機になりますね。小型軽量の「格闘」戦闘機という概念はもはや死につつあるようです。F-15JSIはそれまでのつなぎなのでしょうか。

Why Is Japan Buying F-3 Fighters Instead of the Stealth F-35 日本がステルスF-35ではなくF-3戦闘機調達に動くのはなぜ

They've got a plan.ちゃんと計画している。
December 6, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryTechnologyWeaponsWarJapan
Key Point: The F-3 is a better fit for the Japanese domestic aerospace market. F-3は日本の航空宇宙マーケットに適化した機種になる。
本は2019年2月にステルス戦闘機の開発方針を一歩進めた。これに先立ち、F-35を100機超米国より導入する決定もしており、2018年にはX-2ステルス戦闘機試作型の事業を中止している。

防衛省の発表では新型機開発に乗り出すとし、現在のところ新型機の名称は次期戦闘機あるいはF-3として中期防衛計画に記載があり、自衛隊装備の近代化努力の一環として今後10年かけ整備するとある。

中期防に新型戦闘機が追加されたことに驚いたが想定外というわけでもない。日本は周辺地域の安全保障環境悪化を受けて防衛費を大幅増加させる動きを示しているからだ。

だがF-3とはどんな機体になるのか。

防衛省によればF-3は現行の三菱F-2の後継機となる。F-2は米F-16を発展させた単発軽量戦術戦闘機で日本発の技術を追加している。

同機は21世紀初頭では最先端機の位置づけで、AESAレーダーや複合材を採用しレーダー断面積の最小化を狙っていた。また主翼の拡大で対艦ミサイル搭載も可能となった。F-2は2011年に生産終了しており、2030年代に用途廃止となる。

だがF-3はF-2と相当異なる機体になりそうだ。日本が構想するステルス戦闘機の二案はともに双発機となっている。

これには訳がある。双発機は信頼性が高く長距離哨戒飛行で有利だ。F-15Jも双発機だがF-2同様に供用期間に終わりが来る。新型機は両機種の後継機になりうる。

では単発機のF-35はどうか。F-2後継機ならF-35が理屈にあうはずだ。
百機超のF-35を日本が導入するが老朽化著しいF-4EJの退役の穴を埋めるものと説明がある。導入は日本の防空で即応体制の整備につながる。日本としてはX-2の開発終了を待つ余裕がないということだろう。

空母化するいずも級に搭載するF-35Bの導入は前方基地や劣悪環境の航空基地からの運用も視野に入れている。日本は遠隔島しょ部の航空拠点での作戦が可能となる。F-3ではこれは務まらない。

そのかわりF-3には大型機内兵装庫がつき、F-35(F-2より搭載量が少ない)以上の攻撃力が実現する。F-2には複座型もあるが、F-35には複座型はなく、F-3でも攻撃ミッション用に複座型が生まれるはずだし、今後登場する戦闘無人機編隊の「母機」になる可能性もある。

同時にF-3は日本の航空宇宙技術力維持の手段にもなる。F-2でF-16を原型とする決定が国内で議論の種となったのは米国からの技術移転が少ないためだった。そこで防衛省はF-3調達で国内産業界への効果を重視する。F-35生産で日本は一部作業にしか従事していないのと対照的となる。

とはいえF-3は今後長年に渡り自衛隊の重要装備となる。同機は中国の急速な空軍力増強に対応しながら十分な機数の調達が可能となる機体価格を実現スル必要もある。あるいは輸出市場で競争力を発揮するかもしれない。反対に失敗すれば日本国内の戦闘機開発は挫折する。■
Charlie Gao studied Political and Computer Science at Grinnell College and is a frequent commentator on defense and national security issues. This article was first featured earlier in 2019 and is being republished due to reader's interest.

2016年7月20日水曜日

★★★F-3事業に参画意欲を見せるボーイング、ロッキード・マーティン




Boeing, Lockheed Martin emerge as early rivals for Japan's fighter contest


Jon Grevatt, Bangkok - IHS Jane's Defence Weekly
19 July 2016
  
Japan's Mitsubishi F-2 multirole fighter aircraft. Source: Japanese Air Self-Defense Force

  1. 航空自衛隊JASDFがめざすF-2多用途戦闘機の後継機種をめぐり、ボーイングロッキード・マーティンがともに参画の意向を表明した。
  2. IHS Jane’sが両社へ7月19日照会したところともに日本での実績をもとに同事業参入を目指していることがわかった事業規模は200億ドルといわれる
  3. 防衛省は情報提供要求RfIを発出済みで、2018年4月までに「次期戦闘機」の決断を下すとみられる。
  4. F-2は2000年代に三菱重工業MHIとロッキード・マーティンの共同事業で製造され、2027年ごろまでに全機退役する。
  5. ボーイング広報によれば同社はF-2後継機の要求内容を検討中だという。「日本で当社の存在意義を大きくする方策は常に考えており、日本での安全保障ニーズに応えたい」
  6. ロッキード・マーティン広報は「日本から各社に情報の要求が出ているが、当社もこれまでの日本との関係をさらに強化する今回の機会を活用したい」とし、「F-35事業とF-2でMHIと実績が成果を生んでいることは誇り」とする。
  7. RfIは6月に出ており、各国の戦闘航空機メーカー宛に送付されている。RfIは7月はじめに締め切られており、米二社に加えユーロファイターSaabもプレゼンを8月末に行う見込みだ。
  8. RfIは既存機種での検討の一助にするほか、各社の事業参加への意欲をさぐることのがねらいだ。MoDはF-2後継機を純国産あるいは共同開発ですすめるかの決断を下すが、後者の場合は既存機種を原型にするとみられる。■


2016年2月15日月曜日

★★航空自衛隊の戦力整備方針はこのままでいいのか



X-2公開で事情をよく知らないマスメディアなど大騒ぎしていますが、さすがアナリストの視点は冷徹ですね。いよいよ日本も国産開発にこだわる姿勢を捨てて費用対効果、リスク低減効果を大上段に国際共同開発に進むのか、いくらお金をかけても国内産業基盤整備を貫くのか方向を決めなければいけない時期にきているのでしょう。(これは航空関係だけの話ではありませんが)皆さんはどう思われますか

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Japan Faces Challenging Choices for Cash-Strapped Air Force

By Paul Kallender-Umezu, Defense News11 a.m. EST February 14, 2016
TOKYO — 航空自衛隊へ懸念が高まっている。第五世代機導入を少数にとどめ大部分がF-2とF-15で構成する第四世代機のまま、相互運用性がない機種を開発していいのかという声だ。
  1. 現状の予算では航空自衛隊はF-35をわずか42機しかも年間数機のペースで調達するが、貴重な財源を旧式機の改修に割り振っている。今年の航空自衛隊の調達はF-35を6機、F-2の近代化改修はデジタル通信装置をつける11機にとどまる。
  2. 鳴り物入りで公開に踏み切った第五世代機X-2心神ステルス実証機および海上自衛隊のDDHいずも級ヘリコプター空母への短距離離陸垂直着陸F-35Bの導入可能性は航空自衛隊が分かれ道にきていること、より実効性のある戦力整備が課題であることを示す。しかし実施できるのか。
  3. Tealグループ副社長のリチャード・アブラフィアは予算制約、費用とF-2に将来がないことから、航空自衛隊が想定するシナリオではF-35追加調達とF-15改修の可能性が一番高いとみる。日本が新型のF-15を導入する選択肢もあるが、42機のF-35が優先順位が高く追加F-15の予算はねん出不可能だろうと語る。
  4. 「F-15が今後も航空自衛隊の最重要機種の地位に留まるのは確かです。航続距離、ペイロードでF-15は大変有能な機種で改修が高い優先事項です。F-15はF-35と相乗効果を上げるが、F-2改修はどちらかといえば三番目の優先事項でしょう」
  5. 「日本はF-35に相当の投資しているとはいえ、今以上の機数をすぐには調達できない状態です。F-2の重要度は国内防衛産業の温存だけといってよい」と語るのはスティーブン・ガンヤード(アヴァセントインターナショナル社長)だ。ガンヤードは一番すっきりする選択肢はF-15の改修で、航空自衛隊のF-15は耐用年数は残っているものの性能改修は避けて通れないと指摘した。
  6. 「日本にとっての脅威は中国の戦闘機ではなく、数千発に上る巡航ミサイル・弾道ミサイルで九州から南が分断されてしまうことです。これこそF-35とAESAレーダー搭載の改修F-15が必要な理由で低空飛行する巡航ミサイルの一斉発射に対抗するのです。同時に南西諸島には移動式レイルガンの配備が重要になるのではないでしょうか」(ガンヤード)
  7. その観点で日米は共同開発で費用負担をし、リスク低減と相互運用性を引き上げる方向に進むはずだ。その成果となるのは米国、イスラエル、オーストラリア、シンガポールも今後保有するのと同じ構成の空軍部隊で、第五世代機と能力向上第四世代機を組み合わせ統合運用を行うのだ。
  8. だがもっと根深い問題は各アナリストが見るように国際市場で競争力が大してない機体への資金投入を中止できるかという点で、F-2、C-2、P-1がその例だ。浮いた資金を研究開発の重要案件のほか、自国で製造できない装備の調達にあてるのである。.
  9. そうなると心神は無駄な支出にしか映らないとアナリスト陣は見る。
  10. 「心神が低価格ステルス戦闘機になってヨーロッパや米国が共同開発に関心を示す機体になるでしょうか、インド、オーストラリア他の各国が真剣に購入を検討するでしょうか。実現すれば機体単価を相当下げますが、心神の今後でよい点が見えてきません」と語るのは明治大学国際総合研究所客員研究員奥村準だ。奥村が以前所属していた経済産業省は国産防衛装備開発を支援している。
  11. アブラフィアも心神への資金投入は数十億ドル使ってよくわからない機体を作るだけなら防衛力整備で逆効果と見る。「防衛上のニーズよりも技術開発と自尊心の国家的な象徴にしかならないでしょう。ただし輸出を視野に入れた高い目標が本当にあれば話は別でしょうが」
  12. 一方で日本がF-35B取得に向かうとの観測が数年前から強まっている。DDHいずも級ヘリコプター駆逐艦にF-35B運用も可能な昇降機が装備されていることも材料のひとつだ。
  13. 「F-35Bはぜいたく品であり航空自衛隊が真剣に調達するとは思えない。航空母艦は低速で脆弱性があり、多大な支援を必要とする。海軍力を南シナ海以遠まで投射する意図があり、日米同盟が崩壊するのでない限り導入の可能性は考える価値がないですね」(奥村)
  14. アブラフィアも同意見で、固定翼機の空母航空戦力は兵力投射や域内プレゼンスの観点では魅力があるが、日本には高すぎる買い物だという。
  15. 「空母打撃兵力の整備はあまりにも高費用で踏み切れば問題は悪化するだけだ。もし日本が数十億ドルの防衛予算追加を決意すれば話は別だが、17機のV-22導入も何とか支払える範囲だったのではないか」
  16. だがガンヤードはF-35B導入が遠のいても米海軍の新鋭フォード級空母に搭載した電磁航空機発進システム(EMALS)にヒントがあるという。
  17. 「DDHにEMALSと拘束装置をつければよい。斜め飛行甲板をつけ、若干排水量と全長を伸ばせば海上自衛隊も固定翼機運用に復帰できる」
  18. 「ここまの方向転換では政府上層部もおいそれとは動けないだろうが、日本が空母戦力を再度整備すれば得られるメリットは戦略的に大きいのではないか」■


2015年6月7日日曜日

☆ 航空自衛隊>F-35導入しても戦闘機不足は避けられない見通し



F-35をセンサー機といして作戦遂行の要に当てる構想は米海軍の考えに近いですね。というか米海軍はF-35をF-18の代わりとは考えていないわけですが。一方でF-35の価格がさらに高騰していけば既存各機の改修はおろかF-3開発まで予算不足になりかねません。どちらにせよ2020年代の航空自衛隊の戦闘機材の陣容は今より小ぶりになるのは避けられないということでしょうか。

Japan's Fighter Procurement Crunch

Decisions Await on Legacy F-2, F-15s as Upgrades End
By Paul Kallender-Umezu1:36 p.m. EDT June 6, 2015

635688701501766358-DFN-Japan-F-2(Photo: Japan Air Self-Defense Force)
TOKYO — F-35導入で日本の航空自衛隊(JASDF)は次世代ISR機材を運用することになるが、一方で既存のF-2およびF-15部隊は改修を続けながら機材更新時期を2020年代後半に迎える。
  1. JASDFはF-35を42機を最終的に導入するべく、今年度はまず6機を1,032億円で調達する。さらに国内産業の生産関与に関わる初期予算として177億円を計上し、181億円は装備、訓練用に確保した。日本国内企業は24点の部材を分担生産する。
  2. 防衛省は2011年12月にF-35を80億ドルの概算費用で導入し、F-4ファントムの後継機種とした。F-35の開発遅延と費用高騰はその段階から知られており、選定には国内からも疑問が投げかけられた。
  3. ただリチャード・アブラフィア(Teal Group副社長兼アナリスト)はF-35選択で正JASDFはしい方向に向かっているという。
  4. 「F-35に対抗できる選択肢は他にない。これまでの評価基準の速度、上昇率、さらに操縦性、航続距離、ペイロードは今や最重要ではない。同機はステルス性能を実現し、センサー性能もずばぬけている。F-35が配属されればステルス性能とともに優れた通信ハブ機能が重宝されるだろう。これまでの武装一本槍の機体とは違う。センサー性能と状況把握能力がJASDFのパフォーマンスを引き上げる」
  5. F-35の大きな戦略的意義は米空軍との接続能力にあるとともに、海上自衛隊・米海軍とも接続し作戦能力を高めつつ柔軟な対応が可能になることだ、と話すのはコーリー・ウォレス Corey Wallace(ベルリンのFreie Universität東アジア研究大学院・安全保障研究)だ。
  6. 日本の防衛政策の基本構想は国土から前方の海上での防衛が主眼であり、F-35の有する高性能センサーで海上戦闘空間の状況把握を実現すればリアルタイムで情報が流れ、適切な意思決定につながる、または他の装備に情報を流して優位性が高まる。単なるドッグファイトの機体ではないというわけだ。また同機の高性能電子戦能力も魅力だ。
  7. 防衛省はF-35で第四世代戦闘機をネットワーク化するが、UAVを加えることも可能で、F-35はステルス性を活かしながら戦闘統制に投入できる、とウォレスは言う。.
  8. 「F-35で日米部隊の総合運用はさらに上がり、米国だけでなく他の同盟国とも一体運用が可能になる。ネットワーク性能でイージス艦がF-35のウィングマンになり艦のミサイルの打撃範囲が広がります」
  9. 航空自衛隊は平行して既存戦闘機の大幅改修も実施する。F-15では8機が対象で、F-2でも空対空戦闘能力を引き上げる。
  10. アブラフィアはこの改修内容に注目しているが、なんといっても改修の進展が遅く、規模も限られていると指摘する。JASDFは空中早期警戒機など支援機材をうまく調達しているが、空中給油機は数機追加しないと太平洋上空に活動範囲を広げる際に追いつかない。F-15とF-2の改修も永遠に続くものでもなく、あと10年すれば厳しい選択を迫られるだろうと見る。
  11. F-2後継機にはコストが高くなるが、国産戦闘機が想定されているが、交代時期は2020年台後半となり、F-15も耐久性があるとはいえ、その時点で老朽化するはずだ。「そうなると航空自衛隊で深刻な戦力不足が後10年で発生します」(アブラフィア).
  12. 日本在住の防衛アナリスト陣もF-2後継機種選びで厳しい選択が後10年で必要になると指摘するが、F-15ではそうならないと見る点で一致している。
  13. 「F-2はすごい実力の機体だが、モスボール保存すればF-15に予算をまわすことができる。だがF-15の代わりになる機材がない。F-22が想定されていたが、実現していたら日本はF-35の導入はしなかっただろう」
  14. 「航空自衛隊のF-15はまだ十年以上の機体寿命が残っている。予算を内部装備にまわしたらよい。現にUSAFは2040年までイーグルを運用する予定だ。日本はUSAFと共同して運用コストを下げつつ、必要な技術を共同開発できるはずだ」
  15. 日本は国内産業の参加度合いを高く求めてくることでF-35の導入継続を2020年代まで続けるはずとアブラフィアは見る。
  16. 「他の各国ではF-35が高価格のため現行機種の交代用には手がでないのが現実だが、日本はこれまで一貫して戦闘機に高い値段を払ってきた。F-35はF-15やF-2と価格的に対して変わらない」とアブラフィアは指摘している。■