カリフォーニア州エドワーズ空軍基地内のノースロップ・グラマンの製造施設で飛行試験を続けるB-21レイダー。 (ノースロップグラマン提供写真)
B-21での同社における損失は現在20億ドル以上にのぼっている
ノースロップ・グラマンは米空軍の新型ステルス爆撃機B-21レイダーの製造コスト上昇に対処するため、新たに4億7700万ドルの損失を計上したと本日明らかにした。
ノースロップは2025年第1四半期決算発表のニュースリリースの中で、この損失(税引き後3億9700万ドル)の主な原因は、B-21の生産率向上経向けた製造工程の変更と、最初の5機の少量初期生産(LRIP)機の製造に必要だった材料のコストと量の増加であると述べた。
このプロセス変更により、「フルレート生産に必要な規模へ立ち上げることができます。そして......プログラムで想定石田数量を超えて増加することができます。これは、当社と政府が、彼らが見てきたシナリオをサポートするオプション性のために重要であると判断したものであり、現在の製造速度を増加させる」と、ノースロップのCEOキャシー・ウォーデンは、今日の決算説明会で述べた。
コスト上昇のもう一つの原動力は、ノースロップが航空機製造の必要条件を過小評価した結果であり、また資材価格を上昇させたより大きなマクロ経済の結果でもある、と同CEOは述べた。
2024年1月に発表された15億6,000万ドルの税引き前損失に続き、今回のB-21の損失は20億ドルを超える。米空軍はB-21プログラムの詳細な契約情報の公開を拒否しているが、ノースロップは2015年に締結した固定価格契約の条件で、LRIP機の一定基準以上のコストをカバーする義務を負っている。国防総省は以前、このプログラムのためにノースロップに約6000万ドルのインフレ緩和を提供した。
ウォーデンは、製造工程の変更に直接関連する費用がどの程度であるかについては、保安上の理由から定量化を避けたが、材料費の増加に関連する損失より高い金額であると述べた。
より広い意味では、B-21プログラムはエンジニアリング、開発、製造(EMD)段階にあり、ノースロップは航空機がプログラム目標を満たしていることを検証する飛行テストに従事している、とウォーデンは今日述べた。同社はLRIPロット2つで契約を結んでおり、B-21ロット4を通じロングリード材料の購入を開始し、さらにB-21近代化に関する「いくつかの作業」を開始したと彼女は付け加えた。
ノースロップによると、今回のB-21の費用が第1四半期の営業利益4億9800万ドル減少の主な要因であり、宇宙およびミッションシステム部門の営業利益減少も一役買っている。四半期純利益も、主にB-21の損失により4億6300万ドル(49%)減少した。
B-21の損失の影響もあり、ノースロップは通期の1株当たり利益予想を27.85ドルから28.25ドルの範囲から、24.95ドルから25.35ドルに引き下げた。同社はまた、年間セグメント営業利益予想を従来の目標より約4億ドル低い42億ドルから43億5000万ドルの範囲に引き下げたが、フリーキャッシュフローと売上高については従来のガイダンスを維持した。
バーティカル・リサーチ・パートナーズのアナリスト、ロバート・スタラードは、B-21の費用がなかったとしても、ノースロップの一株当たり利益とキャッシュフローはウォール街の予想を下回っただろうと指摘した。「固定価格のB-21 LRIP契約では追加請求のリスクは常にあり、今四半期はたまたまそれが発生した四半期だった。「全体的にノースロップにとって厳しい四半期であり、今日の株価には何らかの圧力がかかると予想される」。
B-21案件以外では、ウォーデンは4月16日にユタ州プロモントリーにあるノースロップ社施設で起きた爆発事故について最新情報を提供した。爆発は固体ロケットモーターに使用される推進剤の原料を製造する建物で起こったが、ノースロップ社にはその原料を供給する他のサプライヤーがある、と彼女は述べた。
「当社のプログラムには何の影響もないと考えています。 「プロモントリーは固体ロケットモーターの生産拠点であるため、センチネル(大陸間弾道ミサイル)について特に質問がでました。ミサイルや戦術システムに使用される固体ロケットモーターは別の場所で製造されています」と彼女は付け加えた。
ウォーデンはまた、F/A-XXとして知られる海軍の将来の戦闘機計画についても質問された。ロイター通信は、先月空軍のF-47戦闘機が落札された直後、海軍はF/A-XXについて間もなくダウンセレクトを行う見込みだと報じたが、契約の決定がなされないまま数週間が経過した。 ウォーデンは、具体的な最新情報はないとしながらも、「海軍は依然としてこのプログラムにコミットしており、近いうちに何か発表があるものと期待している」と付け加えた。
彼女は、ボーイングが製造しているF-47の下請けとしてノースロップが選ばれたかどうかについてはコメントを避けた。
「プログラムに関するいかなる情報も開示することはできません。 「しかし、当社がミッションシステムの民間サプライヤーであり、政府顧客やプライム企業のために先進的な能力を供給することに完全にコミットし続けていること、そして当社製のセンサーが各種プラットフォームや領域にわり幅広い用途のため容易に拡張でき、再構成可能であることはご存じでしょう」。■
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on April 22, 2025 at 12:45 PM