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2019年10月29日火曜日

B-52を100年飛ばせ続けようとする米空軍のねらいと新制式名称B-52J


100 Years Flying: Meet the Air Force's Plans for the B-52J

An impressive upgrade.
October 28, 2019  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: B-52MilitaryTechnologyWorldAir Force

by David Axe 
Key point: The Pentagon wants to keep its B-52s operational for the foreseeable future.

空軍は改修型B-52を「B-52J」の制式名称で運用する予定だ。改修対象のB-52Hは1960年代初頭に稼働開始している。Air Force magazine のジョン・ターパックが以下伝えている。

「空軍は大改修を終えた機体にB-52Jの名称をつけるようだ」とヒース・コリンズ准将の発言を引用した。

今後10年かけてB-52は新型エンジンに換装する。これだけでも機体呼称の変更に十分であるが、同時にデジタル装備、通信装置、新型兵装、新型レーダー他数多くの改良を施す。

コリンズ准将は航空戦闘軍団がB-52乗員の削減も検討しているとし、現在は兵装担当士官が担当する業務を自律化させたいとする。ただし、これは決定事項ではないという。

Air Force magazine は2019年1月号でエンジン換装について深く伝えた。

「空軍の思惑どおりならB-52は2050年までにほぼ一世紀空を飛ぶことになる」とターパックは伝え、「今後も同機を飛行させるべく、空軍はB-52に新型エンジンを導入し、整備業務をやさしくし、飛行の効率を上げるべく10年足らずですべてを実施する」

2018年に空軍から1980年代機材のB-1B全62機およびより新しいB-2全20機足らずを2040年までに退役させる方針の発表があった。だが改修型のB-52Jは少なくとも100機製造するB-21ステルス爆撃機と併用する。

空軍はアリゾナの機体保管施設からB-52H2機を現役復帰させており、墜落事故で全損した機材の穴埋めとし、76機体制を維持している。

「高機齢ながら高い稼働率を誇り、各種大型兵装を運用し、しかも効率よく運用できる、少なくとも敵の防空体制が完璧でない箇所で」とターパックは記事をまとめた。「ハイエンド戦になってもB-52は敵防空体制の外側からミサイルを発射できる。核巡航ミサイルを空中発射できる爆撃機は同機だけだ。新型長距離スタンドオフミサイルの運用も同機から始まる」

B-52改修構想の議論は20年に渡り、やっとこの段階に至っている。1996年に空軍は13通り以上の検討を行い、機体重量240トンの重爆撃機向けの新型エンジンの選択肢を研究した。2019年時点でB-52エンジンは1962年当時と同じプラット&ホイットニーTF-33エンジンのままだ。

2018年に空軍が作成した資料ではTF-33を「効率は悪く現時点の民生エンジンと比べ性能も見劣りする」としていた。プラット&ホイットニー製エンジンは「高費用かつ整備工数も多くかかり、部品の陳腐化に対応が大変」とあった。

「現時点のエンジン各種はTF-33より信頼性も高く新型エンジンなら一度搭載すればおそらく脱着の必要はない」とターパックは述べていた。「大修理までの平均期間は30千時間程度が普通で空軍が同機の稼働期間として想定する時間よりずっと長い」

エンジン換装によりB-52の燃料消費効率は少なくとも2割伸びつつ、現状の性能水準を維持できる。B-52HがTF-33エンジン搭載しているが、爆弾ミサイルを35トン搭載し、4,500マイルを空中給油無しで飛び、最高時速650マイルを維持できる。新型エンジン換装により同機の性能を引き上げる狙いは空軍にないようだ。

2018年の空軍試算ではB-52の供用期間延長に要する費用を320億ドル程度としていた。

2011年から2016年にかけて空軍は76機のB-52を稼働させるべく年間12億ドル程度を支出していることが政府資料で明らかになっている。

エンジン換装により節約となる燃料、整備費用は2040年にかけて100億ドル相当になるとの空軍資料をターパックは引用していた。各機8発なので合計608基のエンジンが必要となる計算だ。■

David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad. (This first appeared in June 2019.)

Image: DVIDShub

2018年5月7日月曜日

動き始めたB-52エンジン換装

エンジン換装とは簡単にいかないのか、完全に新エンジンに変わるのがこれから16年後というのはいかにも長期間にわたる事業ですね。それだけ統合が大変なのか、いったん主翼に手を付けるとあちこち機体をいじることになるのか。とはいえエンジン換装したB-52がさらに供用期間を延ばすことになれば大きな見ものですね。

Aerospace Daily & Defense Report

USAF Nuke Chief Not Expecting Easy B-52 Engine Upgrade B-52エンジン換装作業を楽観視していないUSAF核戦力部門長

May 1, 2018James Drew | Aerospace Daily & Defense Report

米空軍ジャック・ワインステイン中将によればB-52Hのエンジン換装に「慎重ながら楽観視」しているという。: U.S. Air Force

空軍がボーイングB-52Hのエンジン換装に向かう中、空軍上層部はこれが簡単な作業ではないことを十分認識している。
ボーイングから1960年、61年に納入されたストラトフォートレスはほぼ60年間にわたり核戦略爆撃機の中心の座についてきた。エンジンカウリングで亀裂が見つかり主翼内の配線をし直す作業で驚くような現象が多々見つかるはずだ。
「古屋を大改修すると壁の後ろにアスペストが見つかることがよくあるでしょう」と語るのはジャック・ワインステイン中将 Lt. Gen. Jack Weinstein(戦略抑止力・核兵器担当空軍参謀次長)だ。「エンジン換装が簡単に進むと断言するつもりはありません。換装方法の選定や最良の方法の模索など仕事は多いです」
ここ数年間にわたり空軍はエンジンメーカー各社と連絡しB-52Hが搭載するプラットアンドホイットニーTF33-103八基換装の可能性を探ってきた。一時はエンジン四発案を検討したが非現実的と判明した。
そこでTF33-103を同じ八発の新型で信頼性が高く燃料消費が優れたビジネスジェット用エンジンを民生部門から調達する。この案は技術的には可能だが機体と兵装は再認証が必要となる。
これは理論上は有望だがエンジン換装は言うは易く行うは難しだ。空軍でこれまで最大規模のエンジン換装はKC-135Rストラトタンカー(CFMインターナショナルCFM-56)とロッキード・マーティンC-5Mスーパーギャラクシー(ジェネラルエレクトリックCF6)だった。ボーイングが415機のストラトタンカーに新エンジンを搭載し、ロッキードは52機のエンジン換装を行った。
ノースロップ・グラマンB-21「レイダー」ステルス爆撃機が実戦配備される2020年代から30年代までB-52は爆撃機の主力機種の座に留まる。空軍は同機は2050年代まで現役のままにできると見ている。
GEエイヴィエーションからはTF33にかわり同社のパスポートあるいはCF34ターボファンへの換装提案があり、ロールスロイスはBR700ファミリーのうちガルフストリームG650ビジネスジェット搭載のBR725を提示するはずだ。
プラットアンドホイットニーの説明ではTF33の維持とあわせて部品改修によりエンジンの効率・信頼性・整備性の向上が可能とある。同社はTF33は「2030年代以降は運用不能」との空軍見解を否定している。
だが空軍がTF33の稼働期間延長を決めたが同社からは新型PW815(ガルフストリームG600に搭載)を提示するだろう。ジェネラルアトミックス・エアロノーティカルシステムズもPW815を米海軍向けMQ-25スティングレイ競作で採用しており、軍用型式証明取得まで半分来ている。
「なぜ稼働期間延長しない決定をしたのか。民生産業を見ればエンジンは無期限に稼働しており、信頼性も抜群だ。双発機で太平洋や大西洋上空を飛べるのもエンジンの信頼性が理由だ」とワインステイン中将がワシントンンのミッチェル空軍力研究所で5月1日に講演している。「B-52のエンジン換装ともなると簡単にはいかない。作業量が多いのです」
「B-52エンジン換装は長年にわたり検討している。慎重ながら楽観視できるのは立派な助っ人がいるからです。調達部門の重鎮ウィル・ローパーはきわめて有能ですし、この事業に配置した人員も才能豊かです」
空軍はボーイングあるいは別の主契約企業とエンジン換装を進めるようだ。合計650基のエンジンが必要となり、在籍中B-52の76機のエンジン全部を交換する。まずフライトテスト用二機分に20基が必要となる。

空軍の大日程ではまず10機のエンジン換装を2026年度に開始することとしており、同年にB-21レイダーも稼働開始する。残るB-52の64機には2028年から2034年にかけ換装作業が続く。■

2017年12月27日水曜日

B-52エンジン換装案がやっと始動する

Aerospace Daily & Defense Report

USAF Could Start Re-engining First Two B-52s By 2022


B-52エンジン換装をまず2機で2022年までに開始する

U.S. Air Force
Dec 21, 2017James Drew | Aerospace Daily & Defense Report

空軍によればボーイングB-52Hの1960年代製プラット&ホイットニーTF33-103エンジンは「2030年代まで維持できない」ため今後20年の運用を続けるにはエンジン換装が必須とし、試験用にまず二機が2022年度までに作業を受ける。
76機残る冷戦期の爆撃機には新型核長距離巡航スタンドオフ(LRSO)ミサイルの搭載が決まっている。
2050年代まで運航し次世代兵装、火器管制レーダーやその他電子装備に十分な電源を確保するため空軍はTF33エンジンと同寸ながら性能が高い民生エンジン8発に換装したいとする。
空軍が狙うのはTF33比で燃料消費が2割4割向上しながら十分な発電容量となる400から500kVAの確保だ。機体では電源系統の更新や完全デジタル式エンジン制御も必要だ。だが機体構造や機内搭載装備への影響は最小限に抑え離陸重量488千ポンドを維持したいとする。
エンジンメーカーや主要装備統合業者に詳細情報が2017年12月12日から13日の業界向けイベントで配布されている。
主要エンジンメーカーはすべて会合に参加し、GEエイビエーションプラット&ホイットニーロールスロイスサフランの他、ボーイングユナイテッドテクノロジーズのRohr、ノースロップ・グラマンL3テクノロジーズオメガエアD-Jエンジニアリングハネウェルスピリットエアロシステムズマギルエアクラフトパーツも出席していた。
当日のプレゼンテーションで政府側は「B-52には今後も長く活躍してもらい(2050年代以降も)たいがTF33では2030年以降はもたない」と説明。
配布文書では76機用と予備42基含めエンジン650基調達を検討するとある。当初は20基を調達しテスト用機材2機分とする。
機体や兵装の再認証手続きを回避するため空力特性変更は最小限とし機体の重心点も変更しない。
2018年度空軍予算に着手金が確保され、初期検討用に複数契約が交付される。その後主契約が一本に絞られエンジンの技術作業、生産、搭載に進む。
空軍が調達大日程を公開したのはこれが初めてで、エンジンメーカー、機体統合の最終決定は2020年と予想される。
まず2機から始め続いて実用型10機の換装を2026年度に着手し、残る64機の作業を2028年から2034年にかけ行う。実施になれば同機で最大規模の改修になる。
空軍はB-52G/Hエンジン改修を1971年から検討しており、TF33の8発を大型ターボファン4発に換装する検討から始めた。
以後9通り以上の検討がなされたが1990年代末から関心が高まり、国防総省は実行に移す気配を示さなかった。だがロシア、中国との競合の現実の前にLRSO巡航ミサイルの導入も決まり、空軍がやっと真剣になった。

最有力候補はロールロイスのBR725(推力16,000 lb.)、GEエイビエーションのCF34-10(18,000-lb.)。■

2017年6月15日木曜日

B-52エンジン換装の検討状況、選択肢はすべて検討すると米空軍

U.S. Air Force Airmen from 96th Expeditionary Bomber Squadron execute air operations in support of Operation Inherent Resolve against the Islamic State on Feb. 13, 2017. The Air Force has set aside $10 million in its fiscal 2018 budget request for risk-reduction efforts in support of a potential future B-52 bomber re-engining program. (U.S. Air Force photo/Jordan Castelan)
米空軍第96遠征爆撃飛行隊所属のB-52が不朽の決意作戦でイスラム国を相手に作戦中。2017年2月13日撮影。
(U.S. Air Force photo/Jordan Castelan)
以前からお伝えしているB-52エンジン換装の動きですが、来年度予算に検討用予算が付く見込みで、米議会も必要性を認め高い優先順位をつけているようですので実現に向かっていくようです。ただしその動きは意外にゆっくりしているようですね。

Air Force Eyes Replacing B-52 Engines

B-52エンジン換装の検討を進める米空軍

DefensetechPOSTED BY: ORIANA PAWLYK JUNE 5, 2017

  1. 米空軍が2018年度予算要求で10百万ドルをB-52エンジン換装に備えリスク低減活動用に計上している。
  2. 承認されれば供用期間が60年を超えたB-52ストラトフォートレス爆撃機で大きな一歩となる。
  3. また予算案では227百万ドル超をB-52改修に向けると空軍報道官ローラ・マクアンドリュースがMilitary.comに伝えてきた。
  4. 総計13.4億ドルを2018年度から2022年度にかけ支出する要求でレーダー近代化、戦闘ネットワーク通信技術の導入、機体内兵装庫の改修、戦術データリンク統合が内容とマクアンドリュースが説明。
  5. このうち、兵装庫改修はIWBUと呼ばれ、「GPS誘導方式の共用直接攻撃弾搭載量がほぼ二倍になる」と第96爆撃飛行隊で兵装システム教官を務めるケニー大尉が説明している。保安上の理由で本人の姓は伏せた。「外部搭載をなくせるので抗力が減り、航続距離が延びる」
  6. B-52を2040年代まで供用したいとする空軍に対し議会は装備近代化の優先順位を高く認めている。エンジン換装で燃料消費で改善効果が期待される。
  7. 「エンジン換装で整備時間は95パーセント減り、大修理は事実上不要となり、燃料消費は30パーセント減ります」とマデレイン・Z・ボーダロ下院議員(グアム)が下院軍事委員会シーパワー兵力投射小委員会で5月25日に説明している。
  8. 「空軍にはB-52のエンジン換装で将来のコスト増加を回避し作戦効果を実現する企画があるのでしょうか」と同議員が発言。
  9. 公聴会には国防長官付け空軍副代表のアーノルド・W・バンチ中将、空軍参謀次長ジェリー・D・ハリス中将、空軍参謀次官スコット・A・ヴァンダーハム少将が出席。
  10. 「現行のB-52エンジンが供用期間中に寿命が来ることが分かっています。供用期間を延長するか、新エンジンに切り替えるか決めねばなりません」(バンチ中将)「選択肢すべてを検討中です。18年度に若干の予算を確保し、初期分析を選択肢に試したい」とバンチ中将は10百万ドルのリスク低減策に言及した。
  11. バンチからはエンジン換装は燃料消費の改善だけが目的でなく、給油機の活動を減らし、作戦執行の簡素化とともに人員投入量の削減も目指すと説明し、「整備要員を減らしながら作戦効率が引き上げられます」
  12. B-52は空軍グローバルストライク司令部の下で砂漠の嵐作戦やイラクの自由作戦さらに最近はISIS相手の戦闘に投入されてきた。
  13. 太平洋方面に10年近く展開していたが、昨年はB-1Bランサーがかわりに投入され、同地区での爆撃機継続プレゼンスを維持した。
  14. 直近ではRAFフェアフォード基地に先週配備されており、まもなく開始されるヨーロッパ演習に参加すると空軍が発表している。■



2017年3月15日水曜日

★B-52Hのエンジン換装提案がGE,ロールス、プラットから出揃う



Aerospace Daily & Defense Report

GE, Rolls, Pratt Vie For B-52 Engine Upgrade

Mar 13, 2017James Drew | Aerospace Daily & Defense Report

U.S. Air Force

エンジンメーカーからボーイングB-52Hのエンジン換装提案がそろいつつあり、現在搭載しているプラット&ホイットニーTF33低バイパス比ターボファンの非効率性を改善し冷戦時の同機を2050年まで飛行させる。
米空軍参謀次長スティーブン・ウィルソン大将が議会に3月8日に伝えたのは空軍がTF33換装の選択肢を模索しており、1961年3月に初飛行したH型がすでに60年間近く飛行していることだ。
GEエイビエーション、プラット&ホイットニー、ロールズロイスの各社からAviation Weekにそれぞれ空軍と接触中で機材性能向上案に対して既存民間機向けエンジンの派生型を提案中、またプラットはTF33の性能引き上げ策を提案すると伝えてきた。
各社提案は空軍がボーイングとともにTF33のかわりに推力17千から19千ポンド級のリージョナルジェット用ビジネスジェット用エンジン8発換装を提案してきたことへの対応だ。当初は4発エンジン改装案もあったが機体構造の変更と気流変化が生じるため変更となった。
空軍はCF6高バイパスターボファン4基への変更を検討していた。同エンジンはC-5ギャラクシーが搭載するTF39(テスト写真を参照)の派生型である。また757用のPW2040やRB211への換装も検討されていた。しかし最近の分析で8基エンジンだと機体改修が最小限になるとわかった。
B-52Hは76機在籍なので合計608基のエンジン需要が生まれ、予備部品も期待できる。
空軍は候補とされるエンジンの風洞テストは全く行っていないが、市場調査で民生用エンジンに十分選択の幅があることがわかった。
2014年の情報要求では代替策として燃料消費を10から25パーセント改善し、15から25年間の稼働を求めた。今年2月3日に再び情報要求が発出され、今度はTF33換装として「リージョナルあるいはビジネスジェット用エンジン」とある。
「エンジン調達と機体への搭載両面で調達戦略を立てている」と空軍報道官は3月13日に述べている。「空軍でエンジン換装予算が確保できれば、調達の各選択肢を評価し政府に一番良い価値が生まれるようにしたい」
GEエイビエーションCF34-10
GEエイビエーションは空軍爆撃機の多くにエンジンを供給してきた。ボーイングB-1BにはF101-102を、ノースロップ・グラマンB-2AにはF118-100が採用されている。同社はB-52エンジン換装案として推力18千ポンド級のCF34-10を提案する。TF34/CF34ファミリーの派生型だ。
小型9千ポンド推力のTF34-100がフェアチャイルド・リパブリックA-10「ウォートホッグ」対地攻撃機に採用されている。最新の民生用CF34-10はブラジルでエンブラエル190、195さらに中国ComacのAR21リージョナルジェットが搭載している。
「GEエンジンはB-52で実証されていませんがCF34-10は十分経済的な8発換装対象になります」とGEで大型軍用ターボファンエンジンを率いる副社長兼総支配人カール・シェルドンは述べている。「CF34で同爆撃機を飛ばす機会に参加することに興奮しています」
プラット&ホイットニーのエンジン性能向上案
56年間供用されているTF33の設計製造の知見をP&W以上に持った企業はない。
同社は新型民生エンジンの提供も可能だが、現エンジンの性能改修が一番合理性が高いと述べている。
「民生用エンジンでは燃料消費効率、航続距離、空中給油回数の削減、大修理を最小限にできる利点が生まれます」と同社広報は述べている。「ただし民生用エンジンはB-52Hの電気油圧負荷を増やすため機内構造の大幅改修が必要となりフライトテストも必要になります」
そこで同社のエンジン性能向上策ではTF33の性能、耐久性、燃料消費効率、大修理間の時間延長をそれぞれ実現できエンジン買い替えは不要だとする。「TF33はB-52Hの出力面性能面の要求を満たしており、機体構造には変更は生まれません」という。
P&Wはこの構想を「お値打ちオプション」と売り込んでいる。デジタル制御の民間用エンジンは軍用仕様に改装する必要があり、核爆発に伴うEMP対策野菜バー攻撃への強化策も必要となる。
ロールズロイス BR700
インディアナポリスに本社を置く英エンジンメーカーRRの米国法人はすでに空軍とB-52エンジン改修の件で数度に渡り「会話」している。どす母BR700シリーズを原型に提案する見込みで空軍ではガルフストリームC/C-37A人員輸送機やボンバルディアE-11A戦場空中通信中継機(原型はグルーバルエクスプレス)に搭載されているエンジンだ。
B-52の推力規模だとBR715やBR725も考えられるが、同社はまだ決定していない。
「社内決定はまだですが要求の具体的内容を待っているところです」とRR上席副社長で米国顧客を担当するトーマス・ハートマンは述べている。「技術面、供給面で十分要求に答える自信があります」■