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2025年6月29日日曜日

日本が対艦ミサイル発射テストを国内で初めて実施(Naval News)

 


静内対空射場(北海道)で火曜日行われた88式地対艦短距離ミサイルの発射実験。 (陸上自衛隊 via AP)


本は6月24日、自国領土内で初のミサイル発射実験を行った。

 88式地対艦短距離ミサイルの試射は火曜日、北海道の最北端にある静内対空射撃場で行われた。陸上自衛隊の第1砲兵旅団による訓練には約300人が参加し、北海道の南海岸沖約40キロ(24マイル)の無人艇を標的とした訓練用ミサイルを使用したと当局者は発表した。

 陸上自衛隊はテストの結果を調べているところだという。

 スペースの制限や安全上の懸念から、日本はこれまで、条約上の同盟国であるアメリカや、広大な訓練場がある日本の防衛上の主要パートナーであるオーストラリアの領土でミサイル実験を実施してきた。

 火曜日の国内初のミサイル実験は、より自給自足的な軍備を目指す日本の動きと、地域の海上で自己主張を強める中国への抑止力としての反撃能力の獲得を強調するものだ。

 日本は中国とロシアが日本沿岸で合同軍事演習を行うことを懸念している。

 北海道の北隣である日本とロシアは領土問題を抱えている。

 日本は平和主義憲法の下、かつては自衛のための武力行使に限定していたが、2022年に中国を最大の戦略的課題とし、日米同盟の緊密化を求める現在進行中の5カ年安全保障戦略を採択し、その方針から大きく転換した。

 日本は現在、今年後半から米国から購入したトマホークを含む長距離巡航ミサイルの配備に取り組んでいる。

 日本はまた、射程約1,000km(620マイル)と88式の10倍の射程を持つ12式地対艦ミサイルも開発している。

 三菱重工業が開発したトラック搭載型の88式誘導ミサイルの射程は約100キロメートル(62マイル)である。

 日本はまた、西太平洋にある日本最東端の無人島、南鳥島にミサイル発射場を建設する準備を進めている。この海域では今月初め、中国の空母2隻が初めて一緒に行動しているのが目撃された。■




Japan conducts first domestic missile test

By Mari Yamaguchi, The Associated Press

 Jun 25, 2025, 03:34 AM

https://www.navalnews.com/naval-news/2025/06/japan-conducts-first-domestic-type-88-ssm-test/


2025年5月26日月曜日

日本製鋼所がパトリアAMVの現地生産を9月開始する(Breaking Defense)

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パトリアAMV 8×8装輪装甲車(出典:パトリア)

パトリアの装輪装甲車は、陸上自衛隊が供用中の96式装輪装甲兵員輸送車の後継として、2022年に選定された

DSEI JAPAN - 日本製鋼所は、フィンランドのパトリアのAMV 8×8装輪装甲車のライセンス生産を今年9月に開始するとパトリア関係者が発表した。

パトリアのヤンネ・プルッキネン技術移転マネージャーによると、日本でのAMVの生産は、フィンランドから輸入した部品とサブアセンブリを使用した車両組み立てから始まる。

5月16日に発表された同社のニュースリリースによると、その後、ライセンス契約の元で現地の下請け業者のネットワークを利用することに移行する。

パトリアの装輪装甲車は、陸上自衛隊で運用されている96式装輪装甲兵員輸送車の後継として、2022年に日本によって選定された。

日本製鋼所はフィンランドで5カ月間にわたり、車両の製造工程を学んだ。 このプログラムには、パトリアの現地スタッフの指導の下、日本初のAMVを組み立てることも含まれていた。

パトリアのスタッフは、準備段階および生産開始時の技術的なサポートにも密接に関与する予定であり、DSEIジャパンエキスポの同社広報担当者によれば、広島にある日本製鋼所施設で行われる。

パトリアのマルクス・ロウヒヴオリ主要顧客担当ディレクターはまた、パトリアNEMO迫撃砲システムやAMVベースの特殊車両を含む協力関係の拡大について、日本製鋼所と協議中と述べた。

同社によれば、正確な数は不明だが、日本は最終的に「数百台」の車両を必要とすることになるという。

日本は現在、約380両の96式装甲兵員輸送車を運用しており、2023、2024、2025年度の防衛予算には、総額561億円(3億8,990万ドル)、合計82両のAMVのための資金をすでに割り当てている。

AMVに加え、陸上自衛隊は共通戦術装輪車両計画のもと、24式8×8装輪装甲車も導入する。

共通のシャーシである16式機動戦闘車をベースに、製造メーカーの三菱重工業は24式の3種類の異なるバリエーションを製造する予定であり、16式と並んで陸上自衛隊の偵察部隊や迅速展開部隊に配属される可能性が高い。

これらには、30mmブッシュマスターMk.44自動小銃を装備した歩兵戦闘車、迫撃砲車両、および偵察戦闘車のバリエーションが含まれ、日本はすでに24年度の防衛予算で32両、さらに25年度にも32両分の予算を計上している。■

Japan Steel Works to begin local production of Patria AMV in September

Patria's wheeled vehicle was selected by Japan in 2022 to replace the Type 96 wheeled armored personnel carrier that is in service with the Japan Ground Self Defense Force (JGSDF).

By   Mike Yeo

on May 22, 2025 at 3:26 PM

https://breakingdefense.com/2025/05/japan-steel-works-to-begin-local-production-of-patria-amv-in-september/



2025年2月18日火曜日

知名度は低いが最高性能の日本の10式戦車に注目だ(19fortyfive)

 Japan Type 10 Tank.

Japan Type 10 Tank. Image Credit: Creative Commons.



ヒトマル式としても知られる10式主力戦車(MBT)は、日本の装甲戦能力における大きな飛躍を象徴している


三菱重工業が陸上自衛隊(JGSDF)のため開発したこの第4世代戦車は、近代的で効果的な軍事力を維持する日本のコミットメントの証である。2012年の登場以来、10式戦車は先進技術、優れた機動性、強力な火力が称賛されている。


10式の開発

10式の開発は1990年代にTK-X(MBT-X)というプロジェクト名で始まった。 主な目標は、老朽化した74式戦車と交代し、陸上自衛隊の兵器庫にある90式戦車を補完できる戦車を作ることだった。

 新型戦車の必要性の背景には、指揮統制能力の強化、対戦車兵器に対する防御力の向上、機動性の向上などを求める現代戦の進化があった。

 10式戦車の重要な設計優先事項のひとつは、C4I(コマンド、コントロール、コミュニケーション、コンピューティング、インテリジェンス)システムを組み込むことだった。 このシステムにより、戦車はネットワーク中心の戦場でシームレスに運用され、リアルタイムのデータ共有と状況認識の強化が可能になる。

 C4I能力の重視は、このような高度なシステムを搭載する内部スペースが不足していた旧式74式戦車や90式戦車のアップグレードの限界への対応であった。


10式戦車のパンチ力

10式戦車は、日本製鋼所が開発した120mm滑腔砲を搭載している。標準的なNATO120mm弾と10式徹甲弾(APFSDS)の両方を発射できるこの砲は、自動装填装置と組み合わされ、乗員は車長、砲手、運転手の3人に減らされた。

 自動装填装置は砲塔後部に収納され、戦車の特徴的な外観となっている。10式戦車は主砲の他に90式12.7mm機関砲と74式7.62mm機関砲を装備し、歩兵や軽車両との交戦に十分な副火力を提供している。

 10式戦車の装甲はモジュール式セラミック複合材で、重量や構成に柔軟性を持たせながら高い保護性能を発揮する。 戦車の装甲は、必要に応じて追加したり取り外したりできる取り外し可能なセクションによって、任務プロファイルに基づいて調整することができる。このモジュール式アプローチは生存性を高め、修理やアップグレードを容易にする。

 同戦車には、レーザー警告システムやスモークグレネードランチャーなどの高度な防御システムも含まれており、敵の探知や照準から戦車を守るのに役立っている。 車長のパノラマサイトは、従来型より高い位置に取り付けられており、より広い視野を提供することで、戦車の防御能力をさらに高めている。

 10式戦車の際立った特徴のひとつは、卓越した機動性がある。 この戦車は1,200馬力のV型8気筒ディーゼルエンジンを搭載しており、比較的軽量(構成によって40トンから48トン)であることと相まり、1トン当たりの出力重量比は27馬力である。

 これにより、10式は前進・後退ともに最高時速70kmを達成し、世界最速の戦車のひとつとなった。

 また、10式戦車にはハイドロニューマティックス・サスペンション・システムが搭載されており、優れたオフロード性能を発揮するとともに、さまざまな地形に合わせて地上高を調整できる。

 このシステムと戦車の先進的なトランスミッションを組み合わせることで、10式戦車は都市環境から険しい景観まで、さまざまな環境で効果的に運用できる。


10式戦車の欠点と今後の展望

10式戦車は導入以来、日本国内に配備され、陸上自衛隊の機甲部隊の主要装備となっている。 その先進的な性能は、防御と攻撃の両方の作戦に適しており、訓練や軍事デモンストレーションで幅広く使用されている。

 先進的な電子機器を搭載しているものの、欧米の同胞と比べると装甲保護性能がやや不足している。

 加えて、10式の生産は信じられないほど遅く、これまでに製造された10式は100両に満たない。このため、大規模紛争が発生した場合、戦場での潜在的な影響力は大幅に制限される。 10式が敵対国、特に中国に対して優れた性能を発揮することを期待するのであれば、より多くの数を製造しなければならない。

 その小さな問題にもかかわらず、10式は今後何年にもわたって日本の機甲部隊の要であり続けることが期待されている。 そのモジュール設計と先進技術により、将来のアップグレードや改造への適応性が高く、現代戦の進化する要求に応え続けることができる。

 10式主力戦車は、軍事工学における目覚ましい成果である。先進技術、優れた機動性、そして強力な火力を併せ持つこの戦車は、今日の世界で最も有能な戦車のひとつである。 日本が防衛力を強化し続ける中、10式戦車は間違いなく日本の安全保障と軍事的即応態勢の維持に重要な役割を果たすだろう。■




Isaac Seitz, a 19FortyFive Defense Columnist, graduated from Patrick Henry College’s Strategic Intelligence and National Security program. He has also studied Russian at Middlebury Language Schools and has worked as an intelligence Analyst in the private sector.



Japan’s Type 10: The Best Tank You Never Heard Of

By

Isaac Seitz

https://www.19fortyfive.com/2025/02/japans-type-10-the-best-tank-you-never-heard-of/



2024年11月14日木曜日

日本の即応部隊をより強力にする(USNI Proceedings)―陸自が独自に輸送艦建造に走った理由がわかります。なお、筆者は陸自の現役長谷川一佐で日本の自衛隊関係者もどんどん英語で解説してもらいたいものです。当ブログも微力ながらお助けします。


自衛隊は米軍と共同しながら、真の即応部隊を育成する必要に迫られている

上自衛隊(JGSDF)の任務は、日本への侵略を抑止し、これに対処することである。日本列島は、北東から南西に総延長3,000キロメートル(1,800マイル)の列島から成り、多くは人里離れた場所にある。陸上自衛隊は、離島防衛能力を強化するため、新たな部隊の編成、旅団や連隊規模の部隊を遠隔地に展開する能力の向上、水陸機動団(ARDB)の能力強化など、抜本的な組織改革を進めている。

紛争の初期段階では、陸上自衛隊の通常部隊の多くを遠隔地、特に沖縄から先島諸島に広がる南西諸島に展開するには、多くの時間を要する。最も遠い与那国島は台湾からわずか70マイル(約112キロ)の距離にある。そのため、陸上自衛隊は侵攻を阻止するため、大規模な地上部隊が戦闘に到達するまでの間、数時間以内に出動できる即応部隊を強化する必要がある。しかし、現在の陸上自衛隊の即応体制と即応部隊の訓練システムでは、効果的な活動や能力の向上が困難だ。1

信頼性が高く柔軟な即応部隊こそ真の即応部隊(RDF)であり、これを育成するために陸上自衛隊は体制を改善し、訓練要件で更新を迫られている。

Japan Ground Self-Defense Force soldiers from the 1st Airborne Brigade descend from a U.S. Air Force C-130J Super Hercules over Narashino Training Area, Japan, in April 2022.2022年4月、習志野演習場上空で米空軍のC-130Jスーパーマルチから降下する陸上自衛隊の第1空挺団の兵士。 米空軍(撮影:Yasuo Osakabe)

戦いに訓練し、装備せよ

有事の際には空中および水陸両用作戦により迅速に戦闘力を展開できるよう特別に訓練された部隊を維持している国は多い。その例として、米海兵隊の遠征部隊(MEU:通常2個のMEUが海上で待機)、米陸軍の空中機動部隊および米空軍部隊から編成される即応部隊、空中機動能力を有する多国籍NATO即応部隊がある。2

現在、陸上自衛隊で最も迅速に展開可能な部隊は、第1空挺団(3個大隊)と水陸機動団(3個連隊)であるが、公開文書にはその展開能力は明記されていない。平時において、ほとんどの陸上部隊は地域作戦司令部の指揮下にある。しかし、即応予備隊と第1空挺団は常に陸上作戦コマンドの直接指揮下にあり、有事の際には陸上自衛隊の地上部隊の一部または全部を指揮することになる。3 水陸機動団は 水陸両用強襲車(AAV-7)に依存しており、離島奪還作戦を主任務としているため、現在、陸上自衛隊の部隊の中で展開が最も迅速になると考えられている。

だが即応態勢は、兵站や装備の面で不十分であり、即時かつ柔軟な展開は困難だ。緊急時に単独で南西諸島に展開するには、ARDBも第1空挺団も航空機や艦船による輸送力が十分ではない。

航空自衛隊(JASDF)は現在、輸送機を30機あまり保有しており、その中には乗客約100名を輸送可能な川崎重工業製C-2が16機、C-130Hが13機含まれている。海上自衛隊(JMSDF)は、おおすみ型輸送艦(LST)を3隻保有している。しかし、整備その他の要因を考慮すると、すべての艦船や航空機が常に利用可能ではない。4 これらの数は、航空機や水陸両用部隊による緊急対応作戦、特に近隣諸国との紛争の一環として予想される日本の最遠隔諸島への侵攻の可能性を想定した場合、その集中的な輸送需要を満たすには不十分だ。

自衛隊は、南西諸島地域への迅速な展開と非戦闘員避難作戦(NEO)の両方を考慮した後方支援体制を維持しなければならないが、現在の態勢では輸送要件が不十分である。5 注目すべきは、台湾に1万人以上の日本人が居住していることである。

さらに、現在の即応部隊は、有事に展開するための適切な装備を適切な場所に保有していない。これに対し、第3海兵機動展開部隊の装備は即時展開できるよう準備されており、海兵隊が迅速に戦闘に参加するために必要な装備が含まれている。高度な情報力に支えられた現代の戦争でも、敵の攻撃は奇襲から始まる可能性があり、例えば、ロシアによるウクライナ侵攻や2023年10月のハマスの奇襲攻撃などである。このような場合、24時間態勢の警戒態勢から迅速な対応が求められる。そのためには、空挺部隊や水陸両用部隊が展開する可能性の高い場所の近くに、迅速な展開が可能な装備や事前配備された装備が用意されていなければならない。

訓練通りに戦う

RDFも米国の海兵遠征部隊(MEU)のようなローテーションシステムを導入すべきである。なぜなら、現在の自衛隊の訓練システムでは、想定される作戦のための即応態勢を向上させること、あるいは維持することさえも困難だからである。6 あらゆる事態に即応できるよう備えるためには、RDF部隊で、集中訓練の期間と即応態勢の期間を明確に区別する必要がある。

航空自衛隊と海上自衛隊で統合された輸送支援が欠如しているため、大規模な空中および水陸両用作戦の演習の機会が限られている。陸上、航空、海上の自衛隊は、南西諸島に大隊および連隊規模の即応部隊を展開する能力を共同で十分に開発しなければならない。この目的を達成するために、3自衛隊は、合同で、またさまざまな省庁、民間シンクタンクなどと共同で、戦争ゲームを行うべきである。これにより、想定される有事における新編部隊および迅速展開作戦に必要な輸送および後方支援に関する具体的な要件が明らかになる。さらに、展開プロセスを迅速化するために、必要な装備(榴弾砲、対戦車ミサイル車両など)および物資を準備し、適切に配置すべきである。これにより、戦闘部隊は迅速に移動できるようになる。南西諸島だけでなく、日本全土に展開できるようになる。

ただし、これは迅速展開待機ローテーション制度が確立されている場合のみに可能である。第1空挺団の各大隊およびARDBの各連隊は、MEUおよび米陸軍空挺部隊のローテーションを模範とし、部隊を厳しい訓練と有事に備えた待機との間で交互に交代させるべきである。

日本の自衛概念の基盤は同盟国である米国との連携であるため、日本の即応予備部隊は沿岸地域において米海兵隊の展開速度に匹敵するものでなければならない。7 第3海兵遠征軍( 第3海兵沿岸連隊、第1海兵航空団、その他多数の部隊を含む)が日本に配備されており、紛争時には米国の「代理部隊」の主力となる。また、日本領土が侵略または占領された場合には、日本への支援要請を受ける可能性が高い。

改訂版の訓練サイクルでは、海上自衛隊と航空自衛隊だけでなく、米軍、特に第31海兵遠征軍、海兵隊沿岸連隊、米空軍第374空輸航空団およびそのC-130Jも参加できるよう拡大すべきである。元海兵隊総司令官のデビッド・H・バーガー大将は、沿岸地域(日本の場合は離島)で活動する部隊は機敏でなければならないとし、同盟国・パートナー諸国間の真のパートナーシップが必要であると述べている。8 合同訓練は、 陸上自衛隊と米軍の相互運用性を向上させることができる。また、日本がホスト国として海兵隊が日本の作戦環境に適応するのを支援できる。これは、将来、部隊が日本の国土を守る必要が生じた場合に極めて重要となる。

An AAV-7 Assault Amphibious Vehicle from the JGSDF 2nd Amphibious Rapid Deployment Regiment prepares for a training exercise. These vehicles are useful in operations that might involve recapturing remote islands, but moving them can reduce the rapidity of a response to a sudden crisis.

陸上自衛隊第2水陸機動団の水陸両用強襲車AAV-7が訓練に備える。 これらの車両は離島の奪還作戦などでは有効だが、移動させることで突発的な危機への即応性が損なわれる。 米海兵隊(Aidan Hekker) 

障害を克服する

即応体制の変更は、海上自衛隊の艦船、航空自衛隊の航空機、そしてそれぞれの基地に負担を生じさせる可能性がある。両者は多くの任務を担っており、即応部隊への支援にのみ集中することは困難である。しかし、即応部隊の構成する部隊総数は限られるため、当面の負担は管理可能である。さらに、陸上自衛隊はすでに、人員と艦艇の不足に悩む海上自衛隊の機能を補完する措置を開始しており、小型輸送艦部隊を新設した。9 将来的には、海上自衛隊と航空自衛隊が中核的機能に資源を集中させるにつれ、人員に余裕がある陸上自衛隊が揚陸部隊や輸送機部隊を増強し、共通機能の負担を担う。

予算管理者は、予備の装備品や物資の配備は非効率的だと指摘するかもしれない。これはもっともな意見である。即応予備自衛官の交代制を維持するには費用がかかり、通常部隊の負担が増大し、防衛能力全体が低下する可能性がある。しかし、陸上自衛隊はすでに必要な部隊を維持しており、必要とされる事前配備される装備品の量は、大規模な部隊が到着する前の初期段階で必要とされる量だけである。したがって、法外な予算は不要のはずである。装備や物資を事前準備しなくても、事態が悪化し、しかし紛争が勃発する前に、自衛隊を適切に配置すれば、問題は軽減または解消されるだろう。

さらに、予算管理者は、米軍との共同展開訓練は費用がかかり、繰り返し行うには費用対効果が悪いのと懸念するかもしれない。また、計画立案者は、米軍との離島における共同展開は極めて困難な演習であると指摘するかもしれない。しかし、最も可能性の高い脅威に対する完全な準備は、たとえ費用が高額であっても実施されるべきである。

そして、潜在的な費用全体に関する朗報は、日本政府が防衛予算を倍増し、GDPの2パーセント相当まで引き上げたことであり、これにより陸上自衛隊は予備費に予算の一部を割り当てることができるようになったことである。10 陸上自衛隊は、予算増額分を即応予備自衛官の能力強化に充て、その価値を最大限に高めるべきである。

最も重要なことは、侵攻を計画している敵に、陸上自衛隊がいつでも組織的な戦闘部隊を迅速に展開できることを知らせることである。

柔軟性の向上

陸上自衛隊は、将来の戦争を抑止し、必要に応じて国家を守るために、より柔軟な部隊にならなければならない。即応性が高められた自衛隊は、国家の安全保障を守るための重要な一歩となるだろう。即応態勢の改善と訓練システムの向上により、自衛隊は任務に集中できるようになる。より優れた後方支援と事前配置された装備により、迅速かつ短時間の通知で展開する能力が強化される。

この部隊は、在日米軍、特に米海兵隊との合同訓練をより頻繁に、より複雑に行うことで、その能力と相互運用性を高めることができる。即応予備部隊と第1空挺団を真の即応部隊へ変えるには、時間と費用がかかるが、戦争を抑止し、日本の防衛には不可欠である。有事事態は、必ず作戦につながる。陸上自衛隊は、それらに真剣に備えなければならない。■

Making Japan’s Rapid Deployment Forces Better

The Japan Self-Defense Forces need to work jointly and with U.S. forces to develop a true Rapid Deployment Force.

By Captain Kazuki Hasegawa, Japan Ground Self-Defense Force

November 2024 Proceedings Vol. 150/11/1,461

https://www.usni.org/magazines/proceedings/2024/november/making-japans-rapid-deployment-forces-better

1. Japan Ministry of Defense, Annual White Paper: Defense of Japan 2023 (Tokyo: Nikkei Printing, Inc., 13 September 2023).

2. “MEU Cycle,” www.26thmeu.marines.mil/About-Us/Lifecycle/; Christopher G. Pernin et al., Enabling the Global Response Force: Access Strategies for the 82nd Airborne Division (Washington, DC: Rand Corporation, 28 July 2016); and “NATO Response Force,” www.nato.int/cps/en/natolive/topics_49755.html.

3. Ground Component Command, “What Is the Ground Component Command?” sec.mod.go.jp/gsdf/gcc/hq.

4. Japan Ministry of Defense, Defense of Japan 2023.

5. Japan Forum for Strategic Studies, Taiwan Contingency Study Group, 28 July 2023, jfss.gr.jp/public/images/file/2023-07-28/16905342786422.pdf. 

6. “MEU Cycle.”

7. Gen David H. Berger, USMC, “A Concept for Stand-In Forces,” U.S. Naval Institute Proceedings 147, no. 11 (November 2021).

8. Berger, “A Concept for Stand-In Forces.”

9. Japan Ministry of Defense, Defense of Japan 2023.

10. Japan Ministry of Defense.


2024年11月10日日曜日

陸自V-22オスプレイが離陸時に一部損傷、負傷者なし、しかし日本はティルトローター運行を停止(Aviationist)―こうした事故があると鬼の首を取ったように騒ぐメディアは中国にとって不都合な同機の全廃を狙っているのでしょうか



V-22 mishap

A video grab of the JGSDF V-22 Osprey tilting to the side during the failed take-off at Yonaguni Garrison in Okinawan on Oct. 27, 2024, during Exercise Keen Sword. (Image credit: Eli Zusman on X)


  • 2024年10月27日、沖縄県与那国駐屯地にて、キーンソード演習中の陸上自衛隊V-22オスプレイが離陸に失敗した

  • V-22はキーンソード演習の一環として、MEDEVAC/CASEVACシナリオに参加していた。 

  • 離陸しようとした際、バランスを崩し左右に振れ、その結果、左エンジンのナセルが地面に激突した。 


V-22オスプレイの製造上の欠陥と品質管理の怠慢が調査によって明らかになった数日後、2024年10月27日の朝、沖縄の与那国駐屯地で、同機を唯一海外で運用している陸上自衛隊のオスプレイが「離陸に失敗した」とされる映像が流れた。 

 問題の V-22はキーンソード演習の一環でMEDEVAC/CASEVACシナリオに参加していた。 

 与那国駐屯地から離陸しようとした際にバランスを崩して左右に振れ、その結果、左エンジンのナセルが地面に激突した。 

オスプレイの事故と飛行再開 この事故は、日本のオスプレイの事故としては初めてで、るキーンソード演習中に起きた。 

 陸上自衛隊は合計17機のオスプレイを運用しており、木更津駐屯地の第1ヘリコプター団は7月12日、最後のティルトローターの引き渡しを発表した。乗員16名(米海兵隊員を含む)にけがはなかったが、日本の報道によると、当局はオスプレイを飛行停止措置にさせたという。 

 しかし、『スターズ・アンド・ストライプス』紙は、在日米軍から受け取った声明を引用し、自国のオスプレイは「任務遂行能力を維持」しており、キーンソードへの参加も継続するとしている。 

 イーライ・ズスマンがXに投稿したこの事故の映像には、境界フェンスの向こうからローターを上に向けたままホバリングしている機体が映っていたが、声明にあるように大きく左に傾いていた。 

 明らかに不安定な状態のため、左エンジンのナセルが「地面に接触」し、緊急着陸を余儀なくされたという。 

 日本の防衛省はV-22の飛行を一時停止し、調査中である。 

 フェンスと滑走路の間に盛り土があるため、機体の最後のタッチダウンは確認できなかったが、それでもビデオには、主翼が左側に激しくロールし、その部分がフェンスの下にほとんど見えなくなり、右ローター付近が、本来のまっすぐな垂直降下ではなく、完全に傾く様子が映っている。

 

陸上自衛隊のオスプレイは、右ローターだけが見えるように傾き、左エンジンのナセルが地面に当たる。 (Image credit: Eli Zusman on X) 


 NHKニュースは、沖縄県与那国町での "離陸失敗 "で機体が "一部損傷 "したと伝えた。「午前11時40分頃、日本最西端の与那国島にあるキャ与那国駐屯地から離陸しようとした際、機体はバランスを崩し、左右に振れた。 同機の左エンジンの空気排出口が地面に接触。 開口部周辺に損傷を与えた」。

オスプレイはMEDEVAC/CASEVACのシナリオをシミュレートするモジュールに参加していた。 実際、報告書は "負傷者を搬送する訓練任務でキャンプから離陸するはずだった"と言及している。 さらに、『Stars and Stripes』誌へのUSFJの声明では、「訓練に重大な影響が出ることは想定していない。米国は同盟国やパートナーと共に現実的な訓練を実施することに引き続きコミットしている」とある。

 日本の統合幕僚監部の報道官は、17機のオスプレイを飛行停止させたと述べた。

 中谷防衛大臣は記者会見で、オスプレイについて「自然災害が発生した場合、オスプレイを使うかどうか判断するが、基本的には飛ばさない」と述べた。 


2020年2月12日、ノースカロライナ州キャンプ・ルジューン海兵隊基地のストーン・ベイで、陸上自衛隊V-22オスプレイからヘリコプター・ロープ・サスペンション・テクニックを披露する遠征作戦訓練群の海兵隊員たち。 (米海兵隊撮影:Ethan Pumphret) 


オスプレイの事故と飛行再開 2023年11月29日、MCAS(海兵隊岩国基地)を離陸した米空軍のCV-22Bオスプレイが日本沖に墜落して以来、航空専門誌はオスプレイの運用を注視してきた。

  この事故で8人の隊員が命を落とした。 このオスプレイ(機体記号ガンダム22)は、横田基地の第353特殊作戦航空団第21特殊作戦飛行隊に所属していた。 

 この事故をきっかけに、米空軍、米海軍、米海兵隊、陸上自衛隊の約400機のオスプレイ・ティルトローターが3カ月間の安全停止に入った。  調査査当局は、この事故の予備調査結果でギアボックスが原因であると指摘し、さらに故障原因を探っている。 

 オスプレイの以前の事故では、「ハードクラッチ」の繰り返しが原因であった。 

 その後、空軍内部のSIB(安全調査委員会)の調査により、故障したギアはユニバーサル・ステンレス製であることが判明。

 さらにハンターブックによる独自調査で、ギアを構成する特殊鋼合金のユニバーサル・ステンレスの欠陥製造工程が判明した。 

 墜落事故後、日米軍当局は3月、「制限」された飛行範囲と新たな整備・操縦手順による「段階的」かつ段階的な飛行再開を発表した。 

 再開は、6月5日に陸上自衛隊のV22オスプレイが木更津に到着したという日本の報道から始まった。 

 その後、オスプレイは演習で頻繁に登場するようになり、米海兵隊のMV-22Bがトルコの水陸両用強襲揚陸艦TCGアナドルに、陸上自衛隊のCV-22が日本のヘリ空母JSいずもに着陸した。 

 これは、航空機が30分という制限を超えて飛行することを許可され、緊急時に戻るのに適した飛行場周辺でのみ飛行していることを示唆している。■


Japanese V-22 Osprey Suffers Partial Damage During Take-Off; No Injuries but Tokyo Grounds Tilt-Rotors

Published on: October 31, 2024 at 8:29 AM

 Parth Satam

https://theaviationist.com/2024/10/31/japanese-v-22-osprey-damaged-during-take-off/


2024年5月28日火曜日

自衛隊の水陸機動団も抑止力の一部だ。各国の特殊部隊との共同演習、知見の交換でこれから実力が伸びていくことに期待。

各国の特殊作戦部隊コミュニティに日本も水陸機動団を編成して正式に加われるようになってよかったですね。今後は各種演習や交流を通じ、相乗効果を上げてもらい、立派な抑止力になってもらいましょう。なお、このブログは当方の裁量が効く場所なので、一佐などというおかしな日本語は使わず、大佐と表現していることをご了承ください。Breaking Defense記事からのご紹介です。

japan sofJapan’s Special Operations Group, JGSDF, conducted a field training exercise with the Special Operations Command Australia in September 2023. This photo was posted on social media by the Japanese Self Defense Forces. (SDF)

「(日本の)特殊部隊の強化には、地域的な協力が必要だ」(自衛隊水陸機動団副司令)

国、北朝鮮、ロシアの脅威がインド太平洋全域に広がる中、日本の特殊作戦部隊が地域のパートナーとの絆を深める時期に来ていると、自衛隊幹部が語った。

自衛隊水陸機動団副司令官で、特殊作戦群(JSOG)前司令官の藤村太助大佐は、5月9日のSOFウィークのイベントで、「(日本の)SOFを強化するためには、地域協力がもっと必要だ」と珍しく公の場でコメントした。

また、SOFには敵対勢力を抑止する戦略的な取り組みを支援し、心理戦や防諜など非キネティックな手段を通じて、敵対勢力の心に疑念を抱かせる「メッセージを直接または間接的に相手に伝える」必要があると述べた。

「人間はテクノロジーよりも重要だ。テクノロジーを利用しても、テクノロジーに利用されてはならない:SOFコミュニティは、グローバルな課題に対処するために協力しなければならない」。

藤村の話を聞きながら、米太平洋特殊作戦司令部(SOCPAC)司令官で米海軍特殊部隊のジェロミー・ウィリアムズ少将は、日本の同僚と見解が「完全に一致」していると表明した。

「過去2年間の進展全部に感謝している。機密情報のため詳細には触れないが、戦略的な連携が大幅に向上している」とウィリアムズは語った。特に、「オーストラリアや日本との『キーン・エッジ』演習は、象徴的な出来事だった」。

さらにウィリアムズ少将はSOCPACと自衛隊、その他の連合国やパートナーとの「絶対的に重要な」関係を説明し、「この1年半の間に日本で起こったことに非常に感銘を受けている」と付け加えた。

オーストラリア特殊作戦司令部のポール・ケニー司令官も同席し、日豪SOFの関係が10年の間に、自由落下訓練などの基本的な技能から「さらに複雑な訓練活動」へ発展してきたことを説明した。

「最初の焦点は、国内テロ攻撃への対応を含むテロ対策の経験を共有することでした。東京オリンピックを控え、オーストラリアは他の国々と同様、日本とも経験を共有した。

「しかし、ここ2、3年......両国政府が、特に中国による悪意ある行動や、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による継続的な行動による混乱によって、この地域で起きている不安定さを認識し、私たちは一斉にアプローチを変更しました。

「日豪両政府は強く連携しています。実際、そちらの首相は、オーストラリアは『準同盟国』だと指摘しました。「正式な同盟関係はありませんが、私たちは非常に緊密に連携しています」。

ケニーはまた、豪州のSOFとJSOG、そして日本の海上自衛隊特殊舟艇部隊(SBU)との緊密な協力関係を強調した。

「私たちは、米国、インド、日本との"クワッド"演習を実施する中で、SBUとの協力関係を高く評価しています」と述べるとともに、マラバール演習(VBSS(Visit, Board, Search and Seize)活動を含む海洋に焦点を当てた演習)を強調した。

米豪のSOF関係者は、活動に不可欠な存在が産業界だと指摘した。

「産業界には創造性を期待しています。そして、非常にエキゾチックな、オーダーメイドの軍事システムの代表としてここにいる何人かの人々に関して、私たちが消耗品と呼ぶような、迅速に調達可能でスケーラブルなシステムで、それらを絶対に補完しなければならない」とウィリアムズは語った。

「インド太平洋地域のパートナーとして、(産業界と)緊密に協力し、可能な限り共有し、協力し合う必要があります。中国のような脅威に直面し、産業基盤や私たちの国から技術を盗む傾向も含めて、私たちは緊密に協力し、まず彼らを凌駕するようなイノベーションを生み出す必要があります」。■

Japan's special forces need more 'regional' cooperation, officer says - Breaking Defense

By   ANDREW WHITE

on May 24, 2024 at 6:51 AM