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2018年4月25日水曜日

F-3開発:X-2の飛行再開はありうると防衛装備庁は見ている

たしかにX-2のフライトは50回想定のところ途中で終わったままですし、その気になれば追加テストも可能でしょうが、海外向けにはあまり意味がない機体になっているのでは。皆様ご指摘の通り米側に慮りすぎるとろくな結果にならないのでX-2と言うシンボルで国産技術水準をデモするつもりなのでしょうか。今年は重要な決定の年になりそうですね。

​Tokyo eyes multiple routes for new fighter jet

23 APRIL, 2018
SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
BY: GREG WALDRON
SINGAPORE
防衛装備庁(ATLA)は三菱F-2後継機構想各案の是非を検討中だ。
「RFIが継続中で、課題も変化している」と制式名F-3となりそうな新型機開発に詳しい同庁関係者は語っている。
ロイター記事でロッキード・マーティンがF-22とF-35のハイブリッド版を日本向けに売り込みたいとしているが、同関係者はコメントを避けている。
ただし同上関係者は各種提案をはかりにかけており、日本と英国が共同で「次世代戦闘機実現の可能性」を検討していると述べている。
新型戦闘機の方向性を日本は模索しているところで選択肢には完全国産機の新型開発、海外パートナーとの共同開発、既存機種の改良がある。
米製戦闘機を基にした開発ではF-16の原型から生れたF-2の事例があるが、大型ペイロード搭載で対艦兵器の運用が要求内容のためF-2の主翼面積はF-16より25%大きいし、複合材料の多用などの改良点もある。
ただいかんせんF-2は高価格になり当初の144機調達が94機で止まったのが現実だ。F-35とF-22の特徴を兼ね備えた機体でも価格高騰が危惧される。
もともと日本はF-22調達を希望していたのだが1998年に米議会が海外販売に待ったをかけ、実現できなくなった。劣化版の輸出仕様構想が2006年に一時浮上したものの、日本からイージス戦闘システム関連情報が漏洩した2002年の事件が発生していた。
三菱重工はライセンス契約でF-35を名古屋で42機製造中だが、F-22/F-35ハイブリッド機の生産が実現しても米政府がどこまでの技術移転を許すのかは不明だ。
他方で同上ATLA関係者はX-2高度技術実証機のフライトが34回で終了していると認める。同機は当初50回までフライト予定だった。
「予定のテストは完了している。X-2の今後は未定だ。テスト続行もありうる」
同機は岐阜航空基地に置かれている。当初ATDXと呼ばれ、日本産業界にジャンプスタートさせる目的とステルス第五世代や第六世代機の開発に必要な技術の探求も目的とされた。新型機開発では15項目もの技術開発が同時並行で進み、兵装庫、センサー技術、データリンク他があり高性能戦闘機にそれぞれ必要な技術だ。
.X-2では同国内の航空宇宙技術陣の知見を次世代に継承することも目的とされていた。■

2016年2月1日月曜日

★★★航空自衛隊の南方増強とX-2公表を米国はどう見ているか



F-15Jの実力について理解に苦しむコメントもありますが、先週は日本の動きが注視を集めた一週間でした。

Japan Shifts Air Force Posture South, Unveils Stealth Demonstrator

By Paul Kallender-Umezu, Defense News 2:18 p.m. EST January 31, 2016
X-2 stealth fighter, japan(Photo: Toshifumi Kitamura/AFP via Getty Images)
TOKYO —防衛省の次年度予算要求を見ると航空自衛隊(ASDF)はF-35調達42機は進めるもののF-2とF-15の性能改修実施の決定は先送りされたようだ。
  1. その裏でASDFは南方重視の部隊配置を発表し、南西諸島への脅威へ対応しようとしている。さらに三菱重工業が開発中のX-2心神ステルス試作戦闘機が先週発表されたのは日本が国産技術開発でF-2やF-15の後継機づくりに本腰を入れている証左だ。
  2. ASDFは1,350億円(11億米ドル)でF-35を6機調達し、38億円でF-2改修を進めるほか、294億円がF-35の国内生産に計上されている。
  3. 日本がF-4ファントム後継機としてF-35導入を決めたのは2011年のことで当時の試算では80億ドルだったが、一方でF-2とF-15の性能改修も進め人民解放軍空軍(PLAAF)に対する航空優越性を維持する。
  4. 部隊配備では南方重視が目立つ。ASDFは那覇基地へのF-15配備を40機に倍増し、第9航空団を新設し南西諸島に向けた活動を増大させているPLAAFに対抗する。昨年のスクランブル発進441回は2011年から二倍増だ。(防衛省)
  5. 「日本が航空戦力を九州沖縄と南方へ配備しているのは中国の東シナ海進出に対抗する意図なのは見え見えだ」と日本の軍事問題に精通したウォーウィック大のクリストファー・ヒューズ教授(国際政治、日本研究学)は述べた。
  6. 南方重視の背景に長期的展望ではASDFの対応能力不足が顕著になることがある。装備の老朽化が重しとなるとの分析がある。
  7. 「航空自衛隊の南西方面強化はよいことだ。中国の領空侵犯へ対応しやすくなるが、現状は中国機対応で機体寿命が早く来ることを食い止めようと実際に訓練時間を削っているほどだ」と語るのはグラント・ニューシャム(日本戦略研究フォーラム上級研究員)だ。「航空自衛隊が戦闘機部隊を前方配備すると望ましい。たとえば、尖閣諸島に近い下地空港がある。作戦実施に有効活用でき、自衛隊も南西諸島に近い地点でプレゼンスを配置する。与那国島に陸上自衛隊を配備するのとも関連する」
  8. 新設航空団の意味は大きく、日本が直面する脅威に対抗し、南西諸島の防衛が死活的と認めたことになるというのはアヴァセントインターナショナル(戦略政策コンサルティング会社)社長のスティーヴン・ゲイナードだ。「戦闘機部隊を最前線近くに移動するのはよい考えだ。だが戦力はそれでも連続哨戒飛行の実施には不足気味だ。防衛省には南西諸島防衛で名案があるのだろうが、防衛予算の現状では要求すべてを満足することが難しい」
  9. ゲイナードはF-15は改修しても「痛ましいほど性能不足」と指摘する。「F-15Jは米空軍の1990年ごろのF-15と同じといってよい。日本がF-35を求めるのはわかるが、F-15については米空軍の仕様まで性能近代化が必要だ」
  10. ティールグループ副社長リチャード・アブラフィアも同意見だ。「日本は戦闘機の性能向上を重視しているが、防衛予算の現状では最優先事項すべてが実現するのとは程遠い。言い換えれば日本の外交政策には裏付けになる防衛予算と装備が欠けているということだ」
  11. 長期にわたる抑止力整備で日本が考えなければならないのは高くつく国内防衛産業基盤をどこまで維持するのかだ。先週公表された心神ステルス試作戦闘機は現地報道によれば335百万ドルで、国産ASW/MPA機材P-1(ボーイングP-8導入はしなかった)とC-2輸送機(C-17やC-130J導入の代わりに開発)の生産に踏み切ったことから日本は国産装備生産に余分な価格を支払ってまでもよしとし、F-15やF-2の後継機種にも大きく賭けに出ようとしている。
  12. 「ステルス戦闘機試作の真の意図がわからない。技術基盤を確立し日本も戦闘機で国際共同開発で交渉力を得て、F-35事例のように置いてきぼりを食いたくないのではないか」(ヒューズ)
  13. 心神を完全開発段階にもっていくと数十億ドル規模になり、生産に踏み切ればもっと大きな予算が必要だ。これは日本でもそう簡単に負担できない。
  14. 「心神は技術実証機であり、科学研究の材料だ。その他各国(韓国、トルコ等)と同様に第五世代機以後の機材開発に意欲がある日本だが単独で開発するだけの資金的余裕がない」とゲイナードは見る。
  15. 「これまでの航空自衛隊は米国製戦闘機の国内生産で最良の実績があったが、国内開発したF-2では不満足かつ非常に高価な結果しか生んでいない」とアブラフィアも指摘する。「そのため日本が防衛政策で強気になれば結果は逆に悪くなる。F-35をもっと調達すべきか国産戦闘機開発に進むべきかで議論が進んでいる」
  16. ニューシャムは長期的に調達方法や戦略方針を根本的に変換すれば航空自衛隊は抑止機能を今後も発揮できると考える。「日本のやりかたはゆきあたりばったりだ。統合指揮運用で南西諸島を利用すれば航空自衛隊にも有益だろう。各部隊を一本の指揮命令系統で運用することのほうがどんなハードウェア調達より価値が生まれるはずだ」■