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2022年9月3日土曜日

米空軍CV-22オスプレイの飛行運用が再開された。ハードクラッチ結合問題で。根本原因は未解明。

 

第58特殊作戦航空団のCV-22オスプレイが空中給油機に接近中。ニューメキシコ州カークランド空軍基地上空。 April 20, 2022. Air Force photo by Jeremy T. Dyer.

米空軍CV-22で飛行運用が再開された

軍特殊作戦司令部は、安全上の問題から8月16日より始めていたオスプレイの飛行停止措置を終了したと、空軍特殊作戦軍団AFSOC広報部長のレベッカ・ヘイス中佐が9月2日にエアフォースマガジンに確認した。地上待機措置を最初に報じたのはBreaking Defenseだった。

6週間で2度、「ハードクラッチ係合」(HCE)が発生したため、8月16日に飛行停止となった。

HCEとは、ローターギアボックスとエンジンをつなぐクラッチが滑り、強く引っかかることで機体が傾く現象だ。

この2件の事故以前でAFSOCのオスプレィは過去5年間で2回しかHCEは発生していない。この2件の事故による負傷者は報告されていないが、直後に着陸を迫られた。

AFSOCは問題の根本的な原因を特定できていない、とヘイス中佐はAir Force Magazineに述べている。しかし、同司令部は、HCEで困難な事例に対処する緩和ガイドラインを策定し、同問題に対処するため複数のラインで取り組んでいる。

新しいガイドラインは、事故の多くが発生した飛行業務に焦点を当てたもので内容は以下の通りだ。

  • 離陸技術の修正

  • 同様の事故のリスクが高い業務について、リスク軽減の議論に飛行隊リーダーを参加させる

  • シミュレーター訓練にHCEのシナリオを組み入れ、修正する

  • 限界飛行力や離陸中止の訓練を強化する

「根本原因が特定され、解決策が実施されるまでは、HCEが多発する飛行体制での運用を緩和し、HCEが発生した場合に対処できるよう乗員訓練を可能な限り行うことに焦点を当てる」とヘイス中佐は述べた。

このガイドラインに加え、AFSOCはCV-22搭乗員にアンケートを実施し、ハードクラッチが作動した場合の対処法について理解を深めるとともに、問題に対する意見や解決策を提出するよう求めた。

整備士はまた、空軍整備情報システムのデータを検証・比較するため1回限りの点検を行い、「駆動系部品の稼働時間に関して」正確な情報をCV-22統合計画局と航空機メーカーのベル・テキストロンに提供した。

中期的な取り組みとして、AFSOCは駆動系部品が一定の飛行時間に達した後に交換することも検討している。長期的な目標は、根本的な事故原因を特定し、物理的な解決策を見出すとしている。■

CV-22 Fleet Cleared to Start Flying Again After Safety Stand Down - Air Force Magazine

Sept. 2, 2022 | By Greg Hadley

2022年8月19日金曜日

オスプレイ運行停止は米空軍だけ。反対派の皆さん残念でした。自衛隊運用の機種も海兵隊と共通でしたね。

 

イージー・ライオン2017を支援するデモ飛行を開始するため、ヨルダン・アカバのUSSバターン号に上昇する米海兵隊のV-22オスプレイ。 (U.S. Army/Sgt. Mickey A. Miller)


海兵隊は、クラッチの故障現象を2010年から認識しており、「再発した場合に対処できる適切な手順がある」と述べた



軍が安全性の懸念でCV-22オスプレイを飛行停止したことを受け、海兵隊航空部門トップは、海兵隊は10年以上前から同問題をよく認識しており、MV-22に追随することはないだろうと述べた。代わりに、同問題の発生可能性を減らす方法をガイダンスしている。

 「ハードクラッチ問題は2010年以来、海兵隊が認識しており、そのため、飛行中に問題が発生した場合に適切な緊急制御手段で対応するようパイロットを訓練してきた」と、同軍が本日発表した声明にある。「海兵隊は根本的な原因で解決するために、共同プログラムオフィス、NAVAIRエンジニアリング、および業界パートナーと連携を続けています」。

 Breaking Defenseは水曜日に、空軍特殊作戦司令部がCV-22オスプレイのクラッチの問題を含む「安全事故の増加」のため、52機すべてを飛行停止させたとまっさきに報告し、過去6週間以内に2件の事故が発生したことを伝えていた。

 海兵隊関係者は報道陣に対し、2010年にクラッチ問題が発覚して以来、パイロットに対処法を訓練してきたと語った。同関係者によると、2010年に発見されて以来、海軍、海兵隊、空軍のV-22で15件の事故を記録しており、うち10件は海兵隊関連だという。15件で海軍のCMV-22で発生した事故はない。

 軍は航空事故を「クラス」で分類しており、各クラスはパイロットの具体的な負傷と、機体に与えたダメージに関連する金額を表す。海兵隊関係者は、15件の事故のクラス別内訳をすぐには明らかにできないが、人命損失を伴う最も厳しい評価「クラスA」の事故はなかったと述べた。また、どの事故もパイロットに深刻な被害はなかったという。(AFSOC関係者が以前Breaking Defenseに語ったところによると、推定では、多くの場合、事故後にギアボックスとエンジンがともに交換を必要とし、250万ドル以上の損害を伴うクラスAの災難となる)。

 今日、AFSOCは、火曜日から始まったV-22の地上待機決定に変更はないと発表した。海兵隊関係者は、空軍の決定にもかかわらず、なぜ海兵隊は機体を停止しないのかと質問され、海兵隊パイロットは、この問題が発生する可能性を減らす方法を指導されており、今日発表される新ガイダンスで強化されると強調した。

 海兵隊関係者は、「この緊急事態が再び発生した場合に備え適切な手順が整っていると感じている」と述べた。「明日であろうと1年後であろうと、海兵隊乗員はこの緊急事態に適切に対応し、機体を安全に着陸させるための訓練を受けている」。


 副司令官のガイダンスで強調された緩和策では、パイロットが飛行機を地面から数フィート浮かせ、計器をチェックしながらしばらく「ホバリング」する操作の重要性が含まれている。

 「該当事故の3分の2以上は、離陸後数秒以内に起こっています。そのため、前方飛行に移る前にホバリング・イン・グラウンド効果で上昇し、計器をモニターすることで、クラッチ故障現象にさらされる機会を減らしている」と述べた。

 海兵隊関係者は、同型機全体に関する質問には答えず、質問をV-22統合計画室に委ねた。■



Marine Corps will not stand down MV-22 fleet despite Air Force move


By   JUSTIN KATZ

on August 18, 2022 at 12:01 PM