ラベル 052型駆逐艦 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 052型駆逐艦 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2022年8月22日月曜日

大量建造を続ける中国の052型駆逐艦の現況。052D型、052DL型へ発展している

 


現地艦艇スポッター@lyman2003の写真で052D型駆逐艦5隻が同時建造中であることがわかる


中国造船業界がレベルの高さを示し続けている。本日公開の写真には、大連造船所ドックで姿を整えつつある052D型駆逐艦5隻が写っている



真は、ユーザー@lyman2003が中国のマイクロブログサイトWeiboで公開したもので、大連造船所で様々な建造段階の5隻が写っている。同造船所は2年前に052D型と055型を同日に進水させていた。

 この建造ペースにより、人民解放軍海軍(PLAN)は、米国国防総省(DoD)報告書によると、2021年に到達した「世界最大」の地位を確定したことになる。中国造船業界は2019年に過去最高の10隻の駆逐艦を進水させ、2021年には8隻を進水させた。

 Naval News取材に応じた2人の中国軍事オブザーバーは、PLANに就役中の同級駆逐艦は25隻(052D型13隻、052DL型12隻)だと確認した。大連で建設中の5隻と、江南長興造船重工有限公司(上海の北東に位置する、大型水上戦闘艦の建造所)で建設中の(少なくとも)もう1隻が、まもなく加わる。新しい「DL」型はストレッチ船体が特徴で(詳細は後述)、新しい052型駆逐艦はすべて「DL」型で建造される。



052DL 型駆逐艦 Kaifeng 開封 (124)。北海艦隊で2021年に実弾発射演習を行った。開封はDL派生型6号艦で艦体を延長している。


052D型駆逐艦について


052D型昆明級(NATO呼称:Luyang III)は、中国海軍の最新世代の誘導ミサイル駆逐艦(DDG)の1つである。前任の052C型DDGをベースにし、船体も同じと思われる。しかし、052D型は、デザインだけでなく、センサーや武器の適合性の面でも多くの改良が加えられている。この近代的な艦船は、アメリカのイージス駆逐艦に相当する中国艦と考えられている。


同艦は現在も造船所二箇所で建造が続いている。江南長興造船所と大連造船工業公司の2つの造船所で建造されている。同クラスの1番艦「昆明」(船体番号172)は、2014年3月に就役した。


全長157メートル、全幅17.2メートル、喫水6.2メートル、乗員数280名、総トン数7,500トン(満載時)。


052D型は公海での使用を想定している。前任の052C型とほぼ同じ艦体だが、より高度な戦闘システムを備中国軍の兵器開発における「小さなステップで速く走る」アプローチを完璧に示している。

 同艦は、垂直発射システム(VLS)セル合計64個を装備している。

  • HHQ-9地対空ミサイル

  • Yu-8ロケット推進ASW魚雷

  • YJ-18戦術巡航ミサイル

 4つのモジュールは上部構造物の前に、他の4つは船尾のヘリコプター格納庫の前に配置されている。同級駆逐艦は、H/PJ-45A 130mm主砲、H/PJ-12 30mm CIWS(クラスの最初の8隻は旧型のH/PJ11を搭載)、HQ-10短距離SAM、2本の3連魚雷発射装置も装備する。

 強力なセンサー群は、346A型、364型、366型、517B型、760型レーダー、SJD-9船体搭載ソナー、SJG-311可変深度ソナーで構成されている。

 2017年8月のPLANプレゼンテーションによると、052D型の戦闘能力は052C型の戦闘能力の「1.6倍」で、2クラスの中国駆逐艦がわずか9年の間隔で進水したことがわかる。



052D型(上)と052DL型(下)の比較。格納庫やヘリ甲板が伸び、航空捜索レーダー(後方)が異なることに注目。


052DL型


 DL型は、14番艦「淄博」Zibo(156)から導入された派生型だ。同駆逐艦の船体は4メートルほど長くなっている。この長大化は主に艦尾の格納庫とヘリコプターデッキに関わるもので新型ヘリコプター「Z-20」を搭載するための改造である。

 全長162m、全幅17.2m、喫水6.2m、乗員数280名、総トン数7,700トン(全備重量)。■



Five Type 052D Destroyers Under Construction in China - Naval News


Xavier Vavasseur  21 Aug 2022

 

Xavier is based in Paris, France. He holds a Bachelor’s degree in Management Information Systems and a Master of Business Administration from Florida Institute of Technology (FIT). Xavier has been covering naval defense topics for nearly a decade.


2022年1月9日日曜日

PLANの2021年主要就役艦を見る。055型、052DL型など。17万トンを一気に就役させたPLANは東アジア海軍軍拡をスタートさせてしまった。今後は揚陸艦整備に中心を移すのか

 

055型DDG、052D型DDGが空母遼寧に随行したPLANのCSGがUNREPでAORが三隻に同時に燃料補給している。

 

民解放軍海軍(PLAN)の2021年は実り多い年となった。誘導ミサイル駆逐艦少なくとも8隻、強襲揚陸艦(LHD)2隻、原子力弾道ミサイル潜水艦(SSBN)1隻が新たに加わった。

 

東海艦隊に編入された水上艦では皆無だった。同艦隊は台湾海峡を専門とする。かわりに南海、北海艦隊(朝鮮、日本、南シナ海)に新型艦が配備されPLANは外洋での戦闘能力を増強した。

 

055型駆逐艦 

055型駆逐艦ラサ(102)、南昌(101)

 

 

VLS112セルを搭載し、NATOでは巡洋艦の分類を受ける(レンハイ級CG)055型は中国艦隊最強の戦力を誇る水上戦闘艦である。一号艦南昌が2020年末に就役し、計四隻が2021年までに配備された。

 

055型駆逐艦は建造中艦艇で世界最大だ。全長180メートル、全幅20メートル、満載排水量は13千トンで、比較すると米海軍タイコンデロガ級巡洋艦及びフライトIII仕様のアーレイ・バーク級駆逐艦は9,800トン、英海軍45型は8,500トンだ。PLANの制式名称は「10千トン級駆逐艦」となっている。米国防総省は2017年以来一貫して「巡洋艦」と呼んでいる。

 

055型の兵装

 

  •  130 mm H/PJ-38 主砲x1

  • VLS 112セル

  • H/PJ-11 CIWS x1毎分 10,000 発発射

  • HQ-10 短距離ミサイル

  • デコイ発射装置

  • 魚雷

 

VLSセルは64が前方、48が後方に配備されている。052D型駆逐艦搭載のと同じで、ミサイルはホット、コールド両用の発射方式に対応する。これは集中キャニスター発射装置Concentric Canister Launcher (CCL)を採用したことで可能となった。

 

中国ミサイルはすべて全長が9メートル、直径0.85メートル未満に統一されており、VLSセル運用が可能だ。

 

PLANは055型一号艦にHQ-9B対空ミサイルを搭載し、射程200Kmとした。YJ-18A対艦ミサイル、YJ-18派生型の新型中距離対空ミサイルも052D型駆逐艦で導入済みだ。また新型対潜ミサイルYu-8Aも運用可能だ。

 

052DL型駆逐艦

052DL型駆逐艦開封Kaifeng (124) が実弾発射を北海艦隊の演習で行った。2021年秋。開封は全長を延長したDL型では6号艦、052型では19号艦となる。

 

 

055型は建造費が高いが、やや小型ながら経済性の高い052DL型も昨年PLANに5隻就役している。中国初の多用途駆逐艦としてPLANで重要な位置づけとなっている。

 

  • 苏州Suzhou (132)

  • 淮南Huainan (123)

  • 南寧Nanning (162)

  • 開封Kaifeng (124)

  • 桂林Guilin (164)

  • 湛江Zhanjiang (165) *未確認*

 

052D型昆明Kunming級(NATO制式名称ルーヤンIII型)は中国海軍で最新の誘導ミサイル駆逐艦(DDG)で、先に出た052C型DDGと艦体は共通だが、052D型ではセンサーと兵装で改良点が多い。各艦は米イージス駆逐艦に相当する存在とされる。

 

 

同級の建造は上海、大連の造船所二カ所で続いており、一号艦昆明(172)は2014年3月就役している。

 

排水量7,500トン、全長157メートル、全幅17メートルで280名が乗り組む。

 

052D型は外洋運用を主眼とし、052C型とほぼ同じ艦容だが戦闘システムを向上し、中国海軍のめざす「小幅改良で迅速発展させる」方針を体現する存在だ。

 

VLSで対空、対潜、戦術巡航ミサイルを運用する。三連装魚雷発射管も搭載している。

 

14号艦淄博Zibo(156)から052DL型となり、全長を4メートル延長した。ヘリコプター格納庫と飛行甲板がこの恩恵を受ける。Z-20新型ヘリコプター搭載を想定と思われ、ハンガーは同ヘリ2機を格納できる。517B型レーダーが052D型に搭載されたが、有効距離を延長した新型レーダーに変更されており、低電力消費ながらステルス機探知が可能といわれる。

 

075型 LHD

075型 LHD海南 (31)の艦上に昌河Changhe Z-18ヘリコプター多数がみられる

 

「攻撃用艦艇」に加え、2021年にヘリコプター空母二隻がPLAN艦隊に加わった。075型強襲揚陸艦海南Hainan(31)と広西Guangzi(32)だ。これで中国もLHD運用国に加わった。噂のあるカタパルト発艦無人機空母076型の登場も今後予想されるが、071型LPD8隻の建造も進み、大型水上戦闘艦で整備が一段落するとPLANは揚陸艦建造に中心を移すとみられる。台湾海峡の緊張が高まる中、建艦部門は東海艦隊に焦点をあてそうだ。

 

中国海軍は075型開発を2011年開始した。ヘリコプター空母で排水量30千トン超を想定し、狙いは「垂直」強襲揚陸能力の整備で台湾東部の山岳地帯を念頭においているようだ。

 

性能諸元では公開情報では「排水量36千トン」「ヘリコプター28機運用」「ディーゼルエンジンは12,000 kWの16PC2-6B」「CIWSx4、HQ-10x2、H/P-11x2」とある。

 

075型は米海軍LHAよりやや小ぶりに見えるが、フランス、スペイン、オーストラリア各国のLHDより大型である。イタリアが計画中のトリエステ級LHDにかなり近い艦容だ。

 

075型初号艦は記録破りの短期間で建造され、中国の艦艇建造は極端なまで早いペースで行われており、他国が追随できない。PLANはLHD8隻を発注といわれ、さらに大型艦076型の計画で噂がある。

 

075型LHDはPLANの揚陸作戦能力を従来の071型LPDから高次元に引き上げるだろう。

 

094型 SSBN

094 型SSBN 長征18

 

 

094型(NATO名称晋級)原子力推進弾道ミサイル潜水艦(SSBN)の少なくとも一隻が2021年4月に就役している。

 

長征Chanzheng18は094型6号艦あるいは7号艦で艦番号421がついた。初号艦は2007年就役している。

 

094型はJL-2型SLBM12発を搭載し、推定射程は7,400 km (4,600 mi)とされる。艦の全長は135メートルだ。

 

総評

 

これだけの規模の建造を進めた2021年のPLANだが駆逐艦部隊だけ見てもVLS合計768セルが追加されたことになる。これ以外に小型054A型フリゲート艦、056Aコルベット艦もある。結局、2021年にPLANに就役した艦艇は総合計170千トンと、太平洋で他の追随を許さない。日本が海軍力整備に本腰を入れ、南朝鮮も外洋海軍整備に乗り出す中で、同地域は100年前の再現のような海軍軍拡レースに入ろうとしている。■

 

 

PLAN in motion: Chinese Navy's Massive Ship Commissionings in 2021 - Naval News

Naval News Staff  06 Jan 2022

 

About the author:

Lia Wong is a student and aspiring polyglot passionate about OSINT. With experience in translating live media on political movements in Asia, she prides herself on her print and social media gathering/analysis talents. Young and eager, she focuses particularly on Western Pacific forces and the geopolitical impact of their interactions. Her Twitter handle is @LiaWongOSINT.