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2022年6月10日金曜日

ズムワルト級に弾道ミサイルを搭載すれば、巡洋艦に変更されるのでは....だがPLANは055型に搭載ずみ

 US Navy Zumwalt Class Stealth Destroyer With Lockheed Martin CPS Hypersonic Missile

Click to enlarge. The upgrade will give the Zumwalt Class an impressive new weapons capability. The CPS hypersonic missiles are expected to replace one or both of the main guns.


ムウォルト級駆逐艦は、知名度が最も高く、印象的な軍艦だ。極超音速ミサイル(CPS)を搭載すれば、同艦は比類なき火力を発揮する。



 ズムウォルト級は15,000トンを超える、駆逐艦としては大型の艦だ。同艦は今日の「駆逐艦」の定義からさらに遠ざかる。巡洋艦として再指定されるか注目される。

 ズムウォルト級は、米海軍がその必要性を再評価し、沿岸部作戦を重視するようになった時期に発注され、おおきな批判を受けてきた。確かに高価であり、先進的な艦砲システムの問題から、期待されたほどの武装を備えていないままだった。

 同艦の今回の改良では、超音速ミサイルCPS(Conventional Prompt Strike)を搭載する予定だ。

 従来型抑止力、戦場支配を可能にする

CPSは、非核の戦略的極超音速兵器システムだ。長い射程距離(数百マイルから数千マイル)、驚異的な速度(マッハ5以上、おそらくもっと速い)、高い敏捷性は、米国に新しい能力を提供する。同ミサイルは、迎撃の可能性がほとんどなく、一刻を争う場面で標的を正確に攻撃できる。

 極超音速兵器では米海軍のその他水上艦や潜水艦に搭載される、異なるが密接に関連した変種がある。また、陸上型が米陸軍に配備される。

 ズムウォルト級に搭載されるCPSミサイル数は未定だ。また、既存の155mm砲のマウントは維持されるかどうかも不明だ。砲架に影響を与えずにCPS2基の搭載は可能であり、両方の砲架を取り外せば6~8基となる。ロッキード・マーチンは、砲架のうち1基を保持する提案をしている。


興味深い歴史

過去の軍艦に大型弾道ミサイルを装備する計画には、興味深い類似点がある。1950年代、アメリカ海軍は水上艦艇に当時新開発の大陸間弾道ミサイルを装備することを計画していた。有名な原子力巡洋艦「USSロングビーチ」は、これを念頭に設計された。イタリアは実際に巡洋艦の1隻にこの発射管を搭載した。

 1957年から61年にかけて、イタリア海軍の巡洋艦ジュゼッペ・ガリバルディは、4基のUGM-27ポラリス・ミサイルを搭載する改修を受けた。政治的な変化により、米国ミサイルが供給されることはなかった。イタリアの代替ミサイル、アルファ用とする計画があったが、これも頓挫した。結局、空振りのままであった。

 巡洋艦ジュゼッペ・ガリバルディは、後部砲塔の代わりにポラリスミサイルを4基搭載した。代用ミサイルで試験発射が行われたが、うまくいかなかった。


 

 潜水艦発射弾道ミサイルの成功は、冷戦時代の弾道ミサイル巡洋艦にとって棺桶に釘を打たれるようなものだった。潜水艦への搭載は、米海軍のブロックVバージニア級を筆頭に、注目されているままだ。

 しかし、3隻あるズムワルト級は、より強力で明確な能力を提供する。視覚的に印象的な同艦のフォルムは、意思決定者に影響を与えるかもしれない。


中国は巡洋艦に弾道ミサイルを搭載ずみ

弾道ミサイルを搭載するのは、ズムウォルト級だけではない。中国海軍は、すでに最新の055型レンハイ級巡洋艦にYJ-21ミサイルを搭載している。

 米中両国のミサイルの仕様はまだ不明だが、観察が可能だ。米ミサイルは、特に直径がより大きい。つまり、アメリカの艦船に搭載できるミサイルの数は少なくなる。

 中国のYJ-21ミサイルは、レンハイ級が搭載するユニバーサルVLS(垂直発射システム)に収まる。米Mk.41やMk.57のVLSに搭載できるものよりも、直径も長さも大きい。

 大きな違いは、YJ-21が主に対艦兵器と見なされていることだ。ASBM(対艦弾道ミサイル)は、アメリカ海軍の空母に対抗し中国軍が重点としている。とはいえ、YJ-21がある程度までの陸上攻撃能力を持つことはあり得る。■


US Navy's Hypersonic Missile Will Give Zumwalt Class New Capability - Naval News

H I Sutton  08 Jun 2022



AUTHORS

Posted by : H I Sutton

H I Sutton writes about the secretive and under-reported submarines, seeking out unusual and interesting vessels and technologies involved in fighting beneath the waves. Submarines, capabilities, naval special forces underwater vehicles and the changing world of underwater warfare and seabed warfare. To do this he combines the latest Open Source Intelligence (OSINT) with the traditional art and science of defense analysis. He occasionally writes non-fiction books on these topics and draws analysis-based illustrations to bring the subject to life. In addition, H I Sutton is a naval history buff and data geek. His personal website about these topics is Covert Shores (www.hisutton.com)


2019年5月29日水曜日

ズムワルト級、シーハンター等を運用する先進技術実験隊が米海軍に誕生

Navy Stands Up Surface Development Squadron for DDG-1000, Unmanned Experimentation

米海軍がDDG-1000、無人艦艇等で水上艦開発部隊を新設

May 22, 2019 12:00 PM • Updated: May 22, 2019 2:28 PM

就役前艦マイケル・マンソー(DDG 1001) がサンディエゴ海軍基地に到着した。2018年12月7日。USSマイケル・マンソーとなる同艦はズムワルト級誘導ミサイル駆逐艦の二号艦で今後各種試験を展開する。. US Navy photo.

海軍に無人艦艇、新型兵器含む水上艦艇の将来戦力実験戦隊が本日発足した。

ズムワルト戦隊1 ZRON-1としてズムワルト級駆逐艦(DDG-1000)3隻の配備先となり、将来は水上開発戦隊SURFDEVRON1に変更となる。

SURFDEVRONはまずズムワルト級DDGの試験に主眼を起き、当初の対地攻撃任務が余りにも主砲が高額となり放棄され水上艦攻撃任務へ変更されたので同艦の全電動統合発電システム他の機能を活かすかを検討する。SURFDEVRONにはシーハンター中型無人水上艦艇(USV)も配属され、シーハンター2号艇も2020年度に完成次第編入される。

中大型USV建造事業で無人艦艇が今後艦隊に加わる。SURFDEVRON
がズムワルト級DDGとUSV各艇を組み合わせて戦力の最大化を模索することになる。

本日のSURFDEVRON編成式典に先立ち海軍水上部隊司令官兼太平洋水上艦部隊司令官のリチャード・ブラウン大将は「機密情報はお話できないが無人装備をズムワルト級駆逐艦の支援につければ相当の効果がでkると思う。ズムワルト級と無人艦艇を組み合わせた運用は自然の成り行きだろう」と記者団に語っていた。

将来にMUSVsやLUSVsが通常の艦艇や打撃群に随行する、あるいは地上司令部の指揮下に入るだろうとブラウン大将は述べ、「可能性は無限だ。可能性を引き出すためにも新組織を作り専任させる。

式典で ZRON-1の組織が発表されスコット・キャロル大佐が指揮をとり今のところは名称のみ先行するSURFDEVRONのハンク・アダムズ大佐が同隊を吸収する。

サンアントニオ級揚陸ドック輸送艦USSアンカレッジ (LPD 23)がズムワルト級駆逐艦USSズムワルト(DDG 1000)(写真左)とUSSマイケル・マンソー(DDG 1001)の間を航行した。サンディエゴ海軍基地にて。2019年3月1日 US Navy photo.


ブラウン大将はSURFDEVRONは三段階を経ると発表。まず本日名称が代わり、秋までにミッションや任務の詳細を記した書類を米太平洋艦隊がまとめる。当面は人員配備、訓練、装備習熟をズムワルト級で行う。現時点ではUSSズムワルト(DDG-1000)しか配備されていないが、USSマイケル・マンソーが今年早々に就役したが戦闘システムがまだ稼働していない。さらにリンドン・B・ジョンソン(DDG-1002)はメイン州のジェネラル・ダイナミクスのバスアイアンワークスで建造中だ。

第二段階は2020年度から2023年度にかけてでズムワルト級駆逐艦3隻とシーハンターUSV2隻で実験を開始する。人員増も図る。

2024年度からの第三段階ではMUSVsおよびLUSVsの隻数が増える。現時点の予算見込み通りならSURFDEVRONは無人艦艇を配備されミッションを完全に展開できるはずだ。さらに初期建造の沿海域戦闘艦(LCS)四隻がSURFDEVRONに編入される。各艦は試験艦として建造されている。

「LCS試験艦4隻がSURFDEVRONに編入されるのは自然の流れで、試験活動を一つの組織で行えるようになる。試験成果はLCS戦隊にも伝えられる」(ブラウン大将)


無人水上艦の新しい姿を示すシーハンターは海軍研究本部 (ONR) が国防高等研究プロジェクト庁 (DARPA)と共同開発し、サンディエゴからハワイまでの自律航行に成功した。シーハンターはONRが進める中規模排水量無人水上艦艇(MDUSV)事業の一環。 US Navy photo.


SURFDEVRONの試験活動は無人装備にとどまるわけではない。「技術、戦術、装備を統合した解決策を加速度をつけて提供することが任務だ」(ブラウン)

「新規機能が利用可能になる。指向性エナジー兵器、高出力レーザー、極超音速ミサイルなどは迅速に実験を行い早期の搭載を実現し、TTP(戦術・技術・手順)を新規に確立をこれまでより迅速に進めたい」
.
ブラウン大将は水上艦隊以外に海軍水上機雷戦開発センターも統括し、独自のTTP確立を目指している。そこでは実験成果に加え現場経験も訓練内容・実務に反映し同センターの知見もSURFDEVRONに活用したいとする。

ズムワルト級駆逐艦を空母打撃群に加える予定に変更はない。CSGに加わりながら空母が母港で補修中にズムワルト駆逐艦は実験業務につく。

「特別な艦艇であり各種実験を迅速に行いたい。ズムワルト級は空母打撃群に加わりながら訓練を通じゆくゆくは現行の巡洋艦、駆逐艦同様の作戦展開に投入される。だが同級艦の性能は他に比類がないものがあり配備期間以外はSURFDEVRONで各種実験に投入する」(ブラウン大将)■

2017年7月31日月曜日

★ズムワルト級駆逐艦は強力な攻撃力を備えたポケット戦艦になる




ポケット戦艦というとナチ・ドイツみたいですが、軍縮条約の裏をかいたが結局戦艦でも巡洋艦でもない中途半端なグラフ・シュペー等と違いズムワルト級は思い切りミサイル重装備艦にするという発想なので意味が違います。とはいえミサイル重装備構想はソ連がすでに実現していましたね。空の重武装機構想とならぶ攻撃力重視の発想ですね。



The U.S. Navy's Stealthy Zumwalt Class Destoyer: America’s New 'Pocket' Battleships? 米海軍のステルス艦ズムワルト級駆逐艦はアメリカ版「ポケット戦艦」になる



July 30, 2017

  1. 三隻しかないズムワルト級駆逐艦をどうしたものか。当初30隻近くの建造予定で兵装もその想定で調達したが建造遅延、隻数削減、費用上昇にあった。このまま持て余し装備の代表になりそうなところ、同級を新任務のステルス敵艦キラーにしたら威力を発揮できるだろうか。
  2. ズムワルト級駆逐艦は32隻整備し精密誘導砲弾で内陸部を攻撃する構想だった。海兵隊揚陸作戦支援も念頭にアイオワ級戦艦の退役で空白となった大口径火砲の代わりを期待した。.
  3. 残念ながら費用超過および技術問題のためペンタゴンはわずか三隻建造にとどめた。もっと悪いのは長距離攻撃砲弾があまりにも高額になり海軍が購入できなくなったことで、さらに揚陸作戦支援に投入できるのは一隻に限られ同級の存在意義が疑問視されていた。
  4. 一方で中国人民解放軍海軍PLANの伸長が著しい。2000年当時のPLANは戦力として認識されていなかったが、ズムワルト級はこのころ開発中だった。今日ではペンタゴンはPLANを「アジア最大の海軍力で水上艦、潜水艦、揚陸艦、警戒艇含め300隻以上ある」と見ている。現時点で米中両国は直接対立していないが、中国が南シナ海東シナ海で好戦的態度を強める中、両国が軍事衝突する可能性も増えている。同様にロシアもバルト海、地中海、太平洋で海軍活動を強化している。
  5. ステルス性を備えたズムワルト級はレーダー上で漁船程度にしか映らず、敵海域での活動が可能だ。ミサイル多数を搭載したズムワルト級は対艦攻撃任務にうってつけだ。単独行動しても米海軍の戦闘ネットワークに接続したまま敵部隊を追尾し撃滅する。
  6. そこで艦首の155mm高性能主砲システムを撤去しMk.41垂直発射システムへ換装し長距離対艦ミサイル(LRASM)を搭載する。主砲の場所に発射管200本が収まるとオハイオ級誘導ミサイル潜水艦を上回る威力が実現する。ステルス艦にステルス対艦ミサイルを搭載し人工知能で誘導すれば相当の戦力だ。あるいは戦術トマホーク200本で対地攻撃にも投入できる。
  7. 対艦攻撃に徹するズムワルトは単独行動をとるはずだ。護衛艦艇は敵に探知されてしまうからだ。AN/SPY-3多機能レーダーとSM-2・ESSM各ミサイルの組み合わせで自艦防御は十分だ。搭載済みのMk.57発射管80基に防御装備としてスタンダードミサイルSM-2を中距離防空用、ESSM(発展型シースパロウミサイル)を近接防御に使い分ける。新型SM-6がMk.57におさまれば予備の対艦ミサイルとして運用できる。
  8. とはいえ攻撃任務につくズムワルトに護衛が不要ではない。お気づきのようにズムワルトには対潜装備がない。空母打撃群と同様に原子力攻撃潜水艦一隻ないし二隻がズムワルトを護衛し水中脅威を警戒するだろう。潜水艦が敵部隊に陽動攻撃を加えたり、先行して状況を偵察するだろう。
  9. ズムワルトがハンターキラー艦として成功できるかは海軍の他装備とネットワークで結んだ運航ができるかにかかる。敵目標の補足情報を衛星、MQ-4トライトン高高度長時間無人偵察機、P-8ポセイドン、空母艦載機、水上艦、潜水艦から受け取る。ズムワルトは敵任務部隊の位置を把握し自艦レーダーを作動させず待ち伏せ攻撃をかける。ネットワークがあってこそズムワルトの機能が発揮され、危険な敵脅威の裏をかけるはずだ。
  10. アメリカ版ポケット戦艦とでもいうべき存在となり、大洋で単独行動で敵に対峙させれば危険がともなう。だがこれだけの火力を集中運用する構想には訴求力があり、同艦のステルス性能、高水準の個艦防御能力へ米国が優位な軍用通信ネットワーク能力が加われば十分な残存性も期待できる。就役ずみ初号艦が数年間ドック入りするが再登場する際には敵艦攻撃に特化した艦になる。敵陣営の艦船建造が進展していることを考えると同艦の任務が不要になる事態は当面考えられない。■
Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.
Image: Flickr / U.S. Navy


2016年4月21日木曜日

新型駆逐艦ズムワルトの引き渡し近づく


Zumwalt Departs Bath Iron Works for U.S. Navy Acceptance Trials

April 20, 2016 12:18 PM

The guided- missile destroyer Zumwalt (DDG-1000) departs the Bath Iron Works shipyard on March 24, 2016. US Navy Photo
バスアイアンワークス造船所を出港する誘導ミサイル駆逐艦ズムワルト(DDG-1000)。2016年3月24日撮影。US Navy Photo

誘導ミサイル駆逐艦ズムワルト(DDG-1000)は4月20日ジェネラルダイナミクスのバスアイアンワークス造船所を出港し、引渡し前公試に向かった。

  1. 排水量16,000トンの同艦はケネベック川を下り大西洋に向かい、海軍の検査調査評価を受け順調にいけば五月に海軍へ引き渡される。
  2. 「今回は艦の基幹システムと技術要素として航法、機関反応、副システム各種、居住性、防火損傷対応をテストし、海軍の要求内容に合っているかを見る」と海軍海洋システムズ本部(NAVSEA)は声明文を発表している。
  3. 3月にはバスは同艦を四日間にわたり造船所公試に連れ出し、船体設計、電気機械系統 (HM&E) のテストを行っていた。
  4. 引渡し前公試ではズムワルトのHM&Eシステムの根幹をなす初めて導入荒れ田統合発電システム(IPS)に焦点を当てる。IPSはロールスロイスMT-30ガスタービンエンジン二基の出力とディーゼル発電機も併用し、艦内に配電網を巡らせる。従来型の直接機械結合方式の推進と異なり、IPSは大型電動誘導モーターに電力を供給し、艦を推進させる。
  5. IPSの製造、テストが複雑なため艦の公試が数か月遅れる結果になった。
  6. 引き渡しの後でズムワルトはサンディエゴへ回航され、戦闘装備の艤装を受ける。これでバス造船所にはスペースが生まれ、残る二隻 マイケル・ムーンソー(DDG-1001)とリンドン・B・ジョンソン (DDG-1002) の建造とアーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦の追加建造が始まる。■
Navy: Destroyer Zumwalt Back at Bath Iron Works After Builder’s Trials
Delays in Zumwalt Destroyer Program Hamper Production of DDG-51s at Bath Iron Works