ラベル RQ-4 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル RQ-4 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021年11月21日日曜日

大型非ステルス機は危険と、だが新しいグローバルホークのブロック30まで退役させる米空軍の決断は正しいのか。戦術変更と技術改良でグローバルホークにも対中戦で生存性は高まる。

 



New Tactics & Upgrades to Enable Large Drones to Survive High-Tech Major Power War

Department of Defense

 

 

「とどまるところを知らない」とは情報収集監視偵察(ISR)へのペンタゴンの期待度でぴったりの表現だ。処理済みデータを適時にほしいとの要望は高まるばかりだ。

 

 

偵察作戦は有人スパイ機、掃海ヘリコプターから無人機まであらゆる形状、機体サイズ、高度で展開され、戦時の決定立案に「違いを生み出す」要素とされる。

 

ここで重要なのがスピードと有効範囲で、このため米国や太平洋地域の同盟国の無人機需要には限度がない観がある。日本、オーストラリア、インド、さらに台湾までもがISR及び米国とのネットワーク接続の整備を急いでいる。

太平洋は広大なため、米軍戦闘司令官から偵察機材の追加に加え安全な相互接続によるデータ送受信を米国同盟国間に求める声が高まっている。. 

この背景に中国の海軍力増強が続いていることがあり、日本が高高度飛行可能なグローバルホーク導入を決めた理由でもある。

 

グローバルホークとは

 

グローバルホークは長年にわたり戦闘地帯に投入されているが、センサー、航続性能、燃料消費など改良を続けている。高高度長時間飛行機材としてグローバルホーク無人機は高解像度カメラで敵の動きをズームで捉える。

また、グローバルホークは大規模な統合戦闘ネットワークの「中継点」としても長年使われている。

 

統合参謀本部副議長だったリチャード・マイヤース大将はこの動きを20年前に先取りしイラクの自由作戦でグローバルホークが本人が言う「融合」のカギを握ったと発言していた。

 

 

融合

 

マイヤースが言及したのはグローバルホークをほかの機材や地上偵察機材とリンクさせることで、JSTARS(E-8C統合監視標的攻撃レーダーシステム)に通じるものがあるが、同大将は時流を先取りし、「処理済み」情報の共有スピードが戦闘の行方を決すると見ていた。

 

情報「融合」とは解析結果を高速かつ安全な送信とともに実施することを意味し、前例のない規模での開発が優先的に進む可能性を秘めている。

 

その中で空軍がブロック30仕様のグローバルホークを退役させるのをいぶかしく思う向きがある。

 

空軍発表資料ではグローバルホークは電子光学赤外線カメラと合成開口レーダー(SAR)を搭載している。ブロック40仕様のグローバルホークはこの五年六年で供用開始しており、レーダー技術挿入、アクティブ電子スキャンアレイ、SAR、移動標的捕捉機能では高性能センサーで地上を移動中の標的を探知追尾できる。

 

空軍はノースロップグラマンとグローバルホーク近代化改修を進め、地上制御施設を更新したほか、指揮統制機能も一新し、反応遅延を減らし、攻撃対応を迅速化し、今後のセンサー画像解像度の向上に対応するソフトウェアの基盤を打ち出したほか、AIによりマンマシンインターフェース強化を実現した。

 

戦術面でいうと、これはノースロップグラマンが「その場対応」の任務割り当てと呼ぶ内容につながり、迅速に届く新規情報を活用してミッション内容を調整することにつながる。

 

第一線から外れるグローバルホークのブロック20機材は廃棄保管施設に送るのではなく、グランドフォークス航空基地(ノースダコタ)で極超音速ミサイルテスト二と入される。

 

超大国間戦でもグローバルホークは生き残れる

 

空軍では引き続きブロック30機材の退役も進め、供用開始10年程度で廃止する。空軍上層部はステルス性能が低い大型偵察機では高性能な大国の防空体制に耐えられないと見ている。

 

では、高度脅威環境で本当に生き残れないのだろうか。

 

例としてイランが海軍仕様のグローバルホークを2019年に地対空ミサイルで撃墜した事案がある。脅威対象に合わせた調整内容の詳細は保安上の理由で明かされていないが、米国が新型対抗装置や戦術の変更で機体生存性を調整していることはありうる。

 

この点に関し、大型無人機の運用では飛行経路の予想を困難にする、飛行経路を変更する、搭載カメラの性能を向上するなどの対策を米空軍上層部が話題にしてきた。

 

空軍は新鋭かつ改修直後のグローバルホークでも退役させ、今後の装備導入を優先させるようだ。この発想では今でさえ偵察能力が不足している状況で能力ギャップを生みかねないが、高高度飛行偵察の拡充による付加価値が生まれるのなら木を見て森を見ない態度は避けるべきだろう。

 

戦術変更で生存性を高める、また高高度飛行で安全を確保することで大型かつ低ステルス性能の無人機でもハイエンド環境あるいは紛争時の運行で付加価値を期待できそうだ。

 

グローバルホークに脆弱性があるとしても、同機が無人機であることからパイロットには危険は発生しない。

 

これに対しU-2偵察機は有人機であり、無人機にないリスクがつきまとう。また飛行時間の問題もあり、グローバルホークのような大型機は最長34時間の連続飛行が可能かつ乗員の要素を考慮する必要がない。

 

グローバルホークは中国に対抗する同盟国でも活躍する


太平洋での中国の脅威から米国の同盟各国が高高度長時間運用可能な偵察機材導入に走っており、広大な海洋域を長時間にわたり電子偵察する航空装備の稼働を急いでいる。

 

日本はグローバルホーク三機を調達し、防衛力の整備が進む中で調達を増やせば効果がさらに期待できる

 

南朝鮮はグローバルホーク4機を調達しており、ノースロップグラマンは韓国、日本ともに地上局での指揮統制機能を整備していると明かしている。

 

太平洋に高高度飛行偵察機材が追加されれば各国の「ネットワーク」が相互に強化される。

 

米空軍の高度戦闘管理システムはペンタゴンがめざす統合全ドメイン指揮統制機能の一環として各部隊をつなぐ構想で秘匿性を維持したネットワークの実現で効果を実証しており、各中継点や機材を組織を問わずリアルタイムでネットワーク化するものだ。

 

ここにグローバルホークの意義がある。山脈など地理条件で困難な水平線越えのデータ送信をつなぐ存在となる。日本のような国には極めて重要だ。日本は広大な海洋領域を有し、海洋に囲まれていることから中国の侵攻を受けやすい。日本は巨額予算でF-35導入を進めており、グローバルホークが支援し、脅威データを中継し、標的情報を提供する、偵察映像をリアルタイムで共有する、さらに情報収集の時点でそのままデータを処理する機能を実現する。

 

F-35 Lockheed Martin

F-35がもたらす利点のひとつに各ドメインを横断的につなぐ機能がある。Lockheed Martin

 

 

例として脅威対象の移動情報を海軍艦艇等が山の反対側で収集し、グローバルホークが中継する場合が想定される。味方戦闘機部隊や防空部隊には視認できない。今後の処理速度の向上でグローバアルホークが空の中継点となり、見通し線外での通信接続の課題を解消する存在になりそうだ。これにより戦闘展開が加速化され、戦闘の行方が大きく影響を受ける。

 

グローバルホークは一定地区上空で長時間とどまり、通常なら分断されるレーダーの「視界」をつなぐ機能を実現するので戦闘指揮官に各種情報が途切れなく入ってくる。

 

情報収集時点で処理し、無限ともいえるデータの海から関連線のあるものを自動的に見つけ出すことでネットワーク化の効果があがり、センサー探知から武装発射への時間が短縮される。

 

ソフトウェアとセンサー処理能力の向上にAIのアルゴリズムが加わればパラダイムを一変しかねない変化がグローバルホーク運用に生まれる。ここ数年間で集めた多数の運用例から同機はかつてのような脆弱性のある機体とは言えなくなっている。ブロック30仕様の各機の退役は世界各地の運用ニーズや実際の脅威を考えると得策とは言えない。

 

イラクの自由作戦当時に実戦デビューしたグローバルホークだが今日は一層その存在感を増しており、重要機材になっており、作戦への寄与度はこれからも増えそうだ。■

 

New Tactics & Upgrades to Enable Large Drones to Survive High-Tech Major Power War

KRIS OSBORN, WARRIOR MAVEN

UPDATED:NOV 19, 2021ORIGINAL:NOV 19, 2021

https://warriormaven.com/air/global-hawk-drones-surveillance

 

Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Master’s Degree in Comparative Literature from Columbia University. 


2018年1月5日金曜日

北朝鮮の空に投入される米空軍機材は次の5つだ

5 Weapons the U.S. Air Force Will Need for the next Korean

次回朝鮮の上空に米空軍が投入する装備はこの5点

These beasts of war will be needed to take on Kim's regime.

金政権に空からとどめを刺すのは以下の野獣だ

Kyle Mizokami - 5 hours ago



朝鮮に開戦となれば米空軍はおなじみのパターンを踏襲しそうだ。まず、敵戦闘機を一掃する。これは北朝鮮空軍の陣容を見れば容易だ。同時に指揮命令系統や防空装備を機能停止させて近接航空支援と航空制圧作戦で友軍を支援しながら敵地上兵力の所在をあぶりだす。米空軍がこのため必要とする装備は以下の5点だ。

B-2スピリット爆撃機
北朝鮮防空体制は密度こそ高いが老朽化しているとはいえ航空機材は念入りに侵入経路を検討し撃墜を避ける必要がある。
B-2スピリット爆撃機は北朝鮮防空網を恐れる必要はない。ステルス、ペイロード、航続距離の組み合わせで開戦直後にB-2の投入は確実で、DPRK指導部掃討にあたるはずだ。金正恩以下が退避する想定は同国各地を長時間飛行できる同爆撃機を平壌に探知できない。
その中でMOP 大規模貫通爆弾はコンクリート60フィートあるいは200フィート地中を貫通できるといわれ、非核兵器ながら北朝鮮の地下施設攻撃に有効だ。B-2はMOPを二発搭載する。

KC-135ストラトタンカー
北朝鮮から米基地のある沖縄、グアム、日本本土への距離を考えると航空作戦で給油機支援は欠かせない。米空軍給油機は米海軍、海兵隊や韓国機への給油も担当する。
その任務の大部分をKC-135ストラトタンカーが担当するはずだ。KC-135は200千ポンドの燃料で30機に給油可能だ。機体にはブーム(米空軍、韓国空軍用)とドローグ(海軍、海兵隊用)がつき、一部では二機に同時給油可能だ。KC-135は167機が世界各地で任務についている。

C-130Jハーキュリーズ
北朝鮮は侵入が容易でない国で連合軍の地上作戦は北朝鮮国内の飛行場、軍用工区基地の確保から始まり、補給物資や援軍を受け入れるだろう。航空施設が損傷を受けているはずなので空軍のレッドホース工兵隊がまず到着し修復にあたるはずだ。
C-130Jハーキュリーズは短距離離着陸が可能で非整地滑走路でも運用可能なので最前線近くの地点からの運用機材の最右翼だ。半世紀に及ぶ生産で最新のJ型は貨物最大18トン、あるいは兵員128名、降下兵92名あるいは傷病兵74名を運ぶ。

F-16Cファイティングファルコン
第二次朝鮮動乱では近接航空支援や航空制圧任務に多用途戦闘機が必要だ。北朝鮮の防空体制は大部分が旧式な戦闘機や火器で、第五世代戦闘機は航空戦に十分すぎる。第四世代機で対空戦から対地攻撃に迅速に切り替え可能な機材を投入するのが合理的で、MiG-29を撃墜したその足で火砲陣地を爆撃できれば理想的だ。
次回の朝鮮動乱で有用な機材がファイティングファルコンだ。100機近くの米空軍F-16が韓国、日本に展開中でうち二個飛行隊が「ワイルドウィーゼル」で敵防空網制圧(SEAD)任務につく。空軍のF-16にはスナイパー目標捕捉ポッドとJDAMを組み合わせ搭載しさらにレーザー誘導爆弾で地上目標を撃破する。AGM-88HARM対レーダーミサイルで北朝鮮レーダーを破壊し、AIM-9XサイドワインダーとAMRAAMミサイルで空対空戦に臨む。

RQ-4グローバルホーク
第二次朝鮮戦闘でUSAFに必須なのが高高度長時間飛行可能な無人機で北朝鮮の戦略装備の動向、特に地上配備ミサイルとミサイル潜水艦を監視することだ。長時間にわたる情報収集監視偵察(ISR)により米国は移動ミサイル発射装備を追尾し、情報を自軍内で活用する。
RQ-4グローバルホークがこの任務に理想的だ。連続34時間飛行可能な同機はグアムを発進し北朝鮮上空に一日半滞空して帰投するので近隣地の航空施設を使わない。昼夜問わずの監視で敵軍の動きの追尾に有効だ。広く知られていないが、グローバルホークの戦場空中通信中継機能(BACN)で地上部隊と支援機の間に安全な通信リンクが確立できる。■
--- This Story Originally Appeared in The National Interest ---
Kyle Mizokami is a defense and national security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami [20].
Image: U.S. Air Force

2017年5月14日日曜日

★★北朝鮮対策で日本に必要な装備品はこれだ



今朝もミサイル発射がありましたが、北朝鮮との「冷戦」は長引きそうで、その間に以下推奨されている装備も順次導入されそうです。そこまで抑止力を整備されて困るのは中国なので、北京も北朝鮮による事態の進展を快く思わないのは当然でしょう。

The National Interest

5 Weapons Japan Desperately Needs to Fight North Korea 

日本が北朝鮮に対抗するためどうしても必要な装備品5種類


May 13, 2017


平和主義を目指し、国家政策実現の手段としての戦争を放棄した日本にとって北朝鮮は全く異質の国だ。不幸にも両国は336マイルの海で隔てられているだけだ。北朝鮮は旧宗主国を攻撃すると何度も脅かしている。核兵器、弾道ミサイル両面で技術開発を躊躇せず進める北朝鮮の脅威は今や日本にとって現実のもので、核攻撃を再び受ける可能性が出てきた。

韓国情報機関によれば北はノドン中距離弾道ミサイルへの核弾頭装着を実用化済みで、日本も射程に入る。日本にはイージス戦闘システムとペイトリオット迎撃ミサイルという二重の弾道ミサイル防衛体制があるものの、三番目の防衛策を追加する必要を感じているようだ。北朝鮮ミサイル脅威に対抗する日本に必要な装備品は以下の5種類だ。

1. イージスアショア
イージス戦闘システムの陸上版で、日本にはイージス搭載駆逐艦が4隻しかなく陸上に恒久施設を置き毎日24時間稼働させれば駆逐艦を本来任務に解放できる。また陸上装備を整備するほうが駆逐艦建造より安上がりだ。
イージスアショアのなかでもベイスライン9版でSM-3ブロックIB迎撃ミサイルを運用すれば北朝鮮の短距離、中距離ミサイルに有効だ。また中国によるミサイル大量発射の事態にも対応可能だ。

2. グローバルホーク
日本はすでにRQ-4無人機を3機導入する予定で北朝鮮を意識しているのは間違いない。だがこれでは不十分だ。有事の際には北朝鮮ロケット軍は探知を逃れるため各地に分散するだろう。ミサイルの移動先は予測可能で北朝鮮には舗装道路は500マイルしかないが、新型の北極星2中距離弾道ミサイルは軌道付き搬送車でオフロード走行も可能だ。そうなると北朝鮮国内各所で移動式ミサイルを探る必要が増える。
北朝鮮ミサイルへの対抗策としてグローバルホークを同時に複数投入する必要がある。RQ-4の追加購入があれば航空自衛隊は同時並行で探知追跡と攻撃効果の評価を北朝鮮各地で展開できる。追加調達分は予備機材にもなり他地区での緊急事態にも対応可能とする。

3. KC-46ペガサス空中給油機
日本にはKC-767J空中給油機が4機あるが弾道ミサイル対抗作戦の長期間支援用にはあまりにも数が少なすぎる。KC-46A給油機の調達決定を2015年にしたが、有事には日本海上空の戦闘哨戒で本土からなるべく遠い地点で敵機を迎撃する必要があるのだ。
さらにF-35A共用打撃戦闘機で防空網制圧ならびに攻撃ミッションを北朝鮮で展開する際に給油機支援は必須だ。常時カバーするためKC-46Aが十数機は必要だろう。

4. MQ-9リーパー無人機
ISR機材で北朝鮮の移動式ミサイル発射装置が探知できれば、日本は迅速に破壊に出る必要がある。ミサイル対抗作戦では迅速性が肝要となれば、北朝鮮防空体制を制圧する前に実施となり、攻撃ミッションのリスクは高い。そこでMQ-9リーパー中距離長時間飛行可能無人機にミッションを実施させればよい。燃料と弾薬を搭載して日本国内から出撃し、北朝鮮上空を長時間パトロールできる。
リーパー長距離型では主翼に燃料タンクを追加し、日本海を横断させ北朝鮮全土を「キルボックス」区画で分け一機以上を割り当てる。ヘルファイヤーミサイル、GBU-12爆弾(500ポンド)、GBU-38共用直接攻撃弾を搭載すればリーパーは迅速かつ正確に北朝鮮ミサイル車両を破壊できる。

5. トマホーク巡航ミサイル
北朝鮮を先制攻撃する決断に日本が動けば「ドアを蹴破る」装備が必要となる。つまり、防空レーダー、地対空ミサイル陣地、発射準備中ミサイルの攻撃だ。低空飛行で侵入するトマホークミサイルは北朝鮮の旧式防空網を突破し、1,000ポンド高性能爆破物弾頭で目標を破壊できる。日本のF-35A部隊がその後で攻撃に駆け付け北朝鮮のレーダー防空体制をさらに弱体化するシナリオだ。

日本は最小限の防衛能力に限定してきたことを誇りにしてきた。日本の防衛予算はGDP1%相当でNATO加盟国に求められる比率の半分だ。また日本は攻撃兵器の調達を避け、純然たる防衛姿勢につとめてきた。だが北朝鮮が核攻撃の脅しをかけているためこれまでの政策が方向転換を迫られるかもしれない。
Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009, he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.

2015年9月2日水曜日

★U-2後継機はUQ-2あるいはRQ-X名称でロッキード社内で検討中の模様



ロッキード社内では着々とU-2後継機の開発が進んでいる様子ですね。社内資金だけで行っているとは思えませんが(空軍以外に予算を提供できる組織がありますね)、肝心の空軍はこのところ予算先細り状態の中で思考が停止している模様なのでなかなか決断ができていないのではないでしょうか。ともかく続報としてロッキード社内の考え方の一端が伺えるので掲載します。

Lockheed Pitches UQ-2 or RQ-X for Future Spy Missions

by BRENDAN MCGARRY on AUGUST 28, 2015

A U-2 Dragon Lady, from Beale Air Force Base, Calif., prepares to land at RAF Fairford, United Kingdom, June 9, 2015. U-2 pilots have a small margin of space to effectively land the plane without causing damage to the aircraft. (U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Jarad A. Denton/Released)

U-2ドラゴン・レイディの公表から60年たち、ロッキード・マーティンは後継機づくりのピッチを上げている。次期スパイ機は UQ-2またはRQ-Xの名称で呼ばれている。
世界最大の防衛企業である同社はパームデール(カリフォーニア州)にあるスカンクワークス高度技術事業所内で後継機について記者団と意見交換をしている。ここはU-2のみならず、SR-71ブラックバード偵察機、F-117ナイトホークステルス攻撃機やF-22ラプターステルス戦闘機の誕生の地でもある。.
  1. UQ-2またはRQ-Xと呼ばれる同機はすでに社内では機体の設計案が広く知られており、U-2と同等のセンサー類を搭載し、F118エンジンで高度70,000フィートを飛び、新型低視認性機体と航続距離が伸びるとフライト・グローバルでジェイムズ・ドリュー記者が書いている。
  2. 「低視認型U-2だと思ってください」とスコット・ウィンステッド(ロッキード、U-2戦略開発マネージャー)が広報資料で語っている。「現在のU-2と似ていますが、低視認性と長期飛行時間が実現します」
  3. 同社広報のデイナ・キャロルはMilitary.com宛電子メールでより詳しく説明している。
  4. 「現在のU-2は当初よりペイロードが増え、飛行速度も早くなり、より高高度(7万フィート以上)を飛び他のISR機材に優っています。このため目標地点全体を把握し、国境線の向こうを覗き込み、データの中身は大変すぐれています。同じ性能をより安く提供し、他の高高度飛行ISR機材では相手になりません。
  5. 「ただしU-2が2019年に全機退役すると、高高度飛行可能で奥深くまで偵察でき長距離長時間を飛行できるステルス機が必要になります。新型装備の装着が楽でしかも敵の技術進歩に対抗できる機材が必要です。これだけの要求内容を満たす機材は現時点では存在せず、現行機材がこの内容に近い性能を持っているにすぎません」(キャロル)
  6. 「そこで現行ISR機材から最良の部分を取り込むことを考えています。次世代ISR機はステルス性が加わりU-2と異なる形になり、選択的に有人操縦とし、出力も翼幅も増えます。次世代機の航続距離、生存性、滞空時間は大幅に増えます。選択的有人操縦にするのはエンジン出力を増やすことの代償です」
  7. 同社にとって技術開発よりも空軍当局や議会に新型機の必要性を理解させるほうが難易度が高くなるだろう。
  8. 空軍はU-2およそ30機を全廃すれば、その後10年間で予算20億ドルを節約できると考えている。その代わりにノースロップ・グラマンのRQ-4グローバルホーク無人機を運用する予定だ。
  9. ロッキードはくりかえしU-2退役を遅らせるよう説得を試みてきた結果、U-2はSR-71退役後も飛行を続けている。
  10. 実際に空軍首脳陣はドラゴン・レイディの比類なき性能を賞賛してきた。例として昨年に空軍トップからU-2を無人機で代替させる案は時期尚早との発言がでている。当面は機体からセンサーやカメラを積み替えてやりくりできるというのだ。
  11. グローバル・ホークのブロック30機材に最新鋭カメラを搭載できない理由は何かと問われ、空軍副参謀総長ラリー・スペンサー大将は「コストが相当に高くなる」と答えている。試算結果を示していないが、解決策は「U-2搭載のセンサーを外してブロック30の無人機に積み替える」ことだという。
  12. その一ヶ月後にカーティス・「マイク」・スカパロッティ陸軍大将(在韓米軍司令官)がU-2のほうが北朝鮮軍の攻撃の兆候を正確に伝えてくれると議会で証言している。「U-2は早期警戒機としてグローバルホークのブロック30より優れている」
  13. ロッキードが軍関係者を新型で高高度飛行・長時間滞空が可能な機体開発の必要に目覚めさせても同じことを議会メンバーに行う必要がある。議会は国防予算全体を危険に導く自動予算カットの撤回に反対している。
  14. そこでキャロルが指摘するのは議会はU-2は代替機種が揃うまで退役させないと2012年に明言しており、グローバルホークの性能をU-2並にするのは20億から40億ドルかかるとも発言している点だ。
  15. 「将来にISRギャップが生じるとして、現行機種が現時点の要求をこなしているのに別の機材に資金を投入してやっとそこそこの水準にする必要があるのでしょうか。限られた予算は将来のISRギャップ対策として、現行2機種より高い水準の新型機材を今から開発すべきではないでしょうか」
  16. 「U-2は比類なき性能を発揮し、今後も大きな改修なしで2045年以降も運用可能です。次世代ISR機材が利用可能になるまで現行機種を一緒に使いこなす必要があります」■


2014年11月27日木曜日

★ロッキードが提案する無人機版U-2はグローバルホークを凌駕できるか



ISR機材のお話です。グローバルホークに軍配を上げたペンタゴンは省内の検討でも僅差だったといいますが、ISR機材を複数維持する余裕がない、とせっぱつまった状況だったのですが、これで黙っているようなロッキードではありません。U-2が無人機グローバルホークに負けるんだったら、U-2を無人機にすればいいと提案にまとめてきました。議会にはU-2といいA-10といい特定の機種に肩入れをする議員が多いので、意外な反応を引き起こすかもしれませんね。一方でU-2の操縦は思ったより難しそうですね。

Lockheed Updates Unmanned U-2 Concept

U-2 advocates push optionally manned variant as a rival to Global Hawk
Nov 24, 2014 Amy Butler | Aviation Week & Space Technology

ロッキード・マーティンから予算節約型の「有人オプション」のU-2提案が出てきた。議会が高高度偵察機材をノースロップ・グラマンのグローバルホークに一本化していいのか悩むなかで新しい選択肢が生まれた。選択式で有人操縦が可能なU-2には同機の愛称ドラゴンレイディの支持派からRQ-4Bグローバルホークの飛行時間に匹敵する機体との声がでている。ただし、議員連が納得してもペンタゴンが採用に踏み切るのは困難だと見られる。
  1. 国防総省は10年以上も態度をあいまいにしたあげくU-2の全機引退の道筋を2015年度予算で示し、グローバルホークだけで編成する偵察機部隊の実現に道を開いた。だがU-2支持派も性能上の優位性にペイロード5,000-lb.(グローバルホークは3,000 lb.)、実用高度限界70,000 ft. (グローバルホークは60,000 ft.)があると黙っていない。特に高度差はそれだけセンサーの有効範囲が変わることになり、U-2の勝ちである。
  2. ペンタゴンの最終裁定はグローバルホークに18億ドルでU-2とほぼ同等の性能となる改修を実施する選択だった。議会への報告書で4月に空軍は91億ドルをグローバルホーク関連で支出し、45機調達するとし、7機がベースラインとなるブロック10機材、6機がブロック20仕様(一部に戦場空中通信ノード中継装置を搭載)、21機がブロック30(画像信号情報収集能力を付与)、さらに11機がブロック40(レーダー搭載)となる。

  1. もともとは国防高等研究プロジェクト庁による安価な無人航空機システムとして開発されたグローバルホークが支援ミッションに投入されたのは9/11テロ攻撃の後である。中東、アジアで支援ミッションを展開し、実地使用の経験則を獲得したが、アフガニスタンでの作戦がなかったら同機の将来はなかったかもしれないが、その同機がU-2の後継機種として地位を獲得したのだ。
  2. U-2に対する最大の長所は飛行時間。グローバルホークの最大滞空時間は24時間超だが、U-2ではパイロット規程でコックピット内12時間が上限だ。U-2パイロットは与圧服の着用が必要でアフガニスタン作戦では長時間飛行で乗員が潜水病と同じ症状を訴える例が発生。油圧制御がないため、U-2操縦は難易度が高いことで知られ、パイロットは強風に文字通り筋力で立ち向かっていた。着陸も揚力性能の余裕がなく、危険と背中わせだった。
  3. だがロッキード・マーティンによればU-2の「無人化」の方がグローバルホーク改修よりはるかに安価に実施できるという。一部新設計で総額700百万ドル、オプションで3機のU-2を有人操縦化し、地上支援設備も二組確保できるという。地上設備と言っても小型ラックとプロセッサーだけなので、事実上世界のどこでも展開できる。機体単価は35ないし40百万ドルだという。.
  4. 新設計では中央ウィングボックスを金属製主翼の中央に追加し、10フィートの幅延長となる。またコックピット後方に機内のアクチュエーターと連結する接続ケーブルのスペースを設ける。「パイロットは電子式にアクチュエーターを切り、あとはケーブルで飛行できる」とロッキード社は説明。この設計でコックピットは有人飛行モードでも改良が不要となった。
  5. 機首を上下させるトリムが発生した場合にパイロットはおよそ75 lb.の力を操縦桿にかけて飛行を続ける必要があった。これは長時間ミッションが終わりに近づく中耐圧服を着ながらでは大変な仕事だ。「オートパイロットを作動させ、そのまま着陸まで持っていけるようになった」とロッキード社はいう。
  6. 中央ウィングボックスの追加スペースにはフルモーションのビデオセンサーを搭載できる。ウィングボックスを活用することで尾部にかけて再設計が不要となる。ロッキードは2012年にも構想案を提出しているが、今回はこれを手直ししている。2012年案では 全幅140フィートの主翼を複合材で準備し、燃料搭載量を確保するとしていた。.
  7. 現時点でロッキードは初期設計を完了しているが、同社提案でU-2全面退役に不信感を抱く議会メンバーが興奮するだろう。U-2の最終号機は1989年完成で、各機の構造寿命はまだ残っている。むしろグローバルホークの改修作業の方がリスクを生む。
  8. ペンタゴンの高高度偵察案も二転三転している。2012年にはグローバルホークのブロック30を全廃し、U-2を維持するとしたが、今年に逆転している。■


2014年3月13日木曜日

論説 それでもU-2を退役させるのか


Editorial: U-2 Has The Edge Over Global Hawk

Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com March 10, 2014
Credit: U.S. Air Force


先週発表された2015年度予算案の説明席上でチャック・ヘイゲル国防長官がU-2対グローバルホークで熱い対立があったとの内幕を示した。予算が厳しいので高高度飛行の情報収集偵察監視(ISR)用途の機材として両機種の維持は困難であるのはだれにでもわかる話だが、両論の対立を最新派と回顧派の戦いとみることもできよう、無人最新鋭機とパイロット付きの冷戦時の遺物の対立ともいえる。ヘイゲル長官は「機齢50年のU-2よりも無人機グローバルホークを優先し」2016年からU-2の退役を始めると発言したが、両機種の比較はあまりにも単純化ししすぎで、そもそもその選択があやまりだ。
  1. ヘイゲル長官が「きわどい差」と表現したのは実に率直な言い方だった。両機種の運用費用はほとんど差がない。.
  2. U-2の方は米国史に確固たる位置を占めている。伝説のスカンクワークスでクラレンス・「ケリー」・ジョンソンのもとで生まれたU-2が東欧で情報収集を始めたのは1956年で、その後ソ連、中国他各国上空を飛行した。キューバでソ連ミサイルの存在を撮影した画像は1962年のキューバ危機で重要な転回点となった。
  3. もし現在のU-2が当時と同じ機体であればヘイゲル長官の判断は正しい。だが、今日のU-2特に最終形のU-2Sはロッキード・マーティンの生産ラインを1980年代に離れたもので、もっと重要なことに搭載するセンサーは電子光学式赤外線カメラ、レーダー、通信傍受用アンテナなどさらに性能が向上している。.
  4. さらにU-2は高性能の防御システムを搭載し、最新鋭のS-300やS-400といったロシア製防空ミサイルにも対応できるが、グローバルホークにはそもそも防御装備はついていない。グローバルホークは長時間飛行性能で優れているが、U-2は高度(70,000 ft.以上を飛び、グローバルホークは55,000-60,000 ft.が上限だ。そのためU-2はより大きな傾斜角度範囲でセンサーを作動できる。またペイロードでもU-2の搭載量が大きい。(5,000ポンド対3,000ポンド)また機内発電容量も大きい。グローバルホークは無人機であり、海外配備の難易度が高く、機体運用の立ち上げ、実施も難しい。同機には着氷防止装置がついていないので太平洋での運用信頼性は天候条件に左右され低くなる。
  5. だからといってノースロップ・グラマンのグローバルホークに価値がないわけではない。同機の出自は国防高等研究プロジェクト庁がUASの開発運用が経済的に実施可能と証明しようとしたことにさかのぼる。ただし、グローバルホークはそもそもU-2のミッションを肩代わりすることを想定した設計ではない。むしろ空軍が同機の長い主翼を見て偵察任務が生まれたというのが経緯だ。
  6. 9.11テロ攻撃を受けて、グローバルホークはU-2を補完するデータ収集任務に就いたのが出発点で、画像信号を収集し、地上あるいは水上の目標を対象にレーダー情報を集めた。海軍も同機を使い、ペルシャ湾地区での船舶の動きを監視する実証をおこなっている。
  7. その後13年近く同機は素晴らしい働きぶりをしているが、その中でペンタゴン上層部が同機ならU-2の役割を肩代わりできるのではと考え始めた。しかし、各地の司令官がU-2をどれだけ重宝してきたかは無視している。今週になりペンタゴンからU-2と同等の性能を実現するには19億ドルかかるとの発表があった。この金額はU-2を退役させて浮く金額とほぼ同額だ。
  8. では両機を比較すれば、本誌は長官の決断は間違っていると断言する。U-2は今でも性能上の優位性があるのだ。本誌の見解は新旧の対立という単純なものに写るかもしれないが、有人機対無人機と言う比較ではない。
  9. 本誌も無人機の可能性を信じるものである。RQ-180は本誌がその存在を明らかにしたのが昨年12月のことで、同機がU-2の後継機種になるのかもしれない。ただ、国防の歴史を見れば時期尚早で採用された機材がいっぱいあることがわかる。なかんずく本誌はUASで誤った決断がなされる事例を恐れており、グローバルホークをU-2の後釜にすえるのは誤りとみる。そこでU-2を当面は温存すべきと考える。■


2014年2月27日木曜日

米空軍2015年度予算案でA-10とU-2は全廃に 


Pentagon Retiring Air Force’s U-2 and A-10 Warthog in Latest Budget Deal

By: Dave Majumdar
USNI News, February 25, 2014 7:18 AMAn A-10 returning from a training mission on Jan. 11, 2014. US Air Force Photo
An A-10 returning from a training mission on Jan. 11, 2014. US Air Force Photo

米空軍はフェアチャイルド・リパブリックA-10ウォートホグおよびロッキード・マーティンU-2情報収集監視偵察機を退役させ、新型技術への支出を増やす内容の2015年度予算要求を提出する。

ペンタゴンは厳しい選択をするにあたり「装備の量より性能を重視」したとする。チャック・ヘイゲル国防長官が2月24日に記者会見で明らかにした。「空軍の機材近代化事業の中核として、爆撃機、共用打撃戦闘機、新型空中給油機を守った」

上記三項目の空軍優先事項に加え、国防総省は追加予算10億ドルで「有望な次世代ジェットエンジン技術」を開発すると同長官は発言。新エンジンは低燃料消費と保守点検工数を削減してコスト節約が期待されている。

ただし新エンジン技術に予算を付ける理由は産業基盤の温存にある。「産業基盤にひきつづき投資をすることで必要な技術改良が実現する」とペンタゴン記者会見で匿名の国防関係者から説明があった。「予算削減の環境下でも改善改良の必要は変わりなく、我が国の産業基盤は不可欠なパートナーであり、戦略的観点で資金投入すべき分野」だとする。

同長官が言及しているのが空軍研究所が進める適応型エンジン技術開発 Adaptive Engine Technology Development による可変サイクルエンジンvariable-cycle engine と思われる。

空軍は引き続きジェネラルアトミックスエアロノーティカルシステムズのMQ-9リーパーの調達を続け、旧型で性能が劣るMQ-1Aプレデターを全機リーパーで置き換える。またヘイゲル長官から空軍は無人機による戦闘警戒待機 (CAP)実施回数の増加ペースを落とすと発表。常時空中待機65回の予定を55回にする。「待機の対象空域は必要十分」という。

だがエンジン開発に資金投入し、機材更新を維持し、追加リーパー調達で代償も発生する。「空軍の戦術飛行中隊はA-10全機を退役させることで減少する。A-10退役で今後5年間で35億ドルの節約になり、その分だけ機材更新が進む」と長官は説明。「A-10は機齢40年で単独任務しかこなせない機材であり、もともとは冷戦時に敵戦車攻撃用に設計されたもの。敵の機材が高性能化しており防空体制が整備された環境では生存が困難だ」

さらに代替機材があり、A-10の出番はなくなると説明。「イラク、アフガニスタンでは精密爆弾の出現で近接航空支援を今までより多くの機体で実施できるようになった」

A-10の機齢が高いのも問題だ。配備後40年が経過して、保守点検も非常に困難かつ高価になっていると長官は説明。A-10部隊規模の縮小も実効性のある選択とは言い難いという。「費用節約にはあくまでも同機部隊をすべて退役させるしかない。同機専用の支援機材の固定費用のためだ」

ペンタゴンはU-2も全機退役させ、かわりにノースロップ・グラマンRQ-4Bグローバルホークのブロック30を重視する。「この決定は賛否の差がわずかだった。国防総省は以前にU-2を温存してコストが高いグローバルホークを退役させる提言を出していたため。しかしこの数年間でグローバルホークの運用コストの削減に成功している」

An RQ-4 Global Hawk taxies on the flightline as a U-2 makes its final approach Sept. 17, 2013, at Beale Air Force Base, Calif. US Air Force Photo
An RQ-4 Global Hawk taxies on the flightline as a U-2 makes its final approach Sept. 17, 2013, at Beale Air Force Base, Calif. US Air Force Photo

空軍はグローバルホークに搭載したセンサー類の性能はU-2を下回ると説明していた。とくに高性能通信情報収集装備などU-2の飛行が高高度のため物理法則で効率が高くなるとしていた。U-2の実用飛行高度は 70,000ft だがRQ-4の上昇限界は60,000ftだ。

さらにグローバルホークではU-2で使用頻度が高い湿板光学式カメラOptical Bar Cameraを搭載することが不可能。同カメラは大型ですば抜けた高解像度写真を6ft のスライドフィルムに撮影する

グローバルホークの性能改修でペンタゴンの要望に応えることが可能だとみる軍高官がいるが、その際の費用については言及がない。さらに性能改修したグローバルホークでU-2と同等のセンサー性能が発揮できるかも同高官は口を濁している。しかしヘイゲル長官は「グローバルホークは高高度偵察機材に将来発展する可能性はある」という。

ヘイゲル長官はもし国防総省が強制予算削減時とおなじ予算環境に2016年以降も追いやられるとさらに負担になる機材削減が必要になると説明。「その際に80機をさらに削減させ、KC-10すべて、グローバルホークのブロック40全機を退役させるとともに共用打撃戦闘機調達も減速させなければならない」と発言。

その場合F-35調達数は2019年までに合計25機減らし、プレデターやリーバーの連続警戒飛行回数も減らす。そうなると空軍の即応体制が低下する結果になる。「飛行時間も相当削減することになり、適切な即応体制の回復もできなくなる」■

コメント A-10、U-2の全廃が本当に正しい決断なのか、今後の歴史が証明してくれそうです。冷戦時代の遺物、と片づけられてしまうA-10ですが、今後同様の機材は出現することなく、不測の事態が発生した際にはもう遅いのですが。同機にノスタルジアを感じる向きも多いようですが、やはり経済合理性の前には勝てないのでしょうか。グローバルホークは今後の拡張性がカギでしょうね。有人機から無人機へ、単任務機材から多任務機への切り替えという方向が明白に出てきましたが、もう一度空軍の存在意義、あるべき姿を考えてみる方が件名と思いますが。航空自衛隊はこの動きをどう見ているのでしょうか。
可変サイクルエンジンについては次期主力戦闘機の推進手段として重要な存在になりそうですね。今後も要注意な技術です。

もっと重要なのは産業基盤の維持という「産業政策」で、以前は日本による産業政策を競争をゆがめるものとして執拗に避難していたのが米国でしたが、ことここまでくるとなりふりかまわなくなってきたというべきなのか、日本の考え方がもともと正しかったのか、判断に苦しむところですね。