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2020年7月15日水曜日

日本も導入を検討中のトマホーク巡航ミサイルで性能改修の動き

海軍はトマホーク対地攻撃巡航ミサイルの全面改良を企画中だ。改修規模は合計一千発となる。残りは廃棄する。その結果、米巡航ミサイル配備規模は縮小されるが威力は増大する。

トマホークはレイセオンがアリゾナで生産する。単価は100万ドルを超える。2020年時点で海軍はトマホーク4千発を保有する。ただし、改修と並行して廃棄が進むとこの数字は小さくなる。

米海軍でトマホーク事業を統括するジョン・レッド大佐が2020年水上艦協会が開いたシンポジウムで内容を述べていた。「近代化でトマホークは将来にわたり重要性を維持する」

トマホークを運用できるのは駆逐艦巡洋艦89隻に加え攻撃型潜水艦54隻に及ぶ。トマホークは1983年供用開始している。

トマホークは水上艦のマーク41垂直発射装備あるいは潜水艦の垂直発射装置または魚雷発射管から運用する。米海軍のトマホーク発射対応装備は1,000基あるが、巡航ミサイルを常時搭載するのはわずかだ。

レッド大佐によれば ブロックIV仕様のトマホーク全部をブロックV仕様に改修し、誘導性能と射程が向上する。GPS、慣性航法、地形参照型航法を組み合わせたトマホークは最大1千マイル先の標的を狙える。

ブロックIVの供用開始は2004年で旧型ブロックIIIはそれより早く1990年代中ごろから運用開始していた。ブロックIVは二方向のデータリンクで飛翔中の経路変更を可能とし、標的も変更可能となった。耐用年数は30年のはずだった。

ただし15年経過し改修が必要となったとレッド大佐は説明。「未来を今実現する」と説明資料にもあった。

そこで海軍はブロックIV仕様のトマホーク全弾を中間で「再認証」することとしレイセオンが誘導装置の新型を追加していく。これでブロックVとなる。一方でブロックIII全数の用途廃止作業が始まっている。

ブロックVには型式が三種類ある。基本形は新型誘導装置を取り付けるのみとする。ブロックVaはシーカーモードを加え水上艦艇攻撃が可能となる。ブロックVbでは弾頭を変更し、地下施設攻撃を可能とする。

レッド大佐は海軍は年間90発のトマホークを近代化改修する計画にする希望があるという。これが実現すると2030年代中ごろまでにブロックV仕様のトマホークが1,400発そろう。議会から追加調達予算が認められないと、同時期に海軍のトマホーク備蓄は現在の半分以下になる。ここには海軍が実戦で発射するトマホークの代替調達は入っていない。ここ数年で米海軍はトマホーク100発以上をシリアに発射している。

現在の使用実績が続くと海軍は今後10年間で数千発のミサイルが必要となると試算する専門家もいる。

トマホーク生産へ議会が支援を継続しないと「いつの日か敵を攻撃しようと思っても手段がない事態が来る」と同専門家はみている。ただし、トマホーク以外にも海軍はミサイル整備を進めており、今後登場するSM-6の転用でトマホークの不足分を補うという計画だ。

海軍ではロッキード・マーティンの空中発射型ステルスミサイルを原型に長距離対艦ミサイルの開発も進めている。また新型極超音速対地攻撃ミサイルも2020年代中ごろに供用開始となる見込みだ。■

この記事は以下を再構成したものです。

July 14, 2020  Topic: Security  Blog Brand: The Reboot  Tags: U.S. NavyNavyMilitaryTechnologyWorld
 “Modernization ensures Tomahawk’s relevance now and in the future”
by David Axe 

David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad.

2019年6月25日火曜日

米軍の対イラン攻撃に投入される装備はこれだ

Here's What an Attack on Iran Might Look Like -- F-35, Tomahawk, B-2 イラン攻撃を想像する---F-35、トマホーク、B-2が投入されるのか

Which weapons would be best to attack Iran? Tomahawk, B-2 or F-35? イラン攻撃に最適の装備は何か

by

By Kris Osborn - Warrior Maven
Kris Osborn is a Senior Fellow at The Lexington Institute


ラン攻撃想定の詳細は当然ながら安全保障の観点から不明のままだが、計算された攻撃に装備が投入に適す装備がどれかで疑問が生じている。潜水艦あるいは水上艦からのトマホーク発射、それともステルスのB-2さらにF-35も出番があるのか。

広い意味で「第一撃」兵器とされるトマホーク巡航ミサイルにはユニークな長所が数々ある。まずなんといっても射程900マイル超もありながら攻撃側にリスクが皆無な点だ。実に精密かつ効果的な攻撃効果を固定式の敵ミサイル陣地や対空装備に与えることができる。GPS誘導や双方向データリンクで最新のブロックIVトマホークなら飛翔中に新たな情報が入ればコース変更も可能だ。無人機に似た空中センサー能力もあり目標周辺の状況把握も可能。ここ数年でリピア、シリア、イラクと第一撃攻撃に投入されている。海軍は巡洋艦、駆逐艦、攻撃型潜水艦から同ミサイルの発射が可能で、海軍はイラン小型舟艇の攻撃を排除できるもののトマホークの射程能力があれば敵の反抗ができない地点から攻撃を可能としてくれる。

冷戦時にソ連防空網を突破するべく開発されたトマホークは地上すれすれに飛翔し敵レーダー探知を逃れる。更に新型の海洋版トマホークでは移動目標も命中できるようになったがまだ実戦配備されていない。今回のシナリオではトマホークと飛翔制御可能な航空装備を併用し移動式防空装備などの動向を把握しながら攻撃すると思われる。

航空機では空軍、ペンタゴンはステルス爆撃機、新型「第5」世代機のF-35,F-22はハイエンド戦で「厳しい」環境で投入すべき機材としており、米側に航空優勢が得られない事態を想定している。そこでイランが移動式防空装備など攻撃の標的としては難易度が高い装備を稼働させれば米ステルス機が投入される可能性が高い。F-35が戦力化され、アフガニスタンで投入されているが、攻撃手段として効果を上げそうだ。イランにも高性能防空装備があるものの、ステルスのF-35などをトマホーク攻撃と併用してイラン防空体制の突破を図るだろう。

軍事行動は限定的攻撃でもまず防空体制や指揮命令系統の打破を図ることが多い。2003年のイラクの自由作戦でも航空対抗措置の排除を真っ先に狙った。空母からのF-18、地上基地を発進するF-15はこの任務を完璧にこなすだろうが、イランでは第4世代機の投入は少ないはずだ。イランの防空能力の実態がよくわからない。2015年にロシアのTASS通信の配信ではS-300をイランに売却したと確認しており、このうち何基稼働可能か不明だ。S-300に加えS-400も導入されていれば相当の驚異になる。最新の防空装備はネットワーク化されデジタル演算能力があり従来より広範囲のレーダー周波数を利用し有効射程も伸びている。
ロシアのS-300s - TASS

ステルス爆撃機B-2はアフガニスタン、イラクで投入の実績があり、高高度で精密兵器を安全な距離で投下する攻撃が可能だ。それにとどまらずステルス性能を生かして敵探知を逃れることも可能だ。ここにステルスF-35が加われば「センサー融合」機能を活用し標的情報、センサーデータや兵装運用がネットワークされパイロットは急速に変化する状況も把握できる。さらにF-35の電子光学標的捕捉システムEOTSと分散開口システムセンサーは第四世代機より長距離で有効な性能を誇る。F-35は敵標的の捕捉・破壊をめざして開発されており、敵に気づかれる前位破砕し、敵が手を出せない距離からの攻撃が可能だ。JDAM共用直接攻撃航空爆弾の性能は実証済みで空中投下爆弾として投入されるのではないか。

いかなる形の攻撃であれ情報の質が鍵を握る。高精度の映像が無人機経由で手に入れば標的識別が鮮明になる。トマホーク、B-2の双方で必要になろう。ただしSIGINT等のその他情報手段も戦況の変化や対象目標が移動する中で必要となるので低空飛行無人機や第5世代機がこうした情報の提供手段になるはずだ。■

Kris Osborn is a Senior Fellow at The Lexington Institute
Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army - Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has a Masters in Comparative Literature from Columbia University.

2017年5月14日日曜日

★★北朝鮮対策で日本に必要な装備品はこれだ



今朝もミサイル発射がありましたが、北朝鮮との「冷戦」は長引きそうで、その間に以下推奨されている装備も順次導入されそうです。そこまで抑止力を整備されて困るのは中国なので、北京も北朝鮮による事態の進展を快く思わないのは当然でしょう。

The National Interest

5 Weapons Japan Desperately Needs to Fight North Korea 

日本が北朝鮮に対抗するためどうしても必要な装備品5種類


May 13, 2017


平和主義を目指し、国家政策実現の手段としての戦争を放棄した日本にとって北朝鮮は全く異質の国だ。不幸にも両国は336マイルの海で隔てられているだけだ。北朝鮮は旧宗主国を攻撃すると何度も脅かしている。核兵器、弾道ミサイル両面で技術開発を躊躇せず進める北朝鮮の脅威は今や日本にとって現実のもので、核攻撃を再び受ける可能性が出てきた。

韓国情報機関によれば北はノドン中距離弾道ミサイルへの核弾頭装着を実用化済みで、日本も射程に入る。日本にはイージス戦闘システムとペイトリオット迎撃ミサイルという二重の弾道ミサイル防衛体制があるものの、三番目の防衛策を追加する必要を感じているようだ。北朝鮮ミサイル脅威に対抗する日本に必要な装備品は以下の5種類だ。

1. イージスアショア
イージス戦闘システムの陸上版で、日本にはイージス搭載駆逐艦が4隻しかなく陸上に恒久施設を置き毎日24時間稼働させれば駆逐艦を本来任務に解放できる。また陸上装備を整備するほうが駆逐艦建造より安上がりだ。
イージスアショアのなかでもベイスライン9版でSM-3ブロックIB迎撃ミサイルを運用すれば北朝鮮の短距離、中距離ミサイルに有効だ。また中国によるミサイル大量発射の事態にも対応可能だ。

2. グローバルホーク
日本はすでにRQ-4無人機を3機導入する予定で北朝鮮を意識しているのは間違いない。だがこれでは不十分だ。有事の際には北朝鮮ロケット軍は探知を逃れるため各地に分散するだろう。ミサイルの移動先は予測可能で北朝鮮には舗装道路は500マイルしかないが、新型の北極星2中距離弾道ミサイルは軌道付き搬送車でオフロード走行も可能だ。そうなると北朝鮮国内各所で移動式ミサイルを探る必要が増える。
北朝鮮ミサイルへの対抗策としてグローバルホークを同時に複数投入する必要がある。RQ-4の追加購入があれば航空自衛隊は同時並行で探知追跡と攻撃効果の評価を北朝鮮各地で展開できる。追加調達分は予備機材にもなり他地区での緊急事態にも対応可能とする。

3. KC-46ペガサス空中給油機
日本にはKC-767J空中給油機が4機あるが弾道ミサイル対抗作戦の長期間支援用にはあまりにも数が少なすぎる。KC-46A給油機の調達決定を2015年にしたが、有事には日本海上空の戦闘哨戒で本土からなるべく遠い地点で敵機を迎撃する必要があるのだ。
さらにF-35A共用打撃戦闘機で防空網制圧ならびに攻撃ミッションを北朝鮮で展開する際に給油機支援は必須だ。常時カバーするためKC-46Aが十数機は必要だろう。

4. MQ-9リーパー無人機
ISR機材で北朝鮮の移動式ミサイル発射装置が探知できれば、日本は迅速に破壊に出る必要がある。ミサイル対抗作戦では迅速性が肝要となれば、北朝鮮防空体制を制圧する前に実施となり、攻撃ミッションのリスクは高い。そこでMQ-9リーパー中距離長時間飛行可能無人機にミッションを実施させればよい。燃料と弾薬を搭載して日本国内から出撃し、北朝鮮上空を長時間パトロールできる。
リーパー長距離型では主翼に燃料タンクを追加し、日本海を横断させ北朝鮮全土を「キルボックス」区画で分け一機以上を割り当てる。ヘルファイヤーミサイル、GBU-12爆弾(500ポンド)、GBU-38共用直接攻撃弾を搭載すればリーパーは迅速かつ正確に北朝鮮ミサイル車両を破壊できる。

5. トマホーク巡航ミサイル
北朝鮮を先制攻撃する決断に日本が動けば「ドアを蹴破る」装備が必要となる。つまり、防空レーダー、地対空ミサイル陣地、発射準備中ミサイルの攻撃だ。低空飛行で侵入するトマホークミサイルは北朝鮮の旧式防空網を突破し、1,000ポンド高性能爆破物弾頭で目標を破壊できる。日本のF-35A部隊がその後で攻撃に駆け付け北朝鮮のレーダー防空体制をさらに弱体化するシナリオだ。

日本は最小限の防衛能力に限定してきたことを誇りにしてきた。日本の防衛予算はGDP1%相当でNATO加盟国に求められる比率の半分だ。また日本は攻撃兵器の調達を避け、純然たる防衛姿勢につとめてきた。だが北朝鮮が核攻撃の脅しをかけているためこれまでの政策が方向転換を迫られるかもしれない。
Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009, he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.