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2016年10月17日月曜日

★★★次期ステルス戦闘機で日本へ共同開発を持ちかけるロッキード




ヒューソン社長が小牧に来ていたのは知りませんでした。商売上手な同社のことですからこれからあの手この手と日本側に甘いことばをかけてくるのでしょうね。一方で三菱重工業も単独開発のリスクを考えると共同開発には一定のメリットがあると考えるはず。そうなるとボーイングが何を言ってくるかがポイントになりそうです。

Nikkei Asian Review

Lockheed proposes stealth fighter project with Mitsubishi Heavy

SAM NUSSEY, Nikkei staff writer
October 15, 2016 2:00 am JST

TOKYO -- ロッキード・マーティンが三菱重工業に新型ステルス戦闘機製造で共同開発提案していることが明らかになった。
「パートナーとなる三菱重工から情報開示の要望が8月にありすでに対応している」と同社社長マリリン・ヒューソンが日本航空宇宙展での取材に答えている。
Lockheed Martin President Marillyn Hewson

ロッキード・マーティンの回答は防衛省からの要望に対応したもので緊張高まる中で日本の防衛力を整備する方策を検討する一環と思われる。
日本は現有90機あるF-2の後継機として選択肢を3つ想定している。ひとつは国産開発だ。二番目はロッキード・マーティン含む海外メーカーとの共同開発、三番目が既存機種の調達だ。
防衛省の検討はまだ続いており、第二回目情報開示要請が来年3月までに出る見込みで、ヒューソンは「是非対応していきたい」とする。最終決定は2018年度内に行われる見込みだ。
ロッキードのライバルたるボーイングも三菱重工業と共同でF-2後継機開発を提案している。三菱重工業はすでに試験機を昨年初飛行させており自社単独開発の途も選択可能だ。
日本が調達するF-35合計42機はF-4の更改との位置づけだ。そのうち最初の四機はロッキードがテキサスで製造中で1号機は完成済みで9月23日にロールアウト式典が行われている。
残る38機は三菱重工が名古屋の最終組立点検施設(FACO)内で完成させる。この施設は米国以外には二箇所にしかない。「相当の作業量と技術移転が実現するので日本の防衛能力整備の継続に役立つはず」とヒューソンは語った。米国防総省は日本とオーストラリアをF-35ノアジア太平洋地区での整備拠点に選定ずみだ。
ヒューソンは名古屋近郊の同施設を訪問し、「当社社員が多数三菱側と肩を合わせて作業している生産現場を見られてよかった」と感想を述べている。■



2015年6月20日土曜日

★F-35>イタリア生産一号機の初飛行近づく。日本生産の先行事例として参考になるか



Defense Newsの記事をご紹介します。FACO施設を先行して開所したイタリアの事例は参考になります。記事からわかるのは①一部工程は米国が他国立ち入りを認めず行い、②施設内の装備等は米国が保有する形で ③JPO(JSF推進室)が監督指揮する 、といことですね。JPOは開発段階のみならずF-35のライフサイクル全体にわたり存在する部門だとわかります。機体番号のALは多分イタリアのLを意識していると思いますので、日本で生産する機体はAJと呼称されるのではないでしょうか。

Italy Plans First F-35 Flight in October

By Tom Kington 6:45 p.m. EDT June 19, 2015
635696261521953263-DFN-Italy-jsf(Photo: Larry Bramblett/lockheed Martin)
ROME — 米国外で生産される初のF-35が10月に初飛行する見込み。イタリアの最終生産ラインからロールオフするとロッキード・マーティンが発表した。
  1. 初号機AL-1はイタリア空軍に引き渡された後、2016年第一四半期に英国、アイスランド経由で大西洋を横断しルーク空軍基地(アリゾナ州)へ飛ぶ。同基地でイタリアのパイロット訓練に投入される。イタリア関連のじF-35事業を率いるロッキードのデブラ・パーマーDebra Palmer が述べた。
  2. この飛行経路は昨年夏にファーンボロ航空ショー展示のため派遣する際の飛行計画と同じだ。ただし出展は同型機が地上でエンジン火災を起こし取りやめとなった。
  3. フライトの詳細まで浮上してきたのはイタリアの最終組み立てラインでの生産活動が加速化してきたためだ。ラインは北部カメリ基地内に置かれ、イタリア国防省の資産としてフィンメカニカ傘下のアレニア・アエルマッキとロッキード・マーティンが操業している。
  4. 同施設は今のところ米国外に設置された唯一のもので生産とともに保守整備拠点として欧州、地中海地区のJSF重整備、改修の中心となる。
  5. イタリアで生産する予定の90機の初号機が3月にロールオフし、今月はエンジンを始動している。
  6. 「エンジンが最高出力に到達するのに通常は二三日かかるんですが、今回は一日で完了しました。現地のプラットアンドホイットニー技術陣も今まででもっとも順調な運転だったと言っています」(パーマー)
  7. AL-1は現在小規模な改修工事中でその後最終塗装を施し、6週間の最終工程に入る。初号機のみアレニア・アエルマッキがロッキードから技術指導を受けて行うとパーマーは述べた
  8. 「非常に複雑な作業内容だけに不良が発生しないようにしなければなりません。そのため当社は作業を監督する発注をイタリア国防省から受けたわけです」
  9. 8月20日ごろに同機は検収テスト施設に移り、米関係者がステルス塗装の品質をレーダーを用いて検査する。この検査は2週間の予定でその間米関係者以外は施設内立ち入りができない。
  10. 9月からソフトウェアの組み込みが始まり、10月第二週に初飛行するとパーマーは言う。
  11. 発注者による受領フライトもカメリ基地で実施する。最初のイタリア人パイロット二名はともにテストパイロットで米国内で訓練を受け帰国する。
  12. テスト飛行が終了するとAL-1は最終的な調整を11月末にしてから12月に公式に引き渡しとなる。
  13. 「当社は米国政府と契約をしており、機体はまず米国政府に引き渡し、直後にイタリア政府が受領します」(パーマー)
  14. AL-1、AL-2がそろうと両機は大西洋を渡り2016年早々に米国に移動する。合計11機のイタリア生産機材が米国でイタリア空軍・海軍のパイロット養成に使われる。空軍パイロットはルーク基地で通常離着陸型の習熟にあたり、空軍と海軍のパイロットはボーフォート基地(サウスカロライナ州)で短距離陸垂直着陸型機の訓練を行う。
  15. イタリアは今のところF-35Aを8機発注済みで2020年までに38機を発注する。だがイタリアの発注が削減されており、カメリ施設は当初想定の年間24機の生産能力を発揮できない状況が続くが、それでも修理点検拠点として存在意義が残るという。
  16. 「イタリアはカメリに10億ユーロを投入しているのでF-35のライフサイクル全体で活用しないと理由がたちません」というのはミケレ・ノネMichele Nones(イタリアのシンクタンク国際問題研究所Istituto Affari Internazionaliで安全保障国防部長)だ。「カメリの戦略的な位置も大きい。オランダから機材を受け入れるほか、将来的にはヨーロッパのF-35は700機から800機になるはずだ」.
  17. カメリ施設は初のオランダ向け機材を2019年に生産し、2020年に生産する13機のうち8機がオランダに引き渡される」
  18. 一方でイタリアはカメリを将来の点検修理・重整備・機体維持(MRO&U) の中心施設と想定する。
  19. 「イタリアはJSF推進室(JPO)及び当社と協力しカメリ施設をヨーロッパ内の機材維持の需要にこたえる拠点にしようとしています」(パーマー).
  20. イタリア国内の施設だがMRO&U活動はJPOが直接監督するとパーマーは述べた。
  21. 「資源を世界全体で共有する必要があり、一部装備が緊急にヨーロッパ内の別の場所で必要になる際にはJPOが装備を所有していれば必要な場所に送ることができます。JPOはJSF事業に参加するすべての国のサポートをする権限を持っているからです」■


2014年12月18日木曜日

★F-35整備拠点に日本、オーストラリアが正式に選定されました



なんとなく利益誘導のばらまきとも見えるのですが、業務量はそんなに多くないようですね。むしろお隣の韓国がこの選定に不満があるようです。シンガポールはオーストラリアに頼ることになるのでしょうか。FACO設置で(小牧になるのでしょう)ボグデン中将の微妙な言い回しからすると日本側がなかなか思い通りに動いていないと見ているのでしょうね。

Japan, Australia Selected for Pacific F-35 Sustainment

Dec. 17, 2014 - 03:23PM   |  
By AARON MEHTA   |   Comments

WASHINGTON — 日本とオーストラリアを太平洋地区でのF-35機体・エンジンの重整備拠点に選定したとペンタゴンのF-35共同開発室が17日に発表した。
これにより日本とオーストラリアが太平洋の南北でそれぞれ重整備を受け持つことになる。エンジン重整備をオーストラリアは2018年に開始予定で、日本もその3年ないし5年後に追随する。重整備とは機体の修理・更新を意味し、機体隔壁や主翼の整備も含む。
オーストラリアは太平洋では唯一のF-35共同開発国であり、100機導入予定。日本と韓国は有償軍事援助で同機導入をめざし、それぞれ42機40機調達予定。
日本はこれとは別に最終組み立て点検施設 (FACO) の設置でも合意いているが、詳細は決まっていないと開発室長クリスボグデン中将は述べている。
立地上の制約から日本施設は上下に延ばすことで土地を有効利用することになるだろうとし、広い敷地に立地するイタリアやテキサスの既存施設と異なると同中将は述べる。
今回の太平洋地区での選定結果は先週のヨーロッパ地区の立地選定結果発表に次ぐもの。
イタリアのFACOはヨーロッパ地区の重整備を実施するが、イタリアが需要に応えられない場合は英国が業務を受託する可能性がある。トルコにはヨーロッパ初のエンジン重整備施設が設置され、その後ノルウェーやオランダが続く。
ヨーロッパではイタリアが需要を一手に引き受けるが、ペンタゴンが太平洋で施設をふたつにしたのは、あくまでも地理的な距離感が理由とする。またボグデン中将は第一期分として国際開発協力国や導入国への施設設置を決めたと強調。
各施設での業務量は未定だが開発室によればイタリアでは2018年から2022年の間に40機から50機分程度と見ており、工数は15万時間相当、金額換算で30から35百万ドル相当だという。
エンジンメーカーのプラット&ホイットニーから日本・オーストラリア両国へ祝辞が送られており、両国と「アジア太平洋地区でF135エンジンのトップクラスの補給処を立ち上げる」ことを期待するとしている。■


2013年7月13日土曜日

イタリアFACO竣工式は見送り。生産は7月18日開始

Ceremony Canceled As Italian F-35 Final Assembly Facility Starts Ops

By Amy Butler abutler@aviationweek.com, Anthony Osborne tony.osborne@aviationweek.com
Source: AWIN First

aviationweek.com July 12, 2013

イタリアで竣工したF-35向け最終組立点検施設 (FACO)の開所式が同国の政治事情により開催先送りになった。

当初の予定ではイタリア空軍、国防省高官、産業界幹部、米空軍クリストファー・ボグデン中将(ペンタゴンで同機開発を統括)が出席する予定だったが、7月18日開催予定だった。

ただしアレニア・アエルマッキとロッキード・マーティン両社は同機を巡りイタリア政界で対立がめだったことからひと目を引く開所式の実施を見送ったもの。

イタリア議会では6月26日に議決し、予定どおり90機の支出を承認したが、予定変更は都度議会の承認を必要とするとの付帯動議も可決。これは同機導入に異議を唱えた反対派への妥協策だ。同機の価格高騰と開発遅延からユーロファイター・タイフーンの導入を押す向きがあった。

イタリア国防省は今回の決議を勝利ととらえ、計画推進に勢いが得られたと理解。しかし反対派は米国外では初のFACO竣工祝賀会企画に騒ぎ立てていた。

米伊両国の産業界、政府関係者によると開所式はあくまでも「延期」扱い。しかし、F-35計画の推進を承認した議会決議に異を唱える向きを考慮して実施は実質上断念されているという。

式典そのものはなくなったが、最終組立作業は予定通り7月18日に開始されれう。FACOはイタリア北部のカメリ空軍基地Cameri Air Base にあり、機体各部が電子式接合調整システムElectronic Mate and Alignment Systemに投入される。

イタリア政府は同施設への投資によりイタリア産業界がF-35のハイテクに触れることができるべくリスクをとる決定をしている。実際には機体生産よりも長期間に渡る同機の保守点検に投じられる金額のほうが高くなる。

FACOはメンテナンス、修理、オーバーホールも行う施設だ。イタリア政府はカメリがヨーロッパにおける同機のメンテナンスの中心地となることを期待し、航空宇宙関連の雇用を生むことも期待。FACOからの1号機は2016年にアメンドーラ空軍基地Amendola Air Base iに配備される予定。■

2013年6月22日土曜日

F-35関連 イタリアのFACOが一足先にオープン 10億ドルの賭けはどんな結果を出せるのか?

今 回はFACOが話題です。日本も愛知県の三菱重工(小牧)にFACOを作ると言われていますが、日本が予定している50機弱の規模ではとてもペイしないの ではないか。導入規模を増やすのか、近隣のF-35もMROで引き受けるのか(シンガポール? 韓国は明白に拒否しているので、高価になること承知で米国 かイタリアに頼むのでしょうか。経済減速を無視していますね。)先行するイタリアのFACOもどう見ても経済性を無視して国内産業基盤の強化だ、と強気の 発言をしてますが。ま、50年間も稼働させるという同機ですから今後はインフレを期待して累計で巨額な費用となってもいいと考えているのですかね。西側世 界の防衛基盤を揺るがしかねないのがF-35だ、というのが当方の主張です。

   

Italy Takes $1 Billion Risk With F-35 FACO

By Amy Butler
Source: Aviation Week & Space Technology
June 17, 2013
Credit: Lockheed Martin
Amy Butler Rome and Cameri AB, Italy


来月イタリアは最終組立・修理点検施設 final assembly and check-out facility (FACO)を正式にオープンする。
  1. 開所式は軍の視点ではイタリアの航空宇宙産業の技術力アップの大きな転機と見ているが、イタリア政界でF-35購入の是非が論争になっている中、トップ企業アレニア・アエロナウティカ Alenia Aeronautica は心中穏やかではない。
  2. 政 界で一貫性ある支援がない中、イタリア軍は前に進めようとがんばっており、イタリア向け機体の最終組立だけにとどまらず、オランダ向け55機の生産の提案 に加え、ロッキード・マーティンの大規模FACO(テキサス州フォートワース)の代替施設としても利用できないかと積極的だ。
  3. カメリ空軍基地(ミラノ近郊) Cameri AB に同施設の建設はイタリア国防省が予算措置をしており、生産規模250機(イタリアの当初案は131機、オランダも当初案は85機だった)で採算分岐点を 越える、という目論見だ。ただ同機の単価上昇で甘い希望は消えたが、F-35とFACOへのイタリア軍の肩の入れ方は一層強くなっている。
  4. 建 設費10億ドルといわれる同施設の投資効果、雇用規模は今後数十年間にわたる修理点検作業の中で明らかになると関係者は言う。カメリFACOは地域内に加 えイスラエルも入れた規模でのMROセンターになるとイタリア空軍調達本部長ドメニコ・エスポシト中将 Lt. Gen. Domenico Esposito は語る。長期的に十分な仕事量が確保できる保証がないため同中将も施設への投資はギャンブルだと認めるが、イタリアの産業強化効果を期待する。イタリア軍 によると地元への経済効果は186億ドル規模という。国防省にとってFACOはイタリア航空宇宙産業力の強化の手段であり、F-35が搭載する技術はこれ までとは違う種類のものであることが魅力だ。
  5. しかしF-35関連でイタリアの業務量に保証があるわけでなく、タイフーンの事例で業務分担が明白に合意形成されていたのとは対照的だ。
  6. 米国主導で2001年に始まったF-35では共同開発国との間で特定国が計画全体を危険にさらすような仕事の独占はまかりならないという不文律がある。つまり同機の価格に響く形である国が特定の技術や工程を希求することは認められない。
  7. 「これまでは安全サイドに留まっていました」と語るのはクラウディオ・デベルトリス中将(イタリア国防力整備本部長) Lt. Gen. Claudio Debertolis, secretary general of defense and national armaments director for Italy だ。「JSFの仕事をイタリアに確保しなければ」という。最終組立工程および修理部門での雇用は1万人規模という。
  8. 軍 はF-35関連で素材や機械設備の業務にあたる中小企業へ投資をしている。デベルトリス中将は航空宇宙産業の活性化のみならず国際競争力の獲得を期待す る。同時にアレニアの企業体質が強固になることはイタリア軍も吉報であり「保護に甘えていた同社も利益が保証され、将来は競争力がさらに伸びる」と見る。
  9. アレニアはそこまで楽観的ではない。ユーロファイターでは雇用を確保できたが、F-35では保証がない。同社がはフォートワースが5年間先行している中で同社従業員が追いつくまでの間に財務負担が増えることを懸念している。
  10. 学 習曲線と呼ばれる作業員が適切な作業効率を実施できるまでにかかる時間のことをさしている。第5ロットを生産中のロッキード・マーティンの従業員はF- 35A一機あたり100百万ドルを節減したが今も機数が増えるにつれ学習曲線は上がる。ロッキードの場合は費用節減で収入が増える形の契約のにより、学習 曲線をさらに先まで行くことができる。
  11. 対照的にアレニアにこの恩恵は存在しない。契約によると最初の6機(低率初期生産(LRIP)ロット6とロット7各3機)はペンタゴン-ロッキード間の固定価格で生産される。
  12. ところがF-35全体にイタリア国内の生産コストは考慮されていない。イタリア国防省も国内生産で損失が生まれた際の補償に及び腰だ。国防省はアレニアも中小企業同様に利益幅を圧縮し競争力をつけるべきと考えている。
  13. ロッキード・マーティンとアレニアは2月に長期間合意に到達し、第一期分として主翼部品130点の生産に道が開けた。これにより6年間分の作業が保障されたことになり、アレニアは主翼の学習曲線では損失を抑えることができそうだ。
  14. 両社はLRIP6および7の主翼生産でも4月に合意しており、アレニアからはフォートワースに主翼コンポーネンツ6基が納入されており、LRIP11までの生産を担当する。その時点でアレニアは主翼完成品の納入を開始している予定。
  15. ロッ キード・マーティン内部にはイタリア作業員が学習曲線を順調にたどり米国内と同一の品質、価格で納入できるのか怪しむ向きもあるが、その裏には両社のこれ までの葛藤がある。戦術輸送機C-27Jをめぐりぎくしゃくした経緯がありロッキード・マーティンは同機の米国内販売提携先だった。また海兵隊の大統領専 用ヘリ機材更新を巡ってもアレニアの関連会社アグスタウェストランドがロッキード・マーティンと提携したが海軍が導入をキャンセルしている。
  16. ロッキード・マーティンでFACOおよびF-35国際生産を担当する副社長デブラ・パーマー Debra Palmer によると納品時に部品不足がないことで好印象をうけ、驚いたという。部品不足でロッキード・マーティンの生産初期に12億ドルが追加発生していたのだ。「過去の経験から学び部品管理できるようになったのはFACOでも幸先よい」とパーマーは見る。
  17. イタリアはFACOの完全稼動はLRIP6(現在ペンタゴンとロッキード・マーティン間で交渉中)からと予定。オランダはLRIP10以前にイタリアの生産ラインから機体購入の予定はない。そうなると当面はイタリアは自国用生産のみになる。
  18. イ タリアのFACO生産能力は月産2機、一方ロッキード・マーティンは24機まで対応可能だ。イタリアは「自走式」生産ラインを採用していない。なくても生 産効率は高いというのだ。ロッキード・マーティンでは完成機体が一日一機出てくることをめざして同ラインを採用したが現実は程遠い。
  19. 正 式な開所式の前にイタリアはFACOの障害を克服に成功している。もともと米政府は安全保障上の懸念から反対していたが、カメリを実際に見てからは態度を かえており、保安体制が厳格なことがその理由だ。ただしイタリア政界にはまだ懐疑的な向きがあり、ティア1パートナーの英国は費用対効果の利点が見られな いとしてFACO導入を見送っている。
  20. 英国が自国用の機体製造しか検討しなかったのに対し、イタリアは他国向け機体の最終生産に加え、MRO業務まで含めて検討し2009年に着工した。FACOには最終組立ステーションが11あり、そのうち4つは電子装備専用で5つがMRO用だ。
  21. ただしイタリアがF-35を今後も購入するか不明。その他のパートナー諸国と同様、イタリアも経済不振に苦しみ、同機開発のコスト、日程双方での目標値からの後退が不安要素だ。イタリアはすでに131機購入を90機に削減している。 
  22. イタリアFACOからのF-35一号機は2016年引き渡し予定。■