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2018年1月10日水曜日

★韓国が空母保有を表明した背景とは

ちょっとしつこいのですが、韓国が空母機能を追い求める理由について考えてみましょう。日本とは戦略の方向性が違う韓国が日本の方ばかり見ているとしたら大変不幸なことだと思います。韓国がこの構想を現実にするとしたら西側陣営に残る最後の試みになるかもしれません。


South Korea May Turn Its Assault Ships into F-35 Armed Aircraft Carriers

韓国が強襲揚陸艦をF-35運用空母に変えようとしているが
January 5, 2018


国は保有する強襲揚陸艦を空母に転用するのか。聯合通信配信の記事では韓国軍関係者が14千トンの独島級揚陸強襲艦でF-35B搭載を検討中という。
「軍上層部がF-35Bを小規模導入し就役済み艦、建造予定艦での運用を検討した」と記事が匿名軍事筋の話を伝えており、「知る限りでは構想は同艦の戦略価値を最大限にする意味で重要視されている」とも述べたという。別の匿名筋は「F-35B運用が独島や新造艦で可能なのか検討を継続する」という。
独島級は一隻が就役中でもう一隻の建造に入っている。初号艦は2005年進水し2007年に就役した。その時点で韓国は三隻を建造するつもりだったが予算制約で二隻になり、一時は二号艦予算も削除されたが現在は回復している。満載排水量は18千トンではヘリコプター15機と海兵隊員720名を搭載する。
韓国は共用打撃戦闘機開発に関与しており、F-35A40機導入を2014年に67.5億ドルで決定した。ただしF-35BSTOVL型が独島級での運用に必要だ。このため韓国が聯合通信記事通りに案を実現するのならF-35Bを追加調達し揚陸強襲艦を固定翼機運用に改装する必要がある。
どこかで聞いた話との感覚になるのは日本が全く同じことを計画中との報道があるためだ。日本が巨大ないずも級ヘリコプター駆逐艦2隻を改装するとの記事はたくさん出ており、やはりF-35Bを運用するとある。
いずも級でF-35B運用を可能にする改装が先に報道されており、匿名筋によると「飛行甲板の端にカーブ付きランプを追加し、飛行甲板の熱耐性を引き上げ、航空管制能力を強化する」のが内容だという。聯合通信記事も同様に独島級の飛行甲板をF-35Bの高温度排気に耐える形にするとしている。いずもと独島のちがいは排水量だ。National Interestに多く寄稿しているロバート・ファーレイは「14千トンの独島級はいずも小さく、性能は低くなる。独島は大改修でF-35B運用が可能となるはずで、二号艦でも大幅改修が必要だ」と解説している。ただ決定的な欠陥ではなく独島より若干大きいだけの軽空母は存在する。それでもファーレイは独島級が小型空母に転用されれば揚陸能力はあきらぜるを得ないと書いている。
ここで重要な疑問が生まれる。なぜ日韓両区が疑似空母の取得に急ぐのか、他の重要機能を犠牲にしてまで急ぐ理由は何か。つまるところ日本も韓国も外洋海軍力で兵力投射を遠距離地点に行おうとしているのではない。日本政府は中国が陸上航空基地を開戦当初に攻撃する前提で小型空母が必要と考えている。ファーレイの指摘のようにSTOVL機なら奇襲先制攻撃を受けても有効活用できるのだ。
聯合通信記事は韓国にとっての必要が明確に示していないが、日本報道が出てすぐに表れたことから自国の面子が相当大きな意味をもっているようだ。日本の意思決定でも同様に見栄が大きな要素になっている。と言うのは記事が出てきたタイミングは中国初の国産空母の完成が近づく中で出てきたためだ。皮肉なのは空母に将来があるのかと疑問を呈するものが米国で多くなっていることで、アジアで中国、ロシア、インド、日本、韓国が空母取得に走る中で、急ぐ背景に本当に意味の戦略的考察があるのか明らかではない。■
Zachary Keck (@ZacharyKeck) is a former managing editor of the National Interest.

Image: Reuters

2018年1月4日木曜日

★日本、韓国のF-35B運用構想から出そうな影響効果は

国内報道では空母としてのイメージが先行してやれ軍備増強とか軍国主義とか偏向した内容がめだちますが、そもそも中国のミサイルで国内基地が大打撃を受ける可能性(隣接する市街地も被害を免れないはず)があっての今回の構想だという点が見逃されているのはいかがなものでしょう。北朝鮮ミサイルには警戒しても日本が中国ミサイルの標的になっていることさえも知らない人が多いというのも驚きです。もっと多角的な視点をもってもらいたいものです。韓国の動きはみごとにみすかされていますね。

 

Who Wants to Operate Carrier-Based F-35Bs in Asia? Apparently, Japan and South Korea

日本、韓国以外にF-35B空母運用を目指す国は出るかWhat to make of recent reports that Japan’s Izumo-class and South Korea’s Dokdo-class vessels may operate these fighters?日本いずも級、韓国独島級で戦闘機運用を狙うとの報道に触発される国があらわれそうだ



January 02, 2018
F-35Bに異常なほど関心を寄せる海軍国が突如として現れた。
 日本のいずも級ヘリコプター空母でF-35Bを運用するとの報道が現れ、日本関係者は本気でない形で報道を否定していたが、報道はスキージャンプの追加や耐熱性甲板改修を取り上げていた。いずも級は排水量24千トンあり共用打撃戦闘機を搭載すれば相当の脅威となるが、その他の用途は犠牲となる。
 日本に続き韓国も独島級揚力強襲艦でF-35B運用を韓国海軍が前向きに検討中との報道が入った。独島(14千トン)はいずもより相当小さく当然能力も劣る。F-35B運用には相当の改修が必要であり、二号艦が建造中だが今から大改修を受けることになる。スペインのプリンシペデアストリウス(15千トン)ではAV-8Bハリヤーを12機運用していた。独島は改装で揚陸能力を犠牲にするだろう。
 突如としてF-35Bに関心が集まるのは東アジアでの脅威の見直しによるものだろう。とくに日本にあてはまる。韓国は見栄で追随しているだけかもしれない。韓国、日本ともにF-35Bを発注していないが、発注すればオーストラリア海軍もキャンベラ級揚陸強襲艦でのF-35B運用検討を迫られるかもしれない。オーストラリアが日本や韓国との交戦を想定しているのではなく、日本や韓国の事例で国内の同機調達推進派が活気づくという意味だ。
 日韓両国にはF-35B導入の理由がある。中国の弾道ミサイル、巡航ミサイルの兵力は増加の一途でPLAが開戦直後にミサイルで航空基地や陸上軍事施設の攻撃を仕掛けるのは必至と見る専門家は多い。F-35Bは少なくとも理論的には非整地から運用でき一次攻撃の後でも戦闘投入できる可能性はある。事実、初期のVSTOL(垂直離着陸機)は核攻撃で航空基地が壊滅する脅威への対応として生まれたものであり、軽空母での運用は重視されていなかった。
 F-35Bの競合機種が生まれるかは興味深い点だ。STOVL戦闘機で試作機の域を脱した機種は少なく、Yak-38、ハリヤー、F-35Bしかない。だがもしSTOVL戦闘機が今後の国防ニーズに合致すれば、陸上海上問わず、大手航空宇宙企業が新型機開発を検討してくるかもしれない。

 事実、ロシアが新型STOVL戦闘機をは開発中との報道があるが、その他ロシア発の軍事技術革新の報道と同様に額面通りには受け止められない。それでも各地の海軍が航空機搭載艦から戦闘機の運用に関心を強めれば、需要に応じようとする動きが出てくるかもしれない。■