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2021年10月10日日曜日

日印共同訓練JIMEXが閉幕。海上自衛隊はかが、むらさめを派遣。インド海軍との共同作戦実施力を示した。同演習は今年が5回目。クアッドの実質的能力拡大が着実に進んでいるのは朗報。

MiG-29K戦闘機編隊がかが上空を飛行した。. Indian Navy picture.

 

 

以下インド国防省報道発表です。

 

第五回日印共同訓練JIMEXが10月6日から8日にかけアラビア海で実施された。

 

演習では海上自衛隊、インド海軍の艦艇が加わり、対空、対水上、対潜戦を展開した。

 

インド海軍は西部艦隊司令アジェイ・コシャー少将が指揮を執り、国産駆逐艦INSコチ(シーキングMK42Bヘリコプター搭載)、誘導ミサイルフリゲート艦INSテグ(チェタク捜索救難ヘリコプター搭載)のほか、P-8I海洋哨戒機、MiG-29K戦闘機も加わった。海上自衛隊は第三護衛隊群司令池内出海将補の指揮下でいずも級へリコプター駆逐艦かが、誘導ミサイル駆逐艦むらさめを派遣した。海自両艦はSH-60Kヘリコプターを運用する。

 

インド海軍、海上自衛隊艦艇が実弾発射を行った。 Indian Navy picture.

 

 

演習は出だしから早いテンポで展開し、水上戦シナリオではP-8Iが上空から偵察機能を提供した。両国部隊は水上補給活動としてかがからコチへの洋上給油を実施した。また地平線越え標的捕捉演習、実弾火砲演習も大なった。高度協調型対潜戦演習として海自が水中目標を使い、水上艦部隊とP-8Iが切れ目ない連携を見せた。

 

両国部隊の司令はかが、コチ艦上で対面し、防衛協力の友好関係を確認した。航空関連ではINSコチから発射した標的に対し高度対空戦演習を行い、MiG-29K戦闘機が視界外(BVR)戦闘演習に投入され水上艦攻撃をシミュレートし、インド海軍の哨戒機ドルニエも投入された。天候条件の悪化があったが、両国海軍のヘリコプター運用に影響はなく、相互に着艦し、高いレベルの相互運用能力を示した。

 

両国間の相互運用能力が高い正確さで連携したのはプロとしての技量の高さと普段からの訓練のたまものであり、両国部隊は海上脅威への準備を怠らない。また高いレベルの信頼と理解がこれまでに積み上げられている。今回の演習が複雑な内容となったことから両国海軍部隊はさらに戦略協力関係を深め得、必要とあれば共同して相互の海洋権益を守り、域内の平和、安全、安定を維持する体制にある。■

 

 

Fifth Edition of Japan-India Maritime Exercise JIMEX Concludes

Naval News Staff  09 Oct 2021

 

2016年10月23日日曜日

★★US-2インド輸出案件>機体価格で日印合意形成の模様



本件は本邦ではまだ報道がないようですね。値下げまでして妥結したとなればインドの粘り勝ちですね。日本政府は新明和に補てん処置をするというのでしょうか。改めて政府が絡むと防衛装備の商談がまとまらないとの印象がこれでできてしまうと厄介です。

India Resolves US-2 Aircraft Price Issue With Japan

By: Vivek Raghuvanshi, October 20, 2016

NEW DELHI — 日本インド間で初の防衛装備移転となるUS-2案件で交渉が二年間空転していたが日本から価格面で譲歩しインド海軍向け12機調達が前進することになった。インド国防省の関係者が明らかにした。
  1. 「機体単価を当初の133百万ドルから113百万ドルへ一割以上値下げする提案が日本からあり、総額13.5億ドル相当の政府間取引は最終段階に入った」と上記関係者は匿名を条件に語った。
  2. インド首相ナレンドラ・モディは2014年の政権発足後、初の外遊先に日本を選びインド海軍向けに新明和US-2購入の希望を公表した。だが日本側が機体価格の値下げを拒み交渉は難航していた。
  3. 本件に関し現地日本大使館はコメントを出していない。
  4. インド海軍関係者はインド洋での活動に同機を一日も早く導入したいとの希望を表明している。「現行機材で実施不可能な洋上活動中の海軍艦艇向け補給物資輸送任務に投入したい」
  5. 退役インド海軍提督で現在は国防アナリストのアニル・ジェイ・シンはUS-2導入で「本国から最大1,100キロ離れた戦略的に脆弱な島しょ部での有事に迅速対応できる」と期待している。
  6. インド洋、太平洋での中国影響力を抑え込みたいインドは日本との連携を強化するルックイースト政策を掲げており、今回の調達は大きな意味がある。
  7. 「戦略重要性は決して誇張ではない。日本としても戦後初の軍事製品輸出になるのではないか。インド日本間の戦略関係が深化する象徴となり、地政学上もインド太平洋で大きな意味が生まれる」とシンは述べている。
  8. 日本は1967年以来堅持してきた武器禁輸措置を2014年に方針変換しており、インドがUS-2を導入すれば初の防衛装備輸出案件となる。
  9. インド海軍がUS-2を導入すれば中国が今年7月に世界最大の飛行艇AG600を製造に成功したと発表した中で大きな対抗策となる。
  10. 「インドがUS-2機を導入する可能性が明らかになるとAG600試作機製造の優先順位は引き上げている。中国も同機をインドと同様の用途に投入するようだ。インドがインド洋にてUS-2を運用するように中国がAG600を南シナ海で使えば軍事上戦略上の均衡につながる」と上記インド海軍関係者は述べている。
  11. 「日本政府は日印防衛協力を戦略パートナーシップの延長上にとらえており、US-2調達が日印間の防衛協力以上の戦略的つながりの構築につながる可能性がある」
  12. アンクル・グプタはアーンスト&ヤング・インドの防衛アナリストで今回の商談について「インドと日本は長期間にわたる協力を国土インフラ整備で維持してきた。今回US-2導入が目前となり両国関係は戦略レベルに引き上げられる。機体一部が国内生産になれば現地製造技術が向上する」と述べた。■