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2024年11月12日火曜日

エアバスがA321MPAを発表:ボーイングのP-8Aポセイドンへ対抗(Simple Flying)―フランスが真っ先に採用。P-8生産の終了が視野に入る中、エアバスはどこに売り込もうとしているのか

 PMONTAGE_MIA_20241030_A310PATMAR_HQ_v2 - A321MPA flying over a warship in a storm

Graphic: Airbus



アバスはボーイングのP-8Aポセイドンに対抗する選択肢として、エアバスA321MPA(Maritime Patrol Aircraft)を発表した。 

 Aerotime.airoなどによると、フランス軍はA321MPAをフランスの次期哨戒機として選定したという。 

 エアバスの広報担当によると、A321MPAは、対潜水艦、対艦船、情報収集機に対するフランス海軍のニーズを満たすのが目的だという。 


エアバスA321MPAの概要  エアバスの広報担当は、エアバスA321MPAのコンセプトを本誌に語った。「当社のプラットフォームはまた、固定アンテナ・レーダーや非常に高度な水中探知ソリューション(音響センサーとソノブイ)などの最新世代のセンサーを搭載し、より包括的なミッション・ペイロードを統合している」。 

 A321XLRは、レーダーで船舶を、ソノブイで潜水艦をターゲットにする能力を備えた機体となる。さらに、A321XLRは、長い航続距離により、長時間の監視を行う能力を提供する。また、前身であるダッソー・アトランティーク2より高速で飛行可能だ。アトランティークの巡航速度は時速200マイル(時速321キロ)だが、ダッシュ速度は時速400マイル(時速644キロ)である。     

 A321MPAは、P-8Aポセイドンやダッソー・アトランティーク2と同様に、尾部に磁気異常探知機(MAD)、大型の観測窓、FLIRタレット、コンフォーマル・レーダー、通信・電子監視用の各種アンテナ、大型の武器庫を装備する。

 以下の2018年7月23日のエアバスのYouTubeでは、ベイに8本の魚雷を搭載し、高度にネットワーク化された航空機で、海上パトロールと「陸上監視」の両方ができるコンセプトであることがわかる:しかし、対艦・対地攻撃兵器を外部に搭載するための主翼パイロンはないようだ。

 P-8AポセイドンがAGM-84ハープーンを搭載しているのと異なる: 最後に、A321MPAモデルがユーロナバル2024に参加した。 Naval Newsは、エアバス・ディフェンス・アンド・スペースのキー・アカウント・ディレクターであるアレクシス・ラティに、フランス語と英語の2カ国語でインタビューを行った。 

 タレスがエアバスのA321MPAプロジェクトでもエイビオニクスのパートナーとなる。 最後に、チームは市場性のある輸出バージョンを作りたいと考えている。 


エアバスA321XLRとの関係 A321MPAがA321XLRをベースにしている主な理由は、A321XLRが4,700NM(8,650km)の商業飛行が可能だからだ。 これは、A321neoの航続距離3,200NM(6,000km)よりも大幅に長い。P-8Aはフェリーで4,500NMしか飛べない。また、P-8Aはボーイング737-800ERXの改良型として1990年代の737次世代技術をベースにしているが、A321XLRとA321MPAはA320neoファミリーの効率アップグレードのメリットをすべて使用する。 

 さらに、A321XLRには特別な燃料タンクが装備されている。、航続距離8,150NMのエアバスA330-800neoのように、より長い航続距離を持つエアバス製品もあるが、A321XLRは、海上パトロールの乗組員は十分に休息する必要があるため、間違いなく適切なサイズのプラットフォームとして選ばれた。さらに、ワイドボディ機は、限られた能力向上のためにコストが高くつく。 


結論:A321MPAは、P-8Aに対し競争力がある。A321XLRは、A320neoファミリーの能力を究極まで拡張したものであり、A321MPAは、どのオペレーターに対しても、持続的な監視・攻撃能力を提供するのに十分な能力を持つ。 A321XLRはP-8Aよりも航続距離が長く、P-8AにはないMADブームを備えているが、A321XLRには現在、翼下パイロンがないため、武器搭載能力ではP-8Aに明らかなアドバンテージがある。


エアバスによると同機の性能は以下の通り。

  • 101トンの離陸重量 - 

  • 16,000リットル(4226.8ガロン)の燃料容量 - 

  • 4,700海里(8,650キロ)の航続距離。


 一方、P-8Aポセイドンの生産は、ドイツ、カナダ空軍、米海軍予備役向けの注文が完了したため、終了しつつある。■


Airbus Unveils A321MPA: Answer To Boeing's P-8A Poseidon

By 

Joe Kunzler


https://simpleflying.com/airbus-a321mpa-answer-boeing-p-8-poseidon/


2016年6月27日月曜日

★★ヴィエトナムが海自P-3C余剰機材の導入に前向きになっています



さすがヴィエトナムの目の付け所は鋭いですね。フィリピン向け練習機の案件ではリース方式にしましたが、今回ヴィエトナム案件が成立したらどう処理するのでしょうか。 それはさておき、日本が国境線から利益線に世界観を拡大するのはよいことでしょう。もちろん、それを歓迎しない勢力もあるわけで、とりわけ国内では次回参院選挙で政党の世界観・安全保障観が問われていると思います。



Nikkei Asian ReviewVietnam eyes secondhand Japanese defense gear

June 26, 2016 1:00 pm JSATSUSHI TOMIYAMA, Nikkei staff writer

HANOI--米国が武器禁輸措置を解除してヴィエトナムが国防力増強に取り組んでいる。
  1. 中国を意識し海上哨戒能力の向上を狙う同国だが問題は米国製装備の高価格だ。代替策でヴィエトナムは安価な使用済み機材を海上自衛隊から導入したいようだ。
  2. ロイター報道によれば同国はロッキード・マーティンに使用済み米海軍P-3オライオン4機ないし6機の価格および納期を照会する予定だ。P-3の新品価格は最低でも80百万ドルでヴィエトナムは一機しか調達できない。
  3. 対潜能力整備は同国の目標で、武器禁輸措置解除により米製装備の調達に向かうと見られたが、ここにきて日本が浮上しており、日本側関係者によればヴィエトナム海軍から非公式に海自の退役済みP-3C対潜哨戒機購入の打診が今年春にあったという。
  4. ヴィエトナムの悩みの種は中国潜水艦部隊だ。中国の約70隻に対しヴィエトナムもキロ級潜水艦をロシアから6隻購入たがそれだけでは対抗しきれない。そこで対潜哨戒航空機材の整備をめざす。
  5. ただし日本への期待は価格だけではない。まず日本には十分な機数のP-3Cがある。海自が新型P-1の導入し機種更新中のためだ。またヴィエトナムは訓練も期待している。P-3C乗員は音紋から潜水艦を識別する必要があり、海自は同機運用で世界トップクラスと言われ、ヴィエトナムは日本から学ぶのが近道と考えているようだ。また日本とは政治経済上のつながりも強い。
  6. さらに海自との共同演習で自国部隊の技量を磨く期待もヴィエトナムにあるようだ。日本のP-3Cはダナンまで飛んでおり、今年も共同で捜索救難演習を実施する。ヴィエトナムはP-3C運用の事前訓練の機会にしたいようだ。
  7. ヴィエトナム国防相ゴー・スアン・リックは6月のシャングリラ対話を欠席し、次官を代理で送り中国を配慮した可能性がある。今のところヴィエトナム政府は中国を挑発することを避けようと、軍事力示威やあからさまに米側に寄り添うところは見せていない。■