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2021年2月6日土曜日

海上自衛隊がLHDを新規要求し、水陸機動団の運用能力向上を実現する日が来る? 「空母」にばかり目を向けないで、日本の安全保障に目をそむけず知識情報を強化しましょう。

 


Photo: JMU

 

 

 

 

本の造船メーカーが新型ドック型強襲揚陸艦建造を売り込んでおり、水陸機動団やMV-22の収容能力をアピールしている。

 

ジャパンマリンユナイテッド株式会社(JMU)は2019年の防衛展示会でヘリコプター搭載揚陸ドック艦LHD構想を発表した。

 

排水量19千トンで通水可能ウェルデッキでLCACエアクッション揚陸艇2隻、AAV7A1強襲揚陸車を20両搭載する。全通飛行甲板に5機のヘリコプターまたはティルトローターを同時運用できる。さらに5機を艦内に収納できる。

 

 

乗員は500名とある。戦闘要員を何人収納するかは不明だが、他国が供用中の同程度艦では長距離ミッションで500名、短距離で1,000名というところだ。

 

海上自衛隊にLHD建造の要求はないが、艦艇構成を見れば当然あって良い存在だ。日本は水陸機動団を展開するべくMV-22を17機、AAV7を52両、LCAC7隻を整備する。だが、上陸舟艇、車両、回転翼機には現場まで運搬手段が必要だ。

 

日本にはいずも級大型強襲揚陸艦2隻があるが、軽空母に改装されF-35Bジャンプジェット運用に投入される。これ以外の揚陸艦としてひゅうが級ヘリコプター空母2隻および、おおすみ級揚陸艦LSTが3隻ある。

 

このうちLST3隻にV-22およびAAV7運用能力を付与する改装が進行中だ。だがLSTで収納できる戦闘要員は長距離任務では330名しかないが、水陸機動団は3千名だ。このため旅団全体の移動には輸送艦がもっと必要だ。そこでLHDを取得すれば、海上自衛隊も他国なみの能力を獲得できる。米海軍にはLHDは10隻あり、うち1隻は日本に前方配備されている。オーストラリアには2隻が就役中、韓国は3隻を建造中だ。中国海軍も2019年から独自にLHDを整備している。

 

「日本にLHDが数隻あるだけで水陸機動団が東アジア全域で存在感を増し、太平洋も活動範囲に収められる。太平洋では安全保障の懸念が高まっている」とThe War Zoneでジョー・トレヴィシックが評している。

 

日本にとって喫緊の脅威が北朝鮮であるのは確かで、日本は防衛能力の整備を強化してきた。また中国が南シナ海で大部分を領海と主張する動きに日本は積極的に対抗する動きを示しており、日本の広義の外交政策の目標に資するため日本から遠隔地点でも海上軍事活動の展開能力を整備する可能性がある。

 

この点で水陸機動団の誕生は大きな意味があり、太平洋地区で共同演習に参加することが増えている。2019年10月にはフィリピンで米国もまじえた恒例のカマンダグ演習に加わった。

 

JMUは海上自衛隊がLHDを最低1隻、正式要求してくると見ているとJane’sに述べており、いつでも対応できるよう設計をしているとのことだ。

 

だが揚陸部隊の整備には別の方法もある。「おおすみ級後継艦として小型ドック艦艇を建造するほうが費用対効果は高い。いずも級、ひゅうが級と連携して運用すれば良い」とトレビシックは指摘している。■

 

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Japan’s Marines Could Be Due for a New Amphibious Assault Ship

February 5, 2021  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Reboot  Tags: JapanJSDFChinaMilitaryTechnologyMarines

by David Axe 

 

David Axe served as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad.


2019年1月21日月曜日

最新の強襲揚陸艦USSアメリカが佐世保へ。ワスプは本国回航。F-35B運用能力高まる。

USS America Will Head to Japan to Serve as Next Forward-Deployed Amphibious Flagship

USSアメリカが日本へ移動し前方配備揚陸部隊旗艦へ


January 17, 2019 10:09 AM


強襲揚陸艦USSアメリカ (LHA 6) と誘導ミサイル駆逐艦USS Hopper (DDG 70) がアラビア湾内を遊弋した。 Nov. 28, 2017. US Navy photo.


海軍最新の強襲揚陸艦が最古参艦に交代し太平洋の前方配備艦となる。


USNI NewsはUSSワスプ(LHD-1)が今年後半に米本土東海岸へ戻ると以前伝えている。同艦は2018年1月に日本へ移動し米第7艦隊担当杭域の揚陸部隊旗艦となっていた。このたび米水上艦部隊司令官がUSSアメリカ(LHA-6)がその座を交替すると明らかにした。


「(ワスプ)は保守整備のため本国へ戻す。アメリカを代わりに派遣する」とリチャード・ブラウン中将(水上部隊司令官兼太平洋地区水上艦部隊司令官)が1月11日に報道陣に明らかにした。


別の筋からもUSNI Newsはアメリカ派遣を確認した。


ただし海軍当局は同艦の移動時期や日本での受入れ体制整備の状況について回答していない。


VMFA121のF-35B ライトニングIIがUSSワスプへ着艦している。 March 5, 2018. US Navy Photo

海軍は強襲揚陸艦9隻を運用中で内8隻がワスプ級LHDでアメリカ級では二番艦USSトリポリ(LHA-7)が今秋就役しフロリダ州ペンサコーラに配属される。


ワスプとUSSエセックス(LHD-2)が艦齢が一番高く、ともに海兵隊所属のF-35B運用が可能だ。ワスプがFDNF艦として日本にあり、海兵隊戦闘攻撃飛行隊(VMFA)121を、エセックスが中東でVMFA-211を搭載している。


最新のアメリカとトリポリは航空機運用能力を強化し、航空燃料貯蔵量を増やし、機体整備の便を高めている。


海兵隊デイヴィッド・コフマン少将(海軍作戦部長付派遣戦闘部隊部長)は「航空作戦特化型のアメリカとトリポリは他の艦と異なる」とし、両艦のローテーション配備に期待を寄せている。■

2017年10月22日日曜日

超大型空母に未来はあるのか、RAND研究成果に見る小型空母の可能性


大は小を兼ねるのか。これまでの流れの頂点が新型フォード級空母ですがさすがに米国もこれでいいのかと考えつつ、必要な戦力を積算するとどうしても大型艦になるジレンマに苦しんでいるのでしょうか。一方で強襲揚陸艦の新世代USSアメリカが新しい動きの芽になりそうですね。超大型空母が過去の遺物になるのかそれともこれからも平和の守り神の主役の座に残るのか、まだまだ論争は続きそうですがそんなに悠長なこと言ってられるのでしょうか。筆者は日本が一部負担して米海軍が運用する部分所有権みたいな空母が今後生まれると見ていますが。


Small Aircraft Carriers: RAND Report Won’t Convince McCain

RAND報告が型空母構想を検討したがマケイン議員は納得させられず

Navy photo
USSジェラルド・フォード
By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on October 20, 2017 at 8:28 AM
  1. 米海軍には小型かつ安価な空母が必要であると予算超過・予定遅延のUSSジェラルド・フォードを念頭に元海軍パイロットのジョン・マケイン上院議員はずっと主張してきた。真っ向から反対するのが大型空母建造を推進する団体ACIBCで米海軍向けRANDの研究成果を引用しつつNational Interestに見解が掲載された。だがマケインに簡単に引き下がる気配がなく、RANDも小型空母構想のうち一案は検討の価値ありと考えている。
  2. RAND報告書はマケイン主張に異議を立てるものではないとある議会スタッフが教えてくれた。報告書は上院軍事委員会委員長のマケインが提起した疑問に答えていないからだ。「最も過酷な環境下でフォードが実施できる能力との比較で代替各案を検討している」と高度戦力を有する中国のような敵との対決を想定している。「また各案でうまく対応できないと分かったのも驚きに値しない」とこのスタッフは語っている。「空母の任務をあらゆる角度から検討し、フォードは過剰戦力で小型空母がより適していると言えるのか検討している」
  3. RANDもマケイン主張の中心課題に一言だけ言及している。つまり、「海軍は新しい『ハイローミックス』空母戦力を検討すべきだ」とのくだりでマケインの論文Restoring American Power.を引用している。「従来型の原子力推進スーパー空母は互角の戦力を有する大国への抑止ならびに撃破には有効だが、実際の日常運用たる兵力投射やシーレーン確保、近接航空支援や対テロ作戦なら小型で安価な通常動力空母で十分用が足りる」
  4. RANDは大型小型空母の組み合わせの方がうまく行き、各種ミッションに対応でき「リスクを低減し」ながら「管理しやすくなる」と結論づけている。ただし同シンクタンクは長期的解決策として深く検討していない。
将来の海軍戦闘構想 (CSBA graphic)
  1. RAND報告書は立法上の要求に十分こたえられない。上下両院が成立させた国家防衛認可法(NDAA)(2016年)の128節(d)項では海軍に対し代替空母構想を以下の形で議会提出するよう求めている。
  • 「各種作戦シナリオで」
  • 「CVN-78級空母に代わるものあるいは補完するもの」
  • 「排水量2万トンから10万トン超までの範囲で」
  1. これに対しRAND報告書では
  • 「最も過酷なシナリオ」での機能を分析しただけ
  • フォード級に対し「低コスト空母代替策」を検討し、
  • 検討範囲は2万トンから10万トンの範囲のみ
  1. マケイン議員は小型空母を推進派だが、NDAAは海軍に現在のスーパー空母を上回る艦の検討も求めており、大小両端で検討を求めているのにRANDはこれをしていない。
  2. 批判は脇においても「大きいことはいいことだ」がRANDの結論ではない。研究では「小型化には代償がある」としている。同シンクタンクの結論は建造費用を下げても戦闘能力が切り下げられるのは割りが悪いということだ。RANDはフォード級より三割小さい中間サイズの原子力空母も検討している。
Navy photoUSS フォレスタル。米海軍はこの大きさの通常動力空母は運用していない。
オプションは四つ
  1. RANDは構想を四つに分け、それぞれで長所短所が大規模戦闘で露呈するという。
  2. ハイエンドが10万トン原子力空母構想(CVN 8X)でフォードよりわずかに大きく高価格の選択肢だ。RANDは建造単価を下げた場合ソーティ形成能力つまり機材の着艦、燃料補給、装備再充填ののち発艦させるくりかえしが「わずかながら低下する」と結論づけた。フォード級でも開発にあれだけの予算がかかりながら、バグ対応していくと節減効果は期待できない。
  3. ローエンドが2万トン通常動力空母(CV-EX)で第二次大戦中の護衛空母の現代版だ。ここまで小さいと空母航空隊全部の運用は無理でジャンプジェット機のF-35Bやティルトローター機のV-22オスプレイ並びにヘリコプターの運用しかできない。かつ機数が限られる。電子戦機材は大型空母や陸上基地から運用を迫られる。あるいは新規開発の垂直離着陸機に支援任務を期待するしかないだろう。そうなると護衛空母構想は「実用性に乏しい」とRANDは結論付けている。
  4. この中間に興味を引く選択肢が用意されている。
HMSクイーンエリザベス
  1. 7万トン原子力空母(CVN-LX)はフォードより3割小さいがフルサイズ飛行甲板で同じ機材を運用できる。(同規模の通常動力空母の提案も英クイーンエリザベスやかつてのUSSフォレスタルなどの例からあるが、RANDはなぜか検討していない) この艦だと同じ一日でもフォードのソーティー数に及ばないが、RANDはこのことは「ストレスのかかる戦闘シナリオでは制約条件にならない」と結論付けている。深刻なのは7万トン艦が搭載する一機あたり弾薬燃料量はフォードより低くなる点だ。このため同艦は再補給が頻繁に必要となり、戦火の環境では望ましくない。それでもRANDは「相当の節約効果が就役期間全体で期待できコンセプトをさらに磨けば大いに期待できる」としている。
  2. 4万トン通常動力空母(CV-LX)は現行の強襲揚陸艦USSアメリカを大型化した構想だ。アメリカ同様にこの艦の飛行甲板も小さいため運用はF-35、V-22、ヘリコプターしか期待できず部支援も必要になるが、護衛空母構想よりは支援度合いは低くできる。艦そのものも現行艦を発展拡大すればいいので「低リスク」かつ費用対効果が高いとRANDは見ており、二隻あればフォード級一隻の機能のほとんどが期待できるが、全部とまでいかず、艦隊に追加負担をかけない代替策にだという。
USSアメリカ(LHA-6)
  1. マケイン論文は小型空母を求めており、具体的にはこの規模を想定しているが現行の空母打撃群(CSGs)の肩代わりは期待していない。かわりに通常動力軽空母群を建造し高艦齢のワスプ級大型甲板型揚陸艦の代替にしたいとする。揚陸即応集団(ARGs)の中核がワスプ級で海兵隊を運ぶのが任務だ。構想では海兵隊に航空戦力を増強し厳しい環境に対応させ、艦隊航空戦力の増強はそこまで期待しない。だがこの構想はマケイン提案にありながら海軍がRANDに委託した際には薄められている。
  2. 「本研究内容で論争が終止符を打たれることはないし、その他にも似たような結論の研究成果が出ている」と元海軍のブライアン・マグラスが記者に語っている。「小型かつ限定目的の空母には将来の艦隊に立ち位置が残されているが、大型原子力推進空母群に付随こそしても代替する存在にはならない」■

2017年4月2日日曜日

★★海兵隊が強襲揚陸艦を「ライトニング空母」に転用するのなら日本にもできるのでは



日米演習ではひゅうがにオスプレイが着艦しているので甲板が強化されているとの見方がありますが記事にあるような連続使用に耐えるものなのか、F-35Bの大きな排熱に耐える仕様なのか不明です。(多分仕様が違うでしょう) しかしこれで日本も真剣にF-35B運用を検討し実施に移せば、(海兵隊機材運用もありえるでしょう)いつまでも護衛艦だと言ってられなくなるでしょうな。ESG構想は面白そうですね。


Here's the USMC's Plan for 'Lightning Carriers' Brimming With F-35Bs

米海兵隊の「ライトニング空母」にF-35B多数を搭載する構想は以前の「ハリヤー空母」構想よりも威力高い新しい内容だ。

BY TYLER ROGOWAYMARCH 30, 2017


USMC

  1. 米海兵隊は強襲揚陸艦にF-35B16機から20機を搭載し「ライトニング空母」(CV-L)に転用したいと考えている。新型アメリカ級(LHA-6) は揚陸艇用ウェルデッキを備えず航空作戦に重点を置き20機近くの運用能力がある。
  2. 実はこの発想は前にもあった。AV-8B搭載の「ハリヤー空母」に転用する構想があった。ただし通常ヘリコプターで構成する海兵隊航空部隊を運用できなくなる代償が発生した。大型空母の運航コストがとんでもなく高い中でこの構想は空母ミッションを奪うと注目を集めた。ただしハリヤーは性能面でスーパー空母の航空隊より相当下回っていた。
USSパターンがイラクの自由作戦(2003年)で「ハリヤー空母」に転用された。USN
  1. 戦闘行動半径が短いことに加え、2千ポンド級の兵装を機内に搭載できないもののF-35Bの性能は米海軍大型空母の戦闘機並みで、その他陸上運用機にも遜色ない。またF-35搭載の高性能センサー装備と電子戦能力があれば早期警戒機や電子戦専用機への依存を減らし、第四世代戦闘機との違いが生まれる。
  2. つまりF-35Bはアメリカの「8隻の別の空母」つまり強襲揚陸艦に高性能多用途戦闘機の運用可能性を与え交戦の初期段階で威力を発揮させる意味でJSFファミリー中で最も意味のある存在だ。通常運用ならにF-35Bを6機ないし8機を搭載する。筆者はこの可能性を以前にも記事にしており、ハリヤー空母構想をF-35Bにどう応用するかをまとめていた。以下記事を再掲載する。
  3. 「多数の紛争が同時進行する想定でゲイター部隊の揚陸艦を『ハリヤー空母』として運用したことがあり、十機程度を搭載している。F-35Bなら効果がもっと上がる。たとえば交戦の初期段階で同機は敵の地対空ミサイル陣地、航空機センサーのネットワークを破壊しその後に続く僚機が安全に敵地で作戦できるようお膳立てできるはずだ。
  4. 新型LHA「アメリカ」級強襲揚陸艦はこの運用構想を念頭に建造されており、従来からのウェルデッキを廃し大型航空機用の燃料・兵装貯蔵空間を確保している。強襲揚陸艦をペアで運用して遠征打撃群 Expeditionary Strike Group (ESG)とする構想もある。一隻が10機程度のF-35Bを搭載し僚艦がヘリコプター10機程度を運用する。
  5. この構想だとF-35Bのプレゼンスを戦闘地区上空に維持できESGは「アルファストライク」としてF-35Bに敵の戦略的標的攻撃を一回で済ませられる。この方式ならESGは原子力空母の航空隊より高効果を実現できる。ESGは多任務部隊となり敵へ脅威をより柔軟に発揮でき、航空作戦以外に揚陸作戦や内陸部侵攻も実施できる。
  6. F-35Bは開戦初日の空母作戦効果を倍増させる可能性があり、原子力空母の隻数が減る一方の今日、意味のある存在となる。またESGは従来より自由に作戦を展開でき、海兵隊は戦闘の様相を一変させる本構想を真剣に検討すべきだろう。」
USMC
  1. 海兵隊の2017年海兵隊航空運用計画にはこの発想に通じるものがあり、こう言っている。
  2. 「2017年から2027年にかけ海軍用第五世代戦闘機の多数を運用するのは海兵隊である。2025年には185機のF-35Bを運用する予定でL級強襲揚陸艦7隻全てに配備可能となる。強襲揚陸艦が制式空母を代替することはありえないが、運用次第で補完能力はある。CV-L構想はこれまで五回にわたりAV-8Bを運用する「ハリヤー空母」として実現している。ARG/MEUのミッションや13通りの中核ミッション任務(METs)に変更はない。ただしライトニング空母は海上移動拠点としての強襲揚陸艦の利点を完全利用しながら、敵地アクセス、回収、攻撃能力を海軍、統合部隊に提供する」
  3. ライトニング空母構想では各種航空作戦任務で40超ソーティーを想定し、F-35B16機が14時間以内に実施するとしている。
  4. 重要なのはライトニング空母構想によりスーパー空母のかかえるプレッシャーを緩和できることで、小規模紛争の支援任務がその典型だ。同時に空母打撃群に組み込むことも可能だ。その場合、ライトニング空母第五世代戦闘機を前方展開して大きな補強効果を生むだろう。
  5. 現時点の構想では2020年代以降の空母航空隊は12機程度のF-35C飛行隊x1および他機種2飛行隊になる想定だ。そうなるとライトニング空母になるLHAで空母打撃群のF-35勢力が三倍になる効果が生まれる。だがこの構想が真価を発揮するのは遠征打撃群(ESG)として個別に運用した際だ。
LOCKHEED
  1. 海兵隊はライトニング空母構想にMV-22オスプレイを給油機として加える。F-35B搭載用スペースが食われるが、戦力を引き上げる効果は大きく、F-35Bは長距離ミッションを実施し敵地内部攻撃も可能となる。飛行運用上の安全余裕度も引き上げられソーティ回数も減らせる。カタパルト運用できないためライトニング空母でソーティの制約もある。V-22による空中給油装備は来年にも艦隊に導入されるはずだ。
V-22による空中給油システム試作品のテスト BELL
  1. USSアメリカ(LHA-6)および姉妹艦USSトリポリはF-35BやMV-22の長期運用を想定した飛行甲板の強化が施しているが、ワスプ級のLHDにはなく大幅改修しないとライトニング空母CV-Lとして機能が発揮できない。F-35Bを搭載できないのではなく、連続運用に耐えないということでF-35Bが与える熱負荷が大きいことで作戦テンポが高いと不具合が発生する。
  2. それでも海軍が「空母ギャップ」に苦しむ中で、小型で柔軟運用可能な空母を多数建造すべきと主張してきた筆者含む一部にとってアメリカ級を「ライトニング空母」に転用する構想には興味をそそられるものがある。■