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2025年4月7日月曜日

MQ-28ゴースト・バット「忠実なウィングマン」のミサイル実戦テストを計画(The Aviationist)

 


4機のMQ-28ゴーストバット。中央の2機は機首に赤外線捜索・追跡(IRST)モジュールを装備しているのが見える。


ーイング・オーストラリアの無人戦闘機は、2025年後半か2026年前半に空対空ミサイルの実地試験発射を行う予定である。

 アバロン・オーストラリア国際航空ショーでメディアに発表された空対空ミサイルのテスト成功は、協働戦闘機(CCA)プラットフォームにとって重要な前進となる。 MQ-28に武器が搭載されるのはこれが初めてである。MQ-28はこれまで、主に有人航空機のための情報・監視・偵察(ISR)および電子戦(EW)戦力増強装置とされてきた。

 ボーイング・オーストラリアの無人戦闘機は、計画によれば、2025年後半か2026年前半に空対空ミサイルの実地試験発射を行う。

ボーイングは、ゴーストバットが8機で計102回の試験飛行を完了したことを確認した。運用中の機体はブロック1が6機で、ブロック2が2機生産されている。ブロック2では、主翼が若干変更され、新しい航法装置と電子戦攻撃への強化が施されている。改良点の多くは、ブロック1機の飛行試験から得られた。




 2025年末までにF-35AライトニングIIやE-7Aウェッジテール機とともにゴーストバットが飛行することも期待されている。これらの航空機は近い将来、オーストラリア空軍(RAAF)と、将来の顧客候補として注目されているアメリカ空軍(USAF)の両方で運用されることになる。

 ゴーストバットは、ボーイングのオーストラリア部門がRAAFと緊密に協力して開発した。公式プレスリリースでは、MQ-28が50年以上ぶりにオーストラリアで製造された航空機であることを紹介している。クイーンズランド州トゥーンバにある9,000平方メートルの生産工場は2024年に建設が開始され、ボーイング・オーストラリアは3年以内の完成を目指している。

 ボーイング・ディフェンス、スペース&セキュリティ社の暫定社長兼最高経営責任者(CEO)を務めるスティーブ・パーカーは、今回のテストに使用される空対空ミサイルの正確な種類は、後日発表されると述べた。彼はまた、将来の対地兵器のテストについても示唆した:"我々は間違いなく将来的に空対地を見るだろうが、我々の焦点は空対空である。"

 MQ-28に武器を追加することで、米軍が評価中のクレイトスXQ-58ヴァルキリーのようなCCAプラットフォームに近づくことになる。これらの無人航空機は、有人航空機とチームを組み、追加弾薬の搭載を可能にするだけでなく、人間の乗員を失う可能性なくペイロードを提供することで、リスクの高い状況に無人航空機を送り込むことができる。


内部のペイロードベイからAltius-600 UAV/浮遊弾薬を投下するXQ-58Aバルキリー。 (画像クレジット:Courtesy photo via U.S. Air Force)


 ボーイング・オーストラリアのエイミー・リスト代表取締役は、MQ-28プログラムに対する将来の資金は現在確保されていないが、同社は新たな資金確保に向けてオーストラリア政府と積極的に交渉していることを確認した。

RAAFの計画

RAAFは近々、オーストラリア政府に対し、無搭乗機の調達に関する提言を行う可能性がある。ニコラス・ホーガン、オーストラリア空軍副司令官は、「政府に選択肢を提示する」と語り、RAAFとボーイング・オーストラリアの緊密な協力関係を考えれば、ゴースト・バットが同軍の計画で重要な役割を果たすことは間違いない。RAAFはMQ-28を高く評価しているようで、ホーガンの熱狂的な言葉がそれを物語っている。

「MQ-28に対する私の見解:それはワールドクラスだ。 「間違いなく、世界をリードしている。 MQ-28は、我々が政府に提出するどのような選択肢においても、非常に強力な候補となるだろう」。

 前述したように、ゴースト・バットは大規模なテストを実施しており、これまで102回のテスト飛行が報告され、RAAFに大量のデータを提供している。

 「我々が学んだことは、自律的に、そして乗組員付きプラットフォームとチームを組み機能する方法は、並外れたものです」とホーガンは言う。「別のプラットフォームや他のプラットフォームに目を向けても、このプラットフォームから学んだことの根底にある基盤は、何十年もの間、私たちとともにあるだろうと思う」。

 オーストラリアとアメリカは、無人機の性能データを共有しており、これは無人機に関する日本との三国間協力の一環でもある、とホーガンは付け加えた。 しかし、豪州と米国のプログラムでが目的が異なる。そのひとつは、後者がNGADの制空権任務を支援するための武器統合であるのに対し、前者は当初、センサーとRAAFの運用コンセプトの中での統合テストに重点を置いていることだ。

 ホーガンはさらに、現在のところMQ-28への武器システムの統合は含まれていないことを確認したが、将来的にそれを除外することもないとも述べた。「可能性を否定はしないが、絶対とは言わない」(ホーガン)。

 オーストラリア国防総省は無人航空機の運用コンセプトや、有人戦闘機や支援機との最適な併用方法を検討中であり、ゴースト・バットの試験飛行で得られたデータが大きな意味を持つ。 「ゴースト・バットのテスト・キャンペーンで得られたデータは、その作業の大きな部分を占めている。

 オーストラリア政府が無人戦闘機を調達するかどうか、またMQ-28を採用するか他の設計を採用するかを最終決定するにはまだ時期尚早だが、ホーガンは10年以内に最前線で使用されると見ており、「その段階までには、自律型共同プラットフォームが装備の一部になっていると自信を持って言えます」。

アンドゥリル・フューリー

米防衛産業の新参者であるアンドゥリル・インダストリーズは、航空ショーを利用し、社内で「フューリー」と名付けたCCAを売り込んでいる。この機体のルーツは、2023年にアンドゥリルが買収したブルーフォース・テクノロジーズにある。この機体にはアメリカ空軍がYFQ-44の制式名称を与えている。

 ゴーストバットと異なり、アンドゥリル機はまだ飛行していないが、これは2025年中に行われる予定である。アンドゥリル・オーストラリア・アジア・パシフィックのデビッド・グッドリッチ最高経営責任者(CEO)は、同社はすでにRAAFとの話し合いやプロセスに参加しているが、それ以上の詳細は明らかにできないと述べた。

 ゴーストバットがフューリーより大きいことは分かっている。 後者は全長6.1メートル、翼幅5.2メートルとされている。 一方、ゴーストバットは全長11.7メートル、翼幅7.3メートルでゴーストバットのサイズが大きくなったことで、ゴーストバットの耐久性が向上し、ペイロードの柔軟性が増すことは間違いないだろう。 しかし、フューリーの方がスピードと機動性は上かもしれない。

 ゴースト・バットの血統を考えると、オーストラリアにとって重要なことは、アンドゥリルが現地生産も視野に入れていることだ。 同社はすでに、自律型水中ビークル「ゴースト・シャーク」のオーストラリア生産施設に投資している。

 グッドリッチは、アンドゥリルのユニークなセールスポイントとして、人工知能(AI)とロボット工学における同社の経験を高度に活用し、競合他社に比べ低予算で短い納期を実現できることをあげている。 「フューリーは、シンプルで大量生産できる設計です。 ハードウェアと素材の選択は、コスト、スピード、シンプルさ、サプライチェーンを中心に最適化されています」。

 インド太平洋地域の不特定多数の潜在顧客と交渉が行われており、同社はまた、欧州市場に接続するために6月のパリ航空ショーにフューリーを持ち込むことを計画している。

 米国では、アンドゥリル・デザインはジェネラル・アトミクスのガンビット(YFQ-42)と対決する。 この両機は、アメリカ空軍の連携戦闘機プログラムのインクリメント1での最終候補である。米空軍は最大150機を調達する意向だが、2つの設計のうちどちらかが選ばれるのか、あるいは混成飛行隊が就役するのかは不明だ。

 業界大手のボーイング、ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマンは、インクリメント1で落選したが、インクリメント2で入札できる。ロッキード・マーティンは、インクリメント1では過剰な納入を行い、コスト高になるはずの「金メッキ」オプションを提供したものと考えている。インクリメント2ではより手頃な価格での提供を目標としている。■


Live Missile Test Planned for MQ-28 Ghost Bat ‘Loyal Wingman’

Published on: March 27, 2025 at 7:27 PM Follow Us On Google News

 Kai Greet

 Stefano D'Urso

https://theaviationist.com/2025/03/27/live-missile-test-mq-28-ghost-bat/


2022年11月28日月曜日

トルコ・バイラクタルが開発中の新型無人機キジレルマは多くの可能性を秘めた画期的な機材になりそう

 


Baykar

 

ステルス機能と高速性を備えるKizilelmaドローンは、ウクライナ戦で有名になったTB2より先進的な提案だ

 

 

ルコのバイラクタルBaykarは、同国初の無人戦闘機とされるrキジレルマ Kizilelmaドローンの地上テストを開始した。北西部テキルダグ県にあるアキンチ飛行訓練・試験センターでの試験には、初飛行に先立つタクシー走行などの画像が添付されており、ユニークな同機をよく見ることができる。様々な戦闘任務を目的としているようで、空母運用も想定してるようだ。

 トルコ語で赤いリンゴを意味する「キジレルマ」は、アゼルバイジャンやウクライナで活躍した「バイラクターTB2」や、大型の「バイラクター・アキンチ」を手掛けるバイカールが開発した。しかし、キジレルマは、超音速(少なくとも後期型)、低視認性、有人戦闘機で行われる空戦任務のために設計されたとし、全く異なる提案だ。

 ウクライナで設計されたイフチェンコ・プログレスのターボファンエンジンを1基搭載したキジレルマは、中国の有人戦闘機J-20や謎の無人機ダークソードなど、他の低視認性戦闘機の設計で見られるのと同じカナード・デルタ構成になっている。カナードの使用は、低観測性と操縦性のトレードオフになるが、レーダー信号への影響を制限するために対策を講じることができる。尾翼はカント付き垂直安定板で構成されている。

 

 

Kizilelmaドローンの特徴を示すインフォグラフィック。. Baykar

 

 

技術要件によると、キジレルマは、5〜6時間の耐久性、戦闘半径500海里、35,000フィートの運用高度限界を持つとある。最大離陸重量は13,228ポンドで、ペイロードは3,306ポンド。この積載量には、ステルス性をさらに維持するために、内部兵装庫に搭載される使い捨て装備が含まれる。武器は、トルコ産業界が開発した空対地精密弾薬や空対空ミサイルなど、各種が搭載されるようだ。

 キジレルマの試作1号機以下の初期型は、アフターバーナーなしののイフチェンコ・プログレスAI-25TLTターボファンを搭載する予定だが、後期型はこれをイフチェンコ・プログレスAI-322Fに変更し、超音速性能を確保する予定だ。

 アフターバーナーを欠くエンジンでも、キジレルマはドローンとしては素晴らしい性能を発揮し、最高速度はマッハ1に近いと思われる。最終的にはAI-322Fを2基搭載した双発機とし、さらに性能を欠く向上させる計画もある。初期状態ではエンジン排気は明らかに非ステルスだが、ロシアがオホトニクで行っているように、この部分を改良することで低視認性を向上させることが可能だ。しかし、この機体は、胴体のラインなど、一定の角度から見たレーダー断面積を減らす工夫が施されているが、明らかに、低観測性より高性能を重視しているようだ。これは、MQ-28 Ghost Batのような例外を除けば、UCAVで一般的に見られるものではない。

 

 

キジレルマの機体後部から搭載するAI-25TLTエンジンが見える. Baykar

 

 

タクシー試験中のキジレルマ。 Baykar

 

 

キジレルマ開発が始まったのは2013年と古いが、プロジェクトが一般に明らかになったのは、2021年7月にコンセプトスタディが発表された際だった。初飛行は来年に予定されている。目標は、現在プロトタイプが地上試験中であることから、達成可能であると思われる。

 トルコのHurriyet紙によると、未確認ながら、タクシーテストと地上走行は終了しているという。Baykarの最高技術責任者であるSelcuk Bayraktarは、自身のTwitterアカウントに投稿した動画で、最初の離陸ロールテストは低速で行う予定だったが「その限界を超えた」とし、「最初の自律タクシーと離陸ロールテスト」を無事達成したと述べている。これは、Hurriyet記事が間違っており、さらなる地上テストが計画されていることを示唆しているように思われる。

Hurriyetはまた、最初の「エンジン統合試験」が2カ月前に完了したと報告している。これはおそらく、取り付けられたエンジンが地上で初めてパワーアップしたことを指しているのだろう。

 8月にサムスンで開催されたトルコの航空宇宙技術イベント「Teknofest」で、ベイカルのゼネラルマネージャー、ハルク・ベイラクターはキジレルマについて、「コストは高くならないだろう、より低コストで多くを生産できるだろう」 と述べている。

 もしそうなら、Baykarは、米国製品を購入できない顧客や、この種のハイエンド戦闘UAVの輸出ライセンスを確保できない顧客向けに手の届く価格の戦闘UAVを市場に送り出すかもしれない。現在、この種の無人機のテストを進めている国は、中国を筆頭に、オーストラリアなどごくわずかだ。キジレルマが特定のシナリオに限ってでも全体的なコストが低いかは不明だが、その可能性は確かにありそうだ。

 キジルマのもう一つの重要な点は、短距離離着陸能力で、船首に「スキージャンプ」離陸路を持つトルコ海軍の揚陸攻撃艦「アナドル」のような小型空母からの運用が可能になると言われている。

 

 

TCG Anadolu (L-400) under construction at the Sedef Shipyard in Istanbul in September 2022. tolgaozbekcom/Wikimedia Commons

 

トルコ軍はアナドルからBayraktar TB2ドローンを運用したいと考えていたが、大型で重い新型ドローンを会場運用するためには、艦とキジレルマにどの程度改造が必要になるかは不明である。

 確かに、地上試験で見られたキジレルマのプロトタイプの着陸装置は、甲板発進と回収の厳しさに対処するには、あまりにも軽量すぎるように思われる。基本的な形状のキジレルマが、カタパルトの補助なしにスキージャンプで発進できる推力を持てるかは、まだ不明だ。Baykarの関係者は以前、アナドルには無人機回収用のアレスターケーブルが装備されると述べている。

 BaykarのCEOHaluk Bayraktarは、2021年にDefense Newsに対して、「UAVで空母離着陸能力を実現するには、非常に高いGショックを受けるため、構造を強化しなければなりません」と述べている。「当社は1年以内にLHDアナドルへの着艦発艦が可能な新しいUCAVを開発することを目指しています」と付け加え、おそらくキジレルマを参照して、またはTB2をさらに発展させたものである可能性がある。

 全体として、キジレルマは高速戦術UCAVを設計するための興味深いアプローチだ。低シグネチャ(低観測性ではない)設計の典型的な特徴と、高性能を保証する機体とパワープラントを組み合わせているようだ。将来のバージョンでは超音速飛行が可能になるため、さまざまな空対空および地上防空システムからの生存率が高まる。

 トルコにとって、この種の無人機は、F-35共用打撃戦闘機プログラムから外され、F-16購入の提案に疑問が投げかけられている中で、戦闘機の「質量」の増大という問題に対処する有用な方法となり得る。一方、米国の支援がなければ、国産ステルス戦闘機TF-Xを現在の野心的なスケジュール通りに就航させることができるかどうかは、かなり疑わしい。キジレルマUCAVを大量に購入すれば、この需要の少なくとも一部を相殺することができ、同時に既存の有人型の機体寿命も維持することができる。

 

 

2019年パリ航空ショーに出展したTF-Xのモックアップ。 TAI

 

しかし、現段階では、Baykarがどの程度までドローンを構成して空対空ミッションを行うことができるかは疑問が残る。明らかに願望であるが、飛行制御ソフトウェア、コマンド・コントロール・アーキテクチャ、コンピューティング・パワーのレベルが必要であり、従来型のISRや攻撃用ドローンの開発でかなりの成果を上げているトルコでも、その域を出ないかもしれないのだ。

 一方、キジレルマが少なくとも当初は偵察・攻撃任務に限定されても、その低価格から、トルコ軍だけでなく他の顧客にとっても非常に魅力的な戦力補強になる可能性がある。特に、戦闘機の性能を持つ後期バージョンになれば、キジレルマは魅力的な選択肢となる。■

 

 

Turkey’s Fighter-Like Drone Emerges For Taxi Tests | The Drive

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED NOV 21, 2022 3:17 PM

THE WAR ZONE


2021年1月23日土曜日

ゴルフを楽しむトランプを狙う無人機の影....大胆すぎる画像を投稿してハメネイのツイッターアカウントも閉鎖。まさか米国内で暗殺を企てるとは思えませんが、中東独特の大言壮語なのでしょうか。

 

VIA TWITTER

ルフを楽しむドナルド・トランプ前大統領を狙う無人機という思わせぶりな画像をカセム・ソレイマニ司令殺害へのイランの「復讐」とした投稿がイラン最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイのアカウントに1月21日現れた。米軍は2020年1月にソレイマニ司令をイラクで無人機で殺害し、以後イランが報復を誓い、トランプ自身を狙うと表明していた。

投稿15時間後にツイッター社は@khamenei_siteアカウントを停止する措置に出た。別のアカウント@Khamenei_tvは現在も閲覧可能だ。同じ投稿内容がインスタグラムの同人ページから削除されているが、アカウントは閲覧可能なままだ。画像はオンライン上で拡散し、イランの準国営通信社タスニムのツイッターアカウントでも見られたが、今は削除されている。

不快感を与える画像にイランの全翼型無人機の影が写っており、イランが捕獲した米RQ-170ステルス無人機に似ている。同機は小型爆弾投下が可能で、下にはトランプと思しき人物がゴルフコースでスイングしている。ホワイトハウスを去った翌日に実際にトランプはフロリダのトランプ・インターナショナルゴルフクラブ・ウェストパームビーチに向かった。

画像はもちろん合成だが、首脳暗殺に無人機を投入する可能性は現実になっている。実際にヴェネズエラ独裁者のニコラス・マドゥーロ暗殺の動きが2018年にあった。この際は不発におわったが、今や「無人機の大群」が投入される時代で無人機が暗殺に投入される事態がさらに現実味を帯びている。

VIA TWITTER

イランのシャへド-161がRQ-170のリバース・エンジニアリングなのは一目瞭然だ

反トランプの画像にはファルシ語でテキストが入っており、「復讐を。ソレイマニ殺害を命じた人物には報いを与える」とあり、最初が赤字になっている。2020年12月にハメネイはソレイマニ暗殺に「必ず復讐する」と公言していた。ソレイマニはイスラム革命防衛隊のクッズ部隊司令で国外で戦闘行為、テロ活動を指揮していた。

「ソレイマニ将軍殺害を命令したもの、実行したもの双方に天罰を与える。報復はこの瞬間にも行う」とハメネイは2020年12月16日にツイートしていたが、トランプの名前は出していなかった。

「殺害を命じた下手人の米国大統領に正義の手が及ばないなどと考えてはならない」「暗殺に関与した犯罪者に安全な場所はこの世にない」とイラン最高裁長官エブラヒム・ライシも元日イベント会場で発言。

同じ会場でクッズ部隊司令になったエスマイル・ガーニは「米本国にいても犯罪のつけを払わせる」と述べた。

ソレイマニ殺害の無人機攻撃の時点で米国務長官マイク・ポンペイオはソレイマニが「喫緊の」脅威で殺害により「米国人の生命を救えた」と述べていた。

トランプ大統領は攻撃直後に「大統領命令により米軍が完璧な精密攻撃に成功し、ナンバーワンテロリスト、カセム・ソレイマニを殺害した」と声明文を発表した。

この攻撃後にイランは報復として弾道ミサイル一発をイラク国内の米軍基地に発射した。人員に死亡はなかったが、100名超が脳障害の治療を受けた。トランプは強い口調で非難したものの、米軍は直接の対応を示さなかった。

ソレイマニ殺害の「復讐」は何度も繰り返し話題になったが、殺害一周年当日に報復行為は現れなかった。イランを封じようと米軍はペルシア湾で活動強化し、B-52を定期的に上空飛行させたほか、オハイオ級誘導ミサイル潜水艦がホルムズ海峡から湾内に移動した。

ハメネイ投稿の画像に無人機が写っていること、イラン国内で大規模軍事演習が連続実施され、無人機、ミサイルを重視していることでイラン装備品への関心が高まっている。演習には中距離弾道ミサイルが発射され、1,000マイル先のインド洋に到達し、イランは対艦弾道ミサイルの試射と主張。実際に当時同海域にいたニミッツ空母打撃群から100マイルの地点に着水している。新型無人機ではサイドワインダーミサイルのクローンを発射し、空中標的に命中させている。

他方でイランは米国への言葉の攻撃を続けており、トランプが大統領職を辞しても相変わらずだ。ジョー・バイデンが大統領の就任当日にイラン外務省報道官サイード・ハティブザデはツイッターに「言葉以上の」行動を求める投稿を出し、「世界は米国に自ら問題解決を求めている」とした。

ハメネイが米国及び英国製のCOVID-19ワクチンを「全く信頼できない」とし、「他国を汚染させようと考えている可能性も皆無ではない」と投稿し、ツイッター社はこれらを削除している。

米イラン間の緊張の背景にはトランプが2015年核合意から脱退したこともある。逆に米国はイラン制裁措置を再開し、イラン経済に大打撃となり、イラン政府はこれを機会に米国敵視運動を動員している。ただし、バイデンはイランが完全なる遵守を守る前提で核合意復帰を目指すと発言していた。

バイデン大統領のもと、米イラン間の今後がどうなるかにかかわらず、トランプ政権の影は各方面に残りそうだ。

 

この記事は以下を再構成したものです。

Iranian Supreme Leader's Tweet Suggests Drone Assassination Of A Golfing Trump

Ayatollah Ali Khamenei was slapped with a Twitter suspension for the image that called for revenge against the former U.S. president.

BY THOMAS NEWDICK JANUARY 22, 2021



2019年10月7日月曜日

中国の新型無人ISR機材 WZ-8 は台湾、日本をカバー

Images suggest WZ-8 UAV in service with China’s Eastern Theatre Command

Andreas Rupprecht, Mainz - Jane's Defence Weekly
04 October 2019


10月1日北京の軍事パレードでWZ-8UAV2機の機体番号は抹消あるいは隠されていた。Source: Greg Baker/AFP/Getty Images

10月1日の軍事パレードに登場したWZ-8高高度高速偵察無人機(UAV)が人民解放軍空軍(PLAAF)の第30航空連隊に編入され、江蘇省首都の南京近郊の六合航空基地に配備されていると示す写真がある。

画像は中国国営メディアが10月1日の北京パレードの予行演習で公開したもので三角形主翼のUAVに21311、21312の番号がついている。
番号が5桁で21x1xの配列はH-6M戦略爆撃機とともに東方戦域司令部の隷下にあることを示す。同司令部は台湾、日本を担当する。

ただし、10月1日のパレードでは機体番号は消去あるいは覆いをつけ判読できないようになっていた。

WZ-8はエンジン双発構造だが空気取り入れ口が見当たらず空気吸い込み式ではないようだ。機体上部の構造からは母機が運び、その場合はH-6の可能性が高く、通常型の降着装置がついている。


H-6Nの機体下部は改修されており空中発射式弾道ミサイルの運搬用との観測があった。ただし、そうではなくWZ-8搭載用途見るべきだろう。ただし、確認のための情報はまだない。■

2019年9月25日水曜日

空母の将来を脅かす5つの軍事技術

All of the Reasons America's Aircraft Carriers Are Doomed

September 22, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: Aircraft CarrierMilitaryTechnologyWorldNavy
母の攻略方法は知れ渡っている。あるいは攻撃を試みる方法というべきか。潜水艦発射の魚雷、巡航ミサイル、弾道ミサイルはいずれも空母に最悪の事態を与えかねない。もちろん、現在の空母は各種攻撃への防御手段を備えているが、攻撃と防御のバランスが確保されているかは残念ながら未知数である。
だがこれからはどうなるのか。30年後なら空母への攻撃方法が変わるのだろうか。空母建造者の頭を悩ませそうな5分野に触れてみたい。

水中無人機
空母にとって潜水艦が長きに渡り最も大きな脅威である。第二次大戦時には、ほぼすべての空母部隊で潜水艦による損失が発生した。冷戦時に米海軍はソ連潜水艦の存在を重要ととらえていた。対潜技術が進歩したとはいえ、潜水艦で最大の課題は空母の捕捉であり、攻撃射程内への接近である。しかも空母部隊の対潜機能の餌食になる前にこれを実施しなければならない。潜水艦には脱出経路を見つけることも重要だ。
無人潜水機は以上の問題をいくつか解決できる。接近を予期してほぼ無期限にわたり水中待機できるし、空母捕捉に成功して初めて移動すればよい。またロボット潜水艇には陸上に残した家族を心配する乗組員は皆無だ。武装がわずかでも事前設定した条件で自律運用する無人機は空母にとって厄介な存在になるだろう。

サイバー攻撃
空母は今でも頭が痛くなるほど複雑なシステムの塊だ。艦だけでなく航空団さらに護衛艦艇もある。フォード級空母ではさらに発展しており、ウェポンシステムの一部となりセンサーも同時にシステムを構成し数百、数千マイルの範囲を探査する。ネットワークはデジタル化し防御も厳重だが侵入不可能なわけではない。敵がフォード級のコンピューターシステムへ妨害や侵入してくるかもしれない。
サイバー攻撃を受ければ空母に大きな影響が生まれる。空母がセンサー能力を失えば、艦の運行のみならず航空団の運行もままならなくなる。逆に艦の位置を露呈し、攻撃手段の前に脆弱となる。極端に言えばサイバー攻撃で主幹システムが無力になれば艦は自衛できなくなる。

無人航空機
ピーター・シンガーとオーガスト・コール共著のGhost Fleet(邦題中国軍を駆逐せよ!ゴーストフリート出撃す)では米軍のUAV部隊が空母二隻(ロシアのクズネツォフ、中国の山東)を北太平洋の空母戦の最後に撃破する。無人機は前からあるし、巡航ミサイルとは自殺用の無人機と大差ない。一方で、航空機は1940年代から空母を沈めてきた。だが現在の有人機で空母を捕捉攻撃しようとすると新鋭防空装備の前に自殺行為となる。巡航ミサイルは射程が長いとはいえ、やはり防御突破で同じ問題に直面する。 .
自律運行型UAVにスタンドオフ兵器および近接距離兵器を併用すれば柔軟に防空網を圧倒できる。とくにパイロットの生存を心配しなくて良いとなれば可能性が高くなる。まず遠距離で兵器を放出してから十分に接近して空母に致命傷を与える。生命の危険を感じないロボットほど怖い存在はない。

極超音速兵器
中国、ロシア、米国が極超音速技術の開発に躍起となっており、弾道ミサイル同様の脅威となる予感がある。ただ弾道ミサイルと異なり、極超音速兵器は防御が極端に困難な飛翔経路を取ることが厄介だ。つまり弾道ミサイルや巡航ミサイルの威力と慣性を組み合わせて空母に甚大な被害を与える存在になる。弾道ミサイルには核兵器の運搬手段というイメージがあるが極超音速兵器は政治的には使いやすい兵器となろう。

軌道爆撃
空母はステルスになれない。航空機、潜水艦、水上艦艇が姿を隠すのと対照的だ。ただし空母には機動性という有益性がある。航空基地が固定されれば敵は常時その位置を把握できる。攻撃対防御の単純な戦術問題になる。空母は機動性を発揮して有利な立場を作る。
軌道爆撃システム(ニックネーム「神の杖」)はこの問題を解決する。衛星にタングステン棒や運動エナジー兵器を搭載すれば空母の位置を識別すれば即時に攻撃可能となる。ここではネットワーク間の通信といった問題は不要だ。神の杖は運動エナジーだけで水上艦に甚大な被害を与え、空母を撃沈するか、機能を奪う効果を与えるだろう。

空母は生き残れるのか
航空母艦は地政学上の影響力を生む手段だ。このため、そのを無力化を狙う国家が存在する。空母はほぼ一世紀にわたり、その目的を果たしてきた。USSフォレスタル以後の米海軍は超大型空母を運用しており、その役目は1950年代から変わっておらず、21世紀後半も変化はないと見られるが、どこかの時点で大きな変化があれば、空母の攻撃力は効果を失い、脆弱性の正当化もできなくなる。だが実際に米海軍の宝たる空母が一隻でも喪失しないとこれはわからないだろう。

Robert Farley, a frequent contributor to TNI, is author of The Battleship Book.

2019年9月24日火曜日

開発中のMQ-25スティングレイ艦載無人給油機が初飛行に成功

Boeing MQ-25 Stingray Carrier-Based Aerial Refueling Drone flies for the first time



米海軍とボーイングがMQ-25Aスティングレイの試験機T1を9月19日に初飛行させた。MQ-25は契約交付から一年で初のテスト飛行にこぎつけたが、実用化となれば世界初の艦載無人機となる。(Photo: Boeing)

 


海軍とボーイングは2019年9月19日に発表を行い、MQ-25スティングレイ試験機がイリノイ州マスコウタのミッドアメリカ・セントルイス空港で初飛行に成功したと述べた。同空港はスコット空軍基地に隣接する。無人機は初の艦載自律無人機として空母航空団への投入をめざす。
テスト機はボーイングが所有し、T1の名称がついており、N234MQの民間機登録番号で二時間におよぶ自律飛行をボーイングのテストパイロットが地上局から監視する中で実施した。同機はFAA基準による自律タキシングと離陸をへて事前に準備ずみ空路を飛び基本飛行性能と地上局を交えた機体制御を実証したと声明文にある。
MQ-25が9月19日の初飛行で帰還してきた。ボーイング所有の同機はT1の名称で二時間のフライトをこなして着陸した。(Photo: Boeing)


海軍の無人機空母航空部門の事業主管チャド・リード大佐は「本日のフライトは海軍にとって大きな一歩となった。テスト機がMQ-25初号機の納入から二年先立って飛行したことから今後多くを学ぶ機会の最初の一歩となり、空母航空団の様相を一変する機材の実現に役立つ」
テスト機一号は初期開発段階に投入され、その後技術開発モデル(EDM)仕様のMQ-25を4機、805百万ドルで製造する契約が2018年8月に海洋加速化調達(MAA)として交付されており、目的はミッション実施に必須な性能を米海軍艦隊に可能な限り迅速に実現することに有る。
ボーイングによればT1には試験飛行用の耐空証明が連邦航空局から今月初めに出ており、テストは今後数年掛けて行い、初期段階の治験把握と主要装備の技術改良ならびにソフトウェアの整備に供するとある。EDM機材の登場は2021年度で初期作戦能力(IOC)獲得は2024年に予定されている。
MQ-25スティングレイは実用型空母運用UAVとして初の機体となり、空中給油能力および情報収集偵察監視(ISR)を提供する。同機は空母を離着艦するUAVとして二例目となる。ノースロップ・グラマンX-47Bペガサスが2013年に先例を作っているためだ。同機はUSSジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77) 、USSセオドア・ローズヴェルト(CVN-71) でc離着艦に成功している。スティングレイが空母航空団に編入されるとF/A-18Eスーパーホーネットの負担が軽減される。バディタンカーとなり僚機への給油任務に投入されているスーパーホーネットが本来の作戦運用に使えるようになる。