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2026年9月10日木曜日

地域内軍事大国を目ざすポーランドが新型歩兵戦闘車を発表―装甲車両は今後も重要な装備品だとの主張が見えてきます。ポーランドの今後には注目ですね

Poland has unveiled a full-sized demonstrator of a new heavy infantry fighting vehicle intended to put more armor and firepower between mechanized troops and the increasingly lethal threats of the modern battlefield.

ポーランド国防省

ポーランドの新型重歩兵戦闘車「ラテル」に見える同国の戦略

This Is Poland’s New Heavy Infantry Fighting Vehicle


重装甲車両で有用性が疑問視される中、40トンの「ラテル」は、さらなる防護力と火力を近代化が進むポーランド陸軍にもたらす

ーランドは、機械化部隊と、現代の戦場での致命的な脅威との間に、さらなる装甲と火力を提供することを目的に新型重歩兵戦闘車(IFV)の実物大デモ機を公開した。公開は、ロシアによる脅威を主な要因とし、ポーランドが装甲部隊の抜本的な近代化を推進している中で行われたものである。

2026年9月8日、ポーランドのキェルツェで開催された「MSPO 第34回国際防衛産業展示会」において、Ciężki Bojowy Wóz Piechoty(CBWP、重歩兵戦闘車)が初公開された。写真:オマル・マルケス/ゲッティ・イメージズ

国営企業「ポルスカ・グルパ・ズブロジェニオヴァ」傘下のフタ・スタロヴァ・ヴォラは本日、ポーランドのキェルツェで開催されたMSPO防衛展示会において、「Ciężki Bojowy Wóz Piechoty(CBWP)」、すなわち重歩兵戦闘車を公開した。一般に「ラテル(ハニーバジャー)」と呼ばれるこの車両は、軽量で水陸両用の歩兵戦闘車「ボルスク(アナグマ)」を補完できる、強固な装甲を備えた履帯式戦闘プラットフォームを開発するポーランドの取り組みでの最新の成果である。

「本日公開された実証機は、ポーランド企業が現代の戦場の要求を満たす先進的な戦闘プラットフォームを設計・開発する専門知識を有している姿を裏付けています」と、PGZ経営委員会のアダム・レシュキエヴィチ会長は、公開の席で述べた

約40トンのCBWPは、約28トンの「ボルスク」よりも約12トン重く(車軸が1本増え、両側に7つの走行輪を備えている)、これは設計哲学における根本的な違いによるものである。

ポーランド陸軍第15機械化歩兵旅団が運用する「ボルスク」。米陸軍州兵、マシュー・A・フォスター曹長撮影

「ボルスク」は、水泳能力を維持しつつ、機械化歩兵と共同で作戦行動できる比較的軽量な歩兵戦闘車(IFV)として構想された。一方、CBWPは防護性と戦場での生存性を優先し、NATO加盟国などが開発・運用している重歩兵戦闘車という、拡大中のカテゴリーに位置づけられる。

この車両は乗員3名を収容し、歩兵を最大8名輸送する。その主な役割は、兵士を安全に戦闘地域へ輸送すると同時に、目標地点に到達した際に直接火力支援を行うことである。

ウクライナ戦争は、装甲車両が対戦車誘導ミサイル地雷、砲弾の破片、ロータリング弾薬、そして小型ドローンの脅威にさらされている現状を明らかにした。直接攻撃を生き延びても、履帯、センサー、または外部装備の損傷によって機能不全に陥る可能性がある。

ウクライナは、装甲車両が発見されやすく攻撃されやすくなっていること、したがって重要性が低下していることを示しているが、ワルシャワは装甲車両がもはや無意味であるとは考えておらず、複数の調達プロジェクトが進行中である。しかし、ウクライナ事例は、車両で生存の可能性を高めるために何ができる必要があり、どのように運用されるべきかという点において、その要件を変えつつある。特定の状況下でも、適切に隠蔽され、分散配置され、対ドローン能力と統合されている場合、装甲車両は依然として、世界中の軍隊にとって防護された機動性と火力を確保する上で重要であると見なされている。

PGZによると、CBWPは生存性に重点を置いている。関連するSTANAG規格を満たす高度な防弾・対地雷保護機能を備えている。また、車体下での爆発の影響を軽減することを目的に専用の耐地雷シートも採用されている。

この防護構造は、能動防御システム(APS)で補完することができる。量産車両に統合されれば、このようなシステムは、飛来する対戦車兵器や、場合によっては小型ドローンに対するさらなる防御層を提供し得るが、PGZはAPSを特定の量産仕様として指定するのではなく、オプションの構成要素として説明している。

脅威を検知するため、この車両はOBRA-3システムを含むレーザー警告装置を採用することができ、発煙手榴弾発射機が統合されている。レーザー警告により、乗員は車両が測距儀や照準システムによって照準されていることを把握でき、対戦車兵器が発射される前に反応することが可能になる。

CBWPは、統合型核・生物・化学防護システムも搭載し、乗員および搭乗した歩兵が汚染され環境下でも作戦行動を行えるようにする。

火力は、ZSSW-30遠隔操作砲塔が提供する。これは、ポーランドが現在進めている装甲車両近代化計画において、国内開発された最も重要なシステムの一つである。

この砲塔には、プログラム可能な弾薬を装備した30mm機関砲に加え、ラファエル製スパイク対戦車誘導ミサイルが搭載される。これらの兵器を組み合わせることで、CBWPは装甲車両、歩兵、その他の戦場目標を攻撃できる能力を備えると同時に、空の脅威に対しても一定程度の対応能力を発揮するよう設計されている。特に、プログラム可能な弾薬は、攻撃状況に応じて弾頭の効果を調整できるため、ドローンなどの様々な種類の目標に対してより高い柔軟性を提供する。

「スパイク」ミサイルの搭載で同車両は長射程の対装甲攻撃手段を獲得した。従来の対戦車誘導ミサイルをはるかに凌ぐ「スパイク」は、間接射撃能力を備え、特定の区域上空でホバリングして目標を探索するオプションなども含まれる。

ZSSW-30はまた、拡大中のポーランドの近代装甲車両群に一定の共通性をもたらしており、このシステムはすでに「ボルスク」や一部の「ロソマック」輪式装甲戦闘車両に導入されている。

2023年4月、ポーランドのベモヴォ・ピスキエで行われた合同実弾演習「アンバー・リンクス」において、第15機械化歩兵旅団に所属するポーランド兵が、車輪式装甲戦闘車両「ロソマック」を所定の位置へと移動させている。米陸軍州兵、リアン・M・ヒラノ軍曹撮影

CBWPは、従来の歩兵戦闘車(IFV)と歩兵支援の概念の境界線を曖昧にする戦闘車両トレンドを反映している。比較的規模の大きな歩兵分隊を輸送しつつ、部隊と共に直接戦闘に参加し続けるため必要なセンサーや兵器を備えていることが期待されている。同時に、その高い防護性能のため、車両は著しく大型化している。

新型車両は、ポーランドが推進する広範な軍事近代化の一環に過ぎない。

ワルシャワは、NATOでも最も野心的な地上部隊の拡充・近代化計画に着手しており、2種類の主力戦車、砲兵装備、ロケットシステム、および歩兵戦闘車の大規模な調達を進めている。ポーランドは同時に国内生産能力の拡大も進めており、拡大する軍隊に必要な装備の一部を国内で生産・維持できるようにすることを目指している。

「ボルスク(Borsuk)」計画はその取り組みの中核で、老朽化したソ連設計のBWP-1(BMP-1のポーランド版)を置き換えることを目的としている。

大型CBWPはさらに高い能力を備えているが、重量増にはトレードオフが伴う。軽量な水陸両用歩兵戦闘車(IFV)に比べ、本質的に低機動で、コストも高くなる。その見返に水中移動能力や迅速な展開よりも生存性が重視される任務で、ポーランドの指揮官に新たな選択肢を提供することになる。

このような車両は、地雷、対戦車兵器、ドローンによる脅威が深刻で、防護が最優先される激戦地域で活動する部隊にとって特に重要となる。これは、ポーランドの作戦計画担当者が、欧州東部戦線におけるロシアとの紛争をどのように想定しているかをある程度示唆している。しかし、ウクライナでの教訓が示すように、その品質がどれほど高くとも、装甲戦闘車両の生存性は、それを取り巻くネットワークや戦術次第である。

2026年9月7日、ポーランドのノヴァ・デバにある陸軍訓練センターで行われた戦闘実演において、2両のM1A1エイブラムス主力戦車、ZSSW-30砲塔を搭載した2両のロソマック装輪戦闘車両、および1両のボルスク装軌式歩兵戦闘車を含む、大規模なポーランド軍装甲車両の静態展示の上空を、AH-64アパッチ攻撃ヘリコプターが飛行している。写真:Artur Widak/NurPhoto

とはいえ、CBWPが実戦配備されるまでにはしばらく時間がかかる見込みだ。

PGZには工場試験を目的とした実動可能な実証機が1台ある。同社はその後、完全に機能するプロトタイプを2台製造する計画で、いずれも2027年に完成する見込みだ。

これらの車両はその後、ポーランド軍による集中的な試験を受ける。その結果次第では、量産仕様が確定する前に、防護構造や砲塔の統合、その他の要素に変更が加えられる可能性がある。

開発中のCBWP実証機。ポーランド国防省

PGZは、早ければ2029年に量産開始が可能になる可能性を示唆しているが、このスケジュールは現時点では確定した調達計画ではない。それは、試験の結果、開発中に必要となる修正、および顧客との交渉次第となる。

ポーランドは、CBWP車両を最大700両調達を検討していると報じられている。さらに、ポーランドはこれまでに257両の「ボルスク(Borsuk)」歩兵戦闘車(IFV)の契約を締結しており、より広範な枠組み協定の下で、さらに約1,000両の「ボルスク」シリーズの戦闘車両および特殊車両の導入が想定されている。

計画が成功すれば、ポーランドは最終的に、高度能力を備えた2層構造の履帯式歩兵戦闘車部隊を配備することになる。その中で、CBWPは戦場の最も危険な区域での作戦が想定される部隊に配備されることになる。■

トーマス・ニュディック

スタッフライター

トーマス・ニュディックはTWZのスタッフライターであり、軍事航空、防衛技術、兵器システム、国際安全保障を担当している。ドイツのベルリンを拠点とし、世界中の紛争、軍事近代化の取り組み、新興の航空宇宙技術について報道しており、特に空軍力と現代戦争におけるその役割に関心を寄せている。彼の報道は、現代および歴史的な空軍力、とりわけヨーロッパにおける深い専門知識に基づいており、欧州全域およびそれ以外の地域における軍用航空、空戦、航空宇宙技術の発展に焦点を当てている。


2021年8月29日日曜日

ブラッドレイ歩兵戦闘車両は攻撃力装甲防御力を向上し、米陸軍はこれからの戦闘でも大きな役割を期待し、敵IFVの駆逐を想定。

 

 

米陸軍はブラッドレイの残存性を高める改良を進めている。

 

M2ブラッドレイ歩兵戦闘車両は歩兵部隊隊員を戦場に輸送するのが任務だが、報道陣は戦車と誤解することが多い。軌道走行式で33トンの車重と装甲を施し、25mmブッシュマスター自動機関砲とTOW対戦車ミサイル発射機で武装しているため無理もないところか。

 

ただし、M2への批判派は火力性能が不足と見ている。機械化歩兵分隊は地形を縫い敵位置を偵察し、あるいは敵を待ち伏せし、防衛線を守る、あるいは敵を建物内から追い出すのが役目だ。

 

ただし、M2の歩兵輸送能力に制約がある。初期型では7名しか搭載できず、やっと9名を運べるよう改良されたにすぎない。となると機械化歩兵小隊の輸送にブラッドレイ4両必要となり、全員が一両に乗ることはできない。

 

M2およびM3ブラッドレイは1,800両近く供用中で米陸軍では二段階で性能改修を行い、ちょうど半分まで来ている。2018年1月にさらに上の性能を狙うM2A5改修の企画が生まれ、搭載兵員数を増やすべく車体の拡大と装甲を強化し、30mm機関砲の搭載を狙う。

 

陸軍の大型かつ強力な歩兵輸送車ブラッドレイはさらに大型化しそうだ。

 

M2A4 性能改修型

 

米陸軍ではブラッドレイが活躍する場面はM1エイブラムズ主力戦車より多い。イラク砂漠戦となった1990-1991年の湾岸戦争でブラッドレイはエイブラムズ以上の敵装甲車両を葬った。

 

敵の犠牲となったブラッドレイはわずか3両で、友軍の誤射で破壊されたほうが多い。だが、その後、長期化したイラクでの対戦闘員作戦中にブラッドレイ数十両の喪失が発生した。装甲防御で改良を受けていたにもかかわらずだ。そもそもブラッドレイでは地雷や即席爆発物(IED)への防御は優先度が低く、これより装甲が薄いストライカー装甲車両より被害事例が多くなっていた。

 

装甲改良とあわせセンサー機能の充実を図ったものの本格的な解決策にならなず、追加重量がエンジン負担につながり、電気系統に不足が生まれ、機動性が犠牲となってしまった。2012年からM2A4仕様への改良が始まり、現在も「技術改良提言」(ECP)を二段階で進めている。

 

このうちECP1がほぼ完了しており、ブラッドレイは設計時の車両性能を回復すべく、大型トーションバーと軌道改修を行い、サスペンションとショックアブソーバーを取り換えた。これにより車両の摩耗が減り、信頼性が高まり、地上クリアランスが増えIED爆発時の残存性が高まった。

 

 

ECP第二段階では電気系統の強化、パワートレインに従来より高出力の電気系統に対応した新型電力管理ソフトウェアを導入する。2018年開始予定だったが、ソフトウェアのバグつぶしと信頼性問題で開始が遅れた。ただし、改修後のブラッドレイは平均281マイルでの故障と想定した400マイルに満たない状態で、電力系の故障とトランスミッションオイル冷却が原因となっている。にもかかわらずECP2の実施は間もなく本格開始される。

 

ブラッドレイ改修でM3騎兵戦闘車両に近くなる。M3は装甲偵察任務に投入されている。M2A4仕様へ改修が終わった車両は従来より高い性能を発揮し、さらに上を狙うM2A5仕様への改修に近づく。

 

M2A5で車体大型化、砲塔が実現

 

M2A5では第三世代の前方監視赤外線(FLIR)センサー、レーザー照準器、カラー外部監視カメラで敵を長距離で捕捉することが可能となる。なお、エイブラムズ主力戦車の装備品と同時に改修を行う。

 

また、ブラッドレイの砲塔、車体がともに大きく変わる予想図が出ており、開発には4-5年かかるとするとの予測がツイッター上に出た。米陸軍は新型車両の開発及び部品調達に6億ドルを計上しているが、さらに増加するとみられる。ペンタゴンが砲塔と車体ともに対象とするかあるいは片方だけを選択するかは不明だ。

 

車体はストレッチして追加装甲の搭載、新型トランスミッション、さらに搭載人員を8名に追加する。車重は40トンへと一気に20パーセント増になる。改良で車内の隊員には従来の二倍から5倍の装甲防御が実現するという。

 

防御面の改良ではアクティブ防御装備(APS)があり、飛来するミサイルやロケット推進手りゅう弾に対抗する。エイブラムズ戦車ではトロフィーAPSが導入されているが、ブラッドレイではイスラエル製アイアンフィストをテスト中だ。

 

砲塔関連では25mm機関砲にかわり30mmのXM813ブッシュマスターII自動機関砲が搭載される。同装備はストライカー装輪歩兵輸送車両にも導入されている。一見、大幅改良に見えないが、30mm弾は25mm弾の二倍の大きさがあり、炸裂効果、装甲貫通効果がともに大きくなる。

 

射程が2マイル近くとなり、装甲貫通能力も30パーセント増えるとの観測がある。ブラッドレイは敵IFVの撃破で実力を発揮するはずで、シリア、イラク、ウクライナなどで存在感を増しているIFVによりよく対応できるようになる。さらに新型砲は空中炸裂へプログラム可能で遮蔽物背後に潜む敵部隊やヘリコプターにも有効に使える。ただし銃弾が大きくなるため、従来の300発搭載が180発に減る。とはいえ、ブッシュマスターIIでも毎分200発発射のまま、精度があがり、火力が増すため、同じ効果を得るため発射弾数は少なくてすむとする。

 

新型砲塔では車長、砲手双方の視野が広がり、イーサネットにより両名の動きが連携でき、レーザー照準器、航法装置の性能がともに上がる効果も期待できる。その他、「5.56mm制圧兵器」の遠隔制御機関銃が敵地上部隊から車両を防御するとの予想がある。

 

当然ながら車体拡大と砲塔の改良でブラッドレイに悪影響も出る。車重が増え操縦性が低下し、価格上昇で世界各地への展開も困難となる。とはいえ、陸軍としてはブラッドレイの残存性を高めるべくロケット推進手りゅう弾やIEDの脅威に悩まされたイラク、アフガニスタン戦訓を念頭に、同時に新型誘導対戦車ミサイルやIFVへの対抗も進めたいとしており、今後の超大国相手の戦闘も視野に入れている。より軽量な車輪走行式のストライカーAPCも新型砲・ミサイルが導入しつつあるが、ブラッドレイでは残存性を確保しつつ攻撃力を最も過酷な戦闘環境でも確保し、戦場に真っ先に投入するとしている。■

 

Could a Bradley Fighting Vehicle Take out a Tank?

by Sebastien Roblin

August 27, 2021  Topic: Bradley Vehicle  Region: Americas  Blog Brand: The Reboot  Tags: BradleyIFVInfantry Fighting VehicleTankArmorMilitaryTechnologyU.S. Army

 

 

Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

This article first appeared in February 2018.

Image: Wikimedia Commons.