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2022年11月5日土曜日

イタリア空軍がKC-46Bを6機導入へ。KC-767は全廃

 Main image: KC-46A (USAF). In the boxes: Italian Air Force KC-767A (image credit: Author)

 

 

イタリアがボーイングKC-46Aオペレーターになる。新型ペガサスはKC-767Bの呼称へ。

 

 

タリア政府が今夏発表した2022年-2024年のDPPD(Documento Programmatico Pluriennale della Difesa)、つまりイタリア軍の戦力維持と近代化に必要な資金を示す文書では、イタリア空軍のいわゆる大型マルチロール輸送能力を高めるため、KC-46タンカーを2機新しく導入するとともに運用中のKC-767Aタンカー4機を同水準までアップグレードする防衛省(MOD)の意思が示されていた。

 

DPPDではこの調達に関する追加的な詳細の説明がなかった。しかし2022年11月2日、国防総局・国家軍備総局(SEGREDIFESA)の航空軍備総局(ARMAEREO)は、「イタリア空軍ヘビー・マルチロール・タンカー機材の更新・強化・統合後方支援」に関する予備報告書を公表した。

 

報告書によると、2機のKC-767Aを新規調達し、これらと既存4機を最新の構成規格(KC-46A)にアップグレードするとした当初の計画は、プロジェクトを評価する役割を担う特別委員会により実現不可能だとわかった。目標を達成する唯一の実行可能な解決策は、現在米空軍が運用中のと同じ規格の新しい航空機(文書ではKC-767Bと呼び、これがイタリア空軍の新タンカーの名称となることが示されている)6機を購入することとある。

実は、KC-767Aをペガサス規格にアップグレードすることは、当初から困難な作業であったようだ。KC-767Aは、民間のB-767-200ER(Extended Range)をベースに、KC-10と同様の第6世代フライングブームと3つのホース&ドローグステーション(WARPs:Wing Air Refueling Pods)を装備している。ボーイング767の派生型でありながらKC-46Aペガサスは胴体のストレッチ、エンジン、コックピット、翼、ブームの違いがあり、共通点もあるものの、ほとんど全く別のタンカーと言える。レセプタクル装備機とIFR(In-Flight Refueling)プローブを装備機の両方に給油できる。また、タンカー自身がレセプタクルを装備しており、他のタンカーから給油を受け、航続距離(あるいは滞空時間)を延ばすことも可能だ。

2002年に発注し、2011年から2012年にかけ納入されたKC-767Aは、ローマ近郊のプラティカ・ディ・マーレ空軍基地の14°ストーモ(飛行隊)に所属し、8°グルッポ(飛行隊)が飛行しているが、下取りでボーイングに返還されることになる。

新型タンカー計画は11億2千万ユーロ(5年間の総合後方支援と、FMSによる自己防衛・通信システム、戦術データリンク、任務計画プラットフォームなどの重要装備の購入を含む)で、2023年4月開始され2035年終了の予定だ。

KC-767B/KC-46Aの導入は、KC-767のオペレータ日本がKC-46ペガサスを選択したのと同じアプローチだ。■

Italy Will Buy Six KC-46 Tankers To Replace Its KC-767As - The Aviationist

November 3, 2022 Italian Air Force, Military Aviation

DAVID CENCIOTTI

About David Cenciotti

David Cenciotti is a journalist based in Rome, Italy. He is the Founder and Editor of “The Aviationist”, one of the world’s most famous and read military aviation blogs. Since 1996, he has written for major worldwide magazines, including Air Forces Monthly, Combat Aircraft, and many others, covering aviation, defense, war, industry, intelligence, crime and cyberwar. He has reported from the U.S., Europe, Australia and Syria, and flown several combat planes with different air forces. He is a former 2nd Lt. of the Italian Air Force, a private pilot and a graduate in Computer Engineering. He has written five books and contributed to many more ones.


2015年8月10日月曜日

F-35>イタリア空軍KC-767からの空中給油に成功

なるほどイタリアは4機しかないKC-767を少なくとも一機カリフォーニアに派遣したわけですか。航空自衛隊も同様に4機を保有していますが、南西方面が平穏と言いがたく、派遣する余裕はないのでしょうね。

F-35 Gulps Fuel from Italian Tanker

by BRENDAN MCGARRY on AUGUST 6, 2015
http://defensetech.org/2015/08/06/f-35-gulps-fuel-from-italian-tanker/
An American JSF AF-4 from the 461 FLTS, Edwards AFB, CA, piloted by Maj. Charles "FLAK" Trickey performs the first contact and fuel transfer from a KC-767 foreign partner Italian Tanker.

F-35がイタリア空軍機から空中給油を受けた。これでまた同機はひとつの節目を通過したことになる。
  1. 先週、エドワーズ空軍基地(カリフォーニア州)でイタリアのKC-767が米空軍のF-35Aに給油ブームで数十回の給油手順を実施し、合計16千ポンドの燃料給油に成功した。
  2. 「米空軍所属機以外の海外給油機が給油認証取得の試行をしたことになる」とF-35開発室広報は説明。さらに今月通じテスト実施が予定されている。
  3. イタリアはF-35を90機導入する予定で、うち30機はF-35Bだ。
  4. またイタリアはKC-767A給油機を4機運用中で、プラチカディマーレ空軍基地(ローマ近郊)に配備中。■

2009年1月3日土曜日

イタリア空軍向けKC-767が就役へ一歩近づく



FlightInternational電子版1月2日


配備が遅れているイタリア空軍向けKC-767A空中給油・輸送機だが、ボーイングが同型機からの空中給油の実証実験に成功し、就役が一歩近づいてきた。

ボーイングのウィチタ工場(カンザス州)上空において12月17日にイタリア発注のKC-767一号機が4,540キログラム(1万ポンド)の燃料を二号機へ空中給油した。飛行中に同機の給油ブームを用いて合計7回のコンタクトに成功したボーイングは発表している。

KC-767のローンチカスタマーとなったイタリアは2005年から2008年までに4機の受領を想定していたが、飛行テストで判明の技術問題で大幅に遅延。ボーイングは昨年2月に2機を2008年末までに引き渡すと発表していたが、これも実現できなかった。発注済の残り2機はまだ製作中。
イタリアに続き同機を発注した日本は発注4機のうち2機を運用中。

コメント: すべてのモデルで引渡しが遅れているというのはそれはそれですごいこととしかいいようがありません。それはいいのですが、空中給油機に空中給油させるというのはイタリア空軍がアフリカ、西アジアはじめグローバルに輸送力を提供する作戦構想を持っているからでしょうね。