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2025年11月5日水曜日

今後建造する空母で蒸気カタパルト復帰をトランプ大統領が指示(TWZ) ― 電磁カタパルト廃止になっても技術の蓄積がある米海軍だからこその話ですが、中国は知見のないまま技術マスターに苦しむ

 


フォード級空母の電磁カタパルトは頭痛の種だったが、現時点で変更すれば膨大な課題が生じる

ナルド・トランプ大統領は、新しい空母に蒸気カタパルトと油圧式エレベーターを使用することを米海軍に義務付ける大統領令に署名する予定であると述べている。トランプ大統領は、電磁式航空機発射システム(EMALS)カタパルトと、先進兵器エレベーター(AWE)が、海軍の最新型超大型空母であるUSS ジェラルド・R・フォードに搭載されていることを長年にわたり非難してきた。フォードのカタパルトとエレベーターは信頼性とメンテナンスの問題に直面しているが、これらの機能を交換するには、たとえ同クラスの将来の艦艇だけであっても、非常にコストと時間のかかる再設計が必要となり、新空母の就役がさらに遅れることになる。

トランプ大統領は本日、ニミッツ空母「ジョージ・ワシントン」に乗船中の軍人たちに、自由奔放な発言として、空母のカタパルトと兵器用エレベーターに関する大統領令を発令する意向を表明した。USSジョージ・ワシントンは前方展開中で日本の横須賀港に停泊していrる。大統領は大規模なアジア訪問の一環として日本を訪れた。

トランプ大統領は本日、超大型空母「ジョージ・ワシントン」で演説した。ホワイトハウス

海軍は現在、蒸気式カタパルトと油圧式兵器エレベーターを備えた 10 隻のニミッツ級空母を保有している。就役中の「ジェラルド・R・フォード」に加え、さらに 3 隻のフォード級空母が現在、さまざまな建造段階にある。海軍は、ニミッツ級に交代させるため、最終的には少なくとも 10 隻のフォード級空母を取得する計画を表明している。

「大統領令に署名する。空母を建造する際には、カタパルトには蒸気、エレベーターには油圧を使用することにする」とトランプ大統領は、フォードの電磁システムは海水によって機能不全に陥る可能性があると示唆した後、詳細には触れずに述べた。「そうすれば、問題が発生することは決してないだろう」。

「真剣に命令を出すつもりだ」と大統領はまた述べた。「彼らは愚かな電気式に何十億ドルも費やしている。問題は故障時だ。MITに連絡し、世界最高の頭脳を飛行機で呼び寄せねばならない。蒸気ならハンマーとトーチで修理できる。性能は同等かそれ以上だ」「50年間完璧に機能してきた蒸気システムがあったのに。 だから我々は元に戻す。真剣に変更を実行したい。大統領令を出す」と彼は付け加えた。「彼らにこの状態を続けさせるつもりはない。彼らは必死に機能させようとしているが、完璧なものが既に存在している。だから我々は蒸気機関と電磁石式カタパルト・エレベーターの設計に戻す」

指摘されている通り、トランプがフォード級設計の電磁カタパルトとエレベーターを批判するのは今回が初めてではない。その批判は本人の最初の任期にまでさかのぼる。2017年にも海軍にそれらの機能を放棄するよう命じる意向を示したが、実行には至らなかった。今回この件で大統領令が実際に発令されるなら、実際に海軍に何を指示するのかは今後の見どころだ。

本誌はトランプ発言についてホワイトハウス、国防総省、海軍に問い合わせた。国防総省は海軍へ照会するよう求めてきた。

艦体番号CVN-78としても知られるフォードのキャタパルトと兵器エレベーターに関する大統領の批判には、確かな根拠がある。本誌これらのシステム双方の問題点、ならびに同艦の設計におけるその他の長年の課題について、長年にわたり詳細に報じてきた。海軍はこれらの問題の緩和に取り組んできたが、昨年まで課題に直面し続けていた。

国防総省試験評価局(DOT&E)が今年初めに発表した最新の年次報告書によると、2023年5月から2024年1月にかけて実施されたフォード初の長期配備期間中、「同艦および搭載航空団はEMALS(電磁式発艦装置)を用いて8,725回のカタパルト発艦を完了した」という。「しかしながら、DOT&Eは2023会計年度(FY23)年次報告書に記載された信頼性統計を更新するのに十分なデータを受け取っていない。ハードウェア及びソフトウェアの工学的改良にもかかわらず、信頼性は過去数年と比べて顕著な変化はなく、艦外技術支援への依存は依然として課題である。NAVAIR(海軍航空システム司令部)は改良に向けた開発を継続中である」。

「海軍からの報告によれば、CVN 78の展開期間中、艦内兵器部門は11,369回のAWE(航空兵器運用)を実施し、1,829,580ポンド(約833トン)の兵器を飛行甲板へ搬送した。しかし、設計基準任務(DRM)を反映した速度での兵器製造・飛行甲板への移送は未だ達成されていない」とDOT&E報告書は付記している。「特筆すべきは、乗組員がハードウェア・ソフトウェア双方の障害修正において艦外技術支援に依存している点である。DOT&Eは、[2025会計年度に計画されている]SGR(出撃発生率)試験が、高弾薬処理能力を実戦的に示す初の実証となることを期待している」。

原則として、EMALS(電磁式発艦装置)と先進型着艦装置(AAG)の組み合わせは、フォード級空母が航空機を発艦・回収する速度において、従来型空母を大幅に上回る能力をもたらすはずである。ソフトウェア制御のEMALSとAAG(後者は長年にわたり問題を抱えてきた)は、ニミッツ級空母に搭載されている蒸気式システムよりもリセット時間が短い。

さらにEMALSとAAGは、発進・回収時に航空機に加える力をより精密に調整できるため、対応可能な機種の幅が広がり、安全性の余裕も増す。これにより将来的にフォード級空母へ小型で脆弱な機種の搭載が可能となる。この柔軟性は、空母搭載ドローンの運用支援において特に重要となる可能性がある。航空機への摩耗や損傷も軽減できる。

電磁式航空機発射装置(AWE)は、兵器やその他の物資を必要な場所へ運ぶ時間を短縮することで、フォード艦上の飛行運用全体の効率をさらに向上させることが目的だ。

しかし、DOT&E(国防技術評価局)が明らかにしているように、フォードが戦闘作戦支援を含む定期配備を行っているにもかかわらず、EMALS、AWE、AAGはいずれもその潜在能力を十分に発揮できていない。

フォード級設計の大幅な変更には前例がある。USS ジェラルド・R・フォードは同級艦で唯一、長年問題を抱えてきたデュアルバンドレーダー(DBR)システムを搭載する艦となる予定で、今後建造される同級艦は全て、DBRに代わってエンタープライズ航空監視レーダー(EASR)の派生型を搭載する予定である。

将来のフォード級空母「ジョン・F・ケネディ」において、デュアルバンドレーダー(DBR)に代わってエンタープライズ航空監視レーダー(EASR)のAN/SPY-6(V)3派生型を導入する計画を強調したレンダリング。レイセオン

とはいえ、フォード級(または現在建造中の同型艦)のEMALS(結果としてAAGも)とAWEsを置き換えることは、はるかに複雑で、費用がかかり、時間を要する提案となる。カタパルトとエレベーターは、DBRよりもはるかに深く艦船のコア構造に統合されている。同型艦の将来の空母向けに設計を変更するだけでも、極めて複雑な作業となる。蒸気式とEMALS機能を組み合わせたハイブリッド方式も選択肢となり得るが、その場合、統合が必要となる二つのシステムが生じ、運用開始後も両方の維持管理が求められることになる。

追加のフォード級空母の建造は既に大幅に遅延している。同級2番艦となる将来のUSSジョン・F・ケネディの予定納入時期は、当初の予想よりほぼ3年遅れの2027年3月に既に延期されている。海軍は今年初めにUSNIニュースに対し、このスケジュールを前倒しする方法を模索中だと述べた。艦船の基本設計であるフォード級に大規模な変更を加えれば、コスト増やその他問題に加え、連鎖的な影響が生じる可能性がある。これはさらに、海軍の退役するニミッツ級空母の代替計画を覆す恐れがあり、近年における高い作戦要求により艦隊全体が特に負担に直面している時期に当たっている。

トランプはフォードの電磁カタパルトや兵器エレベーターへの公然たる反対姿勢だけでなく、米海軍艦艇の設計・戦力計画艦艇の美観に関して特に率直な意見を述べてきた長い経歴を持つ。

先週金曜日、ウォール・ストリート・ジャーナル、ホワイトハウスと海軍が将来の「ゴールデン・フリート」と呼ばれる大規模な海軍戦力再編計画の初期段階にあると報じた。

「ホワイトハウスと国防総省が1万5000~2万トン級の超重装甲次世代艦艇の建造について初期協議中だ。現行の駆逐艦や巡洋艦を上回る数の強力な兵器、さらには極超音速ミサイルさえ搭載可能だと、現職・元高官らが述べた」と同紙は報じている。

これは、トランプが9月に「砲中心の武装と重装甲船体を備えた『戦艦』を米戦闘艦隊に再導入する」ためジョン・フェラン海軍長官と協議中だと述べた軽率な発言に一定の信憑性を与えるものだ。本誌によるトランプ発言の深層分析では、主に垂直発射システム(VLS)セルを装備した戦艦型兵器搭載艦が、過去にも海軍の将来戦力構想の一部として度々提案されてきた点を指摘した。

国防高等研究計画局(DARPA)による1990年代にさかのぼる概念的な兵器搭載艦の図面。DARPA 1990年代の国防高等研究計画局(DARPA)による概念的な兵器搭載艦のイメージ図。DARPA

ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、少なくとも現時点での「ゴールデン・フリート計画」は、「大型艦艇と小型艦艇の両極端を備えたバーベル型」の総合戦力構造の一環として、無人艦艇にも重点を置いていると報じられている。

ここで注目すべきは、中国人民解放軍海軍(PLAN)が空母戦力計画において蒸気カタパルトを完全にスキップしている点だ。PLANはスキージャンプ式船首を備えカタパルトを全く搭載しない短距離離陸・着艦装置(STOBAR)搭載空母から、新型EMALS装備の福建級へ直接移行した。中国の新鋭超大型076型強襲揚陸艦にも単一カタパルトが搭載されており、これはEMALS型とみられている。

他国も将来の空母その他の海軍艦艇向けにEMALS型カタパルトの導入を検討中だ。

結局のところ、トランプ大統領が空母カタパルトとエレベーターに関して海軍にどのような指示を出すのか、あるいは約束された大統領令が実際に発令されるのかは、依然不透明なままだ。たとえ大統領が最終的に海軍に蒸気式カタパルトと油圧式エレベーターへの回帰を命じなくても、その影響力は将来のアメリカ超大型空母の構成で他の形で現れる可能性がある。■


Executive Order To Go Back To Steam Catapults On New Aircraft Carriers Coming: Trump

The electromagnetic catapults and weapons elevators for Ford class carriers have historically been a headache, but changing now would create immense challenges.

JOSEPH TREVITHICK

PUBLISHED OCT 28, 2025 1:28 PM EDT

https://www.twz.com/sea/executive-order-to-go-back-to-steam-catapults-on-new-aircraft-carriers-coming-trump

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭より『The War Zone』チームの一員。それ以前は『War Is Boring』のアソシエイトエディターを務め、『Small Arms Review』『Small Arms Defense Journal』『ロイター』『We Are the Mighty』『Task & Purpose』など他媒体にも寄稿している。



2024年7月24日水曜日

フォード級空母のEMALSカタパルトとAAGアレスター・ギアの陸上基地への導入構想に注目



  



EMALSとAAGが、陸上での過酷な作戦に新たな可能性を開く可能性が出てきた

対中戦が迫っているとの認識で、滑走路が脆弱担っている中、航空機の前線運用を根本的に変えるかもしれない

  

ェネラル・アトミクスは艦艇用の電磁式航空機発射システム(Electromagnetic Aircraft Launch System)と、先進的復元装置(Advanced Arresting Gear、それぞれEMALSとAAGとして知られる)の陸上使用を検討していると本誌に語った。同社が最初にEMALSとAAGを開発したのは米海軍のフォード級航空母艦のためだったが、陸上での前線作戦への関心の高まりは、従来型の長い滑走路を利用できない航空機の運用方法についての新たな考えを促している。

 本誌の取材に対し、ジェネラル・アトミクスの広報担当C・マーク・ブリンクリーは次のように語っている: 「GA-EMS(ジェネラル・アトミクス電磁システム・グループ)は、遠征用電磁発射・回収システムを研究しており、このコンセプトについて広範な研究を行ってきた」。


 この基本的なコンセプトは、米海兵隊がベトナム戦争中の戦闘活動を支援するために実際に採用したものである。

 米海軍のフォード級空母の能力の中心であるだけでなく、EMALSとAAG設計の派生型はフランスの次世代空母にも採用され、インドの将来のINSヴィシャールにも搭載される可能性が高い。クイーン・エリザベス級空母から運用できる固定翼機の種類を将来的に増やしたいと考えているイギリス海軍にとっても、EMALSやAAG、あるいは同様の技術は選択肢のひとつになるかもしれない。

 特にEMALSは使いこなすのが難しいが、蒸気カタパルトに比べてさまざまな利点がある。最も明らかなのは、大量の蒸気を発生させて移動させるシステムが不要となることだ。

 しかし、それと同じくらい重要なのは、リセット時間の短縮による出撃率の向上である。一方、EMALSとAAGの両方が、打ち上げと回収の際に航空機に与える力をより細かく調整することができるため、小型で壊れやすいタイプを含む、より幅広いタイプの航空機に対応できる。同時に、個々の航空機の損耗も軽減される。

 より小型で軽量な航空機を運用する能力は、ドローンにも及んでおり、ドローンは遠征作戦で大きな意味を有する。

 ドローンでは滑走路からの独立性を高める取り組みの機運が高まっている。

 米陸軍のMQ-1Cグレイ・イーグルから派生したジェネラル・アトミクスのモハーベは、様々な遠征作戦や分散作戦を支援することに重点を置き、短距離離着陸に最適化されている。このコンセプトは、クイーン・エリザベス級空母HMSプリンス・オブ・ウェールズでテストされた。

 ドローンは、将来の遠征戦シナリオでますます注目されているが、短距離作戦中も、ペイロードと航続距離の良好なバランスを確実に維持するという問題が残ったままだ。

 これを反映しているのが、ステルス性のXQ-58バルキリードローンの例である。同機は、必要に応じて完全に滑走路に依存しないモードで使用することができるが、車輪付きトロリーの助けを借りて空中に飛び立つ新しい方法のデモンストレーションも開始している。クレイトス・トロリー・ローンチ・システム(KTLS)により、XQ-58はより多くの燃料やより大きなペイロードを搭載して離陸できる。KTLSは従来型滑走路で実証されているが、この新しい発射方式は直線道路や他の適切な表面からXQ-58を打ち上げるのにも使用できる。

 EMALSとAAGを陸上で発展させることで、有人無人問わず航空機を発進・回収させる別の手段を提供することができるようだ。

 短い滑走路から固定翼機を運用するためにEMALSとAAGを活用する可能性は、前述のベトナムで米海兵隊が使用したShort Airfield for Tactical Support(SATS)システムを思い起こさせる。


U.S. Navy1965年6月1日、チューライでSATSシステムを使った最初の着陸とされるA-4Cスカイホーク。米海軍


 SATSは無軌道カタパルトでジェット機を発進させ、空母スタイルのアレスティングギアで回収する。甲板上の軌道を走る空母のカタパルトとは異なり、トラックレス・バージョンは車輪付きの台車とキャプスタンで駆動されるケーブル・トウをベースにしており、タービン・エンジンを動力源としていた。

 明らかな利点は、長い滑走路を必要とせず、固定翼機を空中に飛ばし、基地に着陸させることができることだった。これはまた、東南アジアの高温多湿な条件からくる性能限界に対処するのにも役立った。

 しかし、SATSは相当のインフラ面積を必要とし、1カ所にしか設置されなかった。最終的に、滑走路は10,000フィートまで延長され、コンクリート路面と隣接する駐車場ランプと誘導路が整備された。

 EMALSとAAGは、従来の蒸気動力のカタパルトやアレスティングギアと比較して、明らかに多くの利点を提供するが、陸上基地、特に遠征基地への適応にどの程度適しているかについては疑問が残る。例えば、EMALSは蒸気を必要としないが、作動にはかなりのエナジーを必要とする。

 本誌はジェネラル・アトミクスに、EMALSとAAGの陸上ベース、遠征バージョンが実際にどのようなフットプリントを伴うことになるのか、より詳細な情報を求めている。

 その一方で、この種の作戦、特にアジア太平洋地域での作戦を可能にすることが、米軍などにとって関心が高まっていることは間違いない。


2019年3月14日、伊江島訓練施設での遠征先進基地作戦のシミュレーション中に、設置された前方武装補給ポイントで補給を行う海兵隊戦闘攻撃飛行隊121のF-35B。米海兵隊撮影:ディラン・ヘス伍長


 ベトナム戦争でのSATSから半世紀以上が経過し、米海兵隊は今再び、戦術的航空戦力を必要とされる場所に投入する実験の最前線に立っている。海兵隊はこのコンセプトを、2019年の海兵隊航空計画に概説されている「遠征前進基地作戦(EABO)」コンセプトとして、次のように説明している:

 より生存性が高く、回復力があり、永続的な前方態勢兵力を構築することで、同業他社の反アクセス/領域拒否能力を緩和する将来の海軍作戦コンセプト」。EABOのコンセプトは、抑止効果を発揮するために必要な戦力の信頼性を再確立するように設計されている。EABOは、近海かつ狭い海域の主要な海域を利用し、意思決定者に威圧的だがエスカレートはしない海上阻止のオプションを提供する」。

 海兵隊は現在、F-35C空母型と短距離離陸・垂直着陸(STOVL)型F-35Bの可能性を探っている。

 EABOのシナリオのひとつは、海兵隊のF-35CがM-31遠征用アレスティングギアを使用し、より小さな滑走路からの運用を可能にすることである。これにより着陸に必要な滑走路の長さは短くなるが、ジェネラル・アトミックスが陸上ベースのEMALSコンセプトで現在注目しているような、未整備滑走路からの離陸には対応できない。また、滑走路から軽装備のジェット機を離陸させるのも一つの手だが、戦闘シナリオで燃料や兵器の搭載量が必要となると、これはより困難な課題となる。


フォーエージャー・フューリーIIの訓練中、テニアンのウエスト・フィールドでM-31遠征アレスティング・ギア・システムで停止させるために滑走路に着陸するF/A-18Dホーネット。訓練は迅速な地上給油と逮捕された着陸作戦で構成され、マリアナ島レンジコンプレックス全体に航空訓練を拡大した。U.S. Marine Photo by Lance Cpl. Antonio Rubio/Released 米海兵隊ホーネットがテニアン島で移動式アレスティングギアシステムを使用し、短距離での回収作業を実施。(米海兵隊撮影:アントニオ・ルビオ伍長/リリース)


 ベトナムで戦術的航空兵力を最前線に近づけたSATSと同様に、より重装備の航空機をオーステラス・ストリップから発進・回収する能力を持つことも、戦闘に近づく可能性があると同時に、こうした遠隔地や紛争地域でさえ運用できない可能性のある空中給油資産への依存を減らす可能性がある。

 国防総省が太平洋戦域への「ピボット」を続ける今、航空基地を迅速に構築する能力は、米軍にとってますます重要な課題となっている。中国との潜在的な紛争の脅威が迫っており、一部の予測によれば、それは遅かれ早かれ起こる可能性があるが、従来の空軍基地を含む確立されたインフラはすぐに破壊される可能性が高いことが認識されている。ヨーロッパにおけるロシアとの潜在的な対立も同様で、遠征基地のコンセプトは、脅威に近い国との紛争に不可欠と見なされている。通常の航空基地の滑走路が敵の行動によって損傷しても、陸上ベースのEMALS/AAGソリューションがあれば、その基地の運用を継続することができる。

 EMALSとAAGを陸上用に適合させることができ、パッケージ全体が必要な場所に素早く設置・撤去できるほど実用的になれば、海兵隊だけでなく、他軍にとっても非常に興味深い選択肢となるだろう。■


Ford Class Carrier’s EMALS Catapults, AAG Arrester Gear Eyed For Land Bases

The potential of the EMALS and AAG to open up new possibilities for austere land-based operations is now being explored.

THOMAS NEWDICK

POSTED ON JUL 23, 2024 4:24 PM EDT

https://www.twz.com/air/ford-class-carriers-emals-catapults-aag-arrester-gear-eyed-for-land-bases