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2014年7月11日金曜日

速報 米空軍が次期ステルス爆撃機の提案を依頼



Air Force Releases Request for Proposal for Secretive Long Range Bomber

By: Dave Majumdar
Published: July 10, 2014 11:45 AM
Updated: July 10, 2014 11:45 AM
An artists conception of Boeing and Lockheed Martin's 2009 bid for the Next Generation Bomber (NGB). Boeing Photo
ボーイングとロッキード・マーティン共同提案の次世代爆撃機(NGB)の想像図(2009年) Boeing Photo

秘密のベールに覆われたステルス長距離打撃爆撃機(LRS-B)の提案依頼書 (RFP) を米空軍が7月9日に発出していたと明らかになった。
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  1. RFPは2015年春までに新型爆撃機開発の契約会社を「競争選定」で選ぶ作業の第一歩になる。

  1. 「LRS-Bは空軍の機材近代化の中でも最優先事項です。同機は状況に適合可能な高性能システムとなり、成熟技術を基に生まれます」と空軍長官デボラ・リー・ジェイムスDeborah Lee James はUSNI Newsが10日に入手した文書で発言している。「この国家安全保障上で重要な機体の実現に業界が尽力することを期待します」

  1. 同機開発は2011年から秘匿扱いとなっており、今回も空軍は提案書締切がいつなのか、その他の情報は一切明らかにしていない。
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  1. 空軍の調達想定は80機から100機で単価550百万ドル。
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  1. LRS-Bについてわかっていることはごくわずかで、超長距離飛行可能な亜音速機で広範囲ステルス性能を備え、低周波レーダー/高周波レーダーともに探知を無効にできる、だけが判明している。

  1. 同機にはゆくゆくは核兵器運搬も認証されるもとみられ、長距離打撃機ファミリーをシステム構成するが、そもそも強固に防衛された敵領空に単独進入する想定はない。
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  1. LRS-Bは「有人操縦が選択可能」な爆撃機として想定されていたが、空軍によれば当初は有人機になるという。

  1. ノースロップ・グラマンボーイング/ロッキード・マーティン・チームが競合する見込みだ。■

2013年10月29日火曜日

新型爆撃機構想に名乗りを挙げないノースロップ・グラマンの目論見は何か


Northrop Grumman Mum On Bomber Bid

By Bill Sweetman william.sweetman@aviationweek.com
Source: AWIN First

aviationweek.com October 25, 2013
Credit: USAF

ノースロップ・グラマンは米空軍向け長距離打撃機構想の爆撃機型提案に参加するのか態度をはっきりさせていない。
  1. ボーイングロッキード・マーティンからは先に両社がチームを組み契約獲得を目指すとの発表があり、ボーイングが主契約社となるとしている。
  2. 「ノースロップ・グラマンは長距離打撃機爆撃機型は国家安全保障、米空軍の戦力投射の双方で不可欠な存在と見ております」と同社は声明を発表。「当社として他社の事業取り組み姿勢についてコメントはいたしませんし、現時点で同構想にこれ以上のコメントもしません」
  3. 同社のこの構えは驚きの反応を呼んでいる。なぜならノースロップはこれまで10年間以上にわたり空軍向け次期爆撃機の製造を現行のB-2開発の知見をもとに実施すると公言してきたからだ。同社はこの文脈で先月の空軍協会大会でもB-2開発の経緯を紹介する図書を公開している。ただ、同社は空軍向け空中給油機選定でもエアバスA330長年にわたり相当額を投資した挙句に最後になって辞退している。
  4. 仮に同社が競作に参加しないこととなるとペンタゴンは微妙な立場になり、総額600億ドルの案件を単独企業の指名契約にまかせることになり、特に議会から詮索を招くことは必至だ。
  5. 業界筋にはノースロップ・グラマンはペンタゴンに圧力をかけて予算規模を増やそうとしているのではと見る向きがある。ペンタゴンでは固定価格制を取らない開発対象分野は政府から見てリスクありと判定される範囲に限定されるとしており、奨励金は目で見える成果を対象にし、紙の上での達成報告は相手にしないとする。ペンタゴン交換は「あるべきコスト」の考えで開発を監督するとし、開発室への予算提供を管理するという。
  6. もうひとつの見方としてノースロップ・グラマンは一部報道にあるようにロッキード・マーティンがLRSーB仕様の実証機を製作中とすれば、自社の立場を見極めようとしているのかもしれない。これと同じことがステルス機開発の初期にもあり、ノースロップが1979年に後にB-2となる機体の開発参入を断ったのは要求性能がロッキードに有利になっていないことが確認できないためとしていた。当時ロッキードはハブブルーステルス試作機をすでに飛行させており、F-117契約も獲得していた。■


2013年10月26日土曜日

ボーイングがロッキード・マーティンと共同で新型爆撃機開発に名乗りを上げる


Boeing And Lockheed Martin Team On New Bomber

By Bill Sweetman william.sweetman@aviationweek.com
Source: AWIN First
aviationweek.com October 25, 2013
Credit: Boeing

ボーイングロッキード・マーティンは10月25日合同発表をおこない、米空軍向け長距離打撃爆撃機 Long-Range Strike Bomber (LRS-B) に共同して開発することを明らかにした。ボーイングが主契約社となり、ロッキード・マーティンが共同開発先となる。
  1. LRS-Bとは高性能ステルス長距離爆撃機を80から100機米空軍に納入する構想で初期作戦能力獲得を2024年ないし26年に設定し、機体価格の上限を550百万ドルにする。
  2. 今回の進展を見ると、2007年以来はじまっていたとされる極秘プロジェクトが順調に進展していることがわかる。両社が最初に制作しようとしていた時点では次世代爆撃機 Next-Generation Bomber (NGB) 計画と呼称され、2018年の実戦化をめざしていた。だがNGBは2009年に前年の金融危機の余波をうけ取りやめとなっている。空軍はLRS-B開発の裁量を2011年初頭を得て、その際に作戦能力の諸元は若干低くすることで単価目標を下げている。
  3. LRS-BはLRSファミリーの一部となる点でNGBと異なるのが特徴で、長距離ステルス無人機、新型巡航ミサイルと一体で運用される。しかし、NGBもリスク回避のため並行して継続されていると業界筋は証言しており、ロッキード・マーティンのスカンクワークスが飛行実証機を作成しているという。
  4. 2011年に空軍を退役したマーク・シャックルフォード中将Lt. Gen. Mark Shackelfordは当時調達担当空軍次官補室に軍事代表として勤務しており、9月の空軍協会大会でリスク軽減さくとしての契約がLRS-Bの中核となる5分野で交付されており、競作に参加する各社は要求水準を上回る性能を実現することができると発言。政府筋から「リスク低減」契約とは実は相当の規模であるとの示唆をAviation Weekは受けている。「リスクヘッジの対象は2025年に機体を納入できなくなるリスクで、現時点でもう一歩で飛行させることができなければ、結局時限は絵に描いた餅になるからね」
  5. ボーイングが主導的立場に立つことで同社のあまり知られていないがずっと開発してきたステルス技術が大きな進歩をとげていたことが判明した。ロッキード・マーティンはステルス機で蓄積したステルス機の知見を持ち込むとともにPolecat UAV試作機での空力特性技術も盛り込む。ノースロップ・グラマンがLRS-Bの競合先になるだろう。■


2012年3月17日土曜日

LRS-B新型爆撃機を巡る話題

                             

Enthusiasts Call For More, Faster US Bombers

aviationweek.com Mar 14, 2012        

次 期主力爆撃機に関し米空軍から100機程度の調達構想が出ているが、積極派はもっと多くの機数が必要との主張だ。現役中は偵察部隊を率いていた退役空軍中 将デイブ・デプチューラDave Deptulaは200機規模の爆撃機フリート調達は困難ではないとし、海外展開部隊10ケに各12機編成の飛行隊を配備し、その他戦略抑止力ミッション や消耗補充用の機体数を想定している。調達数を拡大すれば現行のB-1、B-2、B-52 のすべてを交代させられるばかりでなく、生産構造を整備しながらブロック別に性能向上を図るのが可能となるという主張だ。
  1. 航 空兵力の専門家レベッカ・グラントRebecca Grantは2月に新型爆撃機の必要性を訴える報告初の中で超音速ダッシュ飛行能力が必要と主張し、そのために可変サイクルエンジンの開発が求められるが 全方面ステルス機ではタブーとされる垂直尾翼のない超音速機はまだ存在していない。
  2. こ ういった推進派と控えめな調達で十分と主張する派の間で今後数年間にわたり論争が予想される。ゲイツ前長官then-Defense Secretary Robert Gatesにより知られるようになった「80%解決策」構想だが、多数の大規模国防装備で悩ましい状況が生まれている。
  3. 実 際には空軍にとって2011年のゲイツ長官および統合参謀本部議長(当時)ジェイムズ・カートライト海兵隊大将Gen. James Cartwrightの退任が新型爆撃機取得に大きな向かい風となっている。そもそもゲイツ長官は2009年に次世代爆撃機開発計画を打ち切っている。ま たカートライト大将はし空母搭載型の無人機を爆撃機の代替手段として主張していた。
  4. これに対しオバマ政権は今年1月に長距離打撃爆撃機 (LRS-B)こそ接近阻止領域拒絶(A2AD)対策の鍵であるとして持ち上げ、大統領署名で本計画を同政権が続く限り安泰な存在にしている。
  5. これこそペンタゴンがステルス技術があれば最強の脅威も敵ではないと考えている証左であり、このうらには2008年からはじまっているノースロップ・グラマンによる超ステルス無人機(UAV)開発の進展があるのであろう。
  6. こ の新型UAVとLRS-BはLRSファミリーの一部で、そのほかにUAVからの電子攻撃が加わる。生存の鍵を握るのは敵のレーダーの位置を探知範囲外から 探り、妨害することだ。高性能ステルス機を発見するレーダーが今後開発されたとしても対抗は十分可能と考えられている。
  7. このUAVはステルス性を維持したまま広範囲を探知してレーダー出力も絞ったまま作動できる。有人機には搭乗員による操作と通信機能が期待できる。無人機と共同運航することで通信喪失の危険を減らすことが可能だ。
  8. 爆 撃機再浮上の背景に敵対勢力がA2AD戦略を展開し、米軍の地域介入を阻止しようとしている事実があるる。中国の「空母キラー」DF-21対艦弾道ミサイ ル(ASBM)がこの脅威の象徴だASBM発射台は移動性あり、その他地対空ミサイルも移動により長距離ミサイル攻撃から防御性を高める。双方とも友軍に 脅威となるため、攻撃力の評価を迅速に行い、破壊することが肝要だ。LRS-Bの想定する目標となる。
  9. 指 向性エネルギー兵器(DEW)を防御手段として新型爆撃機に搭載する選択肢もある。ただし現時点では実用的な水準の電磁波あるいはレーザーによるDEW装 備品の確保はできていない。だが、DEW技術が飛躍的に発展しており、距離、威力、出力、冷却特性、重量全てで成果が出ているので、爆撃機の新しい防御手 段になる可能性はある。敵ミサイルの接近を拒み、誘導手段を妨害することができれば機内搭載型のDEWが初めて実用化されたことになる。
  10. 2013年度予算要求でLRSに想定されるのは292百万ドル。さらに2017年にかけて総額63億ドルとなる。機体単価の目標値は550百万ドルだ。
Boeing Concept

2012年2月19日日曜日

次期爆撃機は200機規模の調達になる可能性

New Bomber Force May Need 200 Aircraft
aviationweek.com Feb 17, 2012     By David Fulghum , Amy Butler Washington, Washington

米 空軍は、過剰性能の設計となり調達機数を縮小したB-2の経験から、次期長距離打撃爆撃機Long Range Strike-Bomber (LRS-B)では同じ過ちはくりかえさないとしている。B-1,B-52の代替配備を想定して最初から200機程度の調達規模になる可能性もある。
  1. 問題は新技術の導入を図りながら、予算不足や政治的な影響を排し規模縮小や計画の打ち切りをいかにして回避するかだ。B-2では生産停止をあまりにも早期に決定したため機体単価が20億ドル以上に高騰した。
  2. 2013 年度予算要求はLRSに292百万ドルを計上している。2017年までの合計は63億ドル。ペンタゴンでは機体単価は550百万ドルを目標としているが、 業界ではこれはあまりにも楽観的と見る。レオン・パネッタ国防長官Leon Panettaも空軍に対して極秘プロジェクトの予算縮小を求めている。
  3. 「過剰設計の期待になることを回避すべく全力をつくします。適正性能の機体として発注する意向です」(ノートン・シュワーツ空軍参謀総長)
  4. シュワーツが求める同機の納入開始は2020年代中頃で、情報収集、電子戦、機外センサー類へのリンク機能が可能な機体と想定。ステルス機として敵の防空網を突破できる性能でありながら、機体価格は大量調達が可能な水準とする。
  5. そ こで調達機数の想定が問題となる。空軍は80から100機を要求しているが、運用上の効果を発揮するにはその二倍の機数が必要との分析結果がある。「有効 な抑止力として機能するためには200機近くは必要です。むしろ機数はたくさん必要です。」(Washington Security Forum刊行「新型ステルス爆撃機」報告書著者レベッカ・グラントRebecca Grant)「信頼性を生むのは機数の多さです。」(空軍航空戦闘軍団前司令官ジョン・コーリーJohn Corley大将(退役) 一方、グラントは無人機版、有人機版の違いは重要ではないという。「ペイロードが4万ポンドで機内搭載燃料、機体自重に乗員と コックピットモジュールのある有人機にはそれなりの価値があります。新技術の応用も期待できます。たとえば非運動エネルギー兵器として高出力マイクロ ウェーブ兵器、レーザー、電子攻撃手段が想定できます。」「サイバー偵察・攻撃も期待できます。新型爆撃機には目標探知、攻撃能力が必要で、自ら電子攻撃 効果を確認することも求められます」(コーリー) 
  6. 「今 後40年間にわたり供用に耐える機体には新技術を積極的に導入すべきです。少なくともレーザー兵器は必要でしょう。また新型爆撃機が投入されるのは情報戦 闘空間です。ここではまだ我が方の軍用機で十分成功した実績はありません。通信装置では機体間の交信にくわえISR情報の交換が求められます。その実現は 大きな課題です』(グラント)
  7. またB-2よりも大きな飛行速度が求められる。
  8. 「ステルス爆撃機にはスピードが必要です。F-22では超音速ステルス戦闘機を実用化しました。緊急時に超音速飛行が可能なステルス爆撃機の開発はアメリカなら可能でしょう。これも技術上の課題です。」(グラント)
  9. 「さ らに高性能ステルスが必要です。防空網は進歩し続け拡大しています。中程度の防空網でも大きな問題になります。2003年にイラク軍は合計3,884発の 地対空ミサイル(SAM)を25日間農地に発射しており、移動式SAMの66%は発見できませんでした。コソボ紛争(1999年)ではセルビア軍は78日 間で894発のSAMを発射しています。今後はもっと申告になるでしょう」(グラント)
  10. 「将 来はもっと高性能の対空ミサイルとしてロシアのSA-20やSA-21と同程度の兵器が登場するでしょうし、防空網の機能そのものも今まで出現したものよ りも高度になるでしょう。アジア太平洋の敵性国家の戦闘機も心配な要因です。』(グラント) 24時間体制で攻撃できる「どこにでも出現出来る機体、情報を処理出来る機体」が必要なのだという。