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2025年9月28日日曜日

米海軍F/A-18スーパーホーネット戦闘機に終わりが近づいてきた(National Security Journal)―生産ラインは27年に閉鎖、新しい脅威環境への対応に限界

 

米海軍F/A-18スーパーホーネット戦闘機に終わりが近づいてきた(National Security Journal)―生産ラインは27年に閉鎖、新しい脅威環境への対応に限界

An F/A-18F Super Hornet attached to Air Test and Evaluation Squadron (VX) 9, the “Vampires,” takes off from Naval Air Station Point Mugu, California, September 11, 2025. Gray Flag 2025 is the naval aviation test community’s premier large force test event, providing unique venues for large scale integration of new capabilities across services and platform. Working with the Joint Force, industry, and our nation’s allies to ensure seamless integration and interoperability is key to ensuring warfighters have a decisive advantage in the field. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class John T. Jarrett)

2025年9月11日、カリフォルニア州ポイント・ムグ海軍航空基地から、航空試験評価飛行隊(VX)9「ヴァンパイア」所属のF/A-18Fスーパーホーネットが離陸する。グレイ・フラッグ2025は、海軍航空試験部門が主催する大規模部隊試験イベントで、各軍や機種を横断した新能力の統合のための独自の場を提供する。(米海軍写真:マスコミュニケーションスペシャリスト2等兵曹 ジョン・T・ジャレット)

要点と概要 – ボーイングはF/A-18E/Fスーパーホーネット生産を2027年に終了すると発表。理由として新規輸出契約の未獲得、海軍の次世代戦闘機F/A-XXへの優先度、セントルイス工場の生産能力をMQ-25など他プログラムへ移行することを挙げた。

-生産終了後も、米海軍艦隊およびEA-18Gグラウラー向けには耐用年数延長改修とブロックIIIアップグレードを継続。

-スーパーホーネットは陳腐化していない。その汎用性、電子戦オプション、低い運用コスト、高い即応性により現役価値を維持するが、現代的な中国/ロシアの防空システムや長距離ミサイルに対してはステルス性と航続距離で劣る。

-海軍がF-35、最終的にはF/A-XXへ移行する過程で、混成艦隊が空白期間を埋める一方、旧式戦闘機は生存性の課題に直面する。

F/A-18スーパーホーネット生産終了の理由は?時代遅れなのか?

ボーイングはF/A-18E/Fスーパーホーネットの生産を2027年に終了する。生産終了の背景には、新規国際受注の不足、米海軍が第6世代F/A-XXプログラムへの資金投入を必要としていること、ボーイングがセントルイス工場の従業員をMQ-25無人機やその他の新プラットフォームを含む先進プログラムへ再配置したい意向があることなど、複数の理由がある。

生産は米海軍からの最終発注分をもって終了するが、同機の耐用年数延長改修プログラムと既存機体のアップグレードは継続される。

ボーイングの声明によれば、「次世代の有人・無人航空機開発を支援するため、ボーイングはセントルイスに最新鋭施設を新設する計画だ。これらの施設に加え、アリゾナ州の新設複合材製造センター、ミッドアメリカ・セントルイス空港の新設MQ-25生産施設は、総額10億ドル超の投資をする」。

ボーイングはMQ-25を含む複数プログラムの生産拡大も計画している。声明は「グローバルなF/A-18スーパーホーネットおよびEA-18Gグラウラーフリート向けの先進能力開発とアップグレードを継続する」と付記した。

「過去数年間、複数の国際的なキャンペーンや競争に参加したが、成功には至らなかった」と、ボーイングの戦闘機担当副社長マーク・シアーズは昨年シー・エア・スペースフォーラムでのインタビューで述べた。「そうした動きはほぼ終息しており、これ以上のF-18追加調達について海軍との活発な協議は行われていない」。

スーパーホーネット、最強中の最強?

スーパーホーネットは優れた戦闘機と評価されている。その汎用性、強力な戦闘能力、空対空戦闘や攻撃任務を含む多様な任務遂行能力が認められており、海軍の空母航空団の中核を成す。ただし、F-35などの新型第5世代戦闘機と比較すると、ステルス性など制限がある。

それでも多くの航空アナリストは、F/A-18E/F スーパーホーネットを海軍史上最高の戦闘機と見なしている。

冷戦時代の海軍戦闘機であるF/A-18ホーネット(1970年代後半初飛行)を基に開発されたスーパーホーネットは傑出した機体である。両機は外観が似ているものの、実際は全く異なる航空機である。

スーパーホーネットは、その前身であるホーネットよりも約 20% 大きい。翼はより大きく、胴体はより長く、水平尾翼もより大きくなっている。外観は似ているが、共通部品はわずか 10% 程度しかない。

スーパーホーネットの F404 エンジンは、より大きな推力と燃料効率を誇り、最大離陸重量も大きくなった。内部燃料貯蔵量が約 3 分の 1 増えたスーパーホーネットは、航続距離と耐久性も大幅にアップしている。

F/A-18 スーパーホーネットは時代遅れなのか?

スーパーホーネットは時代遅れではないが、生産ラインは終わりを迎えつつあり、時間は刻々と過ぎている。2030 年代からは、F/A-XX やその他の先進的な第 5 世代、第 6 世代の航空機に取って代わられる。

現時点では、スーパーホーネットは米海軍にとって有能で現役の主力機のままだ。特にBlock III仕様へのアップグレードにより、今後数十年にわたり運用される。その継続的な有用性は、適応性と電子戦能力、そしてF-35などのステルス機と比較したコスト効率に起因する。同機の整備はF-35よりも安価で実施が容易である。同機の運用準備率は伝統的に80%前後で推移している。

高価なステルス機のみに依存するよりも、スーパーホーネットとF-35などのステルス機を混成運用する方が経済的である。

さらにスーパーホーネットは依然として極めて多用途だ。空対空戦闘や対地攻撃に加え、専用型EA-18Gグラウラーによる電子戦など、多様な任務を遂行する。

海軍は未来に備える

とはいえ、海軍の未来は第5世代ステルス機であるF-35と、将来のF/A-XX(仮称)にかかっている。高度化する中国やロシアの防空システムに対抗するには、ステルス性能とネットワーク能力がますます重要となる。

ステルス機能を持たないスーパーホーネットは、中国が増強するステルス機群や、今春インド・パキスタン紛争で実戦投入された中国製PL-15Eなど長距離防空ミサイルの脅威に脆弱である。

中国の新鋭長距離ミサイルにより、スーパーホーネットの戦闘行動半径がわずか375マイル(約604km)であることは、空母打撃群を大きな危険に晒す。敵艦は自艦の攻撃を仕掛ける前に、敵のミサイル攻撃を受ける可能性があるからだ。さらに、スーパーホーネットの武器ベイは長距離対艦ミサイルを搭載できない。

F/A-18E/Fスーパーホーネットは今後10年以上運用が続く見込みだ。しかし、その運命はすでに決まっており、この象徴的な戦闘機の寿命に終わりが近づいている。■


Military Hardware: Tanks, Bombers, Submarines and More

The U.S. Navy’s F/A-18 Super Hornet Fighter Is Almost Obsolete

By

Steve Balestrieri

https://nationalsecurityjournal.org/the-u-s-navys-f-a-18-super-hornet-fighter-is-almost-obsolete/

著者について:スティーブ・バレステリエリ

スティーブ・バレステリエリは国家安全保障コラムニスト。米陸軍特殊部隊の下士官および准尉として従軍。防衛問題の執筆に加え、PatsFans.comでNFLを担当し、プロフットボールライター協会(PFWA)会員。その記事は多くの軍事専門誌に定期的に掲載されている

2024年10月29日火曜日

総額3,480億ドル? コロンビア級潜水艦の悪夢 請負業者の挫折で大幅な遅れに直面 (The National Interest)

 


Columbia-Class

 

朽化したオハイオ級の後継艦となる米海軍のコロンビア級原子力弾道ミサイル潜水艦が、大幅な遅れに直面している。 


何が問題なのか 初号艦USSディストリクト・オブ・コロンビア(SSBN-826)の引き渡しは最大16カ月遅れる可能性があり、その到着は27年度ではなく2028年度にずれ込む。 

 遅延は請負業者の問題に起因している:ハンティントン・インガルス・インダストリーズは艦首部の納入で遅れ、ノースロップ・グラマンはタービン発電機の頓挫に直面している。 

 これらの遅れにより、海軍は既存のオハイオ級潜水艦の耐用年数の延長を余儀なくされる可能性があり、議員の間で懸念が高まっている。 

 総ライフサイクルコストは3480億ドル近くと見積もられており、このプログラムは効果的に管理されなければ、国防総省で最も費用のかかるもののひとつになる危険性がある。 

 米海軍の将来のコロンビア級原子力弾道ミサイル潜水艦(老朽化したオハイオ級に取って代わる予定)は、最終的に国の核三重構造の主要な構成要素となる。 計画されている12隻は、オハイオ級SSBNの24基のSLBM発射管と対照的に、16基のSLBM発射管を装備する。これは、建造、運用、メンテナンスのコストを削減するためである。さらに、新型弾道ミサイル潜水艦は、米英共同開発のコモン・ミサイル・コンパートメント(CMC)を利用する。これは、トライデントII D5大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射するために設計されたものである。この共同作業によって、両国で数億ドルを節約できると報告されている。 

 紙の上では、コロンビア級は米海軍が核抑止の使命を果たすため必要だ。だが現実に戻ると、状況はかなり悲惨だ。 

 問題は、1号艦とあんるUSSディストリクト・オブ・コロンビア(SSBN-826)の引き渡しが16カ月も遅れていることだ。 

 以前、この潜水艦の引き渡しは、これまで予定されていた27年度ではなく、2028年度(FY28)になる可能性があると報じられた。 

 数ヶ月前、ブルームバーグによると、将来のSSBN-826の遅れは16ヶ月にもなる可能性があり、海軍の内部評価によると、艦首部分と発電機の納入における請負業者の遅れに起因している。 

 コロンビア級に影響を及ぼしているこの遅れは非常に深刻で、米海軍はオハイオ級を予想より長く就役させなければならなくなる可能性があると見られている。 

 当初の計画では、最初のオハイオ級SSBNは2027年に退役し、2040年まで毎年1隻ずつ退役することになっていた。 

 海軍関係者は、オハイオ級潜水艦のうち少なくとも5隻の耐用年数をそれぞれ2~3年延長し、2024年から2053年までの3年間を除くすべての期間、12隻以上の戦力を維持することは可能だと述べている。 

 というのも、下院軍事委員会の海軍小委員会は水曜日に公聴会を開き、2025年度の海軍の造船要求と、今月行われた海軍の艦船プログラムの見直しを検討したからだ。

請負業者の問題 - 遅延とさらなる遅延 ブルームバーグの報道によると、ジェネラル・ダイナミクスとハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)は、約1300億ドルのプログラムとなる12隻の設計と建造を担当し、各艦は6つの大きなブロックで組み立てられる。 

 建造中のいわゆる「スーパーモジュール」は、ジェネラル・ダイナミクス社による最終組み立ての前に、それぞれシステムや接続部を装備される。 

 理想的なのは、これによって生産をスピードアップすることだ。しかし、HIIは2025年5月に艦首をバージニア州ニューポートニュースのヤードからコネチカット州グロトンにあるジェネラル・ダイナミクス施設に出荷する予定だった。 現在は2026年6月、つまり13カ月遅れと見積もられている。 遅延理由は公表されていない。 HIIは声明で、「複雑な溶接順序でクラス初の難題を経験」し、「米国で建造された史上最大の潜水艦」の計画を修正する必要があったと述べた。 HIIはさらに、修正された計画は「成功裏に実行され、現在後続艦に組み込まれている」と述べている。 

 さらに、米海軍が2021年11月までに1番艦のタービン発電機を納入するよう契約したノースロップ・グラマンは、これらの部品が必要になるまでに数ヶ月の余裕を持たせる計画だった。だがタービン発電機の納入は2025年初頭と予測されており、スケジュールにさらなる影響が出ている。 各潜水艦には2基の発電機があり、推進力と電力を供給する。 

最終的な価値は? 潜水艦の建造は遅れるかもしれないが、最終的にはそれだけの価値がある。本誌に寄稿しているマヤ・カーリンも、コロンビア級は国防総省の開発プログラムの中で最もコストのかかるもののひとつになると警告している。クラス全体のライフサイクル価格は、12隻の潜水艦の開発・購入と2040年代初頭までの維持費の予測を含め、3480億ドル近くと見積もられているが、もしこの任務が果たせなければ、米海軍は時間とお金以上のものを失うことになるだろう。 ■


$348,000,000,000 Columbia-Class Submarine Nightmare

by Peter Suciu

October 26, 2024  


Author Experience and Expertise: Peter Suciu

Peter Suciu is a Michigan-based writer. He has contributed to more than four dozen magazines, newspapers, and websites with over 3,200 published pieces over a twenty-year career in journalism. He regularly writes about military hardware, firearms history, cybersecurity, politics, and international affairs. Peter is also a Contributing Writer for Forbes and Clearance Jobs. You can follow him on Twitter: @PeterSuciu.


https://nationalinterest.org/blog/buzz/348000000000-columbia-class-submarine-nightmare-210626


2019年3月1日金曜日

米海軍向けF-35Cが初期作戦能力を獲得


F-35C Achieves Initial Operational Capability

F-35Cが初期作戦能力を獲得


F-35C landing on USS Nimitz (CVN-68) in November 2014 (01)
U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Kelly M. Agee [Public domain], via Wikimedia Commons


Story Number: NNS190228-18Release Date: 2/28/2019 4:05:00 PM
From CNAF Public Affairs
SAN DIEGO (NNS) -- 米海軍航空部隊総監と海兵隊航空部隊副司令は2月28日に合同で共用打撃戦闘機の空母運用化型F-35Cが要求性能を実現し初期作戦能力を獲得したと発表した。
F-35C初の飛行隊、打撃戦闘機隊VFA-147がUSSカール・ヴィンソン(CVN-70)艦上での運用認証を得て飛行運用安全証明が出たことで今回の発表になった。なお同隊は初の海外展開の準備に入った。
IOC宣言のため最初の作戦機材運用飛行隊は艦隊作戦行動の支援に必要なミッション実施体制をチェックされる。今回はブロック3F仕様のF-35Cが10機そろうこと、予備部品が確保され支援機材、工具類、技術資料、訓練課程、自動補給情報システム(ALIS)の完備が求められた。
さらに運用空母にも必要な施設整備が求められ、認証が必要だ。最後に共同事業推進室、業界、海軍航空隊それぞれが必要な手順、工程、方針を完備し運用を維持継続する体制を示す必要がある。
「F-35Cを戦闘投入し勝利を収める準備ができた」と海軍航空部隊総監デウルフ・ミラー中将が宣言した。「空母戦闘群に同機が加わることで統合部隊の戦力が大幅に引き上げられる」
レムーア海軍航空基地が海軍のJSF戦闘機隊の本拠地だ。VFA-125が海軍海兵隊のJSFパイロットを養成する。同機導入にともない基地には新規施設が作られ機体整備、訓練に供され飛行部隊の機材更新に備える。
F-35Cが作戦投入可能となったことで米海軍の空母航空部隊にステルス、高性能エイビオニクス、センサー融合、兵装運用能力が加わり、F-35Cは今までの水準を超えた航空優勢、迎撃、敵防空能力の制圧、近接航空支援能力に加え高性能指揮統制機能も実現する。パイロット、指揮官には類を見ない戦闘状況認識能力と戦力を提供する。
F-35CのIOC獲得は米軍で最後となり、USAFのF-35A、USMCのF-35Bが先行していた。■
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