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2015年1月28日水曜日

★韓国KF-Xの行方:大韓航空の動きに注目



何かと騒がしい韓国の話題ですが、この件もまた紛糾しそうですね。そもそも大韓航空が製造部門をも有している事実はあまり知られていませんが、あまりにもタイミングが悪い。いっそのこと別企業として独立させ、しかもKALのイメージがつかない形にできませんかね。F-35導入を決めたものの機体整備は日本には任せたくない韓国空軍にとって実用的なKF-Xの実現は絶対必要なはず。それが政治問題化して紛糾すれば開発実用化は更に遠のきます。国防=国民の幸福のために行動を変容してもらわないと日本としても隣国の不安定化は見たくないところですね。


Price Factor Seen Favoring Korean Airlines For South Korea’s KF-X Fighter

Jan 26, 2015Bradley Perrett | Aerospace Daily & Defense Report

韓国の国産戦闘機KF-X選定の決め手は価格になりそうで、大韓航空(KAL)が有利になる、と韓国政府関係者が明らかにした。
  1. 理由はKALはボーイング技術の利用で韓国航空宇宙工業(KAI)より安く提案できるから、と産業界に詳しい同上関係者は述べた。
  2. エアバスもKAL、ボーイングと組み米国の技術移転規制の対象分野を担当する予定と以前にAviation Weekが伝えていた。
  3. 韓国国防省は昨年12月23日に企画案提出を要請したが、実質上KAIとKALの二社競合になる。ただし国会は全面開発を承認していない。
  4. 企画案は性能要求水準を満たした上で提案企業の実績など技術力および提示価格からに審査すると政府関係部門は説明。100点満点で技術点が80点相当だ。
  5. そうなるとKAIが有利だ。だがKALの製造部門は海外からの技術支援でKAIとの技術ギャップを埋められると主張していると同上政府関係者は説明。もし、KAIとKALで技術点に差が発生しないと、残る価格点が決め手となるが、ここではKALが有利だ。
  6. KALはボーイングF/A-18E/F原型の設計案を出すとみられるが、業界筋によればボーイングはエアバスの協力を得て強気だという。開発費用がKAI案より安くなると判断される可能性は高い。KAIは韓国国防開発庁(ADD)による全面新開発案を提示するからだ。ボーイング、エアバス両社の各種技術データベースを利用して安価な提示をするだろう。
  7. 国防省の提案要求では新型機設計が前提だが、KAL案はスーパーホーネットを原型としつつ新型機の様相を持ち、かつ既存技術の利用でリスクを低減するものだ。
  8. 国防省はステルス特性は要求していないと同上政府関係者は明かす。ADDが初期段階で必要としない設定にしたため。
  9. 国防省がステルス形状を要求してもスーパーホーネット原型の提案で対応可能だ。ボーイングは20年間も社内研究をしているためだ。エアバスもステルス技術を提供するだろう。
  10. そこに韓国のオンラインニュース通信 News 1 がボーイングがKF-Xに不参加と伝えている。KALに勝算なしと判断したためだという。KALのイメージを大きく損ねる事件があったことが原因、としている。
  11. この報道は裏が取れていないが、大いに有り得る。KAL会長の実娘がマカダミアナッツをめぐり大韓航空機を出発ゲートに引き返させた事件がニューヨークで先月発生している。経緯はナッツが皿ではなくビニール袋で提供されたことに不満を覚えたためだったが、国際的にはおかしな事件と受け止められたものの、韓国国内では財閥家族が過剰なまで経営を支配していると政治問題化してしまった。
  12. KALの社名にドロがついた。そんな同社がKF-X選定で落札すれば相当の不評を招くだろう。そうなればスーパーホーネットのステルス版はマカダミアナッツで撃墜された最初の戦闘機になるかもしれない。■


2015年1月3日土曜日

★ボーイング・エアバス・大韓航空連合が韓国KF-X受注を狙う



しかし、なぜ大韓航空なのか。ナッツリターン事件で大きくイメージを傷つけたのに?実は同社はF-5の国産生産の実績があり、航空会社と言う側面だけでは理解できない企業のようです。しかし、ボーイングはこんな会社と組んで大丈夫なのかなあと思わざるを得ません。

Boeing, Airbus, Korean Air Join To Bid For KF-X

Dec 29, 2014Bradley Perrett | Aerospace Daily & Defense Report

Super Hornet: USAF

韓国が目指すKF-X国産戦闘機開発でエアバスボーイングロッキード・マーティンにみすみす落札させないよう、ヨーロッパでしか提供できない技術内容を提案する準備中と業界筋が明らかにした。
  1. 大韓航空を現地提携先として、ボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットを原型に機体を開発する構想だ。
  2. 韓国国防省の調達機関である国防事業庁 Defense Acquisition Program Agency (DAPA)から12月23日にKF-X開発の提案要求が発出されている。
  3. 国防省の国防開発庁Agency for Defense Development (ADD)は韓国航空宇宙工業にロッキード・マーティンからの技術支援で機体開発させる構想だが、ボーイング-エアバス組の提案は経済効果が高い代替策をめざすもの。
  4. 合衆国は自国企業に海外移転できる技術内容で制限をかけている。韓国には多くの分野で国産化できない技術があり、エアバスにはステルス性能のノウハウをボーイングが期待しているのだろう。
  5. 総費用8.6991兆ウォン(約79億ドル)が財務省から認可されてADDのKF-X開発に目処が着いたといえる。しかし韓国国会は正式開発を認めておらず、来年12月の時点でも見通しは暗い。そこで大韓航空が安上がりな代替案を提出し、DAPAが反応するのを期待する構図だ。
  6. 以前から業界筋からボーイングが高性能版スーパーホーネットを提案するとの話が出ていた。別の筋からはボーイングが大韓航空と手を組むとの話もあった。そこにエアバスも加わるとの観測がでたわけだ。
  7. ボーイングがアメリカ国外の技術を売り込むのは今回がはじめてではない。F-15発展型サイレントイーグルをF-Xフェイズ3で提案した際にイスラエル航空宇宙工業の技術を盛り込もうとした。この際はロッキード・マーティンが入札に成功しており、F-35販売の見返りにKF-Xの技術開発支援を求められることになった。■