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2025年3月28日金曜日

フランスのル・トリオンファント級潜水艦の核抑止力上の意義(19fortyfive) ― 米国と欧州の関係が微妙になり、フランスが存在感を増そうとしていますが、核兵器の規模が米国より相当小規模で、政治的なアピールなのかと思います

 France SSBN Submarine.

France SSBN Submarine. Image: Creative Commons.



フランスの核抑止政策を担う戦略潜水艦部隊(FOST)は、最新鋭ル・トリオンファン級原子力弾道ミサイル潜水艦(SSBN)4隻で構成

-高度なステルス技術を装備し、複数核弾頭を搭載可能な強力なM51ミサイルを搭載する各艦は、フランスの第2次攻撃能力を保証している

-海上抑止力となるフランスのSSBNは、戦略的自律性へのコミットメントを強調し、核脅威に対し信頼できる防衛を提供する

-フランスは次世代潜水艦SNLE-3Gを開発中で、2030年代初頭までに、ステルス性の向上、生存能力の向上、ミサイルシステムのアップグレードが見込まれている


ル・トリオンファント級とは: ヨーロッパの水中核抑止力

ランスはヨーロッパで最も強力な軍事力を保有している。 大規模な陸軍、強力な空軍、そしてそれなりの海軍を誇っている。フランスの戦略潜水艦部隊はFOST(Force Océanique Stratégique)として知られ、防衛戦略において重要な役割を果たしている。

 原子力弾道ミサイル潜水艦(SSBN)の艦隊は、フランスの核抑止政策の要である第2次攻撃能力を保証している。本稿では、フランスのSSBN艦隊の構成、能力、今後の展開について掘り下げる。

フランスのSSBN艦隊

2025年現在、フランスは4隻のル・トリオンファント級SSBNを運用している。各艦は以下の通りである: Le Triomphant (S616)、Le Téméraire (S617)、Le Vigilant (S618)、Le Terrible (S619)である。 各艦はM51潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射できる16基のミサイル・サイロを備えている。

 M51ミサイルは、複数独立標的再突入弾道ミサイル(MIRV)能力を持ち、最大10個の弾頭を搭載可能で、潜在的な敵対国に対し強固な抑止力を提供する。

能力と技術の進歩

トリオンファント級潜水艦は、高度な音響低減技術を搭載し、探知が極めて困難である。これには、特殊なコーティングや、発生音を最小限に抑えるノイズ減衰システムなどが含まれる。船体にはHLES100鋼が使用され、ステルス性能に貢献すると同時に、強度と耐久性を提供する。この潜水艦は、水深400メートル超まで潜ることができ、60日以上にわたって姿を隠して活動することができる。

 推進システムは、150MWthを発生するK15加圧水型原子炉で駆動される。この原子力ターボ・エレクトリック・システムは、潜水艦に無制限の航続距離と長期間の潜航能力を提供する。ル・トリオンファント級SSBNは、潜航時に25ノット(時速46キロ)以上の速度を出すことができ、迅速な機動性と探知を回避する能力を有する。

 ル・トリオンファント級潜水艦は、M51 SLBMを発射できる16基のミサイルサイロを装備する。M51ミサイルの射程は最大8,000kmで、熱核弾頭を搭載した複数の独立目標再突入弾道弾(MIRV)を搭載できる。  弾道ミサイルに加えて、各艦は、F17魚雷とエグゾセSM39対艦ミサイルを発射可能な533mm魚雷発射管4基を装備している。これにより、SSBNは水上および水中の脅威に対する堅固な防御力を備えている。

 ル・トリオンファント級SSBNは、DMUX 80艦首・側面アレイソナーやDUUX 5ソナーなどの先進ソナーシステムを装備している。 これらのシステムで他の艦船や水中の障害物を探知する能力を高める。同潜水艦は、敵のレーダーや通信信号を識別し、対抗するのに役立つタレスDR 3000Uシステムなどの電子支援手段(ESM)を備えている。また高度な通信システムが搭載されており、潜航中でもフランスの指揮当局との連絡を保ち、同級潜水艦は命令を受け、戦略的状況に迅速な対応ができる。

常に準備万端

フランスのSSBNは、厳格な抑止ドクトリンの下で運用されている。核兵器の規模と能力は、信頼できる抑止力を確保するために必要な最小限のレベルに維持されるということである。このドクトリンは、生存性と第2撃能力の重要性を強調している。

 SSBNは大西洋で予測不可能な哨戒航路をたどり、潜在的な敵対者による追跡を困難にしている。この予測不能性が抑止戦略の重要な要素であり、フランスの陸上核戦力が損なわれても、報復攻撃の実行を保証している。

 各艦の乗組員は、長時間の哨戒という過酷な状況に対応できるように厳しい訓練を受けている。それぞれのSSBNは、2組の乗組員(ブルーとレッド)が交互に運用しており、乗組員に過度の負担をかけることなく継続的な運用を可能にしている。

SNLE-3G計画

フランスは将来を見据えて、SNLE-3G(Sous-marin Nucléaire Lanceur d'Engins de 3ème Génération)と呼ばれる新型SSBNの開発を進めている。この次世代SSBN計画は、ル・トリオンファント級潜水艦の後継となり、フランスの海上核抑止力を21世紀後半まで継続させることが目的だ。

 SNLE-3Gは、ステルス性、生存性、兵器において最新の進歩を取り入れる。前任艦より大型化し、音響静粛技術を強化し、推進システムを改良する予想がある。また、SNLE-3Gは次世代SLBMのM51.4を搭載し、航続距離と精度をさらに向上させる。

 SNLE-3G潜水艦1番艦の建造は2024年に開始され、鋼鉄切断式はプログラムの重要なマイルストーンとなる。最初の潜水艦は2030年代初頭に就役し、2040年代半ばまで運用される予定である。

 SNLE-3G潜水艦の導入は、フランスが将来にわたり信頼できる効果的な核抑止力を維持することを確実にする。新型潜水艦は、フランスの防衛戦略にとって重要な要素となり、安全で生存可能な第2次攻撃能力を提供する。

 フランスのSSBN艦隊は、信頼性が高く効果的な核抑止力を提供する国家防衛戦略の重要な要素である。ル・トリオンファント級潜水艦は、その高度なステルス性と生存能力により、フランスが継続的に海上抑止態勢を維持できることを保証している。さらに将来を見据えて、SNLE-3G潜水艦の開発は、フランスの戦略的能力をさらに強化し、21世紀まで核抑止力の継続を保証する。

 こうした戦略ミサイル 潜水艦は脅威への究極の保険であり、フランスがいかなる核攻撃にも圧倒的な力で対応できることを保証する。このように、フランスのSSBN艦隊への継続的な投資と開発は、国家の安全保障を維持し、世界の安定を維持するために不可欠である。■


France’s Le Triomphant-class Submarines are ‘Stacked’ with Nuclear Weapons


By

Isaac Seitz


https://www.19fortyfive.com/2025/03/frances-le-triomphant-class-submarines-are-stacked-with-nuclear-weapons/?_gl=1*1invpmj*_ga*MTM2NjY5NDMyNi4xNzQyNDE4OTYx*_up*MQ..


著者について アイザック・ザイツ

19FortyFive防衛コラムニストのアイザック・ザイツは、パトリック・ヘンリー・カレッジの戦略情報・国家安全保障プログラムを卒業した。 ミドルベリー語学学校でロシア語を学び、民間企業で情報アナリストとして働いた経験もある。



2018年1月16日火曜日

★仏ラファールを米空母で今春運用

軍事活動はいよいよ多国間で展開する時代に入っていますね。これが進むと国家間で

装備の共同保有、運用へ発展し、そのうちに軍の組織構造も変わるかもしれません。

当然安全保障の概念がも変わりますが、東アジアでは当面この動きは出ないでしょうね。

French Rafale Fighters to Deploy on Carrier USS George H.W. Bush This Spring 

フランス海軍ラファール戦闘機をUSSジョージ・H・W・ブッシュ艦上で今春運用



フランス海軍のラファールマリンがUSSドワイト・D・アイゼンハワー(CVN-69)艦上で編隊飛行を見せた。Dec. 8, 2017. US Navy Photo


 By: Ben Werner
January 10, 2018 4:50 PM • Updated: January 10, 2018 5:36 PM


ARLINGTON, Va. – フランスは航空要員含む350名を米海軍空母に今春搭乗させる。フランス関係者がUSNI Newsに語った。
 4月から5月にかけFSシャルル・ドゥゴール(R91)は2015年から始めた大修理が完成する予定で航空要員はUSSジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-71)で飛行適性検定を受ける。ただし狙いは検定以外に相互運用の確認とジャン・エマニュエル・ルデルゼ大佐Capt. Jean-Emmanuel Roux de Luze(在米大使館付け海軍武官)がUSNI Newsに語ってくれた。
「米軍との共用運用能力をお見せしたい」と大佐は延べ、「機体整備と兵装搭載の実力をお見せする」
 フランス海軍のダッソー・ラファールM戦闘機、ノースロップ・グラマンE-2Cホークアイはまずオシアナ海軍航空基地(ヴァージニアビーチ)で米航空隊と飛行を開始する。フランス海軍要員は米側と機体整備に取り組むとルデルゼ大佐は説明。その後、フランス部隊はブッシュ艦上に移り、航空隊の一部となる。
 フランス海軍の機材、人員を米海軍で運用する案は昨年12月に発表されており、米海軍作戦部長ジョン・リチャードソン大将Adm. John Richardsonがパリでフランス海軍参謀総長クリストフ・プラザック大将Adm. Christophe Prazuckと会談し合意していた。


フランス空母シャルル・ドゥゴール所属F-1ラファールをUSSハリー・S・トルーマン (CVN-75) 艦上で誘導する米海軍要員。2014年撮影。 US Navy Photo


 水上艦艇協会の国際海軍昼食会で講演したルデルゼ大佐は共同運用で両国海軍間に信頼を醸成しながらそれぞれ補完できる効果を示すことが狙いと述べた。米海軍にとは技術、手順、通信機器が基本的に共通しているという。
 「現時点で95%の相互運用体制にあり、当方の関心はあと10年15年後もこの態勢を維持することにあります」
 米海軍は技術面で他の追随を許さない地位をたえず模索し、新装備開発の先頭を走る。ルデルゼ大佐も米海軍は他国部隊より一歩抜きんでいると認める。「米海軍は規模と戦力微値bbでわが方を必要としておらず他国海軍の手助けも必要としない」
 ただし政治的には米国は多国籍軍やNATO作戦での作戦で正当性を確保する必要があると大佐は指摘。


フランス空母シャルル・ドゴール所属のラファールが空母運用適性検定の一部としてUSSハリー・S・トルーマン(CVN-75)で発艦に備える。2014年撮影。 US Navy Photo

 「フランス海軍は他国海軍部隊と共同作戦を拡充する予定なので他国部隊との共同運用を学ぶ必要がある」とルデルゼ大佐は述べた。

 フランスは対ISIS多国籍軍の空爆作戦で2014年以来大きな役割を果たしている。2015年にドゴールはパリの風刺雑誌シャルリ・エブド編集部がISISに襲撃されたため作戦投入された。同空母はそのほか二回にわたり中東で対ISIS作戦に従事している。■

2015年2月22日日曜日

シャルル・ド・ゴールがペルシア湾内に移動 ISIS空爆作戦まもなく開始か



French Carrier Enters Persian Gulf, ISIS Strike Missions Could Start Soon
By: Sam LaGrone
February 20, 2015 3:04 PM

French carrier Charles de Gaulle. US Navy Photo
French carrier Charles de Gaulle. US Navy Photo

フランスの原子力空母シャルル・ド・ゴールCharles de Gaulle (R91) がペルシア湾に入り、ISIS(ISIL)戦闘員への空爆ミッションをまもなく開始する。国防関係者が20日USNI Newsに伝えた。

同艦はホルムズ海峡を通過し、2月15日に湾内に移動した。すでに展開中のUSSカール・ヴィンソンCarl Vinson (CVN-70) に合流して空爆作戦の準備に入った。

フランス大統領フランソワ・オランドは風刺雑誌シャルリ・エブド襲撃事件の直後に空母派遣ミッションを公表している。「襲撃事件で我が国空母の展開が正当化される」

フランスは同艦派遣で米国と共同でシャマル作戦Operation Chammalを実施する。シャルル・ド・ゴールは任務部隊473旗艦として1月にツーロンを出港。フランス戦闘部隊にはこの他フォルバン級誘導ミサイル駆逐艦シュヴァリエ・パウルChevalier Paul(D621) や少なくとも1隻の原子力攻撃潜水艦、給油艦が加わっている。
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Rear Adm. Eric Chaperon, commander, French Navy Task Force 473, left, and Rear Adm. Kevin Sweeney, Commander, Harry S. Truman Carrier Strike Group 10on the flight deck of the French aircraft carrier Charles de Gaulle (R9) in 2014. US Navy Photo
Rear Adm. Eric Chaperon, commander, French Navy Task Force 473, left, and Rear Adm. Kevin Sweeney, Commander, Harry S. Truman Carrier Strike Group 10on the flight deck of the French aircraft carrier Charles de Gaulle (R9) in 2014. US Navy Photo
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英海軍タイプ23フリゲートHMSケント Kent (F78) が対潜戦(ASW)支援を提供する。
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これまでのところフランスはISIS空爆に戦闘機10機とISR機材が投入されている。

Jane's Defense Weeklyはシャルル・ド・ゴールはダッソー・ラファールMの11F(飛行隊)とダッソー・シュペル・エタンダール・モデルニゼの17Fを搭載していると報じている。

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ペルシア湾移動前にジブチで近接航空支援訓練と「戦術機体・乗員回収訓練および自国民避難訓練」をUSSイオージマ(LHD-7) 上の第24海兵遠征部隊 (MEU) と一緒に実施していることが米国防総省が発表している。■