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2020年4月26日日曜日

最新型F-15QAから見える米空軍向けF-15EXの性能水準と期待


F-15イーグルの最新型が初飛行に成功した。

2020年4月14日、F-15QA初号機がセントルイスのランバート国際空港を離陸した。F-15QAはF-15Eが原型。豊かな産油国カタールは2017年にF-15QA計36機を60億ドルで発注した。▶これまでカタール空軍は1990年代製のミラージュ2000を12機運用していたが、今回のF-15QAの36機以外にダッソー・ラファール36機とユーロファイター・タイフーン24機も発注している。▶つまり、同国は西側主要メーカー各社の新型機を調達し、機材数の拡充とともに各種性能を手に入れようとしている。反面、各機材の維持管理が高額につく。

基本形のF-15は50年前の設計だが、QA型は初期のF-15Aと比較すれば相当の進歩を遂げている。QAはフライ・バイ・ワイヤの飛行制御、 AN/APG-82(V)1高性能電子スキャンアレイレーダー、パイロット、後席の兵装システム士官向けに共用型ヘルメット搭載照準システムを提供し、エンジンは最新のジェネラル・エレクトリックF110-GE-129となっている。▶また兵装ハードポイントが追加され、空対空ミサイル最大16本を搭載できるが、航続距離と最大速力を犠牲にする。▶「高性能版F-15QAは戦闘の様相を一変させる性能とともに高度製造技術の応用で生産効率を高めている。飛行時間あたり経費は同クラスの他機の半分程度でありながらペイロード、航続距離ともに増えている」とボーイングは声明文を発表している。

米空軍はF-15QAとほぼ同等の新規製造F-15EX144機を調達し、240機あるF-15C型D型を更新する。▶米議会はF-15EXの8機を10億ドルで調達する2020年度予算を承認している。価格は予備部品を含む。▶米空軍はF-15EXを平時の国内防空に投入し、ステルス性の欠如が大きな欠点にならないとする。▶有事にはF-15EXは長距離極超音速ミサイルを発射しつつ、戦闘用無人機編隊の統制機ともなるはずだ。■

この記事は以下を再構成したものです

Could this be a preview of what the F-15EX could be like? 
by David Axe 
April 17, 2020  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryTechnologyAir ForceU.S. Air ForceF-15F-15QA

2018年2月26日月曜日

F-15近代化の方向を示すカタール向け新造機から航空自衛隊にも新しい可能性が見えてきた

これは期待できるニュースです。カタール向け新造機に盛り込む新技術で旧型機の若返りが出来ればこんなにコストパフォーマンスがいい話はありません。ひょっとしたらF-15も70年間飛び続ける機体になりそうです。ただし航空自衛隊の場合は改修してこなかった機材が半分あり、こうした追加回収できる対象が最初から限られてきますので、機数が不足します。であれば、まだ生産ラインが残っているうちに発注してはいかがでしょう。ボーイングは商売がうまいですね。F-15ラインのある旧マクダネル工場の地元も一安心でしょう。ミサイルトラックを作る、という構想もひょっとしたら実現しそうです。

 

New wings on Qatar F-15s pave upgrade path for USAF カタール向けF-15の新型主翼はUSAF機材改修能方向を示す


23 FEBRUARY, 2018
SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
BY: STEPHEN TRIMBLE
ORLANDO

タール発注のF-15高性能イーグルで主翼が改修され同じ改修内容が米空軍F-15Cや各国空軍で供用中の機体でも耐用年数延長に使えるとボーイングが発表した。
カタール政府はボーイングに62億ドル契約でF-15QA(カタール向け高性能版)36機を昨年12月に発注し、これでセントルイスにあるボーイング生産施設には2022年までの生産が確保された。
F-15QAには新型コックピットシステムで大型画面等これまで同社が発表した内容を盛り込んでいるとボーイングでF-15事業を担当するスティーブ・パーカー Steve Parker 副社長が述べている。
FlightGlobalの2月22日インタビューでパーカーはF-15QAの主翼が再設計され内部構造が強化されながら空力特性には影響は出ないと答えた。再設計はボーイングが最近実用化した新製造技術で可能となったという。
F-15QAが開発段階に入るとボーイングには既存F-15Cでも主翼交換の需要が期待できる。ただUSAFが同機をあと二十年程度供用すると決めた場合だ。
これまで二十年以上にわたりUSAFはF-15Cの一部を2030年代末まで稼働させる選択肢を検討してきた。その場合の縦通材交換は一機100万ドルで済むとパーカーは述べている。空軍はF-15Cをさらに延長して供用する案も検討しており、その場合は主翼交換が必要となるという。
その上の供用期間延長は今のところ「必要とされていないが、可能性はある」とパーカーは語る。「空軍には選択肢を提供したい」
その他の顧客には日本の航空自衛隊があり、やはりF-15の構造改修で退役予定を先送りしたいと考えているとパーカーは指摘している。
ボーイングは2月22日-23日開催された航空戦シンポジウム会場に仮想現実展示で導入後45年が経過したF-15で可能な改修内容を示した。そこでは「一体型技術ポッド」のコンセプトを展示し、一体型タンクの代わりにポッドとし、ここに例えば側面監視合成開口レーダーを入れる。また「アンバー」射出ラックの搭載でミサイルが22発まで搭載できる様子も見せていた。
こうした改修でF-15の再活性化が期待でき、新型ミッションコンピュータ、電子スキャン式レーダー、新型電子戦装備、フライバイワイヤ機体制御、新規兵装ステーションやエンジンもより強力なGEエイビエーションのF110-GE-129換装が考えられるという。
カタールは36機発注したが米議会は72機までを承認しているのでボーイングは追加発注も期待する。このほかにドイツの要請で機密内容の説明開示も行っており、ドイツはパナヴィア製トーネイドの後継機候補として考えているとパーカーは言う。

「イーグルを大変身させます。イーグルはまだ終わっていませんよ。明るい未来がやってきます」(パーカー)■

2016年11月19日土曜日

クウェート、カタール向け販売成立でボーイング戦闘機生産ラインは2020年代まで維持可能になった


ボーイングの粘り勝ちのようですが、商談の正否で生産ラインの維持がかかっていたので、神経をつかう場面が多数あったと想像できます。しかし生産ラインがまだあるのになぜ米空軍はF-15を発注しないのか不思議ですね。予算がない、の一点張りなのでしょうが。

Kuwait, Qatar Deals Move Forward, Likely Putting Boeing Fighter Jet Production Into the 2020s


WASHINGTON —米国務省が高性能ジェット戦闘機売却を承認し、クウェートにF/A-18E/Fスーパーホーネット40機、カタールにF-15QAが72機それぞれ販売できることになる。
  1. 両機種を製造するボーイングに大きな意味があり、生産ラインを2020年代まで維持できる見通しがついた。
  2. この内クウェート案件は101億ドルでE型32機、F型8機のスーパーホーネットを売却する。販売にはF414-GE-400エンジン本体と予備部品、AN/APGアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダー及び兵装システムとして20ミリ機関砲、誘導ミサイル発射装置240式、AN/ALR-67(V)3レーダー警戒受信機45基、 AN/AAQ-33 SNIPER高性能照準ポッド12基、コンフォーマル燃料タンク8基を含む。また必要な支援・ロジスティック業務も含む。
  3. カタール案件は211億ドルで機体と兵装システム以外に米国内における訓練、保全支援装備、ロジスティック支援も含む。同国はF-15とユーロファイター・タイフーンで検討していた。
  4. 国防安全保障協力庁から米議会に対し両案件の内容提示が11月17日になされたと国務省が報道発表した。政府側から議会に海外軍事販売案件を30日以前に通告する義務がある。議会が売却に反対した場合は案件を無効化するか修正する必要が生まれる。ただし、議会からは非公式に案件を承認する動きがすでに出ており、議会側が両案件を阻止するとは見られていない。
  5. 米海軍のスーパーホーネットとE/A-18Gグラウラー購入が2017年度2018年度にかけ予定されており、さらにクウェート向けFMSが実現することで同機生産は2020年代まで維持できるようになったが、ボーイングはさらに販売を伸ばしたいとする。
  6. 一方でカタール案件でF-15生産ラインも2020年代にかけ維持できる。以前は2018年初頭に閉鎖の見込みだった。
  7. クウェートはF/A-18ホーネットを運用中で、カタールはミラージュ2000とアルファジェットをフランスから導入している。
  8. もう一件、バハレーン向けF-16案件は前進がないままだ。■