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2017年4月17日月曜日

★4月15日平壌軍事パレード登場の装備の実力は?



北朝鮮が瀬戸際政策でハッタリをかけているのはわかっていますが、個別に技術と運用を見ていかねばなりません。記念日に合わせて突貫工事で作った一見最新のビジネス居住街区は実は壁だけのセットだとGoogle Earthでバレて失笑のたねです。(この件は既存メディアでは報道されていませんね)指導体制の護持(帝国日本の国体護持を思わせます)しか頭のなかになく(しかも国民を70年間洗脳している)、北も引くに引けないのだとは思いますが、飢餓まで発生する中でこれだけの装備を整備しているのは(さらにここに核、生物化学兵器が加わります)正当な政府の資格がないと言わざるを得ません。運命のカギは米中の秘密交渉にかかっているようですが、異様な技術体系を整備する朝鮮民主主義人民共和国(3つの嘘で構成された国名)は存在しないほうが人類の幸福につながるのではないでしょうか。

Analyzing North Korea's Missile Parade: Prescription For Fear, Dose Of Reality 4月15日軍事パレードに登場したミサイルを分析する

Here are the technological highlights from yesterday's military parade through Kim Il Sung Square. 金日成広場の軍事パレード搭乗装備の技術内容

BY TYLER ROGOWAYAPRIL 15, 2017



North Korea Founder's Birthday
WONG MAYE-E—AP
平壌での軍事パレードにはいつもより多くの関心が寄せられた。米朝間でこれまでになく緊張が高まっている中、実際に開戦の想定もあり、情報機関、報道機関は北朝鮮の軍事装備を注視した。
軍事パレードで登場する装備を実証ずみ軍事技術と誤解する向きが多いようだが、パレードは見栄えする装備を見せびらかす場であり、それ以上の意味はない。
北朝鮮がテストしているミサイルの性能は判明しており、今後の北の狙いもわかっている。The War Zoneは金正恩のミサイル戦略の方針変更をまっさきに読者に伝えており、毎回の発射事例を詳しく追ってきた。
北朝鮮が大陸間弾道ミサイルや潜水艦発射弾道ミサイル能力の獲得に成功したのはまちがいないが、今回のパレードに現れた大型移動起立発射(TEL)車両のキャニスター内に何も入っていなかった可能性もある。
行事には異様だが予想通りの狂乱状態が見られた。AP
そうなると今回のパレードは最終戦を覚悟した平壌の決意のあらわれというよりひとりよがりの希望と夢を描くキャンバスだったのだろう。
金日成広場を装備が行進したがすべてが実用化されているわけではない、少なくとも今は。だからといって全部がまがい物でもない。繰り返すが、今回現れた装備の多くは試験段階で、発展改良の可能性はある。
これを前提に今回パレードに登場した技術をひとつひとつ見てみよう。
なお各種弾道ミサイルの脅威内容がCSISのツイッター内にあるので参照されたい。ただし内容は必ずしも正確ではない。

View image on Twitter
North Korea's ballistic missiles, visualized. https://missilethreat.csis.org/country/dprk/



KN-11水中発射弾道ミサイル  北朝鮮がKN-11「北極星」潜水艦発射弾道ミサイルを初公開した。これは実装備であり、一隻しかないシンポ級潜水艦で水中発射にも成功している。固体燃料を使う中距離ミサイルと考えられている。潜水艦発射なのでTHAAD有効射程外で発射可能だ。

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KN-11中距離弾道ミサイル  輸送起立発射車両TELにテスト中の中距離固体燃料式のKN-15が搭載されている。KN-11水中発射ミサイルの陸上運用版で2月にテストが成功している。TELによりどこでも移動できる。完成度が高いように見える同ミサイルは北朝鮮のミサイル脅威で真剣に考えるべき存在だ。

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飛翔制御機能を付けたスカッドSRBM スカッド用TELを流用したこのミサイルで興味を引くのは先端部分に飛翔方向制御用のフィンがあることだ。北朝鮮は短距離弾道ミサイルの飛翔制御に取り組んでいる。

飛翔中に方向制御できれば迎撃の難易度が高くなる。とくに飛翔最終段階でこれをされると大変だ。また北朝鮮は対艦ミサイル整備にも力を入れている。スカッドで沿海の敵艦をねらうのは理にかなう。同様の技術が北朝鮮の友好国イラン含む多数国に拡散している。
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TELを巡る謎  搭載するTELに比べて異様に大きなミサイルキャニスターがどのミサイルを想定しているか不明だが、開発中の液体燃料式KN-14ICBMではないか。KN-08を大型化したとみられるが、二段式で先端部ノーズコーン形状が変更されている。

TELの構成が中国のDF-31用TELに似ている。KN-14は北朝鮮で最重要のICBMで構成部品をつなぎ合わせてミサイル本体の形にしており、国内の主要ミサイル・核施設内に保管されている。ただしこのミサイルの発射が成功したとの証拠はなく、2016年10月に失敗したとの情報がある。
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ICBMはどこ? 大型TELが以前のパレードにも現れているが、今年はキャニスターが多くの注意をひいた。これを見て北朝鮮の新型固体燃料式ICBMだと報道している例が目立った。

誤解のないように目にしたのはキャニスターだけであり、TELも前からあるものだ。またキャニスターの中身は不明だ。他方で大型KN-08(三段方式)の小型版あるいは固体燃料ミサイルは二段式あるいは一段式である。KN-08は最大の移動式ミサイルで開発がここ数年続いているが、以前もTELだけ登場してキャニスターは空だった。
このTELで大型かつ完全新型固体燃料式ICBMを運用するつもりなのかもしれない。ロシアの道路移動式トボルICBMに似ているかもしれない。だがすぐに実現すると思えず、今回登場したTELもプロパガンダ用の「白紙状態」の装備で、テストがすぐ始まるわけでない。
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拡大型BM-25 ムスダンIRBM このミサイルも謎が多い。一見するとKN-08の新型のように見えるが、外観上の特徴が異なる。このミサイルの二段目つなぎ目は整形されておらず、ノーズ部分は完全に異なる。もっとよく観察するとBM-25/HS-10ムスダンIRBMを大型化したようだ。ムスダン用のTELに搭載されている。さらに昨年テストされたムスダン同様の黒白の塗装を施されている。

ムスダンの性能は高くないが、テスト発射は成功しており、今回の新型改良版は域内の脅威になるかもしれない。新型版が二段目のみ固体燃料の可能性もある。
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新型沿岸防衛装備

沿岸部防御装備として陸上配備されるKh-35対艦巡航ミサイルが登場してパレードで関心を呼んだ。北朝鮮がロシアから1990年代中頃に同装備を供与されていたと発覚したのはごく最近のことだ。北朝鮮は国産化に成功し、輸出までしている。今回は同ミサイルをTELに装備し北朝鮮沿岸各地に移動させ探知撃破を一層難しくしている。
スカッドにも対艦攻撃させたいとする北朝鮮には沿岸防御装備があることは接近阻止領域拒否戦略を今後拡大する意向があることを示す。
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改良型暴風号 Pokpung-ho 主力戦闘戦車 国産の暴風号戦車が改良されたようで遠隔式対空砲塔にSA-16イグラIgle携帯防空装備を格納している。目標捕捉をどうするのか不明だが、カメラでロックオンして米韓の航空機をねらうのだろう。

砲塔右側(写真参照)には対戦車ミサイルらしきもの二基がついており、国内製だがいささか古風な「ファイヤーバード」装備のようだ。これは旧式9K111を発展させたものだ。レーザー誘導装置は最近導入されたようだ。
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新型地上移動式局地防御装備? この移動式局地防空装備は新型のようだ。運用するミサイル種類は不明だが、国産誘導方式とSA-16改良型の可能性がある。奇妙な外観のノーズ部分がミサイルランチャー内部に見える。またこの装備でも目標探知捕捉方法は不明だ。おそらく左側キャニスター横にレーダーアレイがあり、起立回転するのだろう。

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特殊作戦部隊にだまされるな 北朝鮮特殊部隊の行進は不気味だった。迷彩服、暗視ゴーグル、88式機関銃(AK-47の国産版)に大容量銃弾倉をつけていた。

同部隊の一番の任務はトンネルや潜水艦あるいはAn-2複葉機から侵入し韓国国内に混乱を巻き起こすることで開戦直後の作戦を想定している。■
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2016年5月27日金曜日

ペンタゴン報告書から中国の核戦力整備の最新状況を読み取る


アメリカ科学者連盟と言いながらしっかりとした情報分析をしているのはさすがです。中国の核関連では進んでいるようで進んでいない開発配備状況が見えてきますが、引き続き日本としても状況を注視していく必要があるでしょうね。ミサイルの中には日本に照準を合わせているものがあるはずですから。

Pentagon Report And Chinese Nuclear Forces

By Hans M. Kristensen
Posted on May.18, 2016 in China, Nuclear Weapons by Hans M. Kristensen

china-DOD2016
ペンタゴン発表の中国軍事開発状況の報告書最新版は通常兵器を多く取り上げているが、核兵力の最新状況でも重要な内容が含まれている。
  • ICBM配備数はこの五年間ほぼ同じ
  • 新型中距離弾道ミサイルの供用を開始した
  • 新型中間距離弾道ミサイルは未配備のまま
  • SSBN部隊が抑止力任務をまもなく開始する
  • 爆撃機の核運用能力の可能性
  • 中国の核政策の変更あるいは現状維持

ICBM開発の動向
中国のICBM部隊の整備状況が関心を集めている。新規開発もあるが、今回のDOD報告書ではICBM配備数はこの五年間に伝えられたものと同じ水準で60発程度とする。DF-31の配備は停滞しており、データからDF-31Aの導入も20から30基と少数と見られる。
china-icbms-gr

2012年度報告では2015年までに「中国はさらに道路移動型DF-31A発射台を配備する」としていたが、その通りに推移していないようだ。
china-icbm-nos
DOD報告が伝えるICBM発射台の数は大幅にばらついており、2003年は30基程度としていたものが2008年以降は50から60程度としている。2011年から2016年の間に25基もの差異がが出ている。これは40パーセントにのぼる誤差でそれだけ不確実だということだがここ数年は10パーセントに落ち着いている。とはいえ中国ICBM本数が大幅に増えていないのは確実だ。
発射台の数は安定しているといえるが、DOD報告書ではミサイル数は増えているとし、発射台50から75に対しミサイル75から100本だとする。これはこれまでのDOD報告と一貫性を欠く。これまで発射台の数とミサイル本数が一致するかわずかにミサイル本数が多かったのは旧型DF-4を再装填するためだった。
2016年度報告が突如としてミサイル本数を発射台数より25本以上多いと述べる理由は不明だ。DF-5ないしDF-31/31Aは再装填型と見られる。これまでのDOD報告ではDF-4のみで再装填すると想定していた。DF-4の発射台はわずか10基しか残っておらず、2016年度版報告での超過本数は10本のはずで、25ではないはずだ。(DF-4で再装填を二本と想定するとつじつまがあう) わかっている範囲での中国のICBMの全体像は下表のとおりである。
china-icbms-tbl
噂では中国が鉄道軌道で移動するICBMを配備済みあるいは開発中といわれるが、DOD報告では鉄道を利用する装備の言及はない。7月に加筆訂正版が公表される。

DF-26は核精密攻撃ミサイルか
最新の核ミサイルがDF-26(ペンタゴンはまだこの新型ミサイルのCSS呼称は明らかにしていない)で昨年9月の北京軍事パレードで初公開されているが、ミサイル部隊に展開していない模様だ。
DF-26
北京軍事パレードに6車軸の打ち上げ車両が登場し、核運用可能との説明があった。ミサイルはまだ供用開始されていない。Image: PLA.
DOD報告では核非核で共通の誘導方式を使うとし、「中国初の核精密攻撃能力が戦域内で利用可能になる」と述べている。
この書きぶりからこれ以外の中国核ミサイルには精密攻撃能力はないとDODが見ていることがわかる。

DF-21で新型登場か
DOD報告は中距離核ミサイルDF-21の新型を取り上げているが、詳細は述べていない。新型はDF-21 Mod 6あるいはCSS-5 Mod 6として報告書に記載されている。
DF-21_ex2016
DF-21が核攻撃演習に参加している。2015年撮影. Image: PLA via CCTV-13.

以前の報告書ではICBM部隊に「道路移動型固体燃料方式CSS-5(DF-21)MRBMを域内抑止ミッションに投入して補完する」としていたが、2016年度版ではICBM部隊は「道路移動型固体燃料方式CSS-5 Mod 6 ‘(DF-21) MRBMで域内抑止ミッションに投入して補完する」と述べ、初めてMod 6の名称が使われた。
DOD報告ではMod 6に関し詳細についても、その登場で既存型 (Mod 1、Mod 2)がどんな影響を受けるかでも言及はない。既存型は老朽化しつつあるのでMod 6が更改用の可能性があるが、実態は不明だ。
DF-21が中国軍で特別な意味があるのは、初の移動式液体燃料ミサイルとして登場したためだ。Mod 1は1980年代後半に配備開始されたが、戦力化は1992年だった。Mod 2が1998年時点で「配備ができていない」状態だったのは両型式で相違点が相当あったのか、両型式をミッションの性質の違いから並列配備しておく必要があったためだろう。
DF-21各型を巡っての議論では混乱が大きくみられ多くの論者が二次資料を引用しているが、原資料を使う向きは少ない。中でも最も多い誤りはDF-21C通常型陸上攻撃版をCSS-5 Mod 3とし、DF-21D対艦攻撃版をCSS-5 Mod 4とするものだ。ここ数年にわたりDODや情報各機関からはDF-21に以下の型式があるとしてきた。
DF-21 (CSS-5 Mod 1):核
DF-21A (CSS-5 Mod 2):核
DF-21C (CSS-5 Mod 4): 通常弾頭対地攻撃
DF-21D (CSS-5 Mod 5): 通常弾頭対艦攻撃
DF-21 (CSS-5 Mod 6): 核 (新登場)
DF-21B(CSS-5 Mod 3)がどうなったのかは不明だ。DF-21は旧型液体燃料方式DF-3Aに替わり中国の地域内核抑止力の中心となっている。DF-21へ変更をした最新の部隊は遼寧省の第810旅団だ。

海洋配備抑止力
各種報道が伝える公式発表は誇張気味あるいは拙速であり、中国潜水艦の作戦能力を高く買いかぶりすぎの観がある。新型の晋級SSBNが抑止パトロールを開始したとの報道があるが、米エネルギー省報告では潜水艦あるいはミサイルの問題で作戦実施可能になっていないとしている。
2015年2月に米海軍作戦部長の議会向け報告ではSSBN一隻が95日間に及ぶパトロールに出港したとあるが戦略軍司令官セシル・ヘイニー大将はSSBNが海上に出ることがあるが核装備しているのか判断できないと述べた。
今回のDOD報告書では晋級SSBNはJL-2SLBMを「ゆくゆくは搭載することになる」と言及しているのは明らかに現時点では未搭載であるということで、「中国は初のSSBNによる核抑止パトロールを2016年中に行う」と述べている。つまり実施実績がないということだ。
この「未実施」評価の背後には国防情報局が「PLA海軍部は晋級原子力弾道ミサイル潜水艦を2015年に就役させJL-2を搭載すれば中国初の海洋配備核抑止力が完成する」と述べたことがある。
一隻あるいは複数のSSBNが何らかの任務で外洋にでたことがあるが、核兵器が搭載されていなかった可能性があることになる。晋級SSBN四隻はすべて海南島の榆林海軍基地に配備されており、五隻目が建造中だ。
Jin-ssbns_yulin2015晋級SSBN三隻、商級SSN2隻が榆林海軍基地に見られる。
DOD報告書では晋級SSBNの五隻追加建造との噂は誤りとする。米太平洋軍司令官は2015年に議会に「最大5隻が追加建造され2020年までに部隊に投入されるかもしれない」と発言しているが、確証はなかったようだ。DOD報告書では5隻目の晋級が建造中だがその後は新型ミサイルJL-3を搭載する次世代SSBN(タイプ096)へ移行すると見ている。

核爆撃機
今回のDOD報告書は爆撃機の核任務の可能性を初めて取り上げている。各種中国国内の資料を論拠にしつつ米情報機関の推論は示していない。
china-bomb1967H-6爆撃機が投下した熱核爆弾。1967年6月
「2015年に中国が長距離爆撃機を開発していると明らかになった。中国軍事アナリストが『戦略抑止任務を実施能力がある』と、PLA空軍部に2012年に与えられた任務に言及している。また中国国内文献では『戦略級』ステルス長距離爆撃機の実用化を目指しているともある。各種報道や文献を総合すると中国が核爆撃機を開発する可能性があり、実現すれば、中国は核運搬手段の『三本柱』として陸上、海、空の整備を完成し、冷戦後にふさわしい残存性と戦略的抑止力を実現するかもしれない」
中国の爆撃機では改修型H-6K爆撃機があるが通常弾頭の対地攻撃巡航ミサイルを搭載し、核任務や「戦略抑止」ミッションは中心ではない。ただし米空軍のグローバル打撃軍団の説明資料では新型CJ-20空中発射対地攻撃巡航ミサイルを核搭載可能としていた。
過去においては中国は核兵器を爆撃機から投下する能力を展開していた。1965年から1979年まで続い板核実験では少なくとも12回が爆撃機による投下であった。実験は核分裂型と核融合型で威力は最大2から4メガトンまでと推定される。投下したのはH-6爆撃機(現在も近代化改修して就役中)、H-5爆撃機(退役済み)、Q-5戦闘爆撃機(全機退役済み)だった。

china-bombs
核爆弾の模型二つが北京で展示されている。左は核分裂爆弾第一号の模型で、右が熱核爆弾だ。右の模型に書かれているH639-23は1967年6月17日の水爆実験で投下された番号H639-6と類似。mage: news.cn

核戦略と核政策
最後にDOD報告書は中国の核政策・戦略について米側の理解する内容をまとめている。
まずPLAが核運用部隊に対する指揮命令統制通信機能を新型に切り替えて、戦場で多数の部隊を統制する能力を引き上げている。「通信能力の改良でICBM部隊はこれまでよりも戦闘状況をよりよく把握し、妨害されにくい通信手段で接続されている。部隊指揮官も命令を同時に複数部隊に下し、これまでのような順々方式ではなくなった」
これは部隊への指揮命令行為の効率性向上を目指したものだが、同時に危機的状況での戦闘効率を上げるる狙いもある。DOD報告書では中国が「平時での即応体制を引き上げようとしている」との報道内容を引用している。この点で中国軍の文書を引用して核部隊が「警告あり次第発射」する体制にあり、敵の攻撃を受けて全滅する前に発射する方式になったとの報道もある。
これが進展すると新たな問題になるが、DOD報告書の結論は今のところ中国が堅持してきた先制攻撃をしないとする安全保障政策に変化の兆しはないとする。
言い換えれば、中国の核政策事態に変化はないようだが、核部隊の運用・作戦方法は大きく変わりつつあるということになる。
さらに以下から追加情報が得られるので参照されたい。
本記事の発表の下となった研究はNew Land 財団およびPloughsharesファンドの助成金により実現した。ここで表した見解は筆者個人のものである。