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2017年4月22日土曜日

米空軍OA-X検討でスコーピオンに注目集まる


スコーピオンはハイスペック志向の米空軍に当初は相手にされていませんでしたが、同機のコストパフォーマンスがあらためて脚光を集めているのでしょう。自己資金でこれだけの機材を忍耐強く作ってきたテキストロンの努力が報われるのか注目したいと思います。

The National Interest


The U.S. Air Force's OA-X: An Opportunity For Textron's Scorpion Jet 米空軍OA-Xでテキストロンのスコーピオン採択になるのか

April 21, 2017


テキストロンは自己資金開発によるスコーピオンを米空軍の軽攻撃機OA-Xに採択される期待を高めている。OA-X事業は米空軍の正式事業ではないが、テキストロンは8月か9月予定の実証事業に参加する。
  1. 「スコーピオン生産仕様二号機は今週初飛行に成功しており、フライトテストを始めます」とテキストロンCEOのスコット・ドネリーが4月19日の投資家向け第1四半期営業報告で述べている。「3月、米空軍が正式に当社によるOA-X軽攻撃機実証事業を承認し、今年夏にスコーピオンとAT-6の比較検証が行われます」
  2. OA-Xは米空軍の調達事業の区分ではなく、現時点では実験の扱いだ。「実験ですが個別独立事業です。空軍はミッション投入可能な機材なのか確かめたいはずです。そこで希望性能を定義し、実証での確認事項を公表しています。各社からの提案が期待されており、当社はスコーピオンとAT-6双方を提案済みです」(ドネリー)
  3. OA-X実証が終わるのを待って空軍は軽攻撃機導入の是非を検討する。「空軍は比較実証で機材の実力を把握し検討の材料にすると公表しており、実機調達はその後に決めるとしています」(ドネリー)
  4. OA-Xはスコーピオンで販売見込みがある唯一の機会である。同社は同機へ海外からの照会があると述べてきたのであるが。「各国との商談は続けます。率直に言って現時点では最重要な相手が日程を設定して実機の飛行を見たいと言っているわけです」
  5. ただし海外顧客も米国で採用見送りの機体購入には腰が重いはずだ。そこで米空軍のお墨付きが付いて米国採用となれば国際販売にも追い風となる。
  6. 「海外顧客からも非常に高い関心が米空軍事業に寄せられているのは米空軍の動向を見極めたいためです。繰り返しますが、海外向け販売商談は続けていきます」(ドネリー)
  7. ただし米空軍がOA-X調達を正式に事業化しても空軍が軽攻撃機調達を途中で中止してきた経緯からスコーピオンには厳しい状況になりそうだ。同機の最大のライバルが同社のビーチクラフトAT-6と言うのはなんとも皮肉なことだ。
  8. 「空軍提示の実証条件、性能要求また実証の確認内容は意図的に幅広くなっており、単発ターボプロップのAT-6からスコーピオンのようなジェット機までが対象です。最終要求内容はゆくゆく教えてもらえるでしょう」(ドネリー)
  9. 一方でテキストロンはスコーピオンに自社資金投入を続け機体のミッションシステム関係の完成を目指す。「飛行可能機材が2機になりました。三号機が最終組立工程に入っています。ミッションシステムズ作業がすすんでおり空軍も実証時に性能を確かめたいと言っています。8月頭までに各機投入可能となります」(ドネリー)
  10. 果たしてテキストロンがスコーピオン導入を空軍に納得させられるのか、同社は大金を溝に捨てることになるかは時が経てば判明するはずだ。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.
Image: Textron

2014年8月27日水曜日

スコーピオン練習機型も提案するテキストロンエアランド社


何かとスコーピオンが注目されるのは明確にMarket-Inの思想を実現した機体であるためでしょう。新興国含む各国への採用が本命のようですが同機は決して途上国向けの機体ではなく、各国も空軍装備として合理的に同機を検討すべきなのではないでしょうか テキストロンエアランドは人道救難、国境監視含む多様なミッションが可能と宣伝しています。 www.scorpionjet.com


Textron AirLand Developing Scorpion Trainer Variant

Aug. 26, 2014 - 11:47AM   |  
By AARON MEHTA   |   
Textron AirLand is planning to develop a trainer variant of its Scorpion aircraft to compete for the US Air Force's T-X trainer replacement competition, as well as international markets.
テキストロンエアランドはスコーピオンを練習機に改造した機体を企画中で、米空軍のT-X競技に参加する意向のほか、海外販売を目指す。 (Textron AirLand)

CHICAGO —テキストロン・エアランドTextron AirLandはスコーピオンを改良し米空軍のT-X次期練習機の提案競争に参入する意向と分かった。同社は海外販売も視野に入れ、練習機需要を取り込みたい考えだ。なお、スコーピオンの成約例はまだない。
  1. テキストロン幹部が回答を避ける中で同社防衛事業開発担当副社長スティーブン・バーク Stephen Burke,regional vice president for military business development の発言が際立って明瞭かつ直接的だ。

  1. 「当社はT-Xに参加します」とDefense Newsに8月23日州軍協会の年次総会(シカゴ)で語っている。

  1. スコーピオンは情報収集監視偵察機能(ISR)に攻撃能力を付けた機体。昨年9月の発表以来、テキストロンはモジュラー構造を特徴だとして強調しており、バーク発言では練習機型を言及している。 「モジュラー構造により簡単に必要な性能に応じた機体に改造でき、T-Xの性能仕様にも対応可能です」

  1. 練習機型も双発、二枚尾翼と言うスコーピオンの基本設計を継承するが、主翼が短縮化され空力学的にも洗練されるほか、エンジン推力も増加する。「ISRミッションでは偵察時間が長い方がよいですね。でも一回2時間の訓練課程では性能と燃料消費率の関係がが違ってきます」(バーク)

  1. T-Xの性能要求は空軍から2016年後半に発表される見込みだ。それまではテキストロンとしてはまず練習機型を完成させて実際に飛行する予定。T-X競合の勝者はT-38練習機に代わる350機を製造することが認められるはずで、契約規模から数社が関心を寄せている。

  1. 練習機として既存機種三機がT-Xに名乗りをあげそうで、このうちBAEノースロップ・グラマンL-3シミュレーションロールスロイスが共同で設立したホーク高性能ジェット練習機システム以外に、ロッキード・マーティン韓国航空宇宙工業製T-50を、ジェネラルダイナミクスアレニア・アエルマッキと共同でT-100 を推している。

  1. ボーイングサーブとともに「完全新設計」の機体を作ると発表している。詳細は不明だが、両社はサーブ・グリペン戦闘機を原型にするものではないとしている。

  1. 「空軍はこのために全くの新型機を開発させようとは全く思っていません。そこで当社は既存機でも練習機の要求に合致していることを示すつもりです」

  1. 一方でテキストロンは同機の第一号顧客を探しているが、バークによれば真剣な商談が数件進行中といい、別の関係者も海外受注数件でローンチカスタマー複数が決まるとみている。

  1. フロスト&サリバンのアナリストであるマイケル・ブレイズMichael Blades, an analyst with Frost & Sullivanは練習機型でスコーピオンの販売はプラスとみている。モジュラー設計により基本機種を装備なしで販売すれば、米国の国際武器取引規則 International Traffic in Arms Regulations の規制を受けない。
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  1. またフロスト&サリバン作成の資料では練習機需要で今後も大きな伸びはないとしているので、コストが重要な要素だとする。テキストロンの説明ではスコーピオンの飛行時間当たりコストは$2,700でターボプロップ練習機T-6の$2,200に近い。「プロペラ機に近いところまでコストをさげられたら大きな利点になります。狙いどころは正しいとみています」(ブレイズ)

  1. バークも海外市場では同じ機体を練習用、軽攻撃用の両方に使う傾向があると指摘する。「軽攻撃機で練習用途にも使える機体だと強調しています。同じ機体で練習と攻撃の両方に使えれば、お買い得感があり、軽攻撃専用機はこちら、こっちは練習用専用機と売り込んできたやり方は変わりますね」「そこが市場のおいしい部分になり、事実、当社の狙いどころが正しいとのコメントが海外顧客から返っています」

  1. スコーピオンチームはテキストロンの広範な製品群も活用している。スコーピオン営業には同社のTRU Simulation部門によるシミュレーションも抱き合わせで提案し、同社のこれまでの整備分野の経験から有効な解決策も提供できるという。■