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2021年8月29日日曜日

クアッド四か国海軍部隊のマラバール演習が8月26日スタート。第一段階はフィリピン海で特殊部隊も交え展開中。

 

US Indo-Pacific Command

 

 

ーストラリア、日本、インド、米国が8月26日マラバール2021演習の第一段階をフィリピン海で開始した。

 

マラバールは毎年開催されている海洋演習で、高度の戦術作戦立案能力、訓練能力、配備能力を王立オーストラリア海軍(RAN)、インド海軍(IN)、海上自衛隊(JMSDF)、米海軍の間で磨くもので志を共有する各国で法の支配を基礎におくインド太平洋秩序を維持が目的だ。

 

今年度の演習は米海軍が主宰し、二段階に分かれる。まず四か国でフィリピン海を舞台に合同海軍運用、対潜戦、防空演習、実弾火砲発射、海上補給活動、相互航空運用、海上阻止行動を訓練する。

 

今年の演習では海軍特殊戦部隊が第一段階に加わり、非正規海上脅威への対応とともに通常の海軍部隊との共同運用技術を高める。

 

「マラバール21は多国間訓練で戦闘技術を磨き、海上保安の技能を高める優れた機会だ。

「米海軍の駆逐艦部隊は各国部隊とともに地域安全保障と安定の基礎を形成し、インド太平洋の各国が恩恵を得るのを助ける」(CTF71司令チャールズ・サージャント大佐)

 

米海軍からは第一段階で太平洋艦隊の対潜艦トップのアーレイ・バーク級駆逐艦USSバリー(DDG 52)以下絵画運特殊戦部隊、海上警備偵察機材、海上輸送司令部(MSC)隷下のヘンリー・J・カイザー級給油補給艦USNSラパハノック (T-AO 204)が加わる。

 

インド海軍からはシバリク級多用途ステルスフリゲート艦INSシバリク(F 47)、カモルタ級対潜コルベットINSカドマット(P 29)が加わり、海上自衛隊はいずも級多用途駆逐艦JSかが(DDH 184)、むらさめ級駆逐艦JSむらさめ(DD 101)、JSしらぬい(DD 120)が、オーストラリアはアンザック級フリゲートHMASワラモンガ(FFH 152)を派遣する。航空機ではインド海軍のP-8、海上自衛隊がP-1、米海軍のP-8Aが加わる。

 

オーストラリア、インド、日本、米国の各海軍部隊はこれまでも定期的にインド太平洋で演習を行っており、悪意ある影響に対抗し域内の安全と安定のため協力を強めている。■

 


Australia, India, Japan, and US Kick-off Exercise MALABAR 2021

Naval News Staff  27 Aug 2021

     By Commander, Task Force 71 Public Affairs


2018年7月22日日曜日

マラバール2019は日本近海で実施?

インド国内紙報道ですがお伝えしておきます。インド、オーストラリアを巻き込んで日米同盟はこれまで以上に中国を意識した作戦運用に進みます。これに対し中国がどんな反応を示すか、さらに同調する国内勢力がどんなピンぼけな主張を展開するか、いまからたのしみです。


Malabar exercise may take place in Japan next year来年のマラバール演習は日本近海で実施か



By: Huma Siddiqui | New Delhi | Updated: July 17, 2018 12:48 AM


回マラバール三カ国間海軍演習は日本近海での開催になりそうで、中国の東シナ海でのプレゼンスを抑止しつつ航行の自由を推進する狙いがあるのは明らかだ。
2016年にインドと米国は日本を同演習の通常参加国に認めたばかりだが、演習自体は1990年以来実施されてきた

インド政府消息筋によれば「来年の演習を日本近海で行う協議が三か国で続いている。日本代表団がインド入りし詳細を詰めることになっており9月の印日サミットで正式承認の運びだ」という。


マラバール演習に日本が加わったのは米国が目指す有志国連合をインド太平洋に形成し中国の軍事的台頭を抑え込む戦略上で望ましいことだ。

第二十二回マラバール三か国演習はグアム沖合フィリピン海で先月始まっており、空母作戦運用、防空作戦、対潜戦、水上戦、臨検・捜索・拿捕(VBSS)、共同戦術運用手順等が内容だ。

2017年のインド日本サミットの共同声明では両国が「防衛安全保障上の協力と対話を今後も進め、マラバール等共同演習の他、防衛装備技術面で協力を進め、監視偵察や無人機技術含む防衛産業も対象とする」とあった。

米インド太平洋軍司令部ホームページには「本演習により各国人員の理解度と相互運用体制が上がる」との記述がある。■

2017年9月18日月曜日

★拡大する日印共同演習、2018年よりマラバール演習にP-1参加が決まる



インドは今後も日本との関係が深くなりますが、一般社会ではインドの実態、重要性はほとんど認識されていません。メディアはやはり都合の悪いことには報道しない自由を行使するのでしょうか。日印の接近を快く思わないのはあの国ですからね

Maiden Indo-Japan joint exercise in 2018

印日共同演習が2018年から拡大へ
DH News Service, New Delhi, Sep 15 2017, 2:15 IST


  1. インド、日本両国の防衛部隊が2018年から合同演習を充実させることがわかった。
  2. インド陸軍と陸上自衛隊は対テロ作戦を主眼とする演習を初開催し、インド陸軍の経験値を活用する。両国の空軍も機材を相互派遣する。

  1. 三ヵ国海軍演習のマラバールでは2018年に海上自衛隊がP-1哨戒機を初参加させる。

  1. 演習の詳細内容は今年両国部隊が開催する企画会議で決まるという。

  1. その他の演習題目に国連平和維持活動、人道援助、災害救難も加わりそうだ。

  1. 両国海軍部隊にはすでに協力関係の実績があるが、ナレンドラ・モディ首相と安倍晋三首相のトップ会談後の共同声明ではインド洋から太平洋にかけての海洋認識探知力の重要性を重視している。今年7月にベンガル湾で展開された同演習の規模拡大と内容の深化を両首相は評価している。

  1. 2017年から日本はマラバール演習に常時参加国になり、米印二か国海軍演習の性格が変更されている。

  1. 友好親善関係の増大を受けて日本も対潜戦、機雷処理でインド海軍に訓練参加の門戸を開くことになり、2018年スタートしそうだ。■

2017年7月13日木曜日

マラバール演習2017が始まったが、日本国民が戦略思考できるのはいつ?


写真は今回の演習のものではなく、くらま(DD-144)が写っているので以前の共同演習の際のものですね。日本国内でこの演習の意義、インド太平洋の秩序の維持=中国へのメッセージの重要性を理解している人がどのくらいいるのでしょうか。オーストラリアが中国マネーに目がくらみふらついているのは中国にとって奇貨なのでしょうね。しかし海上自衛隊はいつになったら「護衛艦」の名称をやめるのでしょうか。国内向け海外向けでつかいわけるのはダブルスピークのようですね。

US, India and Japan launch joint naval exercises to keep China in check

米、印、日共同海軍演習の狙いは中国へのけん制だ

By: Vivek Raghuvanshi, July 11, 2017 (Photo Credit: MCSN Alonzo M. Archer/US Navy)

NEW DELHI —米国、インド、日本三カ国の海軍がマラバール2017演習をベンガル湾で開始した。
  1. 米海軍USSニミッツ、インドのINSヴィクラマディティア、海上自衛隊からJSいずもの空母三隻が参加し、第21回演習は7月10日から17日の会期で幕を開けた。今回の狙いのひとつがインド洋で存在感を高めつつある中国の動きへの対抗だと専門家はみている。
  2. 米第11打撃群司令ウィリアム・バーン少将はチェンナイに集まった報道陣にマラバール2017の戦略的なメッセージは国名は出さずに「誤解の可能性を排除」することで、「こちらは結束している」と示すことと述べている。
  3. グルプリ―ト・クラナ(インド海軍大佐・国家海洋財団専務理事)は「マラバールの本質はインドと米国の共同演習であり、日本も参加して拡大したが各国の国家戦略をインド太平洋地区で集結させ、海洋軍事協力体制を機能させることにある」と述べる。
  4. 「今年の演習の特色は空母運用、防空、対潜戦(ASW)、水上戦、臨検拿捕(VBSS)、捜索救難、共同操艦、戦術行動」だとインド国防省の公式報道資料にある。
  5. インド海軍の花形は空母INSヴィクラマディティアと搭載航空部隊で、誘導ミサイル駆逐艦ランヴィール、ステルスフリゲート艦カモルタ、ミサイル海防艦コラおよびクリパン、ロシア製シンドゥゴーシュ級(キロ級)潜水艦一隻、給油艦INSジョティ、米国製長距離哨戒機P-8Iが加わる。
  6. 米海軍はニミッツ級空母と艦載機に加え、タイコンデロガ級巡洋艦プリンストン、アーレー・バーク級駆逐艦キッド、ハワード、シャウプ、ロサンジェルス級潜水艦1およびP-8A一機を派遣。
  7. 日本はヘリコプター空母JSいずもにSH-60Kヘリコプターを搭載し、ミサイル駆逐艦JSさざなみと派遣している。
  8. マラバール演習は1992年に米印共同演習として始まり、2015年に日本が加わり三カ国体制となった。
  9. その途中の2007年に日本、オーストラリア、シンガポールが招待され五カ国演習になっている。
  10. だが中国が演習拡大に外交面から反対姿勢を取り、再び米印二カ国演習の形にもどったが2015年に日本が正式に加わった。
  11. 「インド、日本、米国の三カ国に比べるとオーストラリアは戦略上の優先順位を明確にしておらず三カ国に加わり中国の横暴な行動を『緩和』する役目を果たしていない」とクラナは見る。
  12. オーストラリアの参加を実現する条件としてクラナは「インドにとってオーストラリアとの協力はインド洋の秩序維持で極めて重要です。そのためマラバールにはぜひ参加してもらいたいが、中国に対するあいまいな姿勢を直してもらわないといけません」と述べる。
  13. 「マラバール演習の背景にはインド、米国、日本の三カ国が中国海軍の劇的な拡大と活動増強の現実を憂慮していることがあります」とプロバル・ゴッシュ退役インド海軍大佐・国防アナリストは言う。「インドは中国の潜水艦、水上艦、給油補給艦がインド洋に大挙出現していることを懸念しています」■

2017年3月14日火曜日

★いずもの南シナ海・インド洋長期派遣をめぐる報道について



いずもの長期航海派遣をロイターが伝え、米メディアも報道しています。まず自動車系ウェブサイトのThe Drive の軍事コーナーで一般米国人向けの記事になっています。例によって護衛艦は駆逐艦、ヘリコプター護衛艦はヘリコプター空母と各記事は伝えています。しかし国内メディアは黙殺していますね。

Japan to Sail Carrier Into South China Sea In Massive Show of Force

日本が空母を南シナ海へ派遣し最大級の力の誇示を行う

Dispatching the helicopter carrier Izumo to the South China Sea is the largest show of naval force by Japan in the region since World War Two.

ヘリコプター空母いずもの南シナ海派遣は戦後日本で最大の海軍力誇示となる。
BY TYLER ROGOWAY MARCH 13, 2017
AP
  1. 日本のヘリコプター空母いずもが三ヶ月という前例のない長期派遣で南シナ海に向かう。途中、シンガポール、フィリピン、スリランカ、インドネシアに寄港し、マラバール国際海軍演習に参加すべくインド洋に向かう。海上自衛隊のヘリコプター空母と随行部隊が加わり、域内三大海軍国の空母が共同訓練をすると中国の動揺は隠せないだろう。ただし中国人民解放軍海軍も空母を同地域に巡航させ作戦概念の検証とともに力の誇示をわずか三ヶ月前に実施したばかりだ。
  2. いずもは全長814フィート排水量27千トン。日本は同艦の能力を誇示することを避け、「ヘリコプター駆逐艦」と称するほどだが、同艦はヘリコプター多数を日本本土から離れた地点で運用できる。対潜、輸送、攻撃用途の各種ヘリコプターを保有するが、特に対潜作戦が注目され、活動を高める中国潜水艦に大きな脅威となる。
CIMSEC
  1. 日本は南シナ海でなんら領有権を主張していないが、中国とは尖閣諸島を巡る対立があり、ここに来て緊張が高まっている。中国の南シナ海、尖閣諸島問題は来月習近平主席がドナルド・トランプ大統領とフロリダ州パームビーチで初会見をする際に避けて通れないだろう。
  2. 戦後日本の憲法では「攻撃兵器」の入手使用は禁じており、大型のいずもは姉妹艦かが(間もなく就役)と日本の地政学軍事上の役割変化が東半球にとどまらない範囲で進んでいることを実感させてくれる。■
次にUSNI Newsを見てみましょう。取材の深さの違いがわかります。海軍は歴史と伝統を重視する組織ですが、中国が言う歴史認識は明らかに海上自衛隊には無関係な話ですね。


Report: Japan’s Largest Warship Heading to South China Sea, Will Train With U.S., Indian Navies

日本最大級艦船の南シナ海派遣で米印海軍と共同訓練
March 13, 2017 11:35 AM
An undated photo of JS Izumo (DDH-183) underway. JMSDF Photo

日本最大の艦艇が三ヶ月にわたる作戦を南シナ海で行う準備中とロイターが3月13日伝えている。
  1. 24千トンのJSいずも(DDH-183)は5月に横須賀を出港し、各地寄港のあと演習に参加し8月に帰国する。
  2. 「シンガポール、インドネシア、フィリピン、スリランカに寄港し7月にマラバール共同海軍演習に加わる」(ロイター)。
  3. 「長期航海でいずもの性能を試す」と消息筋がロイターに語っている。「南シナ海で米海軍と訓練する」
  4. 米国防関係者はUSNI Newsに同時期に海上自衛隊と共同訓練の予定があると認めたが詳細は語らなかった。
  5. いずもは日本が建造したヘリコプター空母二隻のひとつで対潜戦および人道援助災害救助が任務と説明されている。2015年に就役し、姉妹艦かがも今年就役する。
  6. 各艦に三菱重工製SH-60K対潜(ASW)ヘリコプター7機とアグスタウェストランドMCM-101機雷処理(MCM)ヘリコプター7機を搭載するとU.S. Naval Institute’s Combat Fleets of the Worldは解説している。米海兵隊のMV-22オスプレイも運用可能だ。日本は中国潜水艦の脅威で同艦を建造したという。
  7. いずものASW能力はマラバール2017演習の目標に合致すると第七艦隊司令官ジョセフ・アーコイン中将がインドPTI通信に述べている。アーコイン中将によれば今年の演習ではASWを拡充しより複雑に展開し、インド・米国がそれぞれ運用するP-8I、P-8A対潜哨戒機も加わる。
  8. 中国は日本艦船の南シナ海運用に強い反発を示しており、第二次大戦中の日本帝国を想起させると主張。
  9. 「日本は反省すべきであり、侵略の記憶を消去するのではなく東シナ海、南シナ海双方で慎重な発言行動をとるべきだ。また相互信頼醸成を近隣各国と進めるべきであり、域内平和安定を希求すべきなのであり武力をちらつかせるべきではない」と中国外務省報道官洪磊Hong Lei が昨年述べていた。
  10. トランプ政権が国際通商路での航行の自由をこれまでより積極的に確保すると公言した中でいずもが派遣される。ヘリコプター空母としての機能以外に艦名自体にメッセージが込められている。
  11. 「初代の出雲は日本海海戦に参加した装甲巡洋艦で、日清戦争の清国賠償金で購入した艦だ。中国はこの出自を認識するはず」とUSNI Newsに記事を提供するカイル・モチズキは指摘する。■