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2025年5月15日木曜日

独占 日本向けF-35Bの1号機が初飛行(The Aviationist)

 First F-35B Japan

初飛行中の日本向けF-35B初号機。(全画像、クレジット:Gherardo and Victoria Fontana)

F-35Bの主翼にかろうじて日本のマーキングが見える

航空自衛隊初のF-35Bのクローズアップ。


空自衛隊に納入されるF-35BライトニングII合計42機の最初の機体が姿を現した。

 F-35B BX-1は2025年5月12日、テキサス州フォートワースのNAS統合予備基地にあるロッキード・マーティン施設から初飛行に成功した。 現地時間16:08から約1時間にわたって行われた初飛行の様子を、本誌の友人であり貢献者でもあるGherardoとVictoria Fontanaが捉えた。

 新しく製造された航空機の初飛行では、いつものようにF-35BはATACのミラージュF-1に護衛された。注目すべきは、機体にまだ完全なマーキングが施されていないことで、キャノピーとフラペロンの下に201という機体番号と、主翼に日本の丸いマークがステンシルされているだけである。

 この初飛行は、正式なロールアウト・セレモニーに先立つものではなかったか、少なくとも公表されていなかったようだ。また、このマイルストーンは、2024年度中に予定されていた航空自衛隊へのF-35B初号機6機の納入が2025年度中に延期されたという2025年1月のニュースに続くものである。

 日本はF-35Bの第一陣を、海上自衛隊呉基地(広島県呉市)の母港に近いことから、九州南部に位置する新田原基地に駐留させる計画だ。 F-35Bの導入に向けた臨時飛行隊の設置は、新田原で予定通り進められ、2024年度末(2025年3月31日)までに実施される予定だった。

 F-35B初号機により、日本は現在、米海兵隊、イタリア空軍と海軍、英空軍と英海軍を含むF-35Bの少数の運用国に加わることになる。 シンガポールのRSAF(シンガポール共和国空軍)もB型を受領することになっている。


日本のF-35B取得

当初はF-35Aのみを取得していたが、日本は2018年、能力を強化し、2隻の空母、小規模な滑走路、離島から運用するため、F-35Bを42機調達することを決定した。この42機は、日本が運用を計画している147機のF-35の一部となる。

 この計画は、日本の2019-2023中期防衛計画で正式に承認されたもので、当時計画されていた47機のF-35のうち18機がSTOVL(短距離離陸垂直着陸)型になると言及されていた。 その後、F-35Bは42機に増産された。

 調達は2020年に米国に承認され、63機のF-35Aと42機のF-35B、合計105機が含まれた。国防総省安全保障協力局の議会への通達によると、売却額は約231億1000万ドル相当と報告されている。

 F-35は147機が配備され、日本は米国に次いで2番目に大きなF-35運用国となる。日本はまた、F-35ライトニングIIプログラムのための3つの最終組立・チェックアウト(FACO)施設のうちの1つを名古屋に保有している。FACO施設では、航空自衛隊に引き渡されるF-35A機の最終組立とチェックアウト、および北アジア地域の整備、修理、オーバーホール、アップグレード(MRO&U)活動が引き続き行われる。


日本で運用されるF-35B

海上自衛隊のいずも型DDH(ヘリコプター搭載駆逐艦)2隻は、F-35Bの運用を可能にするため、現在改装中である。 新型機の到着に備えるため、日本はイタリア海軍やイギリス海軍など、すでにF-35を運用している他国のF-35運用を研究している。

 F-35Bはこれまで2度、日本の艦艇を使った試験を行っており、「いずも」は2021年に飛行作戦を実施し、「かが」ではつい最近、F-35Bが甲板に着艦した。 これらのテストはいずれも、日本以外のジェット機とパイロットで実施された。「いずも」は2027年にF-35Bの運用を開始し、「かが」はその1年後の2028年にF-35Bの運用を開始する予定だ。

 興味深いことに、F-35Bは海上自衛隊の艦艇で運用される予定だが、F-35B自体は航空自衛隊が運用する。海上自衛隊は、F-15J/DJやF-2A/Bといった従来型の戦闘機と並んで、最大105機のF-35A CTOL(通常離着陸機)と42機のF-35B V/STOVL戦闘機を運用することになる。■



Exclusive: First Japanese F-35B Makes Maiden Flight

Published on: May 13, 2025 at 11:59 AM Stefano D'Urso


https://theaviationist.com/2025/05/13/first-japanese-f-35b-maiden-flight/


Stefano D'Ursoはイタリアのレッチェを拠点とするフリーランスのジャーナリストであり、TheAviationistへの寄稿者でもある。産業工学を専攻し、航空宇宙工学の修士号取得を目指している。電子戦、滞空弾、OSINT技術を軍事作戦や現在の紛争に応用することが専門分野。


2025年2月13日木曜日

米海兵隊が空母艦載F-35Cの購入を増やし、B型調達を減らす方針を示す(Defense One)―B型削減分はC型調達追加に回し、ロッキードを心配させない配慮なのでしょうか。

 


海兵隊の新航空計画ではUAVの購入計画が拡大しないことに疑問の声が出ている


海兵隊の新しい航空戦力計画では、空母搭載型のF-35C調達を倍増し、短距離離陸垂直着陸型のF-35Bの購入を縮小する。

 月曜日に発表された2025年海兵隊航空計画によると、海兵隊のF-35購入総数420機は変わらないが、F-35Bは353機の予定が280機へ、F-35Cは67機の予定から140機を購入する。これは、海兵隊がF-35Bを12個飛行隊、F-35Cを8個飛行隊配備することを意味する。注目すべきは、この計画ではF-35飛行隊の規模も10機から12機に拡大していることだ。

 ロッキード・マーチンは声明で「当社は、世界最先端の航空機で重要任務を遂行するのに最適なF-35の機種構成を調整するという米海兵隊の決定を支持する」と述べた。

 フォーキャスト・インターナショナルの軍事航空宇宙アナリスト、ジョン・ヘムラーは、F-35Cを追加購入する決定は、「空母艦載機による作戦をより優先させる」こと、そしてインド太平洋地域の各国部隊との統合を迅速に進めたいという願望を示唆している、と語った。

 しかし、戦略国際問題研究センターの上級顧問マーク・カンシアンは、この計画には驚クべき点があると語った。F-35のコストと脆弱性から、フォース・デザイン2030にはふさわしくないとデビッド・バーガー前司令官が示唆していたにもかかわらず、計画でF-35の購入全体の削減を要求していない点だと言う。

 この計画には、無人航空機の購入計画の拡大も欠けている、とカンシアンは言う。「一時期、海兵隊は航空機の40%を無人機にすると言っていた。 陸軍が約200機、空軍が約250機のMQ-9を保有しているのに対し、海兵隊は18機しか保有していない」と指摘する。

 この文書は、海兵隊が3年ぶりに航空計画を公に更新したもので、「プロジェクト・イーグル」と呼ばれる取り組み、つまり今後15年間の海兵隊航空に関する「戦略的道筋」を詳述したものだ。

 「プロジェクト・イーグル戦略は、海兵隊が信頼し、頼りにする航空能力の維持と強化に重点を置くことを必要とする、海兵隊航空の将来の道を示すものである。 ブラッドフォード・ゲーリング中将(航空担当)は文書の中で、「複数のプラットフォームが移行する中、戦闘指揮官が必要とする持続的な到達力と殺傷力を提供するため、固定翼機、回転翼機、無人機材の近代化を続けていく」と述べた。■


Marines aim to buy more carrier-based F-35s, fewer VTOLs

Corps’ new aviation plan also expands squadrons—but not UAV-buying plans.

BY AUDREY DECKER

STAFF WRITER

FEBRUARY 4, 2025

https://www.defenseone.com/policy/2025/02/marines-aim-buy-more-carrier-based-f-35s-fewer-vtols/402759/?oref=d1-homepage-river


2025年1月13日月曜日

日本へのF-35B初号機納入が遅れる(The Aviationist)―日本国憲法の高邁な理念と実態との乖離がここまできているのに憲法改正の動きがなぜ盛り上がらないのでしょうか。知的な怠慢と言われても仕方ない気がします。


Japan F-35B delayed

2024年11月2日、東太平洋で海上自衛隊いずも型多機能護衛艦「かが」(DDH184)に垂直着陸するF-35BライトニングII。 (画像出典:F-35ライトニングII パックスリバーITF/ダリン・ラッセル)

谷防衛大臣の発表によると、F-35BライトニングII戦闘機6機の日本への納入は、2024年度に予定されていたが、2025年度に延期された。

航空自衛隊への最初のF-35B戦闘機6機の引き渡しは、2024年度(2025年3月31日まで)に予定されていたが、2025年度に延期された。 具体的な納入時期については現在協議中だ。 防衛大臣は延期の理由を明らかにしていない。

 同機の製造元ロッキード・マーティンは、国防総省が2024年7月にF-35の全生産ラインに対する1年間の一時停止を解除した後、納入を再開した。自国軍と海外の顧客両方への納入が一時停止していたのは、TR-3(テクノロジー・リフレッシュ3)のアップグレードが開発中で時期尚早だったためである。

 日本は、F-35Bの最初のバッチを、現在F-15J/DJ迎撃ミサイルを装備している九州南部の新田原基地に駐留させる。これは、同基地が「かが」の母港海上自衛隊呉基地に近いためだ。F-35Bの導入に向けた臨時飛行隊の設置は、新田原で計画通り進められ、2024年度末までに実施される。

着艦したF-35Bを受け取る準備をする人員。 (画像出典:英国海軍

中谷防衛大臣は、「今回の納入遅延による大きな影響はないと理解しているが、いずれにせよ、影響を最小限に抑えるため、配備に向けて米側と引き続き協力し、今年度中に設置される臨時F-35B飛行隊の配備受け入れに向けた作業を着実に進めていく」と述べた。今後の配備は、この遅れの影響を受けることはないはずだ」とも付け加えた。


F-35B

大人気のF-35のB型は、STOVL(短距離離陸・垂直着陸)プラットフォームで、パイロットは垂直離着陸や非常に短い滑走路から離着陸ができる 当初はUSMC(アメリカ海兵隊)のために設計されたもので、USMCが主要なオペレーターである。

 また、シンガポールのRSAF(シンガポール共和国空軍)も、航空自衛隊とともに、将来的にB型を受領する予定である。ステルス戦闘機F-35Bは、AV-8Bハリアー以外に唯一実戦配備可能なSTOVL戦闘機であるため、オペレーターは滑走路から、あるいは適切な滑走路のない場所からも飛ばすことができ、大きな利点と柔軟性が生まれる。

ホバリングするVMFAT-502のF-35B。 (画像クレジット:Kai Martin)


F-35Bは高度なマルチロール能力を発揮する設計で、パイロットはF-35Bを "ステルス戦闘機のスイスアーミーナイフ "と定義している。F-35は「戦闘装備を満載して約500フィートで離陸し、マッハ1.6以上で超音速飛行を行い、ステルス能力を活用する」ことができる。

 F-35BのSTOVL能力の中心は、旋回ノズルとリフトファンを組み込んだ革新的な推進システムである。 この構成により、通常飛行と垂直飛行をシームレスに移行することができ、またAV-8BハリアーIIと比較して、より大きなペイロード容量と航続距離を提供する。しかし、F-35Bの武器ベイは、リフトファンによって利用可能なスペースが制限されるため、A型より小さくなっている。

 F-35Aと同様に、F-35Bは先進の低観測技術、AN/APG-81 AESAレーダー、分散開口システム(DAS)、電気光学照準システム(EOTS)を統合している。これらのセンサーや多機能高度データリンク(MADL)を介し接続された他のF-35からのデータをコックピットの大型ディスプレイ(LAD)やパイロットのヘルメット・マウント・ディスプレイ(HMD)に融合させることで、激しい戦闘環境下でも高い状況認識が保証される。


日本で運用されるF-35B

海上自衛隊のいずも級DDH(ヘリコプター搭載駆逐艦)2隻は、F-35Bの運用を可能にするために改装を受けた。 新型機の到着に備え、日本はイタリア海軍やイギリス海軍など、すでにF-35を運用している他国のF-35運用を研究した。

 F-35Bはこれまで2度、日本の艦艇を使った試験を行っており、「いずも」は2021年に飛行作戦を実施し、「かが」はつい最近、F-35Bが甲板に着艦した。これらのテストはいずれも、日本以外のジェット機とパイロットで実施された。「いずも」は2027年にF-35Bの運用を開始し、「かが」は2028年に運用開始する予定だ。


2024年11月2日、東太平洋で開発試験中の海上自衛隊いずも型多機能護衛艦「かが」(DDH184)に垂直着陸するF-35BライトニングII。

(Image credit: F-35 Lightning II Pax River ITF/Dane Wiedmann)

興味深いことに、F-35Bは海上自衛隊の艦艇で運用される予定だが、F-35B自体は航空自衛隊が運用する。海上自衛隊は、最大105機のF-35A CTOL(通常離着陸機)と42機のF-35B V/STOVL戦闘機を運用する計画だ。

 海上自衛隊はまた、戦闘機は運用しないものの、固定翼機も運用している。 固定翼機は主に、P-3やその後継機である国産P-1などの哨戒機、C-130や新明和US-2水陸両用機などの輸送機で構成されている。」


日本の空母運用が始まる

「いずも」と「かが」両艦は、F-35BライトニングII STOVL(Short Take-Off Vertical-Lanning)を運用できるように飛行甲板を改修し、"ライトニング空母 "となる。「 いずも」は2021年に耐熱塗料で飛行甲板をコーティングする第1段階改修を受け、その後、米海兵隊と協力してF-35Bの初着艦を見た。

 「かが」の改修工事は2022年3月に広島の呉造船所で開始された。その後、海上自衛隊は2024年に再整備後の画像を公開し、元の台形の飛行甲板に代わって新しい長方形の飛行甲板を示した。「 いずも」の新しい飛行甲板の工事は、2024年度末までに開始される予定である。

Izumo

2024年6月21日、グアム近海で行われたノーベル・レイヴン演習で一緒に航行するJSいずもとUSSラファエル・ペラルタ。(Image credit: JMSDF/Japan MoD)


F-35B運用をサポートするため、2隻の内部コンパートメントとインフラを手直しするが。日本国憲法は空母含む攻撃的兵器の保有を禁じているため、作業終了後も両艦は「いずも型多機能護衛艦」と呼ばれる。

 この艦船とF-35Bの防御重視の姿勢は、米国の専門家も強調している。「いずも級艦船からF-35Bを運用することで、海上自衛隊は監視・偵察と防衛兵器の射程を数百マイル伸ばすことができる。「攻撃してくる艦船や航空機が武器を発射する前に探知し、破壊することは、自衛艦隊を防衛する最善の手段である。短期的には、「いずも」級艦船をSTOVL戦術機運用用に改造することで、自衛隊、陸上自衛隊、米軍と連携して、制海権戦略に必要な攻撃戦術を実施する効果的な手段を自衛隊に提供することができる」。■



Delivery of the First F-35Bs to Japan Delayed

Published on: January 12, 2025 at 6:33 PM

 Rin Sakurai

 Stefano D'Urso

https://theaviationist.com/2025/01/12/japan-f-35b-delivery-delayed/




2023年12月18日月曜日

英海軍にF-35Bで飛行隊が復活、ただし同型機の導入に関し疑問が残ったまま大きな決断を迫られそうだ

 


英海軍は空母2隻を建造ずみで、F-35Bを運用する想定で31機をすでに受領しており、74機までの調達を想定しています。ただし、ここに来て費用対効果を考え疑問が生じてきたようです。空母運用部隊は空軍との混成部隊あるいは米海兵隊の運用まで構想があるようですが、どうなるのでしょう。Warrior Maven記事からのご紹介です。


An F-35B from No. 617 Squadron conducting carrier qualifications on HMS <em>Queen Elizabeth</em>. <em>Crown Copyright</em>

An F-35B from No. 617 Squadron conducting carrier qualifications on HMS Queen Elizabeth. Crown Copyright





海軍のF-35B部隊は2番目の最前線部隊となったが、どの型式を追加購入すべきかという今後の計画は宙に浮いたままだ。


英国のF-35B統合打撃戦闘機が、英海軍の飛行隊によって初めて運用され、最終的には英国空軍の飛行隊と一緒に空母に搭載されることになる。イギリスが実際にF-35Bを何機購入するのかという疑問が続く中、このマイルストーンは長い間待ち望まれていたものであり、完全な運用能力(両飛行中隊が同時展開できるようになること)は2025年まで待たなければならない。

 イギリス海軍の809海軍航空隊(NAS)は本日、イギリス東部ノーフォークのマーハム空軍基地でF-35Bとともに再就役した。「不滅」をモットーに活動するこの部隊は、ライトニング部隊で2番目の最前線F-35B飛行隊である。イギリス空軍の「ダムバスターズ」こと第617飛行隊と同様、イギリス海軍とイギリス空軍によって共同運用され、最終的にはクイーン・エリザベス級空母2隻に短距離離陸・垂直着陸(STOVL)ジェット機を搭載する。

 F-35Bを飛行させる他の2つの英国部隊は、運用訓練のためにマーハム空軍基地にある第207飛行隊と、F-35Bの運用試験と評価を行うカリフォーニア州エドワーズ空軍基地に駐留する第17飛行隊が任務を担っている。米国を拠点とするF-35のテスト活動は、最近、オーストラリアと英国が参加し、連合作戦テストチーム(UOTT)は、ブロック4バージョンのテストと評価だけでなく、目視範囲を超える空対空ミサイル「メテオ」のような米国以外の兵器のテストと評価も行っている。

 809 NASは1941年に設立され、当初はフェアリー・フルマーを使用していたが、第二次世界大戦終結前にスーパーマリン・シーファイアーで再装備した。戦後、同飛行隊はデ・ハビランド・シーホーネットと同じ会社のシーヴェノムを飛行させた後、ブラックバーン・バッカニア空母攻撃機を受領した。同飛行隊は、フォークランド紛争で実戦投入されたSTOVLシーハリアーで復帰する前に、1978年に英国の正規空母運用の終了とともに解隊し、1982年12月以来、休眠状態にあった。

 2022年9月、英国国防省は809NASが「2023年第2四半期に立ち上がる予定」であり、2025年の完全運用能力(FOC)につながると発表した。しかし、このスケジュールの一部がずれたことが確認された。飛行隊の再就役は2023年末になるが、FOCは2025年と予測されている。

 FOCが達成されれば、英国のライトニング部隊は2個飛行隊を同時に運用配備できるようになる。これは重要な能力だが、大きなコストがかかり、F-35Bフリートの将来の規模について長年の懸念がある。

 今年5月1日現在、イギリスは31機のF-35Bを受領しているが、そのうちの1機は2021年に地中海での離陸事故で失われ、将来の発注で代替される予定だ。この31機は、「トランシェ1」と呼ばれる48機の初期発注の一部であり、2025年末までに最後の1機が引き渡される予定だ。

 英国国防省は、2015年の戦略的防衛・安全保障見直し(SDSR)で示されたF-35Bの138機保有を目標に掲げていた。しかし、それ以来、予算上の懸念で再考されたようだ。

 これまでのところ、英国国防省は27機のTranche 2を発注する計画を確認している。下院委員会向けに作成された報告書には、次のように記されている:「F-35フリートの最終的な規模、作戦展開、帰属に関する計画についてはあいまいなままであり、プログラムのコストと兵力増加率について継続的な懸念がある」。

 同じ報告書によれば、イギリス空軍の現在の戦闘機隊は「高い能力」を提供している。F-35Bは最高級の能力を備えているかもしれないが、部隊は全体的に兵力の深みを欠いており、消耗を想定した予備機材も不十分である。例えばロシアと戦う紛争の想定で問題となるだろう。約100機が就役しているマルチロール戦闘機タイフーンの初期バージョンを退役させる計画もあり、問題は悪化の一途をたどるだろう。


 国防委員会の報告書は、F-35の追加購入を確約することが、同委員会が「戦闘機不足」と表現する問題に対処する最善の方法である可能性を示唆している。第6世代戦闘機であるテンペストを待ったり、第4世代戦闘機であるタイフーンを買い足しするよりも、F-35なら今すぐにでも入手可能である。


 英国国防省は、現在想定されている74機以外にもF-35を購入する可能性があることに変わりはないが、決定はこの10年の半ば頃になりそうだと述べている。その後、同省は検討するとし、「...将来の作戦環境、敵対しそうな相手の能力、戦闘方法をどのように進化させるか、クイーン・エリザベス空母の耐用年数を通じて計画された戦力要素を維持するために必要な航空機の数。さらに、グローバル・コンバット・エア・プログラムの開発、有人航空機が付加的な能力や無人プラットフォームでどのように運用される可能性があるか、これらすべてがどのようにデジタルで接続される可能性があるか、といった要素も含まれる」。


 しかし、F-35の追加購入は、戦闘機数問題の一部を完成させるにすぎない。また、現在の納入率でも戦力の増強には問題がある。特に、機体を実際に飛行させるための整備員が不足しているのだ。

 F-35の買い増しに関する疑問は、必然的に統合打撃戦闘機の機種の問題につながる。これまでのところ、イギリスは2隻の空母から運用できるSTOVL型F-35Bバージョンにコミットしており、高速道路やその他の即席の滑走路からも運用できる可能性がある。トランシェ2もF-35Bで構成される。F-35Cを調達し、空母にカタパルトとアレスター・ギアを装備する以前の計画は、空母の建造中にコスト面から断念された。

 しかし、通常離着陸(CTOL)のF-35Aは、空母に配備できないことを除けば、一定の利点を提供する。決定的なのは、F-35Aは航続距離と積載量に優れていることだ。F-35Bの戦闘半径は約450海里であり、小型の武器格納庫には2000ポンド級の武器は搭載できないが、F-35Aの戦闘半径は約650海里であり、大型武器を搭載できる。


 もちろん、イギリス海軍はF-35Bが空母の運用に不可欠であることから、F-35AよりもF-35Bを常に支持しており、809NASが設立された今、それはおそらく強化されるだけだろう。

 しかし、F-35A型とF-35B型の混成部隊は、両機種が意味のある数で獲得されるのであれば、将来的にはまだ選択肢となりうる。

 英国王立サービス研究所のジャスティン・ブロンク上級研究員(航空戦力と技術担当)が言うように、「例えば、陸上ベースのF-35を2個飛行隊分購入するのであれば、A型を購入する意味がある。トランシェ2の)27機の上に16機を追加するのであれば、B型にこだわるのが理にかなっている」。


 一方、デビッド・デプトゥーラ元航空戦闘司令部計画・プログラム部長は、国防委員会で「率直に言って、現在からテンペストを導入するまでの間はF-35の購入を検討すべきだ」と述べた。

 全STOVLフリートでは、ジョイント・ライトニング・フォースをどのように運用するのがベストなのかという問題もある。

 ダン・ステンブリッジ少佐(退役)が国防委員会で語ったように、「この政治的な問題は、我々が英国で保有しているF-35は、陸上で運用できる空母搭載型航空システムなのか、それとも海上運用できる陸上搭載型システムなのかということだ。根本的に、それを決めないという選択をしている。そのため、これらのシステムを何に使うかをめぐって二重会計になってしまうのだ」。


 さらに、72機のF-35Bは、英国海軍が提供する約束をしている空母攻撃能力には十分かもしれないが、英国空軍に期待されている陸上ベースの能力を犠牲にすることになる。


 国際戦略研究所のニック・チャイルズ上級研究員(海軍・海上安全保障担当)は2020年9月、英国議会の国防委員会で、空母打撃に使える機材24機という野心を満たすには、F-35Bは48機よりも「かなり多い」数が必要だと考えていると述べた。訓練やその他の需要を考慮すると、60~70機という数字が妥当だろうとチャイルズ氏は主張する。そして、これは空母打撃のためだけであれば十分だろう。

 2021年にインド太平洋に展開するイギリス空母打撃群のためにF-35Bを追加提供したことがあるアメリカ海兵隊との共同作戦が、解決策の一部になるだろう。しかし、これは海兵隊が追加能力を持つことに依存しており、作戦環境でどのような作戦が実施されるにせよ、米政府がその参加を承認する必要がある。



 ライトニング・フォースの将来をめぐる英国の議論に長い影を落としているのは、コストだ。ロッキード・マーティンによると、2020年のF-35Bの単価は1億100万ドルで、この数字は2014年から2022年の間で32%削減されている。とはいえ、単価は依然として予測を上回っている。ブロック4 F-35の導入は、F-35ファミリーにまったく新しいレベルの能力と追加兵器を提供する。英国が適切なタイミングで発注すれば、その構成のF-35を手に入れることになる。同時に、ブロックIVの各機体のコストは、現在ラインオフしている機体に比べて大幅に上昇する。

さらに、機体単価は1つの要素に過ぎず、運用コストと比べるとあまり意味がない。特にF-35Bの維持費は、アメリカ政府も懸念している。



 英国政府が戦闘機隊の機数不足に対処するためには、近いうちに、F-35のユニークで幅広い先進的な能力を費用対効果分析で検討しなければならないだろう。同時に、F-35Aの検討は、ほぼ避けられないと思われる。

 JSFの通常型離着陸バージョンを艦隊に加えることは、イギリス海軍の支持を得られないだろう。しかし当面は、809海軍航空隊「不滅部隊」は、海軍航空の能力再生で目に見えるシンボルとなる。


Royal Navy Activates First F-35B Unit, Big Decisions On Type’s Future Loom

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED DEC 8, 2023 1:44 PM EST

THE WAR ZONE


2023年11月15日水曜日

2024年いずも級は米東海岸沖合でF-35B運用テストを展開する

「いずも」か「かが」のどちらかが24年に米東海岸へ展開し、F-35Bの運用テストを行うことになったというUSNI Newsの記事をご紹介します。


いずも級が来年米東海岸でF-35Bのテスト運用へ 

本最大の軍艦の1隻が来年、F-35BライトニングII共用打撃戦闘機の一連の運用試験を実施するため、米東海岸に向かうことが分かった。

英海軍の空母HMSプリンス・オブ・ウェールズ(R09)が東海岸沖でF-35Bの一連の試験の第3段階を終えるのに合わせて、海上自衛隊(JMSDF)のいずも級の計画が持ち上がった。海上自衛隊は1年後、同じ海域で同様の試験を行う予定だ。

水曜日の英国海軍発表によると、プリンス・オブ・ウェールズでのDT-3(開発試験、フェーズ3)試験は、海兵隊のMV-22オスプレイ、CH-53Eスーパースタリオン、AH-1Zバイパーガンシップ、空母補給ドローンの運用試験と並行して、4週間にわたり実施された。DT-3は2機の特別装備のF-35Bを使用し、海兵隊テストパイロット3名と180人のサポートチームがパタクセントリバー海軍航空基地、F-35統合テストフォース(PAX ITF)から参加した。F-35統合テストフォースは、米海軍と海兵隊、英空軍、ロッキード・マーチン、英エアロスペース、ノースロップ・グラマン、米政府の民間人から構成され、すべての洋上F-35のテストを担当している。

DT-3は、2018年にHMSクイーン・エリザベス(R08)で実施されたDT-1とDT-2の試験に続くものである。国防総省の木曜日発表によると、10月から11月初旬にかけて、150回近い短距離離陸(STO)、約80回の垂直着陸(VL)、60回の艦載ローリング垂直着陸(SRVL)が実施され、PAX ITFの飛行試験エンジニアがデータを収集し、モデルと比較し、初期分析した。

「F-35Bプログラムの約150のテストポイントを実現するための我々のチームの統合は、英国がF-35を運用する方法を増やす可能性がある。「SRVL、夜間SRVL、重負荷(爆弾)テストポイントでは、より重い離着陸、より多くの出撃のためにジェット機をより速く運用するためのF-35Bのクリアランスへ向けた将来の決定に役立つデータが得られた。SRVLの間、F-35Bは通常のデッキ着陸を行う。これは、ホバリング着陸を行う場合とは対照的に、航空機が燃料を捨てたり、未使用の武器を捨てたりすることなく着陸することを可能にする。

イギリス海軍の10月20日発表によると、F-35Bで最大22,000ポンドの爆弾を搭載する試験も実施され、PAX ITFのF-35Bに不活性500ポンドのペーブウェイIVレーザー誘導爆弾と不活性1,000ポンドのペーブウェイが搭載された。

11月1日の英国海軍の発表によると、海上自衛隊代表団は、「12ヶ月後に同じ海域で行われる試験への道筋をつけるため」、試験の一部を視察したという。日本代表団は、「いずも」級特殊改造計画責任者の海上自衛隊佐藤剛一佐を団長に、海上自衛隊と航空自衛隊の将校5名で構成された。

海上自衛隊には戦闘機部門がなく、日本のF-35Bはおそらく航空自衛隊の飛行隊が運用することになる。日本はF-35Bを合計42機発注し2024年にうち6機受領し、同年に暫定F35B飛行隊が設立される。日本は2021年10月にJSいずも(DDH-183)で海兵隊F-35Bによる初期試験を行ったが、それ以上の試験は行っていない。■

Japanese Izumo-class Warship Headed to East Coast for F-35B Trials - USNI News

By: Dzirhan Mahadzir

November 13, 2023 3:06 PM

 

2023年2月27日月曜日

シンガポールがF-35B追加調達を決定。東南アジアで独自の安全保障を堅持する同国の動向に注目。

 Singapore Commits To F-35B Stealth Jets With Follow-On Order

USMC

シンガポールはF-35Bを8機追加購入する

F-35共用打撃戦闘機の評価を終えたシンガポールは、短距離離陸・垂直着陸(STOVL)型F-35Bをさらに8機購入すると発表し、これで合計12機を購入することになる。シンガポールはステルス機を強化しているが、STOVL型は、滑走路から独立して運用するか、将来的には大型水陸両用艦の飛行甲板から運用するかとは関係なく、東南アジアの小国であるシンガポールに重要な利点を提供する。

シンガポールは2022年の第3四半期に米国でのF-35A(通常離着陸型)とF-35B(通常着陸型)の評価を経て、STOVL型8機の追加購入を決定した。

「技術的に高度なF-35Bは、RSAF(シンガポール空軍)がシンガポールの空を守るため、将来への備えと効果の維持を保証します」と、同軍は今日のツイートで宣言した。

シンガポールの国防大臣ン・エンヘン博士Dr. Ng Eng Henは、「完全な評価を経て、国防省とシンガポール軍は、F-35が現在および将来の防衛ニーズに最も合う機体という結論に達した」と付け加えた。

「RSAFはさらに8機のF-35Bを取得し、2020年代の終わりまでに追加する」と大臣は続けた。「2030年代半ば以降のF-16の漸進的退役を支援するものとなる。F-35とF-15を有するRSAFは、我が国の空を守る強力な空軍となる」。

シンガポールは、2003年に安全保障協力参加国として共用打撃戦闘機事業に関与している。

シンガポールが2019年にF-16後継機としてJSFを選択した後、米国政府は翌年、F-35Bの売却を承認した。シンガポールは、有償海外軍事援助(FMS)契約で、2026年に引き渡される予定のF-35Bの初期バッチを4機発注した。シンガポール空軍は、F-35BのSTOVLバージョンを陸上基地だけで運用する初のユーザーとなる。

公式発表によれば、最初の4機は、F-35Bがこの小国に本当に適しているかの評価に使用されるとある。しかし、同じバリエーションでさらに8機オプションを行使するという今日の発表で、シンガポールにおける統合打撃戦闘機の将来に疑う余地がなくなったようだ。

2015年12月、アリゾナ州ルーク空軍基地の第61戦闘機隊を訪問し、F-35ヘルメットマウントディスプレイシステムについて学ぶシンガポールの国防大臣、ン・エンヘン博士 U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Staci Miller

ただし、最初の12機以降の発注で、全部または一部がF-35Aに切り替わるかは未定だ。F-35AはF-35Bより安価で、技術的に複雑でない一方で、より大きなペイロードとより大きな戦闘半径、そして多数のオペレーター国との共通性という利点がある。2022年8月、RSAF関係者は、F-35Aが将来のシンガポールでの発注の候補に残っていると示唆していた。

現在、60機のF-16C/Dが就役しており、F-35の型式がこれらの航空機の最適な代替機になるかという問題は、将来的に必ずまた出てくる。シンガポールは必ずしもF-35の戦力構成を急ぐ必要はない。特にバイパーが特筆すべき性能レベルにあり、比較的新しいブロック52/52+の機体は、すでに大幅なアップグレードを受けている。最近では、F-16V仕様にアップグレードされ、必要ならば、2030年以降も使用できる。

アリゾナ州ルーク空軍基地の第425戦闘飛行隊に所属するシンガポール空軍のF-16Dが、2022年3月3日にネバダ州ネリス空軍基地のレッドフラッグ-ネリス22-2に到着した。U.S. Air Force photo by William R. Lewis

一方、シンガポールはF-35Bで臨み、最初の4機は米国での訓練に使用される。訓練はアーカンソー州フォートスミス地域空港のエビング航空国家警備隊基地に設置される新しいFMSパイロット訓練センターで実施される。RSAFは2023年にエビングでF-16訓練を開始し、その後F-35訓練を開始する予定だ。

シンガポールが、RSAF向けに特別改造されたF-35Bを入手しても、まったく不思議はない。例えば、シンガポールは過去に、イスラエルが提供する電子戦システムを米国製戦闘機に搭載したことがある。イスラエルの電子機器や兵器が、RSAFのF-35Bに搭載される可能性もある。シンガポールのF-15やF-16と共通化し、A330 MRTT(Multi-Role Tanker Transport)機のブーム方式の燃料補給に対応するため、F-35Bに給油タンクを搭載することも考えられる。

F-35Bは、シンガポールの特殊な地理的条件や運用環境で、特に有利な点がある。

B型が選定されたとき、ン大臣は、非常に脆弱な空軍基地のインフラから離れた場所で活動できることが、「国土の狭いシンガポールでは重要な特徴だ」と指摘した。シンガポールの国土面積は280平方キロメートル未満だ。このような環境では、F-35Bを適切に補強された道路や小さなコンクリートパッドに分散させると、非常に大きな価値が生まれる。

シンガポールの衛星画像を見れば、小ささがよくわかる Google Earth

空軍基地が攻撃されても戦闘機が出撃可能にする必要があるのは、中国の主張が南シナ海で強まっているためで、この地域に対する中国の広範な主張から緊張が著しく高まっている。

中国は南シナ海のほぼ全域を自国領と主張し、その立場を強化するため人工島による軍事基地を建設している。一方、シンガポールは南シナ海の領有権を主張せず、さまざまな地域機関や国際機関を通じ解決策を模索してきた。特に、シンガポールはこの海域を横断する海上貿易ルートに大きく依存しており、マラッカ海峡のような天然のチョークポイントは、地域危機の際に中国に封鎖される可能性があると強く認識している。

南シナ海における中国の軍事力増強は、危機事態において潜在的な敵の機動力に挑戦できる広範な対アクセス・領域拒否(A2/AD)戦略の観点から見られている。長距離地対空ミサイル、戦闘機や爆撃機の運用、陸上対艦ミサイル、沿岸ミサイル艇のすべてが、人工島からの運用に助けられ、この一翼を担っている。一方、人民解放軍海軍は新型の水上戦闘機や潜水艦の建造を急ピッチで進めており、戦力を増強中だ。

ステルス性の高い統合戦闘機(JSTF)は、こうした脅威に空から対抗するための最適なソリューションといえる。太平洋地域の他の地域でも、オーストラリア、日本、韓国が同様の決断を下している。米国のF-35は、この地域に常駐し、頻繁にローテーションを組んでいる。

2017年12月、ユタ州ヒル空軍基地から配備された米空軍F-35Aと韓国クンサン空軍基地のF-16Cが、クンサン付近で訓練ミッションに参加する。 U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Josh Rosales

どのバージョンの組み合わせが選ばれるにせよ、F-35はRSAFにとってF-16後継機として高い能力を発揮する。また、防衛大臣が2030年代半ば以降、F-35BとF-15Eストライクイーグルの発展型F-15SGがRSAFの第一線で一緒に働くと想定しているのは興味深い。これは、RSAFがF-15の優れた航続距離と搭載能力を、長距離防空と攻撃に利用することを示唆している。F-35の内蔵兵装量の不足を補う「兵器運搬車」として利用することも考えられる。一方、F-35の強力なセンサー群は、F-15にターゲットデータを提供し、状況認識を高めるなど、F-15に有利なように使用できる。おそらく、これは将来的にF-15を追加購入する可能性を示すものであり、最新のF-15EXが候補となる可能性が高い。

2014年7月、ネバダ州ネリス空軍基地で行われたレッドフラッグ14-3で、F-15SGの発進準備をするシンガポール共和国空軍の航空機乗務員とクルーチーフ U.S. Air Force photo by Lawrence Crespo

新世代の航空機対応艦艇にF-35Bを搭載する可能性もある。シンガポール海軍のエンデュランス級ドック艦4隻に代わる新型ジョイント・マルチミッション船(JMMS)の導入は、以前から出ている。JMSSは、主にヘリコプター用全長飛行甲板を備えると予想されるが、F-35Bの限定的な運用も可能だ。JMMSの就役は2030年代半ばとされており、F-35Bを搭載するための改修には時間がかかると思われるが、JMMSに統合打撃戦闘機の常時搭載が期待されているわけではなく、STOVLジェットも新型艦を前提に選定されているわけでもない。とはいえ、JMMSを海上での前方兵装・給油地点forward arming and refueling point(FARP)に使うことも有用なオプションになるはずだ。



F-35やJMMS(Joint Multi-Mission Ship)など、2030年以降に軍で使用される主要プラットフォームを示すシンガポール国防省のグラフィック。Singaporean Ministry of Defense



シンガポールがF-35Bに深くコミットする決定をしたことは、同国が米国との防衛関係を拡大するだけでなく、利用可能で最高級の能力に投資する意思があることを改めて示している。また、シンガポールの決断は、陸上での分散運用のメリットを享受したい国へのF-35B売却に拍車をかける可能性もある。


中国がこの地域で脅威となり、独自の最新鋭の能力を開発し続ける限り、シンガポールは自国空軍を東南アジアで最強の戦力として維持するだろう。■


Singapore Commits To F-35B Stealth Jets With Follow-On Order

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED FEB 24, 2023 3:04 PM

THE WAR ZONE