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2018年11月6日火曜日

★米空軍F-15Cにいよいよ退役が近づいているのか。それとも....投資すればステルス機対応は十分可能(なはず)



The Boeing F-15C Eagle Is Undefeated in Battle (104 to 0). But Retirement Is Coming. Why? ボーイングF-15Cは戦闘で無敵の実績(104対0)を誇るが退役が近づいている。なぜか。

November 3, 2018  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-15F-15CMilitaryTechnologyWorldRussia
年供用中のボーイングF-15Cイーグルは世界最高の制空戦闘機としての名声を誇り、一方的な撃墜実績(104対ゼロ)で有名だが、どうやら運用が最終段階に入ったようだ。強力な戦闘機として退役することになりそうだ。
米空軍はイーグル改修を先延ばししてきた。新型電子戦装備の搭載もそのひとつで老朽化してきた機体を今後も保持するのか方針が決まり次第実施するとしている。F-15Cで本格的な機体補修が必要だと米空軍も承知しており、構造強化策があれば2020年代を超えても十分供用に耐えるという。議会がA-10ウォートホッグ退役案に拒否反応を示したが、空軍は本来ならF-15Cを退役させて浮いた予算で緊急性の高い案件を実現したいところだ。ただしF-15Eストライクイーグル阻止任務機は当面供用を続ける。
ただし当面はF-15Cが米空軍の航空優勢機材の半数近くを占める。これはロッキード・マーティンF-22ラプターの調達が当初の半数以下で終わったためだ。そのため空軍は侵攻型制空機(PCA)のような新型機材を開発し、2030年代には新型機に先陣を切らせF-15CやF-22が後に続く攻撃方法を想定し、ロシア、中国が第5世代戦闘機のスホイSu-57PAK-FAなどを投入する事態に備える。
Su-57が新型二段エンジン双発を搭載すると第四世代戦闘機では対処が難しくなる。速力、操縦性、ステルス、電子戦能力も手強い。しかし米空軍には敵ステルス機を撃破する構想があり対抗策の開発に既に着手している。
その答えは長波赤外線スペクトラムで、現時点のステルス戦闘機はこれに対応する設計となっていない。既存機種に長波赤外線センサーを搭載すれば長距離探知が可能となるが今のところ対抗手段は存在しない。長波赤外線探知を逃れる新技術が今後登場する可能性もあるが、機体に最初から新技術を取り入れないかぎり有効対策は不可能だ。
ロッキード・マーティンは現在Legion ポッドを開発中で、F-15Cで長波赤外線方式の探知追尾(IRST)能力が実現する。同社はLegionポッド130セットを生産したいとし、「レーダーが使えない環境」で長距離から敵を探知追尾を可能とするのがねらいだ。ボーイングは米空軍の主要契約企業としてロッキード・マーティンに技術開発、試作品製造、改良、本格生産契約を今年中にも交付したいとする。
「納入日程が短期間でこれまでにない探知性能が備わったLegionポッドがあれば一足飛びに我が方の戦闘機の性能があがりパッシブ攻撃能力の不足が解消する」とロッキード・マーティンミサイルズ・アンド・ファイヤーコントロール社副社長ポール・レモが語っている。「当社はボーイングとの共同活動に実績があり米海軍向けF/A-18E/Fの IRST21やF-15のIRST製品がありますのでF-15CのLegionポッドでも成功は間違いなしです」
米海軍と業界関係者からは以前にも The National Interest に対して長波IRSTと高速データネットワークを組み合わせればステルス機の探知捕捉が可能になると述べていた。IRST搭載機同士でデータ共有すれば精度がもっと高くなる。「これが海軍のステルス対策の中心です」と業界関係者も述べていた。
F-15CにLegionポッドを搭載すればSu-57も優位性を失う。イーグルがSu-57を探知すれば、同時に強力なレイセオンAN/APG-63(v)3アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーでスキャン焦点を合わせロシア機が捕捉可能となる。いずれにせよF-15CはSu-57に対して有効な追尾捕捉ができ、その後レイセオンのAIM-120D長距離AMRAAMミサイルをお見舞いすればよい。
Su-57がミサイル攻撃を生き残りミサイルで反撃してくると抜群の操縦性能を誇るロシア機の前にF-15Cは不利になる。だがF-15C部隊は同様に優秀な操縦性能を備えたF-22相手に訓練を繰り返しており、不利とはいえラプター相手にイーグルが勝利することもある。さらに共用ヘルメット装着指示システムが最近導入されており、レイセオンのAIM-9XとあわせF-15Cは視程外戦で高い能力を備えることになった。パイロットが顔を向けた方向にミサイルが飛んで敵を撃墜できる。演習では訓練次第で敵を撃墜しつつ残存できることがわかってきた。
こうしてみると機体構造強化策に必要な費用を確保して新装備を追加すればF-15Cは今後も十分共用可能なようだ。ただし、機体の経年変化以外に敵戦力が一貫して強化されているため空軍が次期機材PCAに投資するほうが賢明とみる可能性がある。議会がA-10の場合のように退役を認めない可能性もある。なんらかの手を打たないとF-15Cに残された時間がなくなりそうだ。■
Dave Majumdar is the former defense editor for the National Interest . You can follow him on Twitter: @davemajumdar .

2018年10月1日月曜日

★赤外線技術でステルス機を捕捉せよ

ステルス技術は決して万能ではなく弱点もあるのですが、同時に敵にも当てはまるので対抗技術は十分可能なわけですね。そうなると盾と矛のはなしではありませんが、どちらが先に有効な技術を装備として展開するかで優位性が決まるのでしょうね。




A Russian Su-35 Reportedly Took a Picture of an F-22. Why That Might (Or Might Not) Be a Problem.ロシアSu-35がF-22撮影に成功と主張。これがどんな問題になるのか。(あるいはならないのか)RIP Stealth? Not exactly. ステルスは終焉するのか。必ずしもそうではない。

September 26, 2018  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: RussiaMilitaryTechnologyWorldF-22Su-35



シアのスホイSu-35Sパイロットと称する人物が米空軍所属F-22AラプターをフランカーEが搭載するOLS-35電子光学式赤外線探知追尾装置で撮影したとする写真を投稿した。(下リンク参照)




写真が本物か情報操作を狙ったものか不明だが投稿から分かる内容は多くない。そもそも撮影時の情報がないため正しい判断ができないのだ。


ただし近くで見るとラプターに見える。F-22の赤外線特徴は小さいがSu-35搭載の電子光学式赤外線センサーを使った可能性がある。(写真が本物と仮定した場合) 民生用電子光学赤外線装置をFLIRシステムズが販売しているがF-22を2010年のファーンボロ航空ショーで近い距離で撮影した映像(下参照)がネットで見られる。実はF-22は目視距離より離れた一なら赤外線探知を逃れるが、近づくとこの効果はなくなる。




近接距離ではラプターは他の機種と同様に赤外線センサーで写る。2009年の演習などでラプターはフランス軍のラファールに電子光学赤外線探知追尾装置のOptronique secteur frontal (OSF)で空対空戦闘で探知されている。ただし2012年のレッドフラッグ・アラスカ演習ではドイツ空軍のユーロファイター・タイフーンが約20カイリ離れた地点でもEuroFIRSTのPIRATE赤外線探知追尾装置でラプターを捕捉可能と発見している。


OLS-35はPIRATEの性能はないが、優秀なセンサーだ。スホイによればSu-35が搭載するOLS-35赤外線センサーは同時に4つまでの標的を50キロ(27カイリ)で前方から、追尾する際は90キロ(49カイリ)までなら探知可能だ。ただし大気の状態や対象の角度により距離は変動する。同装置にはレーザーも使い20キロで正確な距離を測定する。


長波長の赤外線探知追尾装置ならステルス機といえども遠方から探知できる。米海軍のIRSTポッドブロックIIは高速データーネットワークと高性能センサー融合アルゴリズムを使い長距離でのステルス機探知を狙うものだ。「具体的な実験内容ハオな橋出来ませんがIRSTの狙いは長距離でステルス機に対抗する技術の確率です」とデイヴィッド・キンドレー大佐(海軍航空システムズ本部でF/A-18・EA-18G関連を担当)は5月に語っていた。


大事な事実は大気中を進む機体が熱を発することだ。「近づく敵機のレーダー断面積が小さくても熱の特徴が発生するのです」とボーイングでF/A-18E/FやEA-18Gを担当するボブ・コムゲイが同じく5月に報道陣に語っていた。「敵もステルス機を開発中ですがその原理を使いXバンドの探知距離外から敵を打破できる訳です」


赤外線では距離データーが不正確で攻撃兵器用には不足するが、新型データネットワークやコンピューターアルゴリズムがこの概念を変えた。「IRSTがひとつでも針路がわかりどちらに向かってくるかがわかりますが、探知元がふたつあればアルゴリズムで対象機に向ける兵器運用に十分なデータがわかります。これで敵のレーダー範囲に入る前に大きな優位性が生まれます」


ペンタゴンは赤外線技術をステルス対抗手段として有望視しており、今後の戦闘航空機の要求性能の一つにするだろう。■


Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.

2018年5月21日月曜日

F-15は第五世代機をこうして撃墜する----イーグルはいつまで世界最高の戦闘機の座を守れるか

日本のF-15は改修を受けた機材と受けていない機材が混在していますが、米空軍のC型は大きな改修を受けていないようですね。ただしスクランブル回数など日本の機材は酷使されていますので構造強化策は待ったなしなのでは。それにしても長期間の供用に耐える余裕を持たせたF-15の原設計にはすばらしいものがありますね。

How an Old F-15 Just Might Kill Russia's New Stealth Su-57 in a 'Dogfight' 旧型F-15でもロシア新型ステルス機Su-57を「ドッグファイト」で撃破可能



May 18, 2018


ーイングF-15Cは世界最高の制空戦闘機と称賛され、104機撃墜しながら一機も撃墜されていないとの一方的な戦果を誇さすがの同機も供用期間が終わりに近づいているが、それでも有能な戦闘機であることに変わりはない。

米空軍はイーグル改修を先送りにしており、機材を今後も供用する方針が決まってから電子戦能力向上を行うとしている。ただしF-15Cを2020年代以降も供用するためには機体構造の大幅改修が必要であると空軍も認識しているが優先順位が高い事業に予算ねん出のためF-15C保有を断念する必要があると見ている。ただしF-15Eストライクイーグルは今後も供用を続ける。

しかしながら当面の間、F-15Cは空軍の制空戦闘機勢力の半数を占める存在のままだ。と言うのはロッキード・マーティンF-22Aラプターの配備数が予定の半数以下で終わったためだ。今後は新型の侵攻型制空戦闘機(PCA)をF-15CやF-22に代わる主力機として2030年代配備を想定するが、ロシアや中国も新型第五世代機の配備を進めているのは事実でスホイSu-57(PAK FA)はその例だ。

Su-57に新型エンジンが搭載されると速力、操縦性、ステルス、電子戦能力のいずれでも第四世代戦闘機に手ごわい存在になる。だが米空軍も黙って待つ気はなく敵ステルス機を打ち破る作戦があり、すでに作業が進行中だ。

その答えは長波赤外線で、現行ステルス機でには対策がない。対抗措置も今のところなく長距離からの長波赤外線センサーに有効な装置を既存機種に搭載するのは不可能だ。将来は長波赤外線センサーから探知を逃れる対策が生まれるだろうが、機材は設計しなおす必要がある。

ロッキード・マーティンが開発中のリージョンポッドLegion podによりF-15Cは長波赤外線捜索探知 (IRST) 性能を得ることになる。同社はポッドを130セット製造し、やはり同社製のIRST21赤外線センサーと高性能データ処理に組み合わせて長距離での探知追尾能力を実現し、「レーダーが使えない環境」に対応する。ボーイングが主役役企業となりロッキード・マーティンが技術、製造、開発、生産を担当する契約が今年中に成立する見込みだ。

「リージョンポッドは迅速な供給計画とともに他に比類のない性能で戦闘部隊の作戦能力を引き上げ、パッシブ攻撃能力の穴を埋めます」とロッキード・マーティンでミサイル火器管制・特殊部隊作戦サービスを担当する副社長ポール・レモが語る。「ボーイングとの共同作業は実績の裏付けがあり、米海軍向けF/A-18E/FのIRST21や海外のF-15用のIRSTの先例から米空軍F-15C用のリージョンポッドも成功はまちがいありません」

米海軍と業界関係者によると長波IRSTと高速データネットワークを組み合わせればステルス機の追尾が可能だという。IRST搭載機は追尾データの共有ができる。「これが海軍のステルス機対策」と業界関係者が述べていた。

リージョンポッドを搭載したF-15CならSu-57のようなステルス機の優位性を簡単に打ち消せる。Su-57を探知するとイーグルは強力なレイセオンAN/APG-63(v)3アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーでスキャンの焦点をあわせてロシア機の所在を把握することも可能だ。いずれにせよF-15CはSu-57追尾を続け長距離対応のレイセオンAIM-120D AMRAAMミサイルを発射する。

Su-57をAMRAAMで仕留められないとF-15Cが不利になる。ロシア機の操縦性は通常の域を超えているからだ。ただし、F-15C部隊は同様に操縦性が高いF-22相手に訓練を受けており、不利とは言えイーグルのパイロットはラプター相手のドッグファイトで勝利を収めることもある。さらに共用ヘルメット装着目標捕捉システムとレイセオンAIM-9XサイドワインダーでF-15Cには視程外対応つまりパイロットの頭の方向の敵機を撃墜することが優秀な性能が演習で実証ずみだ。

こうしてみると機体保守管理経費以外に機体構造改修のコストも必要だが、F-15C供用を続けることに価値がありそうだ。ただし機体の経年変化と敵脅威の深化を考えると次世代機材のPCAに資金投入するのが分別ある行動だろう。ただ議会がA-10退役を認めなかったことを考えるとF-15Cでも同様の事態が起こりそうだ。■

Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.

Image: Wikimedia Commons