ラベル 2022 年11月15日ポーランドへのミサイル誤射問題 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2022年11月17日木曜日

ポーランド巻き添え被害はウクライナ対空ミサイルの可能性。しかし、そもそもロシアが新公開したため発生した被害でロシアに責があるとのNATO見解。ロシアが嘘をついていないとしたら珍しい。

  

Polish National Police

 

ウクライナのミサイル誤射でポーランド人2名が死亡した証拠が増えつつあるが、NATOは最終的にはロシアに責任があるとしている

 

 

 

ーランド、米国、その他NATO当局者は、入手可能な証拠から、昨日ポーランド農場で2人が死亡した事件は、ウクライナの地対空ミサイルの誤射によるものであるののが次第に明らかになってきたと述べている。しかし、状況の詳細は不明のままであり、ウクライナとロシアの当局は、非難し合っている。

 

争点となっていないのは、ウクライナ国境から約5マイルに位置するポーランドのプルシュトゥフPrzewodów村の農場に弾丸またはその残骸が命中し、2名が死亡したことだ。この事件は、ウクライナが、ポーランドに近いリヴィウ地方含む同国の電力網を主な標的としたロシアのミサイルの大規模攻撃にさらされ発生したものである。

 

 

 

ポーランド、プルシュトフで2人が死亡したミサイルの爆発地点の横にいる警察官。Omar Marques/Getty Images

 

ポーランド当局は現在も調査を続けているが、同国のマテウシュ・モラヴィエツキ首相とアンドレイ・ドゥダ大統領は本日、これまでに集まった証拠から、ロシアのミサイル攻撃の過程で発射されたウクライナ地対空ミサイルが、プルシュトゥフを襲った可能性が高いと述べている。

 

「ウクライナ軍は、ロシアの大規模攻撃に対抗して、昨日、ロシアのミサイルを撃墜するためミサイルを発射した」とモラヴィエツキは今日の記者会見で述べたた。「ミサイルの一つは、意図がないまま、ポーランド領土に落下したことを示す多くの兆候がある」。

 

「ロシア軍が発射したロケットであるという証拠は今のところ見つかっていない」と、ドゥダ大統領は別の場で述べている。「しかし、ウクライナの対ミサイル防衛ミサイルである証拠が多数ある」。

 

「予備的な分析では、この事件はロシアの巡航ミサイル攻撃からウクライナ領土を守るため発射されたウクライナ防空ミサイルによって引き起こされた可能性が高い」 と、NATO事務総長のイェンス・ストルテンベルグもブリュッセルで記者団に語った。ストルテンベルグ事務総長はまた、調査が完了するまで、同盟の第4条に基づくNATO大使の緊急会合は行われないと述べた。

 

ロイド・オースティン米国防長官は本日の記者会見で、「我々はポーランド政府によるこの爆発事件の調査を全面的に信頼しており、...彼らの仕事を先取りすることはない」と述べた。しかし、オースティン長官は、ポーランドの首相と大統領によるこれまでの公的評価と「矛盾する」ものは、今のところ見つかっていないと付け加えた。

 

ジョー・バイデン米大統領は昨日、「軌道を考えると、ロシアから発射されたとは考えにくい」と述べていたが、別の場所から発射されたロシアの兵器である可能性をまだ残している。

 

AP通信の最初の報道では、匿名米情報筋の話として、ロシアのミサイルがプルシュトゥフPrzewodówを攻撃したと伝えていたが、同通信や他の報道機関は、他の無名の米当局者の情報に基づいて、ウクライナの地対空ミサイルが犯人である可能性が高いとも報じている。

 

また、NATO軍がポーランドに着弾したミサイルを追跡し、どこから来たのか、誰が発射したのかを確認できたという報告もある。米空軍や他のNATO加盟国が運用するE-3セントリー空中警戒管制システム(AWACS)レーダー機や、この地域を定期飛行していると知られている他の情報・監視・偵察(ISR)機、地上の各種レーダーが、ミサイルの飛行の様々な部分に関するデータを記録した可能性があるが、情報が様々な要因で不完全なものだった可能性もある。

具体的にどのようなミサイルが国境を越えてプルシュトゥフの農場を襲ったのかは不明だが、ポーランドのドゥダ大統領は地対空ミサイルシステム「S-300」が発射された可能性に言及している。専門家やオブザーバーは現場の画像に写っている破片が5V55ミサイルのものである可能性を指摘しているが、これは未確認のままだ。

 

ウクライナ軍とロシア軍は、ともにS-300システムを採用している。ロシアはS-300を地対地用にも使用しており、長距離精密スタンドオフ弾の在庫が減少しているため、S-300は陸上攻撃用として精度が低いにもかかわらず、このギャップを埋めるためますます使用されるようになってきている。隣国ベラルーシを含むロシアのS-300部隊が発射するミサイルが、プルシュトゥフを攻撃できる射程があるかは、不明である。

 

しかし、長距離地対空ミサイルが大きく外れて着弾した例も知られている。また、ウクライナ紛争では、爆発物を搭載したとされるTu-141「Strizh」高速ドローンが、NATO加盟国クロアチアの首都ザグレブに落下したことが既に報告されている。

 

また、プルシュトゥフを襲ったのがミサイル一発だったもまだ明らかではない。ポーランドメディアは当初、ウクライナ国境付近の農場に2発が落ちたと報じたが、これは単に1発のミサイルの複数部分を複数兵器と見間違えた目撃情報とも考えられる。

 

ロシアとウクライナの両政府は、この事件に対する責任を否定し続けている。

 

ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は本日、「我々のミサイルやミサイル攻撃ではないことに疑いはない」と述べた。「我々は調査に参加しなければならない」

 

「我々はポーランドにミサイルが着弾した事件の共同調査を提唱する」とウクライナ国家安全保障・防衛評議会のオレクシー・ダニロフ長官Oleksiy Daniloもツイートで書いた。「我々は、我々が持っているロシアの痕跡の証拠を渡す準備ができています。我々はパートナーからの情報を期待しており、それに基づいて(ウクライナの)防空ミサイルであるという結論が出された」。

 

「ロシアは欧州大陸東部を予測不可能な戦場にした。意図、実行手段、リスク、エスカレーション、すべてロシアからのものだ」と、ゼレンスキー大統領の最高顧問ミハイロ・ポドリアクMykhailo PodolyakはCNNに声明で語った。「今回のミサイル事件は、それ以外に説明がつかない。侵略国が、ヨーロッパ大陸の大国に対して、旧式のソ連兵器で意図的に大規模なミサイル攻撃を行えば、遅かれ早かれ、他国の領土にも悲劇が起こる」。

 

ポドリアクは昨日、ロシアがポーランドを意図的に攻撃したが、それを「間違い」と枠付けするという主張をツイートしていたが、いずれもまだ立証されていない。

ウクライナのドミトロ・クレバ外相も昨日、ウクライナのミサイルがポーランドを攻撃したかもしれないという考えは「陰謀論」で、ロシアのプロパガンダ以外の何物でもないと述べた。

 

ロシア国防省はテレグラム・チャンネルに掲載した声明で、「高精度の攻撃はウクライナ国内にある標的のみに行われ、ウクライナとポーランドの国境から35キロ(約22マイル)以内であることを強調したい」と述べている。「11月15日夜、ポーランドで公開されたプリスティフで発見された残骸の映像は、ロシアの防衛産業複合体の専門家によって、ウクライナ空軍のS-300防空誘導弾の一部であると確実に確認された。プルシュトゥフに「ロシアのロケット」が落下したとするウクライナの各種情報源や外国当局者の発言は、事態をエスカレートさせることを目的とした意図的な挑発だ」。

 

ロシア当局は、この事件がある種の意図的な挑発であるという主張の証拠を提示していない。また、ロシアのミサイルがコースを外れたとか、何らかの照準ミスがあったとか、ウクライナの地対空ミサイルがポーランドに落下する前のある時点でロシアのミサイルを積極的に追尾していたということも、もちろん否定できないだろう。

 

ウクライナの地対空ミサイルが今回の致命的な事故を引き起こしたことが決定的になった場合、ウクライナとNATOの関係に悪影響が及ぶのではないかという議論がなされている。しかし、NATOはすでに、プルシュトゥフで起こったことが意図的な攻撃であった兆候はなく、いずれにしてもロシアが真犯人であるという同盟全体の立場を採用しているようである。ポーランド、米国、その他のNATO加盟国の政府関係者は、ロシアがウクライナにミサイルを発射していなければ、このような事態は全く起こらなかったという見解を明らかにしている。

 

 

ウクライナ議会の国家安全保障・防衛・情報委員会のメンバーで、同議会の大統領代理フェディール・ヴェニスラフスキーFedir Venislavskyiは、本日、NATOのいかなる行動も期待していないと発言した。同時に、ポーランド領内での死亡事故が、ウクライナへの防空資産の追加提供に拍車をかけることを期待していると付け加えた。米国主導の国防コンタクトグループは本日、ウクライナへのさらなる軍事支援を話し合うため仮想会議を開催し、すでに航空・ミサイル防衛システムが議論の大きな部分を占めている。

 

「昨日の出来事によって、ウクライナに最新の対ミサイル防衛システムを提供することについて、より決定的な質問ができるようになると思うし、ポーランド共和国の領土で起こった事件の仮定の再現さえ不可能になるだろう」と、ベニスラフスキーは今日ウクライナ・メディア・センターでのブリーフィングで記者団に語った。

 

「しかし、私の意見では、軍事的な性質の具体的な行動があることを期待する価値はほとんどないだろう。

 

プルシュトゥフ事件の調査がどのような結論を出すにせよ、ウクライナでの紛争が近隣諸国に飛び火する可能性や、ロシアとNATOの緊張の危険なエスカレーションにつながる将来の事件に対する懸念が、長年の懸念として強調されたことは確かである。ポーランドはすでに自国の軍隊の一部を厳戒態勢に置き、同国の空域の監視を強めている。

 

同時に、NATOは少なくとも今回、このような事態に対応するため、慎重な行動を取る能力を示した。また、NATOはこの過程で、誤算や意図の誤解を避けるために活用できる重要情報の流れを持っていることを示した。NATO当局は、2月のロシアの全面侵攻以前から、同盟の東側での防衛態勢強化に動いていたが、同時に、紛争拡大を積極的に阻止しようとしていると繰り返し明らかにしてきた。

 

昨日のポーランド住民2名の死は、戦闘に関与していない国も、隣国の紛争によって、現実的なリスクに直面していることを浮き彫りにした形だ。

 

 

Ukrainian Surface-To-Air Missile Likely To Blame For Deadly Incident In Poland NATO Says

BYHOWARD ALTMAN, JOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED NOV 16, 2022 3:18 PM

THE WAR ZONE


2022年11月16日水曜日

ポーランドへのミサイル誤射で念入りな調査を。拙速でNATO憲章を発動させれば対ロシア戦に発展してしまう。しかし、事実が判明したら...

 

A U.S. Air Force F-35 Lightning II aircraft assigned to the 34th Fighter Squadron receives fuel from a KC-10 Extender aircraft over Poland, February 24, 2022. U.S. Air Force/Senior Airman Joseph Barron/Handout via REUTERS THIS IMAGE HAS BEEN SUPPLIED BY A THIRD PARTY. TPX IMAGES OF THE DAY

日は、昨年2月にロシアのウクライナ侵攻で、最も大きな戦果が生まれた日になった。まず、ゼレンスキーがG20で演説し、ロシアはウクライナのインフラへの大規模なミサイル攻撃で応戦した。さらに今日の午後遅く、ロシアのミサイルが迷走してNATO加盟国ポーランドに着弾し、2人の民間人が死亡したとの報道が出てきた。

NATO憲章第5条は、ポーランドを、そして暗に他の同盟国を、ロシアとの戦争に引きずり込むのだろうか。

東欧の情勢は急過熱している。アメリカ国民全員が、国家の安全保障にとって何が問題なのか、憲法とNATOの同盟国の両方にどんな義務があるのかを確実に理解することが重要だ。

ウクライナとロシアの戦争は、2月から激化しており、すでに何度も揺れ動き、双方に大きな犠牲者を出している。本日、ゼレンスキーはG20サミットのビデオ会議で演説し、事態はさらにヒートアップした。その中で彼は、ウクライナ全領土を取り戻すまで「我々は戦う」と再び力強く宣言した。そして、10項目の「平和プラン」を発表し、そのうちの6項目は、ロシアがウクライナから一方的に全軍を撤退し、戦闘を停止することを要求している。

プーチンはこれを降伏の要求と受け止め、数時間後に最大かつ最も厳しいミサイル攻撃を開始した。11月1日までに、ロシアのロケットとミサイル攻撃で、ウクライナのエネルギーインフラの40%が破壊された。しかし、ゼレンスキー演説後、クレムリンは100発以上の巡航ミサイルを放ち、20数都市を攻撃し、ウクライナのエネルギーインフラをさらに破壊し、都市全体を暗闇に陥れた。しかし、この日の深夜、NATOは息を呑むような事態に見舞われた。

多くの報道によると、ロシアの誤射ミサイルがNATO加盟国のポーランドに着弾し、ポーランドの民間人が死亡したとされている。この記事を書いている時点では、ロシアが意図的にポーランドを狙ったのか、それとも標的を外した誤射なのか、あるいはウクライナのS-300防空ミサイルがロシアの100発のミサイルのうち1発を外し、ポーランドに着弾したのかは不明だ。明日、太陽が昇れば、ポーランド当局はよりよく調査し、事実を提供することができるだろう。

しかし、すでに多くの声が、これがNATO、ひいては米国をロシアとの直接対決に引き込み、戦争の当事者となる可能性があると推測している。9月時点でバイデンは、米国と大西洋同盟はロシアのいかなる侵略からも「NATOの領土の隅々まで守り抜く」と宣言していた。ウクライナの国会議員であるレシア・ヴァシレンコは、今回のミサイル攻撃について「@NATOの第5条の反応が必要だ」とツイートした。

第5条(「ゴー・トゥ・ウォー条項」と誤って呼ばれることもある)の使用を提案するには、まず、NATO憲章が加盟国に義務づけていることと義務づけていないことを理解する必要がある。第5条は、NATO加盟国が「欧州または北米の1カ国以上に対する武力攻撃は、加盟国全体に対する攻撃とみなすことに同意する」とし、それぞれが「武力の行使を含め、必要と考える行動」をとることによって「攻撃を受けた加盟国を支援する」と定めている。

NATO憲章のもう一つの重要な規定を、忘れられがちだが、非常に重要な意味がある。憲章第11条は、全加盟国が「それぞれの憲法上の手続きにしたがって」条約の規定を実施すると定めている。

これを総合すると、米国にとっては、NATO加盟国が攻撃された場合、米国議会と大統領が必要と考える行動をとってよいということになる。重要なことは、NATO憲章が、第1条第8項第11節で米国議会に与えられている憲法上の唯一の戦争決定権に取って代わるものではないことである。しかし、今回ポーランドで起きたこと、起きなかったことに関連し、もう一つ決定的な違いがある。

第5条を発動するためには、NATO加盟国に対する攻撃がなければならない。どう見ても、これはロシアのミサイルか、ウクライナの防空ミサイルが標的を外れて迷い込んだかのどちらかだ。第5条の発動が真剣に検討するためには、意図的な攻撃が実際にあったことが必要である。NATO同盟の本質は戦争を防ぐための相互防衛条約であり、その不用意な運用が同盟を世界最大の核兵器保有国との戦争に突入させるメカニズムでないことは言うまでもない。.

米国もポーランドもNATOも、今は性急な判断を避け、徹底的に調査し、事実が明らかになった段階で、NATOによるさらなる行動が正当化されるかを検討するべきだ。アメリカにとって最も重要な国益は、現在も今後も、ウクライナでの戦闘を不必要にエスカレートさせ、不必要かつ勝ち目のない戦争に引きずり込むことを回避することである。■

Is A NATO vs. Russia War Possible over Poland Missile Strike? - 19FortyFive

ByDaniel Davis

Also a 1945 Contributing Editor, Daniel L. Davis is a Senior Fellow for Defense Priorities and a former Lt. Col. in the U.S. Army who deployed into combat zones four times. He is the author of “The Eleventh Hour in 2020 America.” Follow him @DanielLDavis