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2025年5月12日月曜日

紅海での戦訓がミサイル防衛への投資と技術革新に拍車をかける(Breaking Defense)


USS Carney Engages Houthi Missiles and UAVs

アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦USSカーニー(DDG 64)は10月19日、紅海でフーシのミサイルと無人航空機双方を撃破した。カーニーは中東地域の海上安全保障と安定を確保するため、米第5艦隊作戦地域に配備されている。 (米海軍撮影:アーロン・ラウ2等通信兵)


フーシ派対応で紅海で大量のミサイル発射が行われたが、ミサイル用ロケットモーターの需要は逼迫しており、国際協力の強化を含め生産の拡大が図られている


海軍は過去18カ月間にわたる紅海での戦闘数百回で、スタンダード・ミサイル3(SM-3)の初の戦闘使用を含め、ミサイル220発以上を発射した。これらのミサイルを補充し、米国とその同盟国ですでに増加した需要を満たすことは、サプライヤーと拡張サプライチェーンにとって並外れた挑戦を意味する。

 レイセオンのバーバラ・ボルゴノビ担当社長は、海軍の要求を満たすために、ロケットモーターやレーダーなどの重要なシステムを供給するためのインフラと能力をどのように構築しているのかについて語った。


バーバラ・ボルゴノビは、RTX社傘下のレイセオンで海軍担当社長。


本誌 紅海やインド太平洋、その他地域で海軍が直面している重要な課題は何ですか?


ボルゴノビ:過去30年間の総ミサイル発射数を過去18カ月で上回った海軍にとって、今は前例のない時代です。それと並行して、海軍は中国との将来の競争に備え、インド太平洋へ関心を高めています。レイセオンにとって幸運なのは、顧客との強い信頼関係があることです。 海軍と同様に、当社も学んでいます。

 海軍に能力を提供することが第一ですが、レイセオンの役割は、単に識別能力を開発するだけでなく、それを生産し、必要なときに米海軍や同盟国に提供できるようにすることです。

 顧客の使命を理解し、顧客と親密になることで、ノーススターが何であるか、私たちが何を生産するよう信頼されているかを知り、当社によるデリバリー、工場、サプライヤーを通じてそれを実現できるようにすることに他なりません。


あなたはこの役職に就く前、企業戦略を率いていました。海軍の要求に合致した製品納入のための戦略には、どのような要素がありますか?


 レイセオン社内では、顧客のために製品の大量生産を確保するという大局的な戦略を取り、それを工場内の詳細な計画に組み込んでいます。

社内ではいくつかの分野で取り組んでいます。RTXでは、CORE(Customer Oriented Results and Excellence)と呼ばれる、継続的な改善と効率化を推進するオペレーティング・システムを導入しました。 COREによって、当社のチームは共通の方法論と言語を使って協働することができます。 進捗状況を把握するため、デジタルCOREコントロール・ルームが設置され、チームメンバーがリアルタイムでプログラム・データにアクセスできるようになっています。また、このプロセスではサプライヤーも招聘しています。

 また、生産能力拡大のために工場にも投資しています。この拡張は、どれだけの製造能力を必要としているかという顧客の優先順位に沿ったものであり、当社にとって特別に重要なものです。 これを受けて、当社はアラバマ州ハンツビルにあるレッドストーン・レイセオン・ミサイル統合施設に1億1,500万ドルを投資し、スタンダードミサイル3およびスタンダードミサイル6の生産能力を増強するとともに、さらなる防衛プログラムに対応する予定です。 さらに、スタンダードミサイルのテスト自動化にも約5000万ドルを投資しています。

 また、海軍用システムや他のレイセオン製品に使用される高度な電子機器を製造するテキサス州のマッキニー工場にも4億5,000万ドル以上を投資しました。

 これらの投資は、工場の生産規模を拡大し、生産量を確実に増加させるためのものです。

 最大の課題のひとつに、すべて自社で製造するのではなく、サプライ・ベースに強く依存していることがあります。そのため、主要なフランチャイズ・プログラムの需要シグナルを受け、サプライヤーが増産をサポートできるよう投資を行っています。

 パンデミック後は、原材料へのアクセス、労働力不足、労働力プロファイルの変化、インフレコストなど、さまざまな形でサプライチェーンにおけるリスクを認識しました。 広範に見れば、安定化している部分もあります。 マイクロエレクトロニクスはその一例で、改善が見られますが、そのためには多大な先行投資が必要でした。

 レイセオンでは特に供給基盤のリスクを注視しており、原材料であれ、製品に使用するビルドアップ部品であれ、そうしたリスクを評価し、顧客が必要とする材料に投資することで、私たちが直面している可用性と調達の課題を軽減しています。


Gravely Conducts Strikes in the Red Sea

2024年1月12日、紅海でイランに支援されたフーシの悪質な行動が増加したため、トマホーク陸上攻撃ミサイルを発射する誘導ミサイル駆逐艦USSグレイブリー(DDG107)。 USSドワイト・D・アイゼンハワー空母打撃群の一員として、中東の海上安全保障と安定を支援するため、米第5艦隊作戦地域に配備されている。 (米海軍撮影:ジョナサン・ワード1等通信兵)


ロケットモーターの需要は特に逼迫しています。 その対策は?


ロケットモーターの生産は、業界全体で厳しい状況にあります。スタンダード・ミサイル・ファミリーのサプライヤーはエアロジェット社です。当社はエアロジェットと手を携えて、スタンダード・ミサイル・ファミリーをサポートするため必要なロケット・モーターの生産能力と生産量を近いうちに確実に増やせるよう取り組んでいます。当社は、エアロジェットによる生産量の改善に勇気づけられており、共に改善を続けています。

 当社として何をすべきかを決定するとき、常に最終顧客のことを考えています。それは、生産を加速する方法であれ、加速するために工程に変更を加える方法であれ、そして納品を顧客の手に届ける方法であれ、同じです。

 先ほどの戦略についての質問に戻りますが、当社は需要の増加に対応するため、追加ソースの開発に資金を提供し、支援してきました。

 Nammo社やAvio社では、ロケットモーターの生産を支援するために米国での製造拠点の開発を進めています。


現在海上試験中のSPY-6レーダーや、2024年のSM-3およびSM-6ミサイルの初戦闘発射など、米海軍の主要プログラムの最新動向は?


昨年、SPY-6レーダーを搭載した2隻の艦船が就役しました:USSジャック・H・ルーカスはアーレイ・バーク級初のフライトIII駆逐艦、USSリチャード・M・マクール・ジュニアは水陸両用揚陸艦で、SPY-6の(V)2バリアントを導入しました。

 2025年には、さらに3隻にSPY-6レーダーが搭載される予定です。スタンダード・ミサイルの戦闘での使用について触れられましたが、テレビをつけるだけで、そのミサイルの性能をほぼ直接見ることができます。弾道ミサイルを迎撃するスタンダード・ミサイルの幅広い能力のパフォーマンスや、紅海で起こっていることを見るのは、とてつもなく素晴らしいことです。 私たちは、この分野で海軍のニーズをサポートし続けることに興奮しています。


生産目標や納期を確実に達成するために、議会や国防総省に何を求めますか? 成功」の定義は?


国防総省は最終的に、より多くのミサイル、レーダー、あらゆるものを必要としています。 しかし、具体的な需要シグナルを理解し、国防総省が長期的にどのようにシステム調達を計画しているかを理解することがますます重要になっています。

 当社にとっての成功とは、軍隊が家族のもとに帰れるようにすることです。 当社の顧客は世界で最も過酷で危険な仕事をしており、ますます危険な世界で戦い、勝利し、自らを守るために必要なツールを提供することが当社の義務です。 それが私にとって成功の定義です。■


Lessons from Red Sea action spurring investment and innovation in missile defense

The demand for rocket motors for missiles is acute, with steps being taken to expand domestic production that includes more international cooperation.

By   Breaking Defense

on April 04, 2025 at 8:31 AM

presented by


https://breakingdefense.com/2025/04/lessons-from-red-sea-action-spurring-investment-and-innovation-in-missile-defense/



2023年6月27日火曜日

防衛大手企業レイセオンがRTXへ社名変更

 Paris air show raytheon RTX

The RTX chalet at the 2023 Paris Air Show shows off both the rebranded company name and its older Raytheon Technologies title. (Aaron Mehta/Breaking Defense)



RTXとして再編されたレイセオンのトップであるウェス・クレマーは、事業部間の重複の60~70%を新体制で排除できたとブレイキング・ディフェンスに語っている



イセオン・テクノロジーズはRTXに社名変更した。

 FacebookがMetaの子会社になったり、Googleが突然Alphabetという会社の一部になったりするのと同じようなものだ。RTX(レイセオンの株式ティッカー)が親会社で、レイセオン、コリンズ、プラット&ホイットニーがサブブランドとなる。そして、他の子会社も防衛プログラム(プラットは軍用エンジン、コリンズはJADC2の大部分)を持つが、防衛プログラムの大部分はレイセオン支社が行う。

 「これは、レイセオン社内の事業調整であり、各250億ドル前後の、かなり対等な3事業を立ち上げることになる」と、クレーマーは今週、Breaking Defenseに語った。「レイセオンは防衛のみで、他の事業には防衛の部分もあるが、各社間の調整を合理化した」。

 以前はレイセオンのミサイル・システム部門を率いていたクレーマーによると、このような形で組織を再編成することで、事業部門間で重複していた60~70%を排除でき、コスト面でのメリットもあったという。彼はこれを「ミッション・ファースト、カスタマー・ファーストの考え方」と呼ぶ。

 レイセオンは、8つの「戦略的ビジネスユニット」に再編成され、可能な限り、顧客との窓口を一本化することを目標としている:

  • エア・パワー部門は、米空軍へのサービス提供が中心。

  • 海軍部門:米海軍を担当

  • 陸・防空システム:米陸軍向け

  • 戦略ミサイル防衛:米ミサイル防衛庁向け

  • 宇宙システム:宇宙軍、宇宙開発局、情報コミュニティ向け

  • 先端技術:DARPA、OSD、軍事研究所を対象とした未来技術インキュベーター。

  • サイバーセキュリティ、インテリジェンス、サービス。

  • アドバンスド・プロダクツ&ソリューションは、レイセオンが他のプライム企業の二次請負業者として機能するための部門。

 クレーマーは、すべてのプログラムがいずれかの部門に完璧に適合するわけではなく、レイセオンのどの事業部門にどのような取り組みが行われるかについては、「見ればわかる」という判断を率直に述べた。

「例えば、スタンダード・ミサイル6は主に海軍のプログラムです。しかし、ミサイル防衛庁が開発の多くを負担し、現在は陸軍がMRC(ミッドレンジ・ケイパビリティ)の一部として配備しています。しかし、海軍が主な顧客であることに変わりはありません。

「そう、完璧ではない。完璧な組織など存在しない......しかし、内部摩擦の多くを取り除くことができた」と彼は言う。

 レイセオン全体を統括する新しい役割について、クレーマーは、デジタル・エンジニアリング、イノベーション、そして彼が「自分の悩みの種」と呼ぶサプライチェーンなど、レイセオンの「横断的」な課題に集中する一方で、できるだけ多くを配下の戦略部門社長に任せていると述べた。

 この面で、「安定化といくつかのプラスが見え始めている」とクレーマーは語った。それは労働から始まり、「組織内の人員削減は間違いなく減少しており、雇用は増加している。だから、労働力が安定しているのは間違いない」。

 材料に関して、クレーマーはマイクロエレクトロニクスとロケットモーターがサプライチェーンが直面する2大「制約」であるとしながらも、希望も見出している。

 「マイクロエレクトロニクスについては、慎重に楽観視している。他の企業も言っていますが、今年の第3四半期、第4四半期には、部品や使用中のエレクトロニクスの供給が大幅に増加する見込みです。その兆しは見えている。残念なことに、何かを作るには部品がすべて必要なので、最も弱いサプライヤーと同じ程度にしかならない。

「マイクロエレクトロニクスの難しいところは、製造の前工程になるからです。マイクロエレクトロニクスをプリント基板に載せるところから始まり、それが回路カード・アセンブリになります。そのため、そこが不足すると、すべての生産に波及するのです。対照的に、ロケット・モーターは工程の最後に取り付けることができ、生産ラインに入れてから顧客に送り出すまでに2週間ほどのギャップしかないのです」。

 しかし、クレマーは、サプライチェーンを2020年の状態に戻す「安定化」は、2022年のロシアのウクライナ侵攻によるレイセオン製兵器の需要増を考慮したものではないことを認めている。

 「明らかに、ウクライナは当社の供給基盤全体に追加需要のシグナルを与えました。当社が本当に実現しなければならないのは、その能力なんです......当社は受注残500億ドルを抱えており、発注は入り続けています」。■


Raytheon is now RTX. Here's what that means for its defense arm.

By   AARON MEHTA

on June 23, 2023 at 12:30 PM


2020年10月18日日曜日

F-15Eへ搭載が始まったストームブレイカーことSDB IIは対地・対艦攻撃力を増強する米空軍・海軍向け新兵器だ

 

Raytheon

 

 

F-15Eストライクイーグルは導入から年数が経ったが、さらに強力な対地攻撃任務をこなす恐るべき存在になりそうだ。米空軍が小直径爆弾IIのストライクイーグルへの搭載開始を発表した。「ストームブレイカー」“StormBreaker”の名称がついた精密誘導弾は航空戦闘軍団(ACC)が9月30日に認証していた。

 

SDB IIストームブレイカーの搭載が可能となったのはF-15Eが最初で、続いてF-35ライトニングII共用打撃戦闘機およびF/A-18E/Fスーパーホーネットへの搭載が予定されている。▼「SDB IIストームブレイカーの供用準備ができた。長期の開発試験を行ってきた」(SDBII事業主幹ジェイソン・ラスコ大佐)「配備に至ったり軍と民間企業による長年の共同作業が報われる。大きな威力があり国防の構図を一変させる存在だ」

 

 

 

ストームブレイカーとは

SDB IIには多モードシーカーがつき、赤外線、ミリ波レーダー、セミアクティブレーザーのほかGPSさらに慣性誘導方式で誘導できる。ストームブレイカーは小型のためミッションでのペイロードを増やす効果が期待できる。このため投入機数を減らしても従来と同じ効果が期待できると空軍は見ている。▼ストームブレイカーの有効射程は40マイル以上で、搭乗員が危険にさらされる時間が短くなる。▼「SDB IIは移動目標も攻撃可能で、しかも遠距離で悪天候でも対応可能だ。これによりわが方の部隊に相当の優位性が生まれる」とヒース・コリンズ准将空軍兵器開発統括官が語っている。「この装備を配備することで大きな成果が期待できる」

SBD IIの開発背景

 SBD IIが生まれた背景に空軍と海軍で調達の方向性を共有したことがあり、空軍の兵装局ミニチュア弾薬部が主導しレイセオン・ミサイルディフェンスと共同開発した。▼試験運用はエグリン空軍基地(フロリダ)で行い、F-15E搭載の認証のため開発運用飛行は138回に至った。▼「ストームブレイカーで実戦パイロットに今までにない戦力が実現する」とレイセオン・ミサイルディフェンス副社長ポール・フェラーロが述べている。「洋上陸上問わず、移動目標を遠距離から悪天候でも撃破できる」▼SDB IIストームブレイカー開発は技術面で難局に直面し、生産が一年にわたり止まったこともあったが、レイセオンは問題解決のため爆弾にフィン折り畳み用のクリップを追加した。

 

Raytheon

 

レイセオンは昨年7月に生産を一時停止し部品設計を見直したが、空軍・海軍へ納入済みの598発には後付改修した。今夏に生産再開した。

 

配備が始まりレイセオンはSDB IIの性能を改めて宣伝している。「これまでの各種テストで性能は実証済みで、各種標的に対応し、過酷な天候条件でも威力を発揮した」とレイセオン・ミサイルディフェンスでストームブレイカー開発を率いたクリスティ・スタッグが述べている。「多モードシーカーとデータリンクを利用するストームブレイカーは天候条件が悪くても関係がありません」■

 

この記事は以下を再構成したものです。SDB IIは滑空誘導爆弾というべきでしょうか。

 

F-15E Strike Eagle Is Now a StormBreaker

October 17, 2020  Topic: F-15  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-15EU.S. Air ForceF-35U.S. NavyMilitary

by Peter Suciu

 

Peter Suciu is a Michigan-based writer who has contributed to more than four dozen magazines, newspapers and websites. He is the author of several books on military headgear including A Gallery of Military Headdress, which is available on Amazon.com.


2019年5月5日日曜日

レイセオンの指向性エナジー装備が無人機複数の撃破に成功

Raytheon Directed-Energy Weapons Down Drones in Air Force Demonstration レイセオンの指向性エナジー兵器が空軍向け実証で無人機撃墜に成功

Raytheon's mobile high energy laser looks out into a wide-open sky. The company's advanced high power microwave and high energy laser engaged and defeated dozens of unmanned aerial system targets in a recent U.S. Air Force demonstration. (Photo: Raytheon)
レイセオンの移動式高出力レーザーが空を監視している。同社の高出力高周波及び高出力レーザーが十数機の無人機を標的にし空軍の実証で撃墜に成功した。 (Photo: Raytheon)
イセオンが開発の高性能高出力マイクロフェーブ(HPM)および移動式高エナジーレーザー(HEL)装備が無人機複数の撃墜に成功した。
撃墜したのはDJIファントム4クワッドコプターほか固定翼式、その他クワッドコプターでホワイトサンズ・ミサイル試射場で空軍の実証実験として行われたとレイセオン広報が伝えている。
「長年の研究開発を経て高出力エナジー装備が実用化に近づいており、実戦で人員や重要施設の防衛に役立てる」とレイセオンの高度ミサイル防衛装備担当副社長トーマス・ブッシングが報道発表で語った。
発表資料ではHPM、HELの各システムが投入され「無人航空装備数十機」を撃破したとある。
レイセオンの複合目標捕捉システムと組み合わせHELは非可視光線で無人機を撃墜したと広報資料が述べている。
システムを組み合わせ無人機の探知、識別、追尾、交戦が可能でポラリスMRZR全地形装甲車両に搭載できるという。
レイセオンのHPMシステムは「高周波エナジーで無人機の誘導装置を妨害する」と資料にある。.
「大出力高周波を操作し目標にビームを当て小型無人機の大群を即座に打破出来る。電源供給が続く限りHPMで文字通り無限の防御が可能となる」
「無人機対策には多様な解決手段が必要です」とレイセオン電子戦システムズ副社長ステファン・バウアーが述べる。「HEL、HPMにより重要インフラ、輸送隊や人員の防御が第一線で実現できます」
今回の空軍向け実証で指向性エナジーはHELとHPMのみだったという。
2017年にロッキード・マーティンが同様の技術をテストしていた。同社は高性能テスト用高エナジー装備ATHENAと称し、試作型で翼幅10.8フィートのアウトロー無人機5機を撃墜した。
無人機対策技術は民生用軍用双方で活発化しており今後も成長が期待される。
空軍からは戦術高出力高周波実戦レスポンダーTHORで小型無人機数機を光速で排除したとの発表があったばかりだ。また非致死性THORの開発も進んでいる。■
-- Oriana Pawlyk can be reached at oriana.pawlyk@military.com. Follow her on Twitter at @Oriana0214.

コメント 指向性エナジー兵器での進展がすごいようで、ロッキードも別個レーザーの空軍機への応用につながる技術を実証中です。この記事は別途ご紹介します。なお、本ブログではエネルギーというかわりに今後はエナジーを用いますのでご了承ください。無人機対策は一層重要になっており、オリンピックを来年開催する日本でもこうした技術に関心が高いはずです。

2018年6月5日火曜日

日本向け新型レーダー警報措置の製造に向かうレイセオン

要領を得ない記事で申し訳ないのですが、日本から最新式警報装置の導入希望が出たため、今回の措置になったようです。ではどの機種に搭載するのか、いつ導入されるのかは不明です。E-767あるいはE-2DなのかKC-767で支援機材の安全性を高めようというのか、よくわかりません。それに単なる受信機能だけではないようですね。ヒントAESAレーダーによる電子攻撃機能。機材のようには注目はされませんが、こうした地味な装備の驚くべき機能が今後の戦闘に大きな意味をもたらすのでしょう。


Japan buys radar warning receivers that adapt to new threats 日本が脅威対象に適応可能なレーダー警報受信機を導入


By: Daniel Cebul    

レイセオンのAN/ALR-69A(V)完全デジタルレーダー警報受信機により高度脅威環境でも乗員の安全が高まる (Osakabe Yasuo/U.S. Air Force)

イセオンが日本向けAN/ALR-69A(V) デジタルレーダー警報受信機(RWR)の製造を海外軍事販売制度を使い米空軍から受注したと国防総省が5月29日に発表した。
総額90百万ドルの契約には初の全デジタル方式RWRとレイセオンが呼ぶレーダーの製造、統合、試験評価、納入が含まれる。
だがこの受信機はどんな機能があるのか。
RWRとはレーダーが発する無線信号を探知し視認効果および音声効果で警告を出す装置だ。受信機はレーダー型式も識別でき、地上配備か空中にあるのかも区別できる。端的に言えばRWRは警察の取り締まり用レーダーに対抗してドライバーが使う探知機の発展形である。
レイセオンによればALR-69AはRWR技術の最新版だ。これまで不可能だった敵防空体制の制圧や各種機材搭載が容易になり、複雑な信号環境下での探知能力が向上している。
米空軍によるALR-69Aの779基発注について、レイセオンの電子戦システムズ副社長トラヴィス・スローカムは「ALR-69AでUSAFパイロットは状況把握ができ、今日そして将来の複雑な電子環境に対応できます」と述べている。
「当社は今後も受信機の性能向上を続け機械学習方式のモジュールを追加してシステムが自動的に新規脅威対象に対応できるようにします」
今回の契約は日本の要望に応えるもので、納入開始とともにレイセオンに51.5百万ドルが日本向けFMS勘定から支払われる。
ALR-69AはUSAFのC-130H、KC-46Aに搭載されており、F-16ファイティングファルコンへの導入がテスト中だ。

同装備の開発作業はカリフォーニア、ミシシッピ双方で進行中で2023年5月を目標に完了する。■

2018年2月1日木曜日

速報 SM-3ブロックIIA迎撃実験に失敗 



失敗をあざ笑うような報道が出かねませんが、実験は実験です。ただ、SM-3ミサイルが日米共同開発であること、発射したのがイージスアショアであることなど背景をちゃんと報道しているのでしょうか。素人には難しすぎると判断しているとすれば嘆かわしいことです。


Breaking News

Another US Navy ballistic missile intercept reportedly fails in Hawaii

米海軍弾道ミサイル迎撃実験に再び失敗、ハワイで


 By: David B. Larter    


WASHINGTON — ハワイのイージスアショア施設から発射したSM-3ブロックIIAは弾道ミサイル迎撃に失敗したとCNNが報道した。
 事実ならレイセオン製ミサイルで二回目の失敗となる。北朝鮮が核ミサイルでの米本土攻撃能力を着々と整備する中、対応が停滞する。
 ミサイル防衛庁広報官マーク・ライトはコメントを拒んでいる。
 「ミサイル防衛庁及び米海軍がイージスアショアミサイル防衛テスト施設(AAMDTC)から実弾発射テストをスタンダード-ミサイル(SM-3ブロックIIAをハワイ・カウアイの太平洋ミサイル発射施設から31日午前に行った」とだけライトは述べた。
 実験失敗を最初に伝えたのはCNNだった。北朝鮮情勢を考慮して詳しく口外しないよう当局が決めたという。
Officials: US missile defense test failed in Hawaii early Weds. Pentagon not publicly acknowledging key ballistic missile defense test failure & officials tell @barbarastarrcnn there is a decision to not talk about it, in part because of sensitivities surrounding North Korea.
 失敗の原因についてはミサイル本体以外の要素があることに注意すべきだ。標的捕捉・管制用レーダーもあり、海軍のイージスシステムも失敗の原因だった可能性もある。
 SM-3ブロックIIAは6月にも失敗しており、この時は駆逐艦ジョン・ポール・ジョーンズ乗員が間違ってミサイルの自爆スイッチを入れてしまった。

 昨年2月の試射ではミサイルは弾道ミサイル標的捕捉に成功している。ミサイルは日米共同開発でレイセオンが製造し北朝鮮等のミサイル脅威の高まりに対応するものだ。■

2017年11月16日木曜日

ドバイ航空ショーでレイセオンがペイトリオット迎撃100回成功と豪語


いくら航空ショーだからと言ってこういう発言をすると虚実区別できなくなる伝説になり独り歩きしそうです。ミサイル防衛の効果そのものが機密情報になっていないと敵に手の内を読まれますからね。とはいえ、確認も否定もできないのであれば言ったもん勝ちですね。レイセオンは商売上手なのでしょうか。


Raytheon: Saudi-based Patriots intercepted over 100 tactical ballistic missiles since 2015

レイセオンがサウジ配備ペイトリオットで2015年以降で戦術弾道ミサイル100発超を迎撃成功と発表

サウジアラビア配備のペイトリオット部隊がイエメンから発射された戦術弾道ミサイル(TBM)100発以上の迎撃に成功しているとレイセオンが発表した。サウジ主導でイエメンではイラン支援を受けるフーシ派への攻撃が2015年から続いている。(Raytheon)

By: Barbara Opall-Rome    16 hours ago

DUBAI, United Arab Emirates —
サウジアラビア国内に展開するペイトリオット部隊が迎撃したイエメンから発射された戦術弾道ミサイルはサウジ主導のイラン支援を受けたフーシ派への介入が始まった2015年以来100発を超えたとレイセオンが発表している。
  1. 同社ウェブサイトにこの数字が掲載されているが確認不可能であり、各種シンクタンク、サウジ政府他各国の公表数字よりはるかに大きい。
  2. 戦略国際研究所のミサイル防衛プロジェクトでは迎撃40回、命中18回と同時期に計上されている。ただしここには11月4日にイエメンから発射されたミサイルへのペイトリオット迎撃事例は含まれていない。
  3. イエメン反乱勢力に近い筋は算術ミサイル発射回数を93としているが、今数字には迎撃の成功失敗は区別せず水増し数字との見方が一般だ。
  4. にもかかわらずレイセオン幹部はドバイ航空ショー会場で取材に答え再び2015年以降で100発超の戦術ミサイルの迎撃に成功していると語り、性能向上を続ける同装備の効果を強調している。「当社は脅威に対応して常時改良を加えている。中東の最重要相手国が弾道ミサイル攻撃を受けている。全部で100回以上も迎撃に成功しており、ペイトリオットミサイルで飛来するミサイルを撃破している」
  5. その100発超というイエメンから発射されたミサイルについてレイセオン幹部はPAC-2改良型迎撃ミサイル-T(GEM-T)が強力な破片炸裂弾頭でミサイル脅威を解決したと述べている。サウジアラビアはPAC-2とあわせロッキード・マーティン製の直撃型PAC-3も配備している。
  6. レイセオン製品でPAC-3並みの好成績を残したのかとの問いに、ロッキード・マーティン統合防空ミサイル防衛担当副社長のティモシー・ケイヒルTimothy Cahillは同社の新型装備は今夏からサウジアラビア搬入がはじまったばかりだと述べた。
  7. 「正確な数字はわからないが、わかったとしても、口には出せない。なぜなら米政府はこの情報を固く守るべきと見ているからだ。言えるのはPAC-3はまだ完全配備されていないということだけだ。今使える装備で迎撃しているのだろう」(ケイヒル)
  8. ロッキード幹部は数字の違いからロッキード・マーティン製PAC-3に欠陥装備だとか問題があるとかいわれたくないとする。ケイヒルはリヤドのサウジ政府はまだペイトリオットPAC-3の初期作戦能力獲得宣言がいつになるか明言しなかった。
  9. ワシントンはサウジアラビア向けにPAC-3を300発に付属支援装備付けて54億ドルで売却する承認を2015年7月に下した。同年10月にワシントンはロッキード・マーティン製高高度広域防衛(THAAD)命中迎撃ミサイル発射機44セットと管制装置とレーダー合わせ150億ドルで売却を承認した。
  10. さらに今年10月初めにモスクワをサルマン・ビン・アブドゥル-アジズ・アル・サウド・サルマン国王が訪問し、サウジアラビアはロシアとS400対空対ミサイル迎撃装備の調達で合意形成したと発表。ドバイで取材した米ロ企業幹部はこの取引は正式に未締結と述べていた。■