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2024年6月2日日曜日

航空母艦に未来はあるのか:空母は巨額投資に値するのか?ホームズ教授が見解を展開。


かつての戦艦と同じように今日の空母は時代遅れの装備となってしまうのか、ホームズ教授が歴史を振り返りながら、航空母艦の未来を展望しましたのでお読みください。The National Interestに掲載されたエッセイです。

 

 



空母の役割は、敵戦艦の偵察から、打撃力と地政学的手段へ進化した。しかし、空母も戦艦と同じように時代遅れになるかもしれない。


-歴史的に海上での支配に不可欠だった空母は、今や対アクセス兵器の大きな脅威に直面しており、将来の戦闘での有効性に疑問が投げかけられている。

-フォード級に代表される原子力空母は、そのコストと脆弱性から戦力の実行可能性が低いと批評家は主張する。

-無人機、電子戦、長距離ミサイルなどの技術革新により空母の能力が向上する可能性があるが、それが証明されるまでは、海軍の最高主力艦としての空母の地位は不確かなままだ。


現代における空母:進化か陳腐化か?


 空母はどこへ行くのか?第一次第二次大戦間期の初期、海軍司令官たちは、空母を戦艦部隊の補助的存在とみなしていた。「艦隊の目」としての空母は、偵察機を発進させ、敵艦隊を遠くから探ったり、司令官が戦術的優位を得るために艦隊を再配置するのを助けたり、敵に向けた砲撃の精度を高めるために砲弾の落下を観測した。

 海軍航空の成熟につれ、空母を戦闘艦として再利用することが可能になった。新しい航空技術と兵器技術によって、フラットトップの航空兵装は主戦力となり、空母はこれまで考えられなかった距離を、わずかな精度で強襲できるようになった。そのため、空母機動部隊は「騎兵隊」モードで行動し、敵海域に進出し敵の海軍基地や兵站を急襲した後、水平線の彼方に素早く退却できるようになった。1942年初頭、米太平洋艦隊の空母がマーシャル諸島に殴り込み、陸軍航空隊の爆撃機を東京爆撃に送り込んだヒット・アンド・ラン作戦は、空母が海の騎兵隊として行動した典型的な例だ。核の時代が来ると、フラットトップは、敵対者に対して一時的に襲撃艦としての役割を再び果たした。

 あるいは、超強力な空母は、「海の支配」のための戦いで先頭に立てる。この場合の空母は主力艦であり、攻撃力と防御力を誇る艦船であり、他国の主力艦を凌駕する。海軍史家アルフレッド・セイヤー・マハンは、ライバル艦隊を打ち負かし海上支配を実現した海上部隊は「威圧的な力」を発揮すると主張した。敵の海上部隊はせいぜい迷惑をかける程度だ。友軍の海上使用を効果的に妨害できない。

 海上支配を確保することは、外洋戦闘部隊の第1の任務である。伝統的にそれは、主力艦が担う仕事である。

 そして、「洋上の飛行場」の任務がある。海上支配をめぐる争いの勝者は、経済的打撃を与えるため敵の海外貿易を停止させたり、港に停泊中の敵艦隊を封鎖したり、敵の守備を手薄にするために新たな遠征戦域を開設したり、あるいは最も重要なこととして、陸上で戦う部隊に後方支援や火力支援を提供したりと、指導者の命じるままに行動することができる。結局のところ、人々は陸地に住んでいるのだから、戦争の勝敗はそこで決まる。空母は、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、ペルシャ湾での歴史的な各任務をこなし、米陸軍と海兵隊が地上戦で勝利するのを助けてきた。これは比較的静的な任務であり、航空機が支援を提供できる範囲にあるように、フラットトップが作戦の近辺に留まることを要求する。欠点は、多かれ少なかれ静止していることで、空母の所在が予測可能になり、攻撃にさらされることだ。

 空母が洋上飛行場として機能するためには、部隊の防御が強固でなければならない。

 最後に、「地政学上のチェスの駒」としての機能がある。空母部隊を地図上で動かすことは、意図や政治的決意を伝え、敵になりそうなものを落胆させ、友好国や同盟国、協力国を安心させ、第三者を大義に勧誘するための古くからの方法である。空母は、比類なき外交政策の道具なのだ。

 さて、空母に未来はあるのかと問う空母批評家たちは、たいてい米海軍の原子力スーパーキャリアを指している。最新の原子力空母USSジェラルド・R・フォードには、税金約130億ドルを投入した。これは船体だけの価格だ。飛行機、弾薬、貯蔵品の装備には、さらに多額の費用がかかる。

 フラットトップは、これらのモードのいくつかで良いサービスを提供するかもしれない。外国の海軍や政府が自国の空母艦隊を切望する主な理由である、地政学的なチェスの駒であることは間違いない。人道支援や災害救援から、競合する海路でのプレゼンス確保まで、平時の各種任務をこなす。長距離無人航空機を装備すれば、戦闘中に偵察や指揮統制の任務を遂行することもできる。しかし、陸上から作戦を展開する対空・ミサイル部隊、ミサイルを搭載した潜水艦や近海を徘徊する水上哨戒艇によって補完された海軍を相手に、スーパーキャリアが戦闘能力を維持できるか疑問視すべき十分な根拠がある。

 言い換えれば、最も遭遇する可能性のある作戦・戦術状況では、その見通しは疑わしい。

 ほとんどの重要な戦場は、対接近兵器の届く範囲にある。シーパワーはもはや海軍だけのものではない。海軍、海兵隊、陸軍、空軍、ロケット部隊、さらに沿岸警備隊や海上民兵もある。もし、空母が、そして、主要な水上戦闘艦や水陸両用輸送艦も同様であることを再度指摘しておく価値があるが、敵の海岸線から「兵器交戦区域」内で活動できないと、戦術的・作戦的目標を達成できない可能性が高い。

 空母は宝の持ち腐れなのだ。

 もし空母がその戦闘機能を果たせないのであれば、それが海洋覇権をめぐる一騎打ちであれ、敵の支配する海域への急襲であれ、陸上作戦への航空支援であれ、米国の議員や有権者からの支持は低下していくだろう。マハンと同時代人であり、時折瓜二つになるジュリアン・S・コルベットがその理由を説明している。コルベットは"艦隊の憲法"を見直し、海軍を3機能に大別した。ひとつは、大海戦で他の大艦隊と決闘する屈強な戦艦である。装甲ドレッドノートは、コルベットやマハンの時代の主力艦であった。

 第二に、外洋海軍は「巡洋艦」部隊を運用するとコルベットは断言する。巡洋艦は小型かつ軽武装の軍艦であり、主力艦と対照的に安価である。巡洋艦は大量に建造できる。巡洋艦は主力艦と違い、重要な海路を取り締まるために散らばり、敵対的な商船や海軍の往来を阻止する一方で、友好的な通商を保護する。そして、コルベットは、海上支配を行使することこそが海軍の存在意義であると付け加えている。艦隊決戦は、本当に重要なことの前哨戦にすぎない。

要するに、戦闘艦隊は、海軍戦略の真の実行者である巡洋艦部隊の守護者にすぎない。重要な海域を支配しているのだ。

 そして3つ目は、コルベットが "戦隊"と呼ぶ、沿岸海域で管理業務を行うさらに小型の短距離艦艇である。コルベットが生きていた時代には、特に海雷や魚雷といった当時の最新兵器が、手の届くところに来た敵の戦闘艦隊に対する打撃力を与えていた。潜水艦や水上哨戒機が戦艦や巡洋艦に不利な状況を与えることもあった。戦隊と、他方の巡洋艦や主力艦隊との間には、一種の共生関係がある。戦隊は沿岸海域で扇状に展開し、陸上火力と連携して沿岸を守る。効果的な戦隊戦は、公海を移動する主力戦力を解放し、海上支配を獲得し行使する助けとなる。

 ここに問題がある。アメリカが空母艦隊に投資するのは、空母を米海軍の最高級の戦闘艦であり、惜しみない出費に値すると見なしているからだ。中国やロシアのような同列の海軍が争う水路を捜索するなど、海戦においてフラットトップが重要な役割を果たすことを期待しているのだ。台湾をめぐる戦いの渦中でアクセス拒否部隊が、米空母部隊を遠ざければ、一般市民や選挙で選ばれた議員は、途方もない値段に見合う価値が空母にあるのかどうか、正当な疑問を抱くだろう。

 その出費に尻込みするかもしれない。

 事実上、技術、戦術、作戦の進歩は、原子力空母を主力艦の地位から降格させている。乱暴に言えば、空母は今や、コルベットが書いた巡洋艦クラスに属するのかもしれない。コストと投資対効果のミスマッチは大変なものだ。偵察船、指揮統制船、ショー・ザ・フラッグが任務の艦には、ROIはないだろう。

 主戦闘に参加しない補助艦艇に誰が130億ドルも払うだろうか?

 空母を苦しめる状況への打開策はあるだろうか?可能性はある。米国海軍は厄介な瞬間に立たされているような気がする。新技術はやがて実を結び始めるかもしれないが、それがいつ実現するかはまだ不透明だ。選択も重要だ。海軍首脳は、目的を達成するために適切なシステムを選択する必要があり、また、海上で違いを生み出すのに十分な量の新技術に資金を提供するよう議会を説得しなければならない。艦艇乗組員は、新しいハードウェアとソフトウェアを戦術的・作戦的に有利に使うことを学ぶ必要がある。例えば、指向性エナジー防衛、電子戦、空母航空団の到達範囲を広げる効果がある無人タンカー、長距離でより高速な対艦ミサイルが飛躍的な進歩を遂げている。このような技術革新は、空母の防御を強化すると同時に、空母をより頑丈で、より命中率の高い攻撃プラットフォームとする可能性がある。

 空母はこれまでにも破滅の予測を覆してきた。

 それでも、変動要因は山ほどある。もし、画期的な防御・攻撃技術が実現すれば、空母は主力艦、強襲揚陸艦、洋上飛行場としての機能を再開できるだろう。そうでないと、空母の未来は暗い。■


About the Author: Dr. James Holmes, U.S. Naval War College 

Dr. James Holmes is J. C. Wylie Chair of Maritime Strategy at the Naval War College and a Distinguished Fellow at the Brute Krulak Center for Innovation & Future Warfare, Marine Corps University. The views voiced here are his alone.


The Future of Aircraft Carriers: Are They Still Worth the Investment? | The National Interest

by James Holmes

May 31, 2024  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryU.S. NavyNavyAircraft CarrierDefenseChinaRussia


2018年1月23日火曜日

★新型空母フォード級への期待 

 



Do Russia and China Stand Any Chance Against the Navy's New Aircraft Carrier?

ロシア、中国は米海軍新型空母を撃破できるのか
January 21, 2018

2009年、米海軍が35年ぶりに新型空母の建造を開始した。前大統領で海軍航空士官だったジェラルド・R・フォードの名前を冠したUSSフォードは21世紀の原子力空母だ。技術革新を盛り込んだ同艦は建造で遅延を余儀なくされたが、米海軍の超大型空母部隊を世界最大かつ最先端の存在として当面継続させる。
USSフォードは高度なまで成功したニミッツ級空母の後継艦となる。ハンティントン・インガルス工業のニューポートニューズ造船所で建造が2009年に始まり、フォード級はニミッツ級と多くの面で類似し、全長は1,106フィートでニミッツは1,092フィートだ。満排水量も約10万トンと同じだ。ブリッジの配置、カタパルト4本のレイアウトも共通する。
動力源は新設計AB1原子炉二基でベクテルが製造し、従来の海軍用原子炉がジェネラルエレクトリックウェスティングハウスが作ってきたのと異なる。二基の原子炉で600メガワットの発電容量があり、これだけの規模でカリフォーニア州パサデナの各家庭に供給できるほどだ。
これだけの電力が必要なのは30ノット余という最高速力を得るだけでなく電磁航空発艦システム(EMALS)があるためだ。新システムで機体への負担は減り供用期間が延びる以外に旧式より25パーセント増の出撃が可能となる。
着艦にも新方式を使う。高性能拘束装置(AAG)で水圧タービンと誘導電動機で着艦時の機体を静止させる。AAGは従来の拘束装置より信頼度が高く機体の負担も減る。
フォードは最先端のデュアルバンドレーダー(DBR)を搭載しXバンドのAN/SPY-3イージスレーダーとSバンドの大量監視レーダーを組み合わせる。DBRは多数のミサイル・機体を同時に探知追尾可能で発展型シースパロウミサイル(ESSM)を発射する。
さらに自艦防御用にMk. 29ミサイル発射機二基があり、各ESSM8発を搭載する。またローリングエアフレイムミサイル発射機二基もある。ファランクス近接兵装システムで局地防御を、さらにM2.50口径機関銃4基を搭載する。発電容量に余裕がありレーザー兵器の後日搭載が予想される。レーザー防御では電力ある限り弾薬数の制約と無縁だ。
搭載航空機は10機ないし12機のF-35C共用打撃戦闘機二個飛行隊、やはり10機ないし12機のF/A-18E/Fスーパーホーネット二個飛行隊、EA-18Gグラウラー電子攻撃機5機、E-2Dホークアイ早期警戒機4機、C-2グレイハウンド空母輸送機二機となる。またMH-60シーホークヘリコプター8機を運用する。ここにMQ-25スティングレイ給油機兼情報集無人機が加わる。さらに将来は現在企画中の第六世代戦闘機がスーパーホーネットと交替する。またジョン・マケイン上院議員の主張が通れば新型長距離攻撃用無人機が導入される。またV-22オスプレイがC-2グレイハウンドに代わり輸送任務に就く。
フォード就役で海軍の空母は全11隻に戻る。海軍の空母部隊は議会が定めた条件を満たす必要がある。米国法典第5062条には「海軍戦闘艦には空母11隻を下回らないこと」とある。現状では海軍は同条項の執行猶予を求めている。
二号艦USSジョン・F・ケネディが第35代大統領の名前を冠しニューポートニューズで建造中で2020年就航予定だ。三号艦エンタープライズは来年起工し2020年代初頭に艦隊に編入される。ドナルド・トランプ大統領が海軍作戦部長とともに350隻から355隻の海軍力の実現に向かう中でフォード級空母四号艦の建造もゆくゆく検討課題になろう。■

Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009, he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.

2017年7月14日金曜日

最新鋭空母フォード級の艦内はこうなっている



新型空母が今夏就役します。ただし戦力化はまだ先ですね。システムが巨大で実戦化に時間がかかるのは仕方ないのでしょうか。トランプ大統領が散々こき下ろした新装備が早く効果を実証できるといいですね。

The Navy Gave Me A Sneak Peek of Its Most Powerful Aircraft Carrier Ever

最強の新型空母を米海軍が一足早く拝見させてくれた

July 11, 2017


  1. 米海軍は7月22日に新世代空母一号艦を就役させる。
  2. 就役し正式にUSSジェラルド・R・フォード(CVN-78)となる同艦は海軍航空戦力の未来そのものであり、史上最強かつ最先端の空母となる。
  3. 就役式典に先立ち海軍は The National Interestを7月10日に招き同艦搭載の新技術を公開してくれた。
  4. PCU(就役前艦)ジェラルド・R・フォードはノーフォーク海軍基地ふ頭に係留されている姿からして偉容があり、隣に並ぶニミッツ級空母USSドワイト・D・アイゼンハワー(CVN-69)、USSジョージ・ワシントン(CVN-73)、USSエイブラハム・リンカン(CVN-72)と違いは明瞭だ。
  5. まず目に入るのはフォードの艦橋がニミッツ級より小さいだけでなく位置が他の艦より140フィート(約43メートル)後方にあることだ。さらにフォードは文字通り新造艦であり、鎖に金メッキがついている。
  6. 巨大な艦内に三つある航空機用昇降機の一つ(ニミッツ級は四つ)から入ると、洞窟状の航空機格納庫は他空母と大して変わらない。しかし、ニミッツ級は三区画に分けているがフォード級は二区画で保守管理が簡単になったことに気付く。
  7. 艦内を上層階へ移動し艦橋に向かうと空調効果の違いに気づく。フォードの空調能力は9,900トンで乗組員の快適さだけでなく湿度制御で艦の維持管理にも役立つ。CVN-78級の狙いの中心は保守管理、効率両面の向上だ。従来型空母との違いとしてフォードはドック入りは12年に一回で済む。
  8. ブリッジを登ると艦内システムがはるかに高度なのがわかる。ズムワルト級誘導駆逐艦よりもだ。制御、航法関係はすべてデジタル化されタッチスクリーン式だ。過去を引きずるのは金属製ホイールのみで電子式操舵伝達システムにつながっている。非常時に備え緊急システムがついているが。
  9. 自動化が大幅採用され、電子電動系への依存が増えている。将来の電力需要増に対応してフォードの原子炉二基の出力はニミッツ級の250パーセントまで拡大された。建造中の姉妹艦PCUジョン・F・ケネディでは電動式昇降機が採用され油圧系が大幅に減る。
  10. 主航空機運用制御室の装備はニミッツ級とほぼ同じだとミニボス(航空副長)のジョン・ビール少佐が教えてくれた。少佐はボーイングF/A-18のパイロットでもありフォードの航空機運用関連装備の機能に絶大な自信を示している。
  11. 驚いたのは航空機運用制御フロアの下にある昔ながらの「ウイージャ盤」で飛行甲板上の各機の場所と状況を機体の形の板やピンやワッシャーで示す装備だ。フォードは自動化で艦載機の位置や状況を把握できるが乗組員はウィ―ジャ盤でバックアップしている。
  12. 「ウィージャ盤がないと飛行運用管制の気分が出ない向きのため維持しているのです」と航空機運用士官ジェイミー・ローマン少佐が説明してくれた。「もともとの設計では廃止されていました。というのは航空機の動きはADMACS(航空機関連データ管理制御システム)で把握できるからです」
  13. 次に飛行甲板に向かった。フォードでは飛行甲板の見直しがされ、全長は1,106フィート(約337メートル)でニミッツ級より幅が大きく、視覚的に相当大きく感じる。
  14. 鋼鉄製の甲板の下には電磁航空機発艦システム(EMALS)四基と高性能拘束ギア(AAG)一基があり、蒸気油圧方式の装置が廃止され、第四カタパルトの運用に制約がなくなった。艦上には給油装置が40か所にあり、兵装運搬用昇降機の構造が変更された。海軍は同艦が戦力化すれば以前の空母より25ないし30パーセント多いソーティ運用が可能と見ている。
  15. 副長ブレント・ゴールト大佐によれば就役後の目標は公試評価だ。7月末までに10日から12日のならし運用をしEMALSやAAGなどすべての装備を運用する。すべてうまくいけば、艦は正式認証を受け9月ないし10月はじめに航空機運用を行う。.
  16. 「新システムは相当の性能があります。課題は艦を連れ出して必要な性能が本当に出せるか試すことですね。危険な状況になっても戦力をしっかり発揮する必要がありますからね」(ゴールト大佐)
  17. フォード艦長はリック・マッコーミック大佐でEMALSとAAGは模擬荷重で作動チェック済みで宣伝通りに機能すると自信たっぷりだ。「EMALSは必要な仕事をすべてやってくれるでしょう。ただし大事なのは各装備の機能ぶりをテストし評価することです」
  18. マッコーミック艦長の説明通り、就役後のならし運用でフォード艦上の新装備をすべてテストし必要な修正箇所を洗い出す。その後フォードは造船所で追加工事を受けながら重要装備の搭載をする。その一つがデュアルバンドレーダーで未完成の作業が残っているのだという。
  19. その後再び海上でならし運用をし修正部分の確認と新装備の作動を確認する。すべて順調なら2020年まで戦力化し工程表通りなら航空部隊運用を2021年ないし2022年に開始する。
  20. 「時間がかかることばかりで、すべて一回でうまくいけば理想的なのですが、時間との闘いです」とマッコーマック艦長は述べた。「うまく動かないと再設定が必要となり、結果としてもっとうまく作動するようになればいいのですが、時間がかかりますね」
  21. フォードは海軍航空戦力を次の段階に引き出す期待を現実にしてくれそうだ。フォードの艦体はニミッツ級を原型としながら艦内部の再設計で余裕を生んでいる。排水量は10万トンとほぼかわらないものの、(洋上ではフォードはニミッツ級よりはるかに運動性が高いと述べる士官に会った。馬力が増加しているためだ)フォードは乗組員定数を減らしつつ保守管理が容易になり残存性を高めている。海軍の予想どおりなら運用期間全体で節約効果は40億ドルになる。
  22. マッコーマック大佐もF/A-18E/Fスーパーホーネットパイロットであり、運用側からすれば航空機運用がすべてだ。艦長もフォードで最初に着艦を望む航空士官のひとりだ。
  23. 「早く洋上運用したいですね。航空機の発艦着艦運用をしたいです。できれば自分のスーパーホーネットで発艦着艦を体験したいです」■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @Davemajumdar.

米海軍の空母艦長は航空機操縦資格が必要なのですね。フォード、ケネディ(二代目)と来て命名がされていない近代の大統領はニクソンだけですかね。(ジョンソンはズムワルト級三番艦)なおフォード級三番艦はエンタープライズになる予定です

2017年5月15日月曜日

★★米海軍空母の将来像と最新フォード級空母の特徴



ちょっと長いですがご勘弁を。ここにきてスーパー空母というまで肥大化した空母に未来はあるのかという議論が米海軍では盛んなようで、一つの考えが小型空母(といっても6万トンクラスですが)CVLの復活となっているようです。あえて議論させて将来にも有効な戦力構造を確保したいという米海軍の考え方が見えてきますね。

Navy Contemplates Results of a Future Aircraft Carrier Study - Will New, Smaller Carriers Emerge in the Future?

米海軍が次世代空母のあるべき姿を検討中。新型艦は小型空母として登場するのか。

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8:03 AM

  1. 米海軍は将来建造する空母の検討に入った。艦体、大きさ、設計がどう変わるか。最新兵器で空母は脆弱になるのか、陳腐な存在になるのか。海軍はどんな答えを出すだろうか
  2. 米海軍が将来の空母で規模、形状、技術仕様、任務内容を変更する可能性が出てきた。海軍は外部シンクタンクの力を借り今後登場する脅威内容を検討したと海軍上層部が述べている。
  3. 海軍に協力したのは戦略予算戦略センター(CSBA)で技術モデル、形状、規模、技術面で将来の脅威に対応できる代替策を検討した。
  4. 長距離精密誘導対艦ミサイルや次世代極超音速兵器の前に航空母艦が無用の長物になるとの議論はずっと続いている。
  5. 海軍は空母仕様の代替案を今後検討しそうで、今年後半に就役する最新鋭ハイテク次世代空母がきっかけとなる。
  6. フォード級空母三隻、USSフォード、USSケネディ、USSエンタープライズの調達事業そのものには変更がないが、検討内容によってはそれ以降の米海軍空母の姿が変わる可能性がある。
  7. 現時点で具体案は明らかでないが、将来の空母では高性能のハイテクセンサーや防御兵装が導入され、高速かつ操艦性能を向上し敵攻撃を回避しつつ無人機の運用能力が付与されるはずだ。艦体は小さくなり、操艦性が上がり、無人機や長距離精密兵器を運用すると検討で想定している
  8. 同時にフォード級でも就役後に成熟化した新技術が搭載され、敵の脅威への対応が可能となる。海軍技術部はフォード級に最初から発展性を盛り込んだ。防御用兵装でも進歩が今後も続くため、将来の空母は極端に高度な脅威環境でも作戦能力を発揮できると海軍上層部は信じている。
  9. CSBA報告書の提言では従来の延長線上の空母に加え新型で敏捷性に富んだ小型空母を運用するハイローミックスが出ている。「海軍は新しい『ハイ/ローミックス』を空母でめざすべきだ」とCSBA報告書は述べ、報告書の表題は「米海軍力の復興、米海軍の艦船編成の新発想」となっている。
  10. 「原子力推進スーパー空母は米国と同等の戦力を有する大国の野望を抑止あるいは打破するため今後も必要であるが、その他の日常的なミッションである兵力投射、シーレーン警護、近接航空支援、対テロ作戦は小型かつ低コストの通常動力空母で十分対応できる」とCSBAは論述し、「今後五年間以内に海軍は大型揚陸強襲艦を小型空母に転換する作業を開始し、2030年代中頃を目標に新型艦を就航させるべきである」と述べている。
  11. CSBAは軽空母(CVL)として専用に建造された4万トンから6万トンでカタパルトと拘束ギアを備えた艦を想定した。
  12. またレーダー、レーザー、火器管制能力の向上、対空センサー、電子戦他防御兵装で技術が進展しても海軍やシンクタンクはフォード級空母の仕様変更は不要と見ている。また空母複数を「空母群」として運用し重装備巡洋艦や駆逐艦に空母の防御をさせる構想だ。

将来の空母像

  1. USSジェラルド・R・フォードはフォード級初号艦として新技術多数を導入し、予測される敵脅威に対応し、兵力投射手段としての空母を次世紀にも意味のあるものにする。
  2. 海軍はフォード級以降の空母は最低50年間の供用期間を持たせニミッツ級空母退役に一隻ずつ対応した建造を想定している。この建造工程表によればフォード級各艦は確実に22世紀まで供用され、2110年までは確実だと海軍上層部は述べている。
  3. 現行型空母にかわる代替策検討では今後登場する新兵器により超距離でも空母が脆弱な存在になるのかを検討の中心にした。敵攻撃に対応すべく高速かつ敏捷な小型空母の建造を主張する声も出ている。既存空母に新型防御装備を搭載する案も検討された
  4. 空母がいつの日にか陳腐化するとの主張もあった。ただしこの見方をとるアナリストや海軍上層部は少ない。兵力投射能力を空母と航空戦力で実現して米軍の世界各地での優位性につながっているからだ。
  5. 例として別のシンクタンク新アメリカ安全保障センターの研究成果では将来の脅威環境では米海軍空母の優越性が脅かされる可能性が十分あると指摘している。
  6. 「これまでの米海軍は世界いかなる場所でも自由に航行し行動できたが、その優位性が崩れる日が来る。近年では中国、ロシア、イランといった諸国が接近阻止領域拒否(A2/AD)に向けた軍事力を開発中で、高性能防空体制、対艦巡航・弾道ミサイル、潜水艦、航空母艦として実現しつつある。今後はこうした装備が各地に拡散し、米空母作戦が成約されるはずだ」
  7. また次の指摘もある。「米国に二つの選択肢が立ちふさがる。空母を従来より遠距離で敵の戦術航空機の航続距離外で運用するのか、あるいは高リスクを覚悟のうえで運用するかだ」
  8. 報告書が言及している兵器や新しい脅威内容も海軍、ペンタゴンから真剣に検討されている。

登場してきた脅威内容

  1. 中国軍が開発中なのが精密誘導式長距離対艦巡航ミサイルDF-21Dで有効射程は900カイリと見る専門家もある。移動中の目標に命中させる能力があるかで意見がわかれるが、狙いは空母を沿岸部分に近づかせないことだという。
  2. 米議会の米中経済安全保障検討委員会が2014年に発表した詳細研究で中国軍事力の近代化の内容を論じている。それによるとDF-21Dは「空母キラー」で、さらに強力な精密誘導対艦ミサイルを中国が開発中といわれる。
  3. ただしNational Interestでデイヴ・マジュンダーが海軍上層部がDF-21D対策を検討していると伝えている。さらに移動し続ける空母にとって中国の脅威が現実のものとなるのはISRと標的捕捉技術を十分な形で統合する場合だと海軍上層部は指摘している。
  4. マジュンダーの記事では海軍上層部は空母の電磁面、サイバー、ISR面での防御能力が今後向上し、敵攻撃の妨害や敵ミサイルの飛翔を逸らすことが可能となるとしている。
  5. 同委員会の指摘では中国が極超音速ミサイル実験も進めている。極超音速ミサイルが実際に配備されれば音速の5倍以上で飛翔し空母防御も対応を迫られる。
  6. ワシントン・フリー・ビーコンは4月27日、ペンタゴン関係者の言で中国が新型高速飛翔制御型弾頭のテストに成功したと伝えている。
  7. 「DF-ZF極超音速滑空飛行体が弾道ミサイル最上部につけたまま五寨Wuzhaiミサイル発射施設から打ち上げられたと関係者が述べている」と記事は伝えた。「飛翔制御可能な滑空体が時速数千マイルで飛ぶのが衛星から探知追跡され、大気圏ぎりぎりの高度で飛翔しながら中国西部の目標地点に命中した」
  8. 中国だけでなく多数の敵性国家が次世代兵器、センサーや技術を入手するはずである。
  9. センサー、航空機、無人機、潜水艦で敵側の技術水準は驚くほど速く向上しており、現状のままの空母だと敵の沿岸付近で作戦するのは面倒になるだろう。
  10. DF-21Dのような新兵器が出現しているが、米海軍上層部や専門家には30ノットで移動する空母を1,000マイル先から命中破壊させられるのか懐疑的に見ている。目標捕捉、誘導、移動目標への火器管制、ISR用の各装備を動員してはじめて宣伝通りの機能が実現できる。GPS、慣性測定器具、高性能センサーデュアルモードシーカーの各分野も急速な進展を示しており、この課題実現に利用できるが、DF-21Dのような兵器が移動中の空母を撃沈できるのか明確な答えがないままだ。
  11. さらに艦の防御面の改良も進んでいる。電子戦技術、レーザーの他、水平線の彼方から近づく対艦巡航ミサイルの捕捉撃破に向けた技術も育ってきた。その一例が配備が始まった海軍統合火器管制対空防衛システム(NIFC-CA)だ。ここでは艦載レーダー・火器管制に空中センサー、デュアルモードのSM-6を組み合わせ、長距離から接近する敵を捕捉、撃破することが狙いだ。艦載レーザー兵器やレイルガンも低コストの防御手段になるだろう。
  12. 将来の脅威環境で懸念があるのは事実だが、空母部隊の真価、有用性、重要性を疑う向きは少ない。

MQ-25スティングレイ空母運用無人空中給油機

  1. 無人空中給油機を空母から運用し、攻撃任務につく戦闘機を支援することを海軍が重視している。
  2. 新型空母運用型ステルス給油機はMQ-25スティングレイの名称がつき、F/A-18スーパーホーネットやF-35C共用打撃戦闘機といった空母航空隊の活動範囲を拡大させる狙いがある。これがペンタゴンが接近阻止領域拒否や長距離精密ミサイルで空母が狙われる事態に対抗する手段となる。
  3. 空母搭載戦闘機では戦闘半径が重要な要素だ。もしF-35CやF/A-18が500マイル600マイル移動して敵内陸部の標的を攻撃しようとしても敵が1000マイルの有効射程を持っていたら攻撃力は有効とは言えなくなる。
  4. そこで無人給油機から艦載機に空中給油することで長距離攻撃を実施できるようするのだ。
  5. 大型給油機には空軍の新機材KC-46Aもあるが、レーダー断面積が大きく標的になりやすく脆弱だ。そのため高機動無人機で乗員を危険にさらさず敵レーダー探知を避けながら攻撃機の空中給油をする必要があるのだ。
  6. MQ-25スティングレイの公開情報はわずかだが、海軍関係者はScott Warriorに背景にある戦略構想として「長時間飛行性能」を海軍関係者は新型機の基本性能と表現した。
  7. 海軍関係者は「運用が始まればMQ-25スティングレイは長時間にわたる空中給油能力とともにISR能力も発揮します。無人機は有人機の性能を引き上げ、効率よく安全に運用しつつミッションを実施させてくれるはず」
  8. 無人給油機により空母攻撃飛行隊は長距離運用が可能ととなり上記懸念の解消につながる。
  9. MQ-25スティングレイは開発取り消しになったULCASS無人艦載偵察攻撃機構想から発展している。ノースロップの実証機X-47Bは空母離着艦に成功した。海軍が求める空母運用無人機技術は着実に進歩している。

将来の空母航空部隊

  1. ステルス戦闘機、無人機、V-22オスプレイ、対潜ヘリコプター、レーザー兵器、電子妨害手段がすべて海軍の空母搭載航空戦力の一部となると海軍上層部は見ている。V-22は艦上輸送ミッションに投入するとすでに海軍は決めており、陸上から人員物資を空母に輸送する。
  2. 空母の抑止力としての効果、兵力投射の手段としての効果を念頭に海軍航空部隊総監が海軍の描く空母航空隊の姿をワシントンDCのシンクタンク、戦略国際研究所での講演で数年前に紹介している。
  3. 125マイル先の標的を攻撃できるS-500をロシアが開発中だとNational Interestが伝えている。そのS-500を含むロシアの地対空ミサイル各種にF-35Cは十分対抗できると海軍は見ている。
  4. F-35Cは2018年までに実戦化の見込みで2020年代中頃には相当数が空母に搭載されるはずだ。
  5. 「クラシック」と呼ばれる旧型F/A-18一部がF-35Cに交代される予定で、F-35Cではステルス技術以外にセンサー技術に期待が高まっている。将来の航空戦力の四分の三がF/A-18スーパーホーネットになると総監は述べた。
  6. 対潜戦ではMH-60R改修型が重要な存在と米海軍関係者は見ている。MH-60Rは対潜戦パッケージを搭載し低周波センサー、潜望鏡探知装置、データリンク、電子戦装置、前方監視赤外線レーダーを活用すると海軍は説明。
  7. グラウラーに電次世代ジャマーが子攻撃兵器として導入される。電子攻撃能力が大幅に向上するほかに複数の周波数で同時にジャミング可能となる。
  8. E-2Cホークアイ早期警戒機は性能向上型のE-2Dに更改中でレーダー性能が引き上げられている。

新空母フォード級

  1. フォード級空母各艦では次世代技術が多数導入されており、将来の脅威にも対応可能とする。飛行甲板は拡大されており、発艦機効率を33%増やす。これには電磁カタパルトを上記カタパルトに代えることが大きく、自動化やコンピュータ制御が各所で導入されている。
  2. また新型センサー、ソフトウェア、兵装戦闘システムも新型になっていると海軍は説明。
  3. 飛行甲板拡大の背景に将来の無人機運用の増加予想がある。
  4. USSフォードの発電容量は104メガワットもあり、開発中の電磁航空機発艦システム(EMALS)の稼働もめざす。さらに将来導入される予定のレーザーやレイルガンも想定していると海軍上層部は説明。
  5. USSフォードにはこのほかデュアルバンドレーダーや高性能拘束ギア含む装備で多大な電力が必要だ。
  6. レーザー兵器が実用化されれば空母搭載ミサイルの一部が不要になる。レーザーではおよそ300キロワット電力が必要だ。
  7. レーザー兵器が実用化されればハイテクで低コストの防御攻撃両面で有効な手段となり、敵ミサイルを焼け焦がす可能性が生まれる。
  8. フォード級では艦橋を再設計し、格納庫をやや広げ、兵装運搬用エレベーターの能力も拡大し、出撃回数増加に対応する。すべて高テンポでの戦闘支援を狙ってのことだ。
  9. このうち新型兵装用エレベーターはこれまでより効率よく兵装類を搬送し機体装着を早める効果を狙う。エレベーターは武器庫から直接兵装類を運搬できるので出撃準備の効率が上がり、着艦後の再装填も早くなると海軍は説明。.
  10. フォード級で採用する次世代技術と自動化で人的作業を減らせるので、乗組員数も減り、就役期間全体で40億ドルの節減効果が生まれる。■


2015年12月8日火曜日

★日本への追加空母配備案に重鎮マケイン議員も検討の価値ありと認める



CSBAが意外に大きな影響力を持っていることがわかります。追加配備するなら横須賀が最右翼というのが分析内容ですが、実現すれば大きく西太平洋の戦力配備の地図が変わりますね。当然、国内はもとより近隣国から相当の妨害が発生しそうですが。Hard Lookとは否定的ではなく綿密に調べる厳しい目を向けるという意味ですね。


McCain Taking ‘Hard Look’ at Forward Deploying Second U.S. Aircraft Carrier to Western Pacific

By: Sam LaGrone
December 7, 2015 12:12 PM

WASHINGTON, D.C. – 上院軍事委員会(SASC)は西太平洋に米空母二隻目を配備する案を「綿密に調べる」と同委員会委員長が述べた。
  1. 「海軍部隊が実効性を上げれる配置になっているか再検討すべきだ」とジョン・マケイン上院議員(共、アリゾナ)が米海軍協会主催の国防フォーラム・ワシントンで聴衆の前で発言した。
  2. 「最近になり前方配備空母や揚陸強襲部隊、または大型戦闘艦の追加を提案する研究内容が発表されたが、詳しく検討すべき内容だ。提案の背景には海外プレゼンスを引き上げて、抑止力、即応力を引き上げたいとの考えがある」
  3. 西太平洋に二隻目の空母を配備する案は以前から提唱されており、先月公表された報告書が海軍・海兵隊のグローバルな責任能力の実施を制約してきた近年の条件を分析して、提言の中心として再浮上している。
  4. 作戦テンポが高くなっており海軍は空母各艦の整備点検が追いつかず空母が不足する事態が発生している。
  5. 「空母戦力の不足は2015年末にペルシア湾で、USSセオドア・ローズベルトが現地を去った後、USSハリー・S・トルーマンが到着するまで『空母ギャップ』が発生している。太平洋で同じ事態が2016年に発生するし、2021年にかけて両方の地点で交互に発生する見込みだ。これは同年にUSSジェラルド・R.・フォードが運用可能になるまでの事態である」と戦略予算評価センター(CSBA)報告書はまとめている。.
  6. 空母12隻体制の米海軍が西太平洋に二隻目の空母を配備すると同地域には1.4隻相当のプレゼンスを維持し、4か月間は2隻が運用可能となる。これは米西海岸までの往復移動が必要なくなるためだ。
  7. 前方配備の追加艦は米艦隊兵力適正規模即応案(OFRP)の対象外となり、現在前方配備中のUSSロナルド・レーガン(CVN-76)に加わる。
  8. 報告書の著者ブライアン・クラークによればレーガンが使用中の横須賀基地の施設は空母二番艦へも対応可能で現在配備中の空母航空隊は両艦で運用できるという。「迅速に実施に移すなら配備先として日本が最適だ」とクラークは述べる。
  9. マケイン議員とクラークはともに二番目の空母配備案の検討を求めているが、海軍は動いていない。
  10. 「二番艦を日本へ配備する話題はまったく存在していない」と海軍関係者がDefense Newsに先月述べている。
  11. 西太平洋にもう一隻空母を配備すべきかの話題とは別にマケイン議員は次世代空母ジェラルド・R・フォード級CVN-78)へ不満を再燃している。
  12. 「未成熟技術要素や同時並行開発、製造工程、信頼性テストデータの欠如が重要システムについてみられるなど問題が山積みだ」と指摘。
  13. 「とても受け入れられない事態であり、別の空母設計案の検討があってしかるべきだ。これは今年度の国防予算で現実オプションとして盛り込んである」■