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2025年4月12日土曜日

ロシアは北朝鮮にMiG-29を売却の構え。西側諸国は心配すべきか?(The National Interest)

 


Gemini



目を引くMiG-29の設計は、空中戦での勝利と必ずしも結びついていない


年12月、ロシアが北朝鮮と同盟関係を強化するため、北朝鮮空軍にMiG-29はじめとする戦闘機を売却する意向であることが報じられた。 これは、冷戦の真っ只中にソ連と中華人民共和国から譲り受けた旧式戦闘機を使い続けている北朝鮮空軍の能力を劇的に向上させるだろう。


 もちろん、MiG-29は世界最先端の飛行機ではない。しかし、さらに古い飛行機に頼り続けている北朝鮮にとっては、それでも大きなステップアップなのだ。

 平壌にMiG-29を引き渡す決定は、ロシアと北朝鮮の関係が拡大していることを示している。北朝鮮からの大砲の砲弾と引き換えに、そして最近では、明らかに大砲の餌としてクルスクに北朝鮮軍を配備することで、北朝鮮の指導者金正恩はロシアから高度軍事援助を受けている。

 興味深いことに、これは冷戦後の数十年間、ロシアが拒否していた措置だ。1990年代にロシア経済が停滞し、軍事販売が不振にあえぐエリツィン政権にとって重要な生命線となり得たにもかかわらず、である。  実際、ウクライナ戦争をめぐる大西洋諸国との関係断絶がなければ、モスクワがこのような取引を行うことはなかっただろう。

MiG-29のスペック

MiG-29は、1970年代初頭に航空優勢を達成できる新世代の戦闘機を開発するというソ連の要求から生まれた。米国は双発重戦闘機であるF-15イーグルを発表し、軽量のF-16の開発に取り組んでいた。これに対してソ連空軍は、伝説的なミコヤン設計局に、当時実用化されつつあったアメリカの新型戦闘機に追いつき、さらに追い越すことのできる、多用途で機敏な戦闘機を作るよう命じた。

 MiG-29は、ミコヤンの技術者たちの努力の結晶であった。 MiG-29は1977年10月6日に初飛行し、1982年にソビエト空軍に正式配備された。

MiG-29は、軽量戦闘機(MiG-29)と重量機(Su-27フランカー)という2つの航空機を補完的に実戦配備するソ連の広範な戦略の一部であり、多かれ少なかれ、アメリカのF-16とF-15を反映していた。Su-27が長距離交戦とマルチロールミッション用に設計されたのに対し、MiG-29は近距離空中戦に最適化された高機動ドッグファイターとして意図された。 その開発は、費用対効果と大量生産の可能性を維持しながら、NATOの技術的優位に対抗することに重点を置いたソ連の意図を反映している。

 双発の単座ジェット機で、独特な空気力学的プロフィールを持つMiG-29は、卓越した機動性を高めるために、鋭角のエアインテークを持つ流線型の混合翼設計である。2基のクリモフRD-33ターボファンエンジンを搭載したMiG-29は、最高マッハ2.25(時速1,490マイル)の速度を出し、戦闘半径は約434マイルである。外部燃料タンクで航続距離を伸ばすこともできる。また、高Gマニューバーや垂直上昇も簡単にこなすことができ、ドッグファイターとして最高の性能を発揮する。

 MiG-29の最大の特徴のひとつとして、当時としては先進的なエイビオニクス・スイートがある。初期型にはN019スロット・ブラック・レーダーが搭載され、最大距離62マイルで複数目標を追跡できた。

 このジェット機は赤外線サーチ&トラック(IRST)システムを搭載しており、レーダーだけに頼ることなく目標を探知して交戦することができた。 ヘルメットに装着された照準器は、R-73アーチャー・ミサイルと組み合わされ、照準外照準、つまり、パイロットが敵を見るだけで敵をロックでき、MiG-29は接近戦で優位に立つことができた。

 MiG-29の武装も同様に素晴らしい。R-27やR-73のような空対空ミサイル、空対地弾薬、迷走用の30mmGSh-30-1カノン砲を搭載できる。  MiG-29は主に航空優勢戦闘機であるが、後期型は地上攻撃や偵察などのマルチロールミッションに適応している。

MiG-29の複雑な記録

残念ながら、MiG-29の印象的な設計上の特徴は、常に空中戦での勝利に結びついたわけではない。特筆すべきは、MiG-29はソビエト時代に導入されたにもかかわらず、冷戦が熱くなることはなかったことである。   ユーゴスラビア戦争からエリトリア・エチオピア戦争まで、さまざまな紛争でMiG-29の存在が決定づけられた。最近では、MiG-29はリビアでイスラム過激派を相手に活動するワグネル・グループの傭兵が使用しており、進行中のウクライナ戦争では大規模な戦闘で大きな損害を被ったとされている。

 また、飛行機はパイロットと維持費があってこそのものだ。 上記のほとんどすべての紛争で、この飛行機を使用する戦闘員はメンテナンスを怠り、訓練も不十分で、戦闘結果は芳しくなかった。

 しかし、リビアのワグネル・グループのように、ロシア人パイロットの手にかかれば、同機は優れた性能を発揮する。ウクライナ戦争で失われたMiG-29でさえ、ほとんどがウクライナ側のものである。ロシアはMiG-29をウクライナ上空の非友好的な空に投入するのではなく、訓練機の役割に追いやっている。

 とはいえ、モスクワはこれらの航空機の一部を北朝鮮に売却することに興味を持っている。 この売却で北朝鮮がアメリカの支援する韓国空軍と肩を並べることはないとはいえ、北朝鮮が現在持っている装備から大幅にアップグレードされることになる。それだけでも、好戦的になりつつある北朝鮮と向き合う北アジアにとっては問題となる。


Russia Wants to Sell North Korea MiG-29s. Should the West Be Worried?

March 26, 2025

By: Brandon J. Weichert

The MiG-29’s impressive design features have not always translated to aerial victories


https://nationalinterest.org/blog/korea-watch/russia-wants-to-sell-north-korea-mig-29s-should-the-west-be-worried


著者について ブランドン・J・ワイチャート

The National Interest誌のシニア・ナショナル・セキュリティー・エディターであり、Popular Mechanics誌の寄稿者でもある。 ワシントン・タイムズ』、『ナショナル・レビュー』、『アメリカン・スペクテイター』、『MSN』、『アジア・タイムズ』など多数の出版物に寄稿。 著書に『Winning Space: How America Remains a Superpower』、『Biohacked: The Shadow War: Iran's Quest for Supremacy』などがある。最新刊『A Disaster of Our Own Making: How the West Lost Ukraine』は書店で購入可能。


2022年2月23日水曜日

ウクライナ空軍はMiG-29部隊を保有。だがロシアに対して有効な防空体制を維持できるのか。

 

 

ウクライナの防衛体制が注目の的となっていますが、空軍戦力はどんな状態名なのでしょうか。Forbesの記事からのご紹介です。メディア関係者の皆様へ。MiG29という機材は存在しませんので、MiG-29と正しく真実を報道していただくようお願いします

 

ウクライナ空軍のMiG-29が北米を1992年に巡回した。 PHOTO VIA WIKIMEDIA COMMONS

 

 

 

 

所により機数が異なるが、ウクライナはMiG-29を37機から70機保有しているらしい。全機が1991年に旧ソ連から移譲されたものだ。

 

煙を多く出すRD-33双発で強力な短距離戦闘機のMiG-29は、Su-27もあわせ、ウクライナは首都キエフ近郊の基地から発進させる。

 

だがMiG部隊が侵攻してくるロシア軍に打撃を与えると考えてはならない。

 

最大の問題は機材の老朽化だ。またパイロット不足のため運行できない機体が多数ある。

 

ソ連崩壊の1991年当時、ウクライナ国内にMiG-29が200機超展開していた。その後20年経過し、ウクライナは一部機材を海外販売し機数を減らし、自国では乗員を確保できないままだ。

 

紙の上ではウクライナ空軍は2014年2月時点でMiG-29を80機運用していたが、ロシア軍が侵攻しクリミア半島をウクライナから奪った。その時点でMiG機の半数近くがクリミア半島にあった。ロシアは45機を捕獲した。

 

一年が経ち、ウクライナは19機のMiG-29をかき集めた。軍事衝突が拡大し、ロシア軍は反政府分離勢力をドンバス地方で支援し、ウクライナ空軍は必死の思いで稼働可能機材を集め、ウクライナファルコン空技チームのMiG-29機も武装の上、投入したほどだった。

 

ロシア軍、分離勢力武装勢力の防空部隊によりウクライナはMiG-29をクリミアで2機喪失したが、稼働可能なMiGはその後順調に増え、クリミアから運んだ分解状態の機体も組み立て、さらに保管中の機材も引っ張り出した。

 

現在のウクライナ空軍は六個飛行隊でMiG-29を基地三箇所から運用する。ロシア軍が侵攻してきた場合、MiG部隊は圧倒的に数の上でまさる敵に対峙することになる。

 

ただし、MiGを何機投入できるかが不明だ。パイロット不足が顕著なためだ。

 

世界各地の空軍部隊では単座戦闘機1機につきパイロット3名を確保するのが普通だ。この比率があればパイロットは休養、訓練、事務作業をこなしつつ、機体を効率よく運用できる。

 

この3対1の比率だとウクライナ空軍にはパイロット400名近く必要となるが、2019年2020年続けて70名が退職した。給与が低いこと、書類事務作業が負担になっていることを理由としており、訓練が十分できず、ロシア軍との対決に準備が足りない状況だ。

 

2021年7月にはパイロット5名が一度に契約更新を拒んだ。このままだと空軍戦闘機部隊の即応体制が大きく落ち込んでしまうとの懸念が出ている。

 

ロシアの脅威の高まりで愛国心が高まっているとはいえ、航空要員が空軍に残るかが不明だ。とはいえ最良の条件のもとで70機に十分なパイロット数が確保できてもウクライナ空軍がロシア軍の侵攻に対抗するのは厳しいと言わざるを得ない。■

 

Ukraine Has Lots Of MiG-29s, But It Might Not Have Enough Pilots

David AxeForbes Staff

Aerospace & Defense


2019年5月16日木曜日

★米国がMiG-29を一度に29機入手した事情とは

The Secret Story of How America Got Its Hands on 29 Russian MiG 29s

Wow.
May 8, 2019  Topic: Security  Region: Europe  Blog Brand: The Buzz  Tags: U.S. IntelligenceU.S. MilitaryRussiaCIAMiG 29
連が崩壊した1991年遅く、新たに独立した各国に赤軍の膨大な装備品の山が残されていた。
なかでも小国モルドバ共和国の空軍の事例が最も興味を引く。同国にはMiG-29フルクラム34機、Mi-8ヒップヘリコプター8機その他輸送機数機が残された。小国にしては相当の陣容だ。モルドバの総人口はは355万人しかない。
だがモルドバにこれだけの機材を維持する余裕がなく、さらに経済は不況に入っていた。一方で米国はモルドバがMiG-29をイランへ売却しイラン空軍戦力が増強するのを恐れていた。またモルドバから技術がイランの競合国に渡るのも気がかりだった。
そこで1997年に米国はMiG-29入手を図った。その際に使った最強のツールは...金銭だった。米政府はMiG-29を21機購入し、うち14機がC型で、B型1機、A型6機の構成だった。C-17輸送機で各機をオハイオ州デイトンに搬送した。
これにより同機をテヘランが入手するのを防ぎ、米国にソ連製戦闘機で最高性能の機材を検分する機会がうまれた。モルドバには人道援助40百万ドルのほか、陸軍用トラック他非殺傷装備が手渡された。
モルドバは残る機材はエリトリアとイエメンに売却した。米国に移ったMiG-29は訓練部隊や情報機関のほか米空軍の「開発拠点」に配属され国民の目から隠れたとAir & Space Magazineが伝えている。
MiG-29は当時としては操縦性に優れた威力の高い機体だった。アーチャーAA-11ミサイルは1990年代で目標ロック機能がありヘルメット搭載の標的照準装置で機体進行方向と反対にも飛ぶ点で米製装備より優れていた。ただしペンタゴンがAIM-9Xミサイルを2003年に導入し、あわせてヘルメット搭載ディスプレイも登場させたので優位性は消えた。
フルクラムはエイビオニクスや情報管理装備が貧弱でパイロットは外部情報をわずかしか把握できす、紙地図を見て自機位置を把握する始末だった。総じてMiG-29は航空技術面で優秀だったとはいえ21世紀に入るとアップグレードがないまま急速に陳腐化した。
ところで1997年には別の国もMiG-29を入手している。イスラエルで、3機の単座フルクラムを国名非公開の東欧諸国から数週間借り上げた。
ロシアからアラブ諸国へ渡った戦闘機でMIG-29が最高性能機材だったためイスラエルは喜んでこの機会を活用し同機の性能評価をしたはずだ。MiG-29はイラクからその後シリアに納入されている。.
イスラエルのテストパイロットは同機に深く感銘した。普段から慣れ親しんだ米製機材と異なりMiG-29操縦は楽だった。パイロットに代わりコンピュータが着陸させてる機能も特筆ものだった。
「パイロットがヴァーティゴで上下感覚がなくなっても機体を安定させる」機能がシステムにあった。「西側に同様装備はなく、あくまでもパイロットに状況判断させる西側設計設計思想との違い」を見たという。
テストパイロットの一人はフルクラムの性能は「F-15やF-16と同等かそれ以上だ。操縦性に優れエンジンの重量推力比は高い。空戦ではこの機体に気をつけないといけない。訓練を積んだプロの手にかかれば手強い相手になる」
米国は同機の評価を進めながらイランに空軍力拡充させなかった。現在はMiG-29運用国は世界各地に広がり、東欧、中東、南アジアが中心だ。
ポーランドは米製F-16とフルクラムを併用している。イスラエルが2011年にポーランド運用中のMiG-29の補修、近代化改修契約を請け負ったのは興味を引く。イスラエルがフルクラムをどこから調達したかは今でも不明だ。■
This piece first appeared in WarIsBoring here.
Image: Creative Commons.

2019年1月10日木曜日

MiG-29程度のよい中古機が売りに出されていますが、いかがでしょうか。

For $4.65 Million This Nice, Low Time MiG-29 Can be Yours- If You Hurry. 
465万ドルで飛行時間極少の程度の良い中古MiG-29を手に入れませんか。

January 7, 2019 Tom Demerly Military Aviation, Rogue States, Russia
https://theaviationist.com/2019/01/07/for-4-65-million-this-nice-low-time-mig-29-can-be-yours-if-you-hurry/

 塗装も新しい完全整備済みの機体でいつでも試乗可能。(Photo:Raptor Aviation)


間販売業者が程度のよいMiG-29後期型を売りに出している。

機体は民間請負企業Air USA(本社イリノイ州クインシー)が敵機役として訓練で飛ばしていたもの。ネヴァダ州ヘンダーソンの機体登録で同地はネリスAFB、ネリス・テスト訓練場近くで世界でも最高機密の空中戦闘訓練が極秘のうちに行われている場所だ。

価格は$4.65百万ドルとお値打ち。きれいな仕上げのUAC製MiG-29UB後期型(NATOコードネーム「フルクラム」)複座戦術戦闘機だ。

仲買業者ラプターエイビエーション(フロリダ州ポートセントルーシー)のアルバート・ハイディンガーは「真剣な問い合わせ数件がすでに入っている」とThe Aviationistに伝えてきた。
同機はラプターエイビエーションのウェブサイトに掲載されている。1986年製造でモスクワ北のカリャンジンスキ機械製造工場製。飛行時間はわずか818時間でウクライナのルヴィヴ国営航空機補修工場でのオーバーホール後は118時間しか飛んでいない。塗装は青とグレイ二種を混ぜたロシア航空宇宙軍の正式塗色を採用し、37の番号をつけ機体には米民間実験機登録番号N129XXがつく。


Complete specs and tons of photos of the MiG-29UB two-seater are on RaptorAviation.com now. (Photo: Raptor Aviation)


正式な整備を受けたばかりの双発複座高性能第4世代機が4.65百万ドルというのは相当お値打ちだ。MiG-29の新造機体価格は11から20百万ドルが相場だ。比較ならセスナ・サイテーションXLSビジネスジェットで2,000時間超飛行した機体が7.1百万ドルで手に入る。大安売りの機体なら成都FC-1単発ジェット戦闘機が20百万ドルだ。こうしてみると86年型MiG-29UBが4.65百万ドルというのはお値打ちなのがわかる。

誰がこの機体を買うのか。「相当の金満家であり航空分野に造詣の深い人だろう」とハイディンガーも言う。

航空ファンの視点では民間アクロバットパイロットに買ってもらい航空ショーで曲技飛行を見たいところだ。

.MiG-29の飛行展示は米国ではなかなか見られない。1990年にロシアがMiG-29の2機を米国内に持ち込み航空ショーに展示した。筆者もミシガン州カラマズーの航空ショーでこの機体を見た。飛行展示はスライド、コブラ他米国製戦術機では見られない操縦を見せていた。また1989年にロシアはMiG-29をカナダでも飛行展示した。今回の売出しにだれも手を上げないとコリンズ財団が関心を示しそうだ。同財団が保有するF-4Dファントムとの共演も楽しみだ。

次の想定されある顧客は米軍やその他西側空軍向けに仮想敵役を提供する業者だ。「契約業者にはいつも仕事があるよ。成長業種ですよ。ネットにはでてきませんけどね」(ハイディンガー)
機体は以前の所有者により仮想敵役として使われたが、ここまで程度の良いMiG なので再び使用される可能性はある。ただ「レッドエア」として登用されると一般の目の前から消えるのが難点だ。以前も米民間登録番号N131SUのついたSu-27をお伝えしており、2016年のネリス・テスト演習場上空でドッグファイトをしているのを撮影された機体かもしれない。
三番目が米国外の顧客だ。値段が手頃かつ機体状態が良好ななためMiG-29を運用中の空軍部隊が食指を動かす可能性がある。そんな例がペルーで各種形式のMiG-29を24機運用中だ。整備したばかりのMiG-29が4.65百万ドルで入手できれば魅力あるはずだ。

でもだれがMiG-29の操縦方法を訓練するのだろうか。「可能性はいろいろありますよ。国内にもこれができる人材はあります。この機体を飛ばしていたのは元F-15パイロットでした。操縦訓練は大した問題ではありません」(ハイディンガー)

極上状態のMiG-29UBが誰の手に渡るにせよ、いい買い物になるのは確実だ。こんな話はそうそうあるわけではない。■