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2026年7月13日月曜日

ロシアはウクライナ戦で自らの未来を削っている―ロシアはもはや大国ではなく、虚勢を張ったところで国際社会は低い評価しか与えない。しかし最大の犠牲は未来を犠牲にされた国民である

 

ロシアは自らの未来を戦争で犠牲にしている

Russia’s War Against Its Own Future

https://nationalinterest.org/feature/russias-war-against-its-own-future

ウクライナ戦争は、ロシアの金融、エナジー、労働力、そして外交力の源泉を、ゆっくり、しかし確実に蝕んでいる

シアは崩壊しつつあるわけではない。むしろ、潜在的にはさらに危険な変容を遂げつつある。すなわち、この大国は、負けるわけにはいかず、明らかに勝teない戦争を維持するために、自らの経済的、人口統計的、地政学的な基盤を徐々に食い荒らしているのだ。クレムリンの「平常」という表層の下には、ウラジーミル・レーニンの不朽の問いが迫っている。Shto delat? 「何をなすべきか?」

2022年のウクライナ侵攻以来、西側アナリストたちは、崩壊が差し迫っているという見方と、ロシアの回復力は制裁の失敗を証明しているという見方という、二つの誤った前提の間を揺れ動いてきた。どちらの解釈も、大きな全体像――ロシアの経済的基盤がゆっくり着実に蝕まれているという事実――を見落としている。

この戦争は、ロシアの権力の根幹そのものを蝕んでいる。クレムリンは、ロシアを大国たらしめた経済的、人的、地政学的な資産を清算しつつある。今日、ロシア国家が萎縮しつつあるのは、レーニンが予言したものではない。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領による国有財産の掌握と拡大は、大衆の利益のためではなく、大衆を犠牲にして行われている。

強国ロシアという幻想

今日のロシアは依然として戦闘能力を有しており、武器の生産、兵士の徴兵、エナジーの輸出、そして他の多くの国家なら耐えられないほどの打撃に耐え続けることが可能だ。しかし、この戦争はロシア連邦を、現在および将来の権力の基盤そのものを蝕むことでかろうじて存続する体制へと、ますます変貌させつつある。クレムリンは経済資源を軍事力へと転換することに成功したが、その代償は甚大である。外国からの投資は枯渇し、ロシア製品の市場は大幅に縮小し、歳入が激減する中でインフレは急騰している。問題は、戦争が終わった後、ロシアの経済活力、人的資本、地政学的影響力のうち、どれだけのものが残っているかということだ。

これは単なる経済的な話ではなく、政治的な問題でもある。ロシアのエリート層は、オリガルヒ、防衛産業、地方当局者がますます軍事支出に依存するようになった戦時下の政治経済に適応してきた。今や、強力な支持基盤を持つ勢力が、紛争の長期化から利益を得ている。

4年間にわたる、一見制限のない軍事支出、兵力の動員、ナショナリズム的な言説、そして弾圧を経て、クレムリンはその正当性を継続する戦争と不可分なものにしてしまったようだ。面目を保つための和解を除けば、この戦争を終結させるには、不満を抱き士気が低下した軍隊を解隊するだけでなく、それを支える強靭な政治経済体制を解体し、方向転換させる必要があるだろう。

ロシアの「財政的近親相姦」

今のところ、戦時支出がこうした脆弱性の多くを覆い隠している。2022年以降、ロシア経済は国家主導の軍事支出への依存度をますます高めている。防衛・安全保障支出は現在、連邦支出のおよそ40~50パーセント、そしてGDPの10パーセント近くを占めている。景気後退にもかかわらず、公式の成長率は依然としてプラスを維持している。しかし、これらの要因は健全な経済成長と同義ではない。

砲弾や装甲車、軍人の給与で測られる成長は、持続的な繁栄をもたらさない。モスクワによる軍産複合体の推進は、労働者に高額な賃金を提示することで賃金インフレを煽っており、その結果、非防衛産業も同じ労働力を巡って競争するために自社の賃金を引き上げざるを得なくなっている。経済はますます旧ソ連時代を彷彿とさせる様相を呈しており、表面上は生産性が高そうに見えるものの、実際には反競争的な国家支出と統制に依存している。

このシステムを支える金融メカニズムは、ますます脆弱さを露呈している。ロシアの戦時経済は、ますます「自己借入」に依存している。国家は戦争支出を賄うために債務を発行し、銀行がその債務を引き受ける。その後、ロシア中央銀行がこのプロセスを維持するために必要な流動性を供給する。ロシアは事実上、将来の経済力を現在の軍事力へと転換しているのだ。文字通り「紙幣を刷っている」わけではないが、中央銀行によるこの自己強化的な財政ループは、それに極めて近い状態にある。「ロシアは、銀行に資金を貸し出し、銀行が政府に融資を行い、政府が持たない資金を支出できるようにすることで、予算赤字を埋めている」と、欧州政策分析センター(CEPA)のシニアフェローであるジェシカ・ベルリン氏はX上で指摘した

その影響が顕在化しつつある。ロシアの国家富基金は、戦争前はGDPの6.5%に相当していた。2026年4月までに、その流動資産は当時の3分の1未満にまで落ち込み、モスクワの主要な財政的余地は大幅に縮小した。主要な石油・ガス収入は前年比で約45%減少した。

ロシアの国債残高は少ないため、直ちに経済が崩壊する可能性は低い。しかし、モスクワが外貨準備やエナジー収入から、債務の増加、インフレの高騰、そして脆弱な地方予算へと依存するにつれ、戦争のコストは高まりつつある。戦死した兵士の遺族に支払われる「棺桶代」であるグロボヴィエでさえ、負担となっている。クレムリンが資金調達のために銀行に依存するようになった結果、金融機関はよりリスクの高い融資を引き受けることになっている。

ウクライナ戦争の代償が国内に波及

EUが新たな制裁パッケージを準備する中、一般のロシア国民もその重荷を感じ始めている。調査対象企業の半数以上が売上高の減少を報告しており、家計債務の増加と融資の債務不履行は、ある欧州の諜報機関の評価が「爆発的なリスク」と表現する事態を招いている。

同報告書は、企業の不良債権が過去最高水準に達し、2025年には50万人以上のロシア人が破産を申し立てるだろうと予測している。ガソリンの行列は国内各地で数マイルにわたり延びており、これはウクライナによるロシアの製油所や石油資産を標的とした激しいドローン攻撃による供給不足が原因である。中小企業への投資活動は、コロナ禍以来見られなかった停滞水準にまで落ち込んでいる。労働市場も同様の状況だ。

数百万人の労働者が防衛産業に引き込まれたり、兵役に動員されたり、海外へ移住したりした結果、製造業から運輸、建設に至るまで、非軍事産業でも人手不足が深刻化している。侵攻以来、100万人ものロシア人――その多くは若く、教育水準が高く、経済的に生産性の高い層――が国外へ流出している。今後帰国する見込みはほとんどないため、この「頭脳流出」はロシア経済に長期的な影響を及ぼすだろう。ルーブルは印刷できるが、機械工やボールベアリング、エイビオニクスモジュールはそうはいかない。ロシアの最大のボトルネックは、資本へのアクセスではなく、労働力、部品、そして産業能力へのアクセスにある。

2025年、キーウは戦略を転換し、ロシアの戦争経済を支えるインフラを標的とするようになった。紛争の多くは領土の獲得によって評価されてきたが、ウクライナにとって最も効果的な攻勢は、今や地理的なものではなく経済的なものかもしれない。過去2年間で、ウクライナのドローン戦術は、時折行われる象徴的な攻撃から、ロシアの軍事力および経済力を支えるインフラを標的とした実効的な制裁という持続的な作戦へと進化してきた。

製油所、燃料貯蔵庫、飛行場、物流センター、レーダー基地、産業施設がすべて標的となっている。これらの攻撃が重要なのは、個々の製油所が戦争の行方を決定づけるからではなく、累積的なコストを課すからである。金融制裁とは異なり、これらのコストは帳消しにしたり回避したりすることはできない。なぜなら、それらは修復、防衛、あるいは交換を余儀なくされる生産能力を直接破壊するからである。

西側の観測筋は、ロシアが苦境を戦略的成功へと転化させる能力をしばしば誤解してきた。ロシアはナポレオンやヒトラーを打ち破ったが、それは祖国への侵略に対して防衛体制を動員した国家存亡をかけた戦争におけることだった。現在の紛争は根本的に異なり、ロシアは国家存亡をかけた戦争ではなく、自発的な攻勢戦争を継続しようとしている。その取り組みがもたらす地政学的な影響は、ウクライナをはるかに超えて、旧ソ連圏全体に波及している。

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ロシアの国際的影響力の衰退

何十年もの間、ユーラシア全域におけるモスクワの影響力は、軍事力、エナジー輸出、経済統合、そしてクレムリンがこの地域の不可欠な安全保障の提供者であるという認識の組み合わせに支えられてきた。その認識は著しく損なわれている。ナゴルノ・カラバフ紛争の崩壊の際、モスクワが介入する能力を欠いていたか、あるいは介入する意思がなかったことを受け、アルメニアはロシアの安全保障体制から距離を置いている

カザフスタンは引き続きカスピ海を横断する代替輸出ルートと、より強固な接続性の確保を追求している。ウズベキスタンは外交関係を着実に多角化させている。モスクワの最も親密な軍事同盟国であるベラルーシでさえ、特にウクライナの軍事攻撃能力が高まるにつれ、戦争に巻き込まれることを慎重に回避している。

ロシアの影響力の終焉を象徴する単一の出来事など存在しない。しかし、貿易ルート、エナジー回廊、投資、外交はますますモスクワを迂回するようになっており、報復的な強制への依存は、ロシアが維持しようとしている近隣諸国の多くを遠ざけてしまった。

モスクワの勢いの変化を示す最も明確な兆候は、かつての従属的なパートナーへの依存だろう。クレムリンは現在、戦争経済を維持するために、北朝鮮製の砲弾や弾道ミサイル、イランのドローン技術、そして中国の産業サプライチェーンに大きく依存している。戦略的自律性を誇りとしてきた国にとって、弾薬の供給を北朝鮮に強制的に依存せざるを得ない状況は、適応ではなく屈辱である。

プーチン大統領は、西側諸国による侵害への抵抗を理由の一つとして侵攻を開始したが、4年が経過した今、ロシアは戦略的自律性の多くを放棄し、ソ連崩壊以来かつてないほど中国への経済的依存度を高めている。エネルギー部門は、この変容を最も明確に示している。

ロシアのエナジーが抱える機会費用

何十年もの間、石油と天然ガスは、モスクワにとって単なる収入源であるだけでなく、地政学的権力の手段としても機能してきた。ロシアのパイプラインは欧州のエナジー政策を形作り、その炭化水素輸出は軍事近代化の資金源となるだけでなく、モスクワの地域的影響力を強固なものにしてきた。しかし、そのモデルは着実に衰退しつつある。相次ぐ制裁により、ルコイル、ガスプロム、ロスネフチを含むロシアのエネルギー企業は、資産の売却、事業再編、そして主要な国際市場からの撤退を余儀なくされている。

ロシアは今後数十年にわたりエナジー輸出を続けるだろう。しかし、欧州の顧客を1社失うごとに、アジアへの出荷価格を1回値引きするごとに、そしてユーラシア全域で代替輸送ルートが1つ開発されるごとに、かつてクレムリンのエナジーが生み出していた政治的影響力は低下する。多くの点で、ロシアは現在、長期的な地政学的影響力を短期的な現金へと転換している。その取引は戦争を維持するかもしれないが、同時にロシアの未来を弱体化させている。今日、モスクワが戦略的資産を売却することは、明日の影響力の源泉を放棄することに他ならない。ロシアはもはや未来への投資を行っていない――むしろ、それを清算しているのだ。

とはいえ、これらすべてが、モスクワが敗北の瀬戸際に立っていることを意味するわけではない。経済的圧力だけでは、ロシアにその目標を放棄させることはできない。ロシア国家は依然として、消費の抑制、資本の再配分、情報の統制、そして痛みを伴う経済的選択の強制を通じて、社会に代償を強いる並外れた能力を保持している。モスクワは今後何年にもわたって戦い続けるかもしれないが、粘り強さは強さと同義ではない。西側の政策立案者は、ロシアの回復力を永続的な強さの証拠と誤解しがちだが、両者は同じものではない。強さとは、力を再生する能力を測るものである。ロシアは驚異的な損失を吸収できるかもしれないが、同時に、国家の力の伝統的な源泉を再生する能力を犠牲にしているのだ。

戦後のロシアに何が残るのか?

したがって、より重要な問いは、戦後に何が現れるかということである。戦時経済の軌道修正や転換は困難だ。現在、軍事契約に依存している地域全体は、防衛支出に直接・間接的に結びついた数百万人の労働者への対応を図りつつ、新たな成長源へと移行する必要がある。ロシアの銀行は、政府の借入への融資に適応してきた。政治エリートたちは、戦時の優先事項と利益を中心に再編成されている。平和が自動的にこれらの問題を解決するわけでもなく、ロシアの地政学的地位を2022年以前の水準に回復させるわけでもない。■

2026年7月12日日曜日

NATOサミットでウクライナにペイトリオットのライセンス生産の道が開けたが、実現までまだ数年かかる―現在のウクライナにはロシアの飛翔制御ミサイルの有効な迎撃手段がないままだ

 


中距離拡張防空システム(MEADS)発射機からのPAC-3迎撃ミサイル発射。(ジョン・ハミルトン/米陸軍)

ウクライナに「ペイトリオット」のライセンス製造が可能となるが実現に数年かかりそうだ

Ukraine can soon build its own Patriots – but it could take years


https://www.defensenews.com/industry/techwatch/2026/07/10/ukraine-can-soon-build-its-own-patriot-but-it-could-take-years/

ウクライナ・キーウ発――ドナルド・トランプ米大統領が、ウクライナにペイトリオット迎撃ミサイルの製造ライセンスを付eると約束したことは、現在米国がごく少数の同盟国にのみ認めている製造権をウクライナに与えることになる。これは戦争が始まって以来、キーウが期待してきたことだが、国産モデルがウクライナの都市を防衛できるようになるまでには、数年を要する可能性がある。

ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、今週初めトルコで開催されたNATO首脳会議でトランプ大統領と会談し、木曜日に合意の詳細を説明し、両者が「指導者として」これを解決したと述べ、ウクライナが同システムの製造に「準備が整った国として米国から認められた」と語った。

ペイトリオットの生産ライセンスに関する前向きな決定に感謝する」とゼレンスキー大統領は述べ、トランプが「現在、世界でペイトリオットを生産できる国は2、3カ国しかなく、他の国々は技術的に準備が整っていない」と繰り返し強調していたことを指摘した。

ロシアがウクライナ都市に向けて発射する弾道ミサイルがますます増えている中、ゼレンスキーは長年にわたり、ワシントンに同迎撃ミサイルの提供を強く求めてきた。キーウにペイトリオットミサイル生産を認めるというトランプ提案は、戦場での優位性だけでなく、同盟国や敵対国を問わず国際社会におけるウクライナの地位向上にもつながるが、実現には数年を要し、数十億ドルの費用がかかる見込みだ。

「我々のチーム、外交官、外務省、国防省が、その他の技術的な事項すべてについて合意に達する必要がある」と、ゼレンスキー大統領は木曜日に記者団に語った。「合意が早ければ早いほど、ペイトリオット生産開始も早まるだろう」

この約束により、ウクライナは、西側の武器に依存して参戦した戦争から、この紛争で最も求められている防空兵器を国内製造する段階へと移行することになる。これはキーウにとっての画期的な出来事であり、ワシントンの姿勢がどれほど変化したかを示す指標でもある。また、送付量を制限してきた同盟国に依存することなく、自国を防衛する方向へ、キーウをさらに一歩近づけることになる。

現時点では、この合意の具体的な詳細については、政府当局者や産業界の指導者の双方からほとんど明らかにされておらず、契約もまだ締結されていない。製造業者についても、完全には説明されていない。

「まだそのことを同社には伝えていない」と、トランプ大統領は合意を発表する際、迎撃ミサイルを製造するロッキード・マーティン社について述べた。

2026年7月8日、トルコのアンカラで、ドナルド・トランプ米大統領がウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。(ジョナサン・アーンスト/ロイター)

ペイトリオットミサイルのPAC-3迎撃弾は、命中時に標的を破壊する「ヒット・トゥ・キル」方式を採用しており、弾道ミサイルを阻止できる数少ない兵器の一つであるため、米国が輸出する技術の中でも最も厳重に守られているものの一つとなっている。

ペイトリオット迎撃ミサイルは、レーダー、指揮所、発射機、そして迎撃ミサイル本体といった、武器のエコシステム全体を統合している。ウクライナは、最新型であり製造が最も困難なPAC-3 MSEの製造許可取得を目指している。

米国のライセンスの下でペイトリオットを製造している国は日本だけである。ドイツ、オランダ、スペインは共同で欧州の生産ラインを立ち上げ中であり、ベルリンは別途、独自のライセンス取得について交渉を進めている。

ワシントンは、この技術が敵の手に渡ることを懸念し、ライセンス供与に慎重だが、警戒感はさらに強まっている。

米国は今年のイランとの戦争で、1,060~1,430発のペイトリオットを発射したが、1発あたりのコストは約390万ドルに上り、これはウクライナが4年間にわたり西側同盟国全体から受け取った数百発をはるかに上回る数である。

フォーリン・ポリシー・リサーチ・インスティテュートの分析によると、各迎撃ミサイルの製造には24ヶ月、固体ロケットモーターの製造には30ヶ月を要し、各ミサイルのシーカーはアラバマ州ハンツビルにあるボーイング工場のみで製造されている。

この唯一の工場は昨年、650~700個のシーカーを生産したに過ぎず、これが生産ライン全体のボトルネックとなっている。

国防総省は4月、この重要部品の生産量を3倍に増やすため別途の契約を締結したが、今年、48億ドルの契約に基づき発注された迎撃ミサイルでさえ、2030年まで納入されない見込みだ。

「世界中で毎月生産されるこうしたミサイルは、同じ期間に敵がウクライナに向けて発射する数よりも少ない」と、ミハイロ・フェドロフ国防相は述べた。

ロッキード・マーティンはPAC-3を620基を昨年納入した。フォーリン・ポリシー研究所によると、1月に国防総省と締結された枠組み合意では2030年までに年間2,000基へと増産することを目指している。

そしてウクライナには、自国の弾道ミサイル防衛システムがまだない。

ゼレンスキー大統領は今週、ウクライナが国産開発に資源を注ぎ込んでいると発表した。これはフレイヤ「FREYA」と呼ばれる、ペイトリオットに相当する安価で大量生産可能なシステムで、ウクライナ製のミサイルと欧州製のレーダー、発射機、指揮統制システムを中核としている。

ゼレンスキー大統領は木曜日、数日中にフランスなどパートナー諸国にこのシステムを提示する予定だと述べた。

ロシアの弾道ミサイルは、ウクライナ都市に対する最も致命的な兵器で、日曜日夜の大規模な攻撃では、キーウだけで少なくとも22人が死亡したが、ウクライナ空軍によると、ロシアが発射した弾道ミサイル29発は全弾防空網をすり抜けたという。

2022年のロシアによる侵攻以来、ウクライナ民間人1万6,000人以上が死亡したことが、国連人権高等弁務官事務所によって確認されている。

ゼレンスキー大統領は、こうした攻撃をロシアに残された「唯一の優位性」と呼び、ペイトリオットミサイルの生産を「最優先事項」と位置づけている。

ウクライナは「さまざまな方向から」同時に取り組んでいると彼は述べ、米国からのライセンス取得、欧州からの資金調達、そしてフランス製システムの導入を並行して進めていると語った。

ゼレンスキー大統領が「ペイトリオット類似品」と呼ぶ高価なフランス・イタリア共同開発のSAMP/Tは、エマニュエル・マクロン仏大統領との間で結ばれた合意に基づき、すでにウクライナへ搬入され始めている。これは、弾道ミサイルを阻止するために特別設計された、ウクライナの兵器庫にある唯一の他の兵器である。

「生産量はごくわずかで、待ち行列は非常に長く、複数国が関わっている」と、ゼレンスキー大統領はペイトリオットとフランス製システムについて述べた。

大統領は、これらの解決策のいずれでも、ロシアによるウクライナ都市への猛攻を一夜にして終わらせられないことを認め、最優先課題は国内防衛システムの開発だとしている。

「そうすれば、我々だけの能力でウクライナの空を封鎖できる」と彼は述べた。■

ケイティ・リビングストンについて

ケイティ・リビングストンは、『ディフェンス・ニュース』および『ミリタリー・タイムズ』のウクライナ特派員である。キーウを拠点とし、ロシアによる全面侵攻の初期段階から取材を続けてきた。元フルブライト奨学生であり、受賞歴のある記事は欧米の各メディアに掲載されている。


2026年7月9日木曜日

ウクライナはロシア弾道ミサイルを一発も迎撃できなくなった―迎撃ミサイルが絶望的に不足。だがロシアもウクライナ攻撃を防げない。双方の防空能力が穴を露呈してきた

ペイトリオット迎撃ミサイルが深刻なほど不足、ウクライナは弾道ミサイルを1発も撃墜できない

Out Of Patriot Interceptors, Ukraine Can’t Down Any Ballistic Missiles Striking Kyiv

ミサイル供給が極めて乏しく、需要が極めて高い状況下で、ウクライナは同盟各国にペイトリオット迎撃ミサイルの追加供与を求めている

https://www.twz.com/land/out-of-patriot-interceptors-ukraine-cant-down-any-ballistic-missiles-striking-kyiv

Ukraine, short on Patriot interceptors, can't down Russian ballistic missiles.

(陸軍公式写真)

トリオット迎撃ミサイルが深刻なまで不足し、ウクライナは、ロシアが夜間に繰り広げた致命的な集中攻撃で発射されたイスカンデル弾道ミサイルジルコン極超音速巡航ミサイルを1発も撃墜できなかったと、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領および空軍当局者が月曜日述べた。ウクライナ当局によると、主にキーウを標的としたこの攻撃により、少なくとも20人が死亡し、さらに数十人が負傷した。

このミサイルおよびドローンによる攻撃は、NATOサミットの前日に発生した。同サミットでは、ゼレンスキー大統領が同盟国に対し、さらなる対ミサイル弾薬の提供を強く求めるものと見られている。また、この集中攻撃は、ウクライナが独自のミサイル迎撃能力の確立に取り組み、寄付に依存する必要がなくなるよう努めている最中に起きた。

「その理由は、まさに迎撃ミサイルの供給不足にある」と、ゼレンスキー大統領はXで不満を述べた。「世界、とりわけ米国や欧州のパートナー諸国が、アンカラでのNATO首脳会議を終えるにあたり、我々の防空、ひいては一般市民の命を守るための強力な決定を下すことが極めて重要だ。『ペイトリオット』用のミサイルが同盟国の倉庫に眠っている限り、それはロシアが住宅を『破壊』し続けることを助長するだけだ。米国と欧州には、このテロを阻止するのに十分な力がある。」

ウクライナ空軍によると、昨夜ロシアが発射した「イスカンデル」23発と「ジルコン」6発はすべて、同国の防空網をすり抜けたという。

「弾道ミサイルを撃墜するには、それを撃墜する手段が必要だ」と、ウクライナ空軍の広報官ユーリー・イグナート氏は国営テレビで述べた。「『ペイトリオット』システムは十分に備わっているが、ミサイルの継続的な供給が必要だ」

イグナト氏によると、ロシア軍は「ウクライナのペイトリオット迎撃ミサイル不足を意図的に利用し、巡航ミサイルやドローンよりも迎撃がはるかに困難な弾道兵器に大きく依存している」と、ウクライナの『ミリタリーニ』誌は指摘した

対照的に、ウクライナ空軍は、前夜の攻撃において、351機のドローンのうち326機、33発のKh-101巡航ミサイルのうち31発、そして6発のカリブル巡航ミサイルをすべて撃墜したと発表した。

先週、ゼレンスキー大統領は、同盟国が約束した対ミサイル弾薬の提供という公約を果たしていないと不満を漏らした。

「ウクライナには適切な防衛パッケージが必要だ」と、ゼレンスキー大統領は7月2日、ロシアによる新たな大規模な砲撃の後、4発のジルコンミサイルはすべて、74発のイスカンデルミサイルのうち4発しか迎撃できなかったことを受けて述べた。

「我々はこれらのミサイルを必要としている。最大限の圧力をかけつつ交渉を進めている」とゼレンスキー大統領は述べた。「合意に達し、すでに資金を振り込んだ国もある。NASAMS[National Advanced Surface-to-Air Missile System]などがその例だ。」

ゼレンスキー大統領は特にノルウェーを名指しした。

「例えばノルウェーについては……200発のミサイルの代金を支払うという合意があった。しかし、その200発のうち、1発たりとも届いていない」

約束された支援が期日通りに届けられていれば、「家や人命を救う」ことができたはずだとゼレンスキー大統領は付け加え、ウクライナがパートナー国に求めているのは「単に合意されたことを実行してもらうこと」だと強調した。

ゼレンスキー大統領が迎撃ミサイルの増強を訴えたにもかかわらず、イグナット氏は月曜日、「ペイトリオット迎撃ミサイルの不足はウクライナに限った問題ではなく、世界的な課題である」と認めた。これはTWZが頻繁に報じてきたテーマである。

以前にも指摘した通り、最近の中東紛争における米国の使用、ウクライナによる継続的な消費、そして脅威の高まりに直面している他の20カ国近くへの供給約束が重なり、ペイトリオット迎撃ミサイルの供給は重大な問題となっている。ウクライナがこのシステムを入手する前や、中東で度重なる紛争が発生する前から、世界的なペイトリオットミサイルの備蓄量や、危機時に十分な迎撃ミサイルを生産する能力については懸念されていた。現在、需要は爆発的に増加し、配給制が導入されており、一部の顧客には、注文分が米国の備蓄を補充するために転用されると通告されている。この慣行はトランプ政権第2期以前から続いており、バイデン政権も同盟国に対し、注文分が台湾やウクライナへ振り向けられると伝えている。

それでも、国防総省は最近になって、生産拡大に奔走しているにもかかわらず、十分な備蓄があると主張し続けている。

本誌は最近、戦略国際問題研究所(CSIS)による新たな報告書に関する記事の中で、これらの弾薬の供給問題を取り上げた。

米国の先進兵器備蓄の枯渇の深刻さに関するこの報告書は、現在生産されているPAC-3 MSEについて、「およそ年間650基という基準生産率であり、その半数は米国に、残りは同盟国やパートナー国に供給されている」と指摘している。

1月に国防総省と締結した契約に基づき、ロッキード社はペイトリオットの年間生産数を2,000基に引き上げることを約束している。

The defense of Al Udeid Air Base in Qatar against Iranian ballistic missiles included the largest volley of Patriot air defense interceptors in U.S. military history, the Pentagon's top general told reporters.

ペイトリオット迎撃ミサイル。(ダレル・エイムズ/米国防総省)

米国がウクライナにペイトリオット迎撃ミサイルを供給できるかどうかについては、議会も十分な懸念を抱いており、先月、国防総省に対し、戦火にさらされている同国へのペイトリオットPAC-3迎撃ミサイルの供給をどのように増やすことができるか説明するよう命じた。

本日、サミットに先立ちアンカラで記者団に対し、NATOのマーク・ルッテ事務総長は、米国が防衛上の公約を果たすため、ウクライナへのペイトリオット迎撃ミサイルの供給を積極的に行っているとしつつも、「NATO域内に保管されている迎撃ミサイルの量には限界がある」と述べた。

ウクライナへの支援は、少なくともわずかながらも進んでいる。

先月、NATO国防相会議に先立ちブリュッセルで記者団に対し、ドイツのボリス・ピストリウス国防相は、ウクライナ向けの米国製兵器・弾薬の購入資金を調達する「優先ウクライナ所要品リスト(PURL)」制度に基づき、防空用弾薬の調達のために2億ドルを提供すると発表した。

「このようにして、我々は文字通り、昼夜を問わず人命を救っているのです」とピストリウスは述べた。同氏はまた、ドイツが「JUMPSTART(ウクライナ多国籍共同プログラム――サービス、訓練、物資の迅速供給)」メカニズムに参加すると発表した。JUMPSTARTは、ペイトリオット防空システム用の迎撃ミサイルの調達に特に焦点を当てている。

「我々は、PAC-3誘導ミサイルの購入に2億ドルを拠出することで貢献に合意した」とドイツ国防相は述べた。2億ドル拠出により、およそ40~50発のペイトリオットPAC-3 MSE迎撃ミサイルを購入できる。

これらの兵器の価格と納期の問題から、米陸軍は防衛関連企業に対し、1発あたり約100万ドルかかる新型ペイトリオット迎撃ミサイルの開発を急がせている。

一方、ポーランドの極右・反ウクライナ政党「連合」の共同党首で、下院(セイム)副議長を務めるクシシュトフ・ボサックは、X上で、ポーランド政府が3月に議会への通知なしにペイトリオット迎撃ミサイルをウクライナに移送したと主張した。

「3月、政府はセイムに内緒で、高価かつ入手困難なペイトリオットシステムの迎撃ミサイルをウクライナに引き渡していたことが判明した」とボサックはXで述べた。「これらは、メディアで何年も前から報じられている多層的な防空システムを構築するために、ポーランドが米国から購入したものであり、今日に至るまでそのシステムは完成していない。これらは、ポーランドを脅かし、カリーニングラード州に配備されているロシアのイスカンデルミサイルに対抗できる、ポーランドが保有していた/現在も保有している唯一のミサイルである。」

ウクライナは、迎撃ミサイルの寄贈をさらに求めるだけでなく、独自の開発も進めている。

複数のドローンやFP-5フラミンゴ巡航ミサイルを製造するウクライナの企業「ファイア・ポイント」は、国内で設計・製造された「対弾道ミサイルシールド」の開発に取り組んでいる。このシステムの基幹をなすのは、同社製のFP-7.x迎撃ミサイルだ。2月、同社はこの兵器の試験を公開した

Kyiv Postは今月初めに、「このシエナジーールドは『空力的には完成しているが、完全な統合がなされなければまだ実戦運用に至らない』」と報じた。「主任設計者デニス・シュティラーマンは、このシステムはレーダー、指揮センター、安全なデータリンク、そして欧州で開発されたシーカーヘッドに依存していると述べた。同社はパートナーと協力し、これらの要素を統合して機能するミサイル防衛ネットワークを構築している。」

Ukraine’s Fire Point unveils FP-7.X missile, advances development of anti-ballistic interceptor thumbnail

ウクライナのファイア・ポイントがFP-7.Xミサイルを公開、弾道ミサイル迎撃システムの開発を推進

これまで本誌は、ウクライナが最近、少なくともある程度は戦況を好転させていることを指摘してきた。ロシアの兵站網への攻撃により、クレムリンによるさらなる領土獲得の試みが足止めされている。こうした進展は、ウクライナによるドローンの生産拡大と、通信技術およびAIを活用した誘導システムの進歩に大きく起因している。

ロシアがキーウを猛攻撃する一方で、ウクライナも長距離攻撃でロシアを激しく攻撃し続けている。ウクライナが保有する目まぐるしいほど多様な長距離ドローン、そして最近では巡航ミサイルが、ロシア深部のエナジーインフラはじめ重要目標を攻撃し、ロシアに打撃を与えている。さらに、キーウは独自の弾道ミサイルの開発も進めている。ウクライナの長距離攻撃能力が現在、指数関数的なペースで拡大しているように見える中、ウクライナ国境から遠く離れたロシアの標的に対するリスクは高まっている。ロシアには、自国の広大な領域をこうした攻撃から守る能力がない。

この点を踏まえると、ウクライナは弾道ミサイル攻撃に対して事実上無防備であり、確かに厳しい道のりが待ち受けているが、ロシアにも、別個でありながらある意味で類似した、深刻な防空上の問題が存在する。これらすべてが、高性能な防空システムが抱える最大の問題の一つを浮き彫りにしている――敵は、特に長期的には、防空システムが対処し切れないほど多くの攻撃兵器を常に開発しようとする可能性があるということだ。PAC-3MSEのような現代の高性能迎撃ミサイルのコスト、複雑さ、および調達リードタイムを考慮すれば、少なくとも現時点では、この方程式の答えは比較的容易に見出せる。ウクライナについても同様だ。ロシアの防空体制は、ウクライナでの作戦展開や、極めて重要な施設・資産の防衛の必要性により、すでに手薄になっている。広大な領土にわたって発生しうる大規模なドローンや巡航ミサイル攻撃に対する防衛は、単純に不可能なのである。

言い換えれば、戦争開始から4年半が経過した今、双方の防空網に亀裂がはっきり現れ始めている。■

ハワード・アルトマン

シニア・スタッフライター

ハワードはTWZのシニア・スタッフライターである。紛争について頻繁に執筆しており、特に中東とウクライナに焦点を当てているほか、世界中の軍・諜報当局者や業界リーダーへのインタビューも行っている。現在は、米中央軍および米特殊作戦司令部の本拠地であるフロリダ州タンパ近郊に在住している。