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2025年11月28日金曜日

F-15Eストライクイーグルこそアメリカ最速の戦闘機、さらにF-15EXイーグルIIが控える(1945)

 

F-22やF-35ではない。F-15Eストライクイーグルこそアメリカ最速の戦闘機だ(1945)

スティーブ・バレステリエリ

F-15E Strike Eagles taxi into formation June 12, 2019, at Mountain Home Air Force Base, Idaho. This was a rare opportunity to capture the Gunfighter family, including the 391st, 389th and 428th Fighter Squadrons, before a morning flight. (U.S. Air Force photo by Staff Sergeant Jeremy L. Mosier)

2019年6月12日、アイダホ州マウンテンホーム空軍基地でF-15Eストライクイーグルが編隊を組んでタキシングする。(米空軍、ジェレミー・L・モジアー軍曹撮影)

要点と概要

 – F-15Eストライクイーグルはステルス性を欠くが、それでも米軍装備の中で最速の戦闘機だ。

 – プラット・アンド・ホイットニーF100エンジン2基を搭載し、最大推力58,000ポンド(約26,250kg)を発生させる。これにより、兵装を大量に搭載した状態でもマッハ2.5に達する。

 その戦闘記録は比類なく、F-15シリーズは104機の対空撃墜数を誇る一方で損失はゼロである。

 進化形のF-15EXイーグルIIは、フライ・バイ・ワイヤ制御、現代的なエイビオニクス、巨大な搭載能力、そして潜在的な電子攻撃任務により、「ミサイル運搬機」として中国との戦いで不可欠なものとする可能性を秘めている。

F-15Eストライクイーグルは今も米国最速の戦闘機である

戦闘機は超音速での高速飛行、レーダー探知回避、高度な兵器搭載を目的に設計されている。現代の戦闘機はステルス技術、スマートセンサー、時には人工知能を採用する。これらの機能によりパイロットは敵を迅速に識別し、先制攻撃が可能となる。

米国は戦闘機技術で世界をリードしている。F-22ラプターF-35ライトニングIIは技術的に最も先進的な戦闘機である。

しかし速度も重要だ。そして米国軍が保有する最速の戦闘機は依然としてF-15Eストライクイーグルである。

F-15Eストライクイーグルの紹介

F-15Eストライクイーグルは、対空・対地任務を遂行する複座多用途戦闘機だ。各種エイビオニクスと電子システムにより、F-15Eは低高度・全天候・全天時での戦闘能力を有する。

本機はパイロットと武器システム士官の2名で運用される。従来のF-15は空対空任務に特化していたが、「E」型は二役戦闘機である。長距離を突破して目標へ到達し、敵地上目標を破壊し、突破して帰還する能力を有する。

F-15Eの動力装置

F-15Eは2基のプラット・アンド・ホイットニーF100-PW-220または229エンジンを搭載している。これらは性能向上のための先進的なデジタル技術を採用している。F-15Eのパイロットは、アイドリング状態から最大アフターバーナーまで4秒未満で加速できる。これは従来のエンジン制御システムに比べ40%の改善である。

エンジンの加速が速いということは、離陸が速くなり、機動時の反応が鋭くなることを意味する。F100-PW-220エンジンは50,000ポンドの推力を発生させ、F100-PW-229エンジンは合計で58,000ポンドの推力を生み出す。F-15Eの最大速度はマッハ2.5、時速1,875マイルである。

比較すると、F-35ライトニングIIの最高速度はマッハ1.6で、F-22ラプターもマッハ2.2でストライクイーグルよりわずかに遅い。

F-15Eストライクイーグルの推力重量比は、具体的な構成や装備によって異なるが、様々な条件下で約1.17:1から1.30:1の範囲で動作する。空対空装備構成では約1.28:1、アフターバーナー作動時かつ全装備搭載時には最大1.30:1に達する。この高い比率は垂直加速を可能にし、優れた機動性を提供する。

F-15Eの設計と技術は、F-22やF-35と比べても、制空権確保や地上攻撃任務において極めて競争力がある。これらの任務では、高高度での能力と高速性能が成功の鍵となる。

F-15の卓越した戦闘記録

F-15は104機の撃墜を記録し、自機損失ゼロという驚異的な空対空戦闘成績を収めている。この圧倒的な優位性は、優れた性能、強力なエンジン、先進的なエイビオニクス、空対空ミサイルに起因する。

砂漠の嵐作戦では、F-15は米国の対空戦勝利41機中36機を記録し、MiG-29、MiG-25、ミラージュF1を撃墜した。米国は2000年代から2010年代にかけての中東紛争でもF-15部隊を効果的に活用した。

F-15は空対空戦闘で撃墜されたことはないが、地上砲火や事故による損失は存在する。それでもその戦績は未だ無敵だ。米空軍はF-15EXイーグルIIの開発を進めており、今後数十年にもわたりF-15の現役運用を継続する計画だ。

F-15 EX イーグルII

イーグルIIは最大22発の空対空ミサイルを含む大量兵装を搭載し、空対空・空対地任務の両方に対応する。

主な改良点にはフライ・バイ・ワイヤシステム、タッチスクリーンディスプレイを備えた近代化されたコックピット、高度な電子戦能力が含まれる。この近代化型はF-35などのステルス機を補完する費用対効果の高い機体として設計されている。

F-15EXイーグルIIの最高速度は高高度でマッハ2.5だが、以前の報告ではマッハ2.9とされている。

アレックス・ホリングス(エアパワー誌)は現代的な中国防空網との潜在的な戦争において、F-15EXが活躍し得る複数のシナリオを示唆している。

F-15EXはステルス機ではないが、ホリングスはE/A-18グラウラーの代替機となり得ると考えている。グラウラーの生産は2027年に終了する予定だ。

「米海軍のEA-18Gグラウラーは、武器・燃料タンク・妨害装置用のハードポイントが合計9箇所あり、最大17,750ポンド(約8,030kg)の武器や装備を吊り下げて飛行できる」とホリングスは記す。

「イーグルIIには12のハードポイントがあり、こうしたシステムに利用可能だ(他の兵器用に最大23まで拡張可能)。さらに驚異的な29,500ポンドの兵器と装備を搭載して飛行できる」と彼は付け加えた。

ボーイングは2024年6月、イーグルIIにグラウラーの新型次世代妨害ポッドを統合し、同機を電子攻撃プラットフォームへ転換する検討を進めていると発表した。これによりイーグルIIは、敵対空域への侵入能力に加え、飛行経路上の味方航空機の生存率向上も担うことになる。

著者について:スティーブ・バレストリエリ

スティーブ・バレストリエリは国家安全保障コラムニストである。米陸軍特殊部隊の下士官および准尉を務めた経歴を持つ。防衛分野の執筆に加え、PatsFans.comでNFLを担当し、プロフットボールライター協会(PFWA)のメンバーでもある。その記事は多くの軍事専門誌で定期的に掲載されている。

Forget the F-22 or F-35: The F-15E Strike Eagle Is America’s Fastest Fighter

By

Steve Balestrieri


2016年1月16日土曜日

主張:F-35、LRS-Bにコスト削減圧力を求める、 F-15E後継機としての登用は可能か



Opinion: Keeping F-35, Bomber Contractors’ Feet To The Fire

Jan 8, 2016 Daniel Z. Katz | Aviation Week & Space Technology

F-15E後継機需要をてこにF-35とLRS-B両事業で競争圧力をかけておくことが可能なはずだ。Credit: USAF Airman 1st Class Joshua Kleinholz

経済学では競争があれば最低価格で最高の製品が手に入ると教える。残念ながら軍用機調達の世界ではこれはあてはまらないようだ。米軍最大の調達事業はF-35共用打撃戦闘機(ロッキード・マーティン)と長距離打撃爆撃機(LRS-B)(ノースロップ・グラマン)だが今後20年以上にわたり、競争状態は発生しない見込みだ。

  1. しかし両事業で競争の圧力をかけることは可能。F-15Eストライク・イーグルの後継機問題により、上記大型事業二件でも費用を最小限に抑え、最大の性能を実現させる効果が生まれる。
  2. だがペンタゴンがこれだけの効果を最初から実現できるだろうか。国防総省がまず期待するのは技術開発・生産準備檀家で、単一契約企業体を選定し、提案書通りの技術を実現する段階だ。生産関連契約多数が成立すると別の契約企業が入り込んできて作業進展が遅れるとこけおどしをかける。
  3. 契約の仕組みで知恵を使えば契約企業の実績が悪くても影響を緩和できるはずだ。ただし一定の限度までだが。業界内で競争状態が製造期間中ずっと存在すればその結果で高い製品品質と低価格が実現する前例は僅かだが存在する。米会計検査院はF-16で二番目のエンジン選択肢を準備したことで納税者の負担は2割も減ったと確認している。
  4. 残念ながらF-35、LRS-Bのいずれにも競争状態はないままだ。F-35では日程からの遅れは6年分になっており、機体単価はほぼ5割上昇したが空軍のF-16、海兵隊のAV-8Bそれぞれで他に選択肢はなく、海軍も有人戦闘機でステルス機の選択肢がない。LRS-Bの方ではもう少しまともな成果が出ることを期待するばかりだが、現在出ているボーイングによる不服申請の手続きが終われば、やはり無競争状態になってしまう。競合相手がいればコストを中核的な比較条件にし、空軍内部の迅速戦略整備室が納期と予算の目標に合致した事業展開を進めたはずだ。だが現実にはB-52やB-1の後継機としてはLRS-Bを100機生産する以外にない。
  5. 少しでも競争環境を生む圧力をF-35やLRS-Bで実現できないだろうか。そこでF-15Eの後継機問題が出てくる。米空軍はF-15E217機対象に改修作業中だが、完成すれば2040年頃までは実用に耐える攻撃戦闘機として稼働できる。
  6. さいわいにF-35もLRS-Bもその頃には生産がほぼ最終段階に達しているはずだ。ペイロードや機体コストを考えると両機種とも攻撃機として投入が可能なはずだ。最新資料ではF-35Aの機体調達単価は2037年で83.5百万ドル、また1,763機の平均では103百万ドルになるという。LRS-Bではほとんど資料が公開されていないが、例外的に上限価格帯は判明している。まず100機分の平均調達単価は607百万ドル(ただし2016年度貨幣価値で)である。つまりLRS-Bは単純に言ってF-35Aの六倍高いことになる。ペイロードの比較はもっとむずかしい。LRS-Bの性能諸元が非公開のためだが、LRS-BのウェポンベイでB-1Bが搭載する2,000ポンド爆弾が運用可能であるはずなので、爆弾搭載量でF-35Aの4.8倍だ。
  7. 無論、性能が優先する。LRS-Bが航続距離でF-35Aを大きく引き離し、ステルス性能も高く、より多くを搭載できる。一方で、LRS-Bが空対空ミサイルを搭載する可能性は少ないし、超音速まで一気に加速することもないだろう。そうなるとどちらを取るかは簡単ではないが、いずれか一方、あるいは両機種がF-15Eの任務を引き継ぐことは可能だ。
  8. 効果は大きい。F-35Aを200機追加生産するのか、LRS-Bをあと40機生産すれば200億ドル規模の事業になる。政府にとっての利点はすぐに発生する。ロッキードとノースロップはともに既存事業で遅延や費用超過を発生させればF-15E後継機の受注が遠のくことを理解できるはずだ。
  9. これ以外の機体が登場する可能性として第六世代戦闘機またはステルス無人戦闘航空機がF-15E後継機の候補になるかもしれない。仮に新型機が時宜にかなった形で生産に入れば、選択肢が広がり、競争が活性化される。ペンタゴンはまずF-15E後継機としてF-35とLRS-Bを候補として考えると発表すれば、両機種の事業で競争圧力が生まれることになる。これを実施すれば納税者にも数十億ドルの節減効果が生まれるとともに高性能の機体が手に入る事になるはずだ。■
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ドワイト・Z・カッツはAviation Week Intelligence and Data Servicesで国防アナリスト次席を務めるが、米陸軍で特殊部隊隊員として従軍のあと、国防長官官房で勤務した経験がある。