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2025年3月28日金曜日

米空軍は要人輸送機材のアップデートを検討中、注目は初の軍用MAXが誕生するか(Aviation Week)

 U.S. Air Force C-32. Credit: U.S. Air Force

アメリカ空軍C-32。出典:アメリカ空軍



空軍は、現有機材の稼働率低下に直面し、単一プラットフォームでエグゼクティブ・エアリフト・フリートを再編成したいと考えており、ボーイング737 MAXで初の軍事仕様の購入を希望している。

 空軍の長期的な目標は、C-32A(原型ボーイング757)とC-40B/C(原型ボーイング737-700ビジネスジェット)の要人輸送機を単一プラットフォームで置き換えることだが、その機材は特定されていない。

 一方、空軍は、737ベースのVIP輸送機C-40B/Cの新型C-40Dを購入する計画の概要を明らかにしている。この航空機はボーイング・ビジネスジェットMAX9で、757ベースのC-32Aを増強するために運用される。

 この目標は、本誌が入手した2024年後半の空軍のプレゼンテーションに概説されている。米空軍の2025年度予算要求では、2025年9月に発注し、2028年8月に引き渡しを予定していた。要求には、C-40Dを調達する2025年度予算として3億2,868万9,000ドルが含まれており、中間供給支援、支援機器、プログラム支援費用が含まれている。航空機自体は1億ドルの単価としていた。

 議会は2025年度国防授権法の中で、予算増額は不当として、このサイクルでの計画を阻止した。空軍は、今春以降に予定されている2026会計年度の要求で再挑戦する可能性がある。今のところ、空軍の広報担当者は空軍は現在C-40Dを購入する権限も予算も与えられていないと述べている。

 737でに計画されている変更には、軍固有の変更と、すでにC-32AとC-40Bで使用されている上級リーダー通信システム-エアボーン・スイートのインストールが含まれる。

 C-40の任務は、副大統領、大統領夫人、国務長官、国防長官、統合参謀本部議長という "トップ5 "のユーザーをサポートすることにある。

 空軍はVIP輸送用にガルフストリームC-37Aも運用しており、これらも入れ替えが必要だが、そのペースは空軍と国防総省によって決定されていない。■


USAF Eyes Executive Fleet Updates, First Military MAX Slows

Brian Everstine March 13, 2025

https://breakingdefense.com/2025/03/amid-democratic-turmoil-senate-passes-yearlong-funding-stopgap-with-892b-for-defense/



ブライアン・エバースティン

ブライアン・エバースティンは、ワシントンD.C.を拠点とするAviation Week誌のペンタゴン担当編集者である。



2021年6月6日日曜日

米空軍エアフォースツーC-32A後継機は一気に超音速機になりそう。新興企業による技術ブレイクスルーに期待する米空軍。

 US Air Force Boom VIP

BOOM SUPERSONIC

 

 

空軍は超音速あるいは極超音速人員輸送機の開発で、現行のC-32A特別空輸機(原型は生産終了済みボーイング757-200)と大幅に異なる後継機の実現を目指す。C-32Aは副大統領の搭乗時のコールサイン「エアフォースツー」のほうが有名だ。

 

英仏共同開発のコンコードが2003年に運行停止した以降、高速飛行性能と低水準運行経費の両立が難題になっている。ただし、ユナイテッドエアラインズがマッハ1.7で飛行可能なオーヴァーチュア旅客機をブーム・スーパーソニック社から15機導入する基本合意ができたと本を発表したことで、空軍が目指す技術が現実に近づいてきた観がある。

 

TYLER ROGOWAY

米空軍はC-32A特別空輸機を4機運用中だ。

 

 

空軍の2022年度予算案ではC-32高官輸送機再生事業が消えており、2021年度に同事業に計上されていた6.2百万ドルが浮く。

 

C-32A再整備事業の削除で特に関心を呼ぶのは空軍がその分の予算を高速輸送機の研究にす流用していると明らかにしている点だ。空軍の供用中VIP機材は既存型の旅客機やビズジェットを大幅に改装したものだ。

 

「2020年以降の予算は高性能高速輸送機材の評価、技術成熟化に投じられており、C-32A後継機を適切な時期に実現するべく国防産業基盤の強化に充てている」と空軍の予算文書にある。

 

空軍はC-32A(現有4機)と同水準の機材を後継機にすることに関心をなくし、かわりに高速高官輸送機材に焦点をあてている。

 

実際に作業は小規模ながら進んでいる。空軍は新興企業三社に契約を昨年交付し、高速高官輸送機材への応用を検討している。そのうち、前述のブーム・スーパーソニックはXB-1「ベイビーブーム」超音速実証機を昨年10月にロールアウトさせた。XB-1テストからオーヴァーチュア旅客機を誕生させる狙いがある。100%再生可能燃料を使い、乗客65-88名のオーヴァーチュアは2026年に路線就航する予定だ。

 

 

残る二社は同じく超音速機開発をめざすエグソソニックExosonicと極超音速機の実現にとりかかるハーミウスHermeus Corporationだ。

 

C-32Aは後継機種がないまま、航空機動軍団で2040年まで供用されると予算資料にあり、平均18年の耐用年数が残っている。C-32Aの就役開始は1998年で第89航空輸送団の第一空輸飛行隊がアンドリュース共用基地(メリーランド州)で運用している。

 

C-32Aでは改修作業も予定されており、2022年度には1.9百万ドルが計上されているが、2021年度の2.9百万ドルより減っている。予算資料では「プログラム管理装備(PMA)、助言支援機能(A&AS)、システム統合作業、訓練機器、その他政府関連費用に加え、高官用通信装備の更新を行う」とある。

 

さらにC-32A改装では機内意匠を「エアフォースワン」VC-25Aの大統領搭乗区画に近づける「内装リフレッシュ」作業も続いている。うち一機の内装改装が2018年に16百万ドルで発注されている。

 

 

その他の改装作業にコックピットのエイビオニクス改修、機体防御装備、通信機能の大幅向上がある。

 

これまで空軍は海軍とC-32A高官空輸機(EA)のみならず、E-4B国家空中作戦センター(NAOC)通称「審判の日」機、E-6B空中指揮命令所(ABNCP)、通信中継機(TACAMO)まですべて単一機材に更新する大胆な構想を進めてきた。空軍は現有の各機材は「老朽化し運用がどんどん難しくなっている」としている。

 

構想は各機の頭文字をとりNEATと呼ばれてきたが、昨年9月に中止となった。そこで空軍はE-4B後継機の検討を始め、海軍はC-130Jを次のTACAMO機候補としている。

 

となると、空軍が模索する高速高官空輸機はどうなるのか。新興企業三社向けの進展は予測不能だ。ただし、これまでの契約実績は研究中心で規模も少額であることに留意すべきだ。たとえば、ハーミウスには2百万ドル未満しか交付されていない。

 

HERMEUS CORPORATION

極超音速旅客機を空軍仕様にした想像図

 

 

そこで要求性能水準と実用性が問題となる。高官を乗せ世界各地を高速移動しつつ運航効率が高い、長距離を短期予定で移動できる性能は歓迎されるだろうが、単一機種として調達すれば非常に高額な装備になりそうだ。また、運行面では大陸上空の超音速飛行は米国、欧州で依然として禁止されたままであり、機体性能を活用できない。これは軍用、民生用共通だ。

 

一方で、超音速機がこの機体サイズで実現すればその他任務にも投入できる。例として情報収集監視偵察(ISR) 、さらに攻撃任務も想定できる。ごく少数の人員や機材を長距離かつ高速に移動させられる。高速輸送機は搭載力が限られるとしても魅力ある選択肢に残る。 


うまく調整すればその他予算項目からの流用も可能になるのではないか。であればC-32A近代化改修は終了となりそうだ。

 

そうなると、C-32Aの後継機種がないまま、将来の「エアフォースツー」に高官が乗り超音速、あるいはそれ以上のスピードで移動する日が来るかもしれない。大手エアラインが信頼を示したことで空軍にもVIP高速輸送の夢が近づいたのではないか。■

 

次期大統領専用機VC-25Bの供用開始が遅れ気味になっています。一方で、超音速VIP機が空軍に納入されれば、副大統領が高スピードで移動し、大統領はゆっくり移動することになるのでしょうか。大統領の移動となると随行員や装備の関係で小型機では対応できないので、やはりこのままなのでしょうかねユナイテッドのブーム機材購入の話題はT1でお伝え済みです。

https://aviationspacet1.blogspot.com/



 

 

この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。市況価格より2-3割安い翻訳をご入用の方はaviationbusiness2021@gmailまでご連絡ください。

 

'Air Force Two' Replacement Dropped With Funds Redirected To Supersonic Transport Research

BY THOMAS NEWDICK JUNE 3, 2021


2020年3月31日火曜日

E-4B,E-6B-C-32Aの3機種を一気に新型機と交代させる....2020年代末が目標

こうした支援機材も更改の時期が迫っているのですね。特殊仕様の機材ばかりですが、大胆に予想すればE-4Bは777X、E-6は787、C-32はNMA(実現すれば)になるのでは。あ、みんなボーイングですね。エアバスを採用することはありえないと思います。

20200329_new_nightwatch (copy)
JOSH PLUEGER/U.S. AIR FORCE

ファット空軍基地を拠点とする「審判の日」機が姿を消す日が近づいている。
4機あるE-4Bナイトウォッチ別名国家空中作戦センターの後継機さがしを空軍が始めた。10年以内に交替する。審判の日の名のは核戦争が発生した場合に同機が核兵器の運用で重要な役割を果たすからだ。国防長官の移動にも使われている。
昨年12月に空軍は次期機体「残存可能空中作戦センター」(SAOC)を求めると公告を発表した。2月には事業者向けに説明会を開催した。
「国家的緊急事態や地上指揮統制施設が破壊された場合にSAOCが高度なまで残存可能な指揮統制通信(C3)機材として米軍に指示を出し、緊急作戦命令を発出し、民間向け諸機関との調整を図る、と空軍は説明。
議会は2019年、2020年通じ20百万ドルを計上し、E-4B、E-6Bマーキュリー、C-32Aの後継機選定作業を開始させた。トランプ政権は76.4百万ドルを2021年度予算に求めており、今後5年で5億ドル程度で新型機を求めるとしている。新型機は2020年代末に供用開始する。
大型で白色塗装のE-4はネブラスカの空ではおなじみの存在だ。1970年代中ごろにオファット空軍基地に配備された。機体は軍用仕様のボーイング747-200だ。
「747でも一番古い機体だ」とドン・ベイコン下院議員(共、ネブラスカ)はオファット基地の第55航空団を2011-12年に指揮していた時代を回想して述べた。「予備部品を見つけて保守管理するのは本当に大変だった」
同時に各機は空軍機材の中でもっとも運営経費が高い期待でもある。Business Insiderの試算が2016年にあったが、E-4Bを飛ばすと毎時160千ドルかかる。同機に続き高額なのはB-2ステルス爆撃機だがこれより30千ドル近く低い。
海軍のE-6Bはオクラホマシティに配備されているが、よくオファットに飛来している。主な任務はトライデント弾道ミサイル潜水艦とVLF(極長周波)通信を維持することで、洋上を正確な円弧を描く飛行を維持して全長5マイルのアンテナを伸ばす。
22機あるE-6Bはボーイング707-320の軍用仕様機で最後まで残る707機でもある。
C-32Aは6機あり、ボーイング757-200ジェット旅客機を副大統領、大統領夫人他閣僚の輸送用に使っている。製造は1990年代後半でアンドリュース空軍基地(メリーランド)が本拠地だ。副大統領が搭乗するとコールサインは「エアフォースツー」になる。
E-4Bが古くなったと言ってもオファットの第55航空団が世界各地で運用中のC-135を原型とする偵察機よりは新しい。
各機は1960年代前半に製造されており、RC-135のうち2040年代前に新型機と交代するのはごく少数だ。■

この記事は以下を再構成したものです。

Pentagon seeks $76 million next year to start replacing Offutt-based 'Doomsday' jets

 Mar 29, 2020

2017年6月27日火曜日

E-4、E-6、C-32の後継機種統一に向かう米空軍はKC-46派生型調達に向かいそう



先にお伝えした竜巻被害を受けたためE-4Bで供用可能な機材が半減したのを逆手にとって後継機材の検討が早まるかもということですね。ただし候補は767で想定ずみのようなのでボーイングは民間向け引き渡しが終了している同機生産ラインを楽に維持できそうですね。なおボーイングの機種別受注引き渡し状態は
をご参照ください。
C-32A USAF

Pentagon May Replace Its Doomsday Planes And "Air Force Two" With One New Type

ペンタゴンは審判の日機材と「エアフォースツー」を統一する検討中

Consolidating the E-4B NAOC and E-6B Mercury missions into one common aircraft while also sharing platform commonality with a C-32A replacement makes a ton of sense.

E-4BとE-6Bマーキュリー後継機を統合し、C-32A後継機とも共通性を持たせれば大きな効果が生まれそう

 BY TYLER ROGOWAYJUNE 24, 2017

  1. 米空軍が四機あるE-4B国家空中作戦指揮指令所 National Airborne Operations Center(NAOC)機材とC-32A六機の老朽化から後継機検討に入っている。後者は副大統領を乗せた場合のコールサインが「エアフォースツー」となり、その他高位の政府関係者や外交使節団が使うことが多い。
  2. トランプ大統領の新年度予算案で6百万ドルが新型エアフォースツー整備プロジェクト用に確保され、後継機の検討が期待されている。E-4Bのミッション、E-6Bマーキュリーのミッション内容を検討し単一機材に統合できないか検討も始まっている。さらにこの機材をC-32A後継機にするのは一見不可能に見えるが実現はあり得る。
  3. 機体統一を念頭にするとC-32より大型機材だがE-4Bよりは小型になりそうだ。以前はE-4Bのミッションを継承するには747以上の大型機が必要とされていたが、現在は電子機器・通信機器の小型化が著しく小型機でも使えると分かっている。
  4. 役割が全く違うがE-4BとC-32Aはともに政府機能、指揮命令機能の継続に欠かせない。そのため通信用アレイや指揮統制のインターフェイスや高出力の発電容量や防御装備が共通化されている。両機種とも電磁パルス対策を強化している。それぞれのミッションを同じ機材でこなせば開発調達費用で相当の節約効果が生まれるはずだ。
  5. E-4Bの開発は1970年代中頃で747-200が原型だ。すでに民間航空で運航経費、整備費用の高さで姿を消した機材だ。C-32Aはより新しい機材で1990年代後半から2000年代初頭に調達され、ヘッズアップディスプレイ等新しい装備が導入されている。とはいえ、両機種とも耐用年数上では末期に近づいており、ここにきて重大な故障も発生している。
オファットAFBを離陸するE-4B
USAF
  1. E-4BのNAOCミッションとE-6Bミッションを統一する検討が始まっており、残存可能空中作戦センターSurvivable Airborne Operations Center(SAOC)の名称がついているがE-4B後継機がE-6B後継機にもなるのだろう。両機種のミッション内容で重複部分が多いことから統合の意味が出てくる。
  2. 現在のE-4Bの主なミッションは国家最高指導部すなわち大統領および国防長官の搭乗用に待機することで大規模戦闘状態の発生に備えている。機内から米軍の指揮統制特に高高度から核兵器の三本柱の運用が中心だ。同時に移動指揮通信司令部の役割がFEMA用に期待され、国防長官の外国訪問時には専用機となる。
  3. E-6B部隊は程度こそ低いが自然災害時に国家最高指導部を乗せる想定もあるが、もともと空中司令部でありTACAMOミッションとして核兵器運用の機材だ。E-4Bでこの機能の一部は果たせるので二機種を維持運用する必要があるのかと思うのが自然だ。
最近改修を受けたE-6Bは707生産ラインの最終号機だ
USAF

  1. 運用問題もある。E-4Bは4機しかなく通常一機が保守点検中で別の一機が緊急時に備え待機する。二機が予備機材となり国防長官の海外訪問に使われることもある。各機にも定期点検が必要であり、予備機が二機を下回ることも珍しくない。
  2. E-6Bはこれよりは新しい機材で1990年代初頭から配備が始まった。ボーイング707派生型の最後の機体で就役開始の段階でも最新機材ではなかったが、米海軍が運用中のE-6B合計16機には相当の耐用年数が残っており、DoDがE-4Bを先に退役させる可能性は高い。同機の運航経費が軍の機材中最高水準のためだ。新型機がE-6Bと交代するのは2020年代末から2030年代で、海軍は定期的に改修を受ければ現行機材はそれまで十分飛行可能と述べている。
E-4BがKC-135Rから空中給油を受けている
 USAF

  1. そうなるとC-32A、E-4BさらにE-6Bの後継機種はどんな機材になるのだろうか。
  2. 現時点ではKC-46ペガサスの派生型が一番可能性が高いように見える。同機の大きさはC-32、E-6BとE-4Bの中間でペンタゴンが調達中だ。さらにKC-46は軍用仕様でE-4B、E-6B、C-32A各機の後継機に必要となる機体構造強化も可能だ。
  3. ただし767も787と比較すれば旧式でトラブルを心配する向きもあるが、787を軍用化するリスクは相当あり、政府機能を継続させ指揮統制、さらに核兵器使用の命令を実施できるかは疑問だ。言い換えると787を原型に新型サブシステムや機体構造を強化して「終末の日」機材にすると時間も費用も相当掛かると覚悟する必要がある。
エドワーズAFBで巨大無音響施設でテスト中のKC-46。民間仕様機材を軍用化するのは想像以上に大変だ。 USAF
  1. 737MAX 10 も低コストで候補になるが、米空軍他が757以下の小型機を受け入れるか大いに疑問である。Defense.comによれば米空軍の予算要求ではC-32A後継機では明らかにKC-46派生型を想定しており737等の小型機より優先しているのは以下の説明の通りだ。
  2. 「C-32A後継機はVC-25A予備機としてC-32で露呈している性能ギャップの多くを埋める強力な機体であるべきだ...後継機では航続距離、収容力、国家指導部用の通信機能強化、執務室の強化が必要」
  3. もう一つの選択肢が777で、この場合はC-32AやE-6Bよりはるかに大型機になる。さらに777は現在米空軍が運用する機材ではなく、軍用仕様に改造されたこともない。短距離滑走路での運用能力が問題となり、ペンタゴンも運用支援の仕組みを一新する必要が生まれる。ただし空軍が運用機種数を減らそうとしている中で逆行する選択は考えにくい。
  4. E-4B後継機導入に関してはオファットAFBでE-4B二機が竜巻で損傷を受け加速する可能性が出てきたことに注目すべきだろう。竜巻は2017年6月17日に同基地を襲った。ボーイングと空軍が機体の損傷度合いを評価中だが修理費用が高額と判定された場合は機齢も考慮して後継機種探しが大幅に加速されるだろう。あるいは損傷にもよるが、被害機を予備部品取り用に使い、残る二機のE-4BとVC-25の即応体制を維持する可能性もある。共通して747-200が原型なのでこれは可能だ。
警戒待機中のE-4B USAF

  1. C-32A、E-4B、E-6Bともそれぞれ重要なミッションを実施しており、機材が統一され、特に背中にこぶのついたE-4Bが消えるのは悲しい。「E-46」がNAOC、TACAMO、空中司令部、FEMA緊急支援、国防長官移動用に使われ政府高官の移動用にも投入されるだろうが、「VC-46」があれば後者は不要だろう。
  2. VC-46が少数機あれば大統領移動時の「エアフォースワン」ミッションにも投入され、耐用年数が切れかけてきたVC-25A二機の代用にもなる。空軍は747-8i原型の新型機を発注中だが、国内移動で大統領が小型のVC-46Aを好む場合もあろう。それでも現行のC-32Aより相当大きい。
  3. 現状では大統領がC-32Aを使うのは目的地空港が747運用できない場合やVC-25Aが使えない場合に限定されている。エアフォースワン後継機問題の検討でこの点はすでに指摘済みだがC-32A後継機がワイドボデイになればホワイトハウスも大統領移動の在り方を変えて予算節約になるのではないか。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com


2017年6月4日日曜日

検討が始まったエアフォースツー、緊急時国家指導部司令機の後継機種




A C-32 aircraft taxis at Yokota Air Base, Japan, in 2011.

日本では757が一機も導入されず知名度が低いのですが使い勝手がいい機材なのでしょうね。トランプも選挙運動中に専用機としていました。しかしさすがに老朽化が目立ってきたのでしょう。今から導入するのなら787が一番いいのでは。容積を考えれば777-Xですかね。エアバス機を採用することはあり得ないでしょう。日本政府は777を発注しており、さらにMRJを運用するそうですから、MRJがC-32に相当するのでしょうね。(航続距離が全く違いますが。)

Pentagon Wants to Get Started on New Air Force Two and Doomsday Planes 

ペンタゴンが新型エアフォースツー、緊急時用対応機材の後継機検討に入った


  •  BY MARCUS WEISGERBER

老朽化してきたC-32とE-4Bの後継機は同様の機材か、少なくとも同様の装備を搭載する機材になる

  1. トランプ大統領の批判が新型エアフォースワン購入計画に向けられたがペンタゴンがエアフォースツーとして供用中のボーイング旅客機4機の後継機選定を静かに始めることは許容されそうだ。
  2. トランプ政権初の予算要求案では6百万ドルが事業推進室立ち上げならびに初期検討に計上されており、米空軍のC-32A後継機の検討に入る。C-32はボーイング757を改修した機材で通常は副大統領はじめ主要閣僚・議会関係者を乗せ飛行している。
  3. 同機は大統領が滑走路の関係でVC-25A(747改修機でエアフォースワンのコールサインを用いる)が使えない場所に飛ぶ際にも使われている。
  4. 「C-32A後継機は現行のC-32AをVC-25A並びに次期エアフォースワン代替機として使う前提で現状の性能ギャップを埋める優秀な機材とする必要があります」と空軍は予算要求案で述べている。「C-32A後継機は航続距離、乗客数、国家指導層向け通信能力の面に加え執務環境面でも現状より優れている必要があります」
  5. ペンタゴンは新エアフォースツーを次期エアフォースワンならびに別に進めるE-4B通称「世界最後の日に飛ぶ機体」(大統領、国防長官が核戦争時に使用する飛行司令部)とも親和性を高めたいとする。国防長官はE-4Bを外遊時に使うことが多い。
  6. 同時にトランプ政権予算案では7.8百万ドルでE-4Bと海軍のE-6マーキュリー(これも核戦争時の指揮命令機能を果たす機材)の機能統合の検討を開始し、「統一仕様機材」を目指す。新型機は残存可能空中作戦センターSurvivable Airborne Operations Center機と呼れる。
  7. E-4は1980年から、E-6は1990年代初めから飛んでいる。空軍はまだ機種を指定していないが、「民間機派生型」と呼んでおり、既存機種を原型にする。C-32と一番近いのがボーイング767で空軍は同機を元に新型空中給油機の導入を進めようとしている。757よりわずかに全長が大きい767はワイドボディ機で搭載機器、乗客数が増える。
  8. C-32は整備面でも負担になってきた。2014年には当時の国務長官ジョン・ケリーの太平洋歴訪の最後にハワイで故障した。二か月後にもウィーンで故障している。二回とも長官は民間機での帰国を迫られた。国務長官専用機は2014年に4回故障している。
  9. ボーイングはC-32を空軍に1998年に全4機納入している。757最終号機は2005年4月に上海航空に引き渡され生産終了している。現在同型を運用するエアラインは少なくなり、部品入手が毎年困難になっている。米空軍は2016年3月にボーイングに319百万ドル契約を交付してC-32全機のとC-40(737の軍用仕様)の大修理を2023年までに完了するよう発注している。
  10. 空軍の運用する各機にはきれいな上部白、下部青の塗装以外に衛星通信他ハイテク機器が搭載されている。機内は隔壁で分けられ、前方から乗員の作業部署、長椅子と執務机を備えた小部屋が真ん中に、スタッフの作業部が続き、最後部にスタッフ乗員向けの椅子席が続く。快適とはいえ、贅沢さはなく、新型民間エアライナーの完全フラットシートやプライベート空間とは大きく異なる。■