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2012年8月17日金曜日

イージス艦の性能改修で日米間の協議が進んでいます

US, Japan Said Discussing Missile-defense Ship Upgrades
aviationweek.com August 16, 2012

米国と日本は日本が運用中の駆逐艦二隻のシステムアップグレードにより弾道ミサイル防衛体制の強化を協議中と国防総省との大手契約企業幹部が15日に明らかにした。
  1. あたご級誘導ミサイル駆逐艦の改修は米海軍艦船と同じ弾道ミサイル防衛能力を整備するものと、ロッキード・マーティンで海軍向け事業を統括するニック・ブッチNick Bucciが表現した。
  2. 北朝鮮の核開発と弾道ミサイル実験に脅威を感じる日本はミサイル防衛のすべての局面で米国の最大のパートナーとして注目される存在だ。
  3. 米国の現在の年間支出は全部で100億ドル程度で、北朝鮮とイランへの懸念を反映した形になっている。
  4. Lロッキード・マーティンが提供しているイージスシステムの構成はレーダー、コンピューター多数、ソフトウェア、ディスプレイ、兵器発射装置および兵器そのもので水上、空中、水中の脅威に対応するものだ。
  5. イージスシステムはルーマニア、ポーランド両国の陸上で2015年めどで配備される予定で、欧州をイランなどの弾道ミサイルの脅威から防衛するとともに、米国艦船も増強される予定だ。
  6. 日本は2003年にこんごう級駆逐艦4隻にレイセオン製スタンダードミサイル-3迎撃ミサイルを搭載し弾道ミサイルを撃破する能力を整備する決定をしている。
  7. 今回の協議の中心は海上自衛隊のあたごとあしがら二隻のイージスシステムの性能向上によりこんごう級を超える性能の実現にあると、ブッチは電話取材に答えた。
  8. 今回の想定対象はイージスシステムのレーダー情報を処理する新しい頭脳となるコンピューターであり、弾道ミサイルとあわせ他の空中攻撃を撃退する能力である。
  9. この近代化であたごとあしがらはSM-3ミサイルの発射能力が装備される。こんごう級の各艦には別個に性能改修が必要だ。
  10. 今回とりあげられているSM-3は正確にはブロックII-Aと呼ばれ、オバマ大統領提唱のNATO欧州向けミサイル防衛ロードマップで言及されている重要な構成部分である。
  11. 同ミサイルではロケット推進部が大型化され、弾頭部分も高性能になっていることから防御範囲が広がっていると見られる。弾頭部分は目標と衝突するように設計されている。同ミサイルの開発は2018年配備開始に向けてレイセオンと三菱重工業が順調に進めている。
  12. 二国間の研究開発の基礎となっているのが米日間の覚書で北朝鮮が突発的に発射したテポドン1号(1998年8月31日)が日本列島を横断して着水したことだ。
  13. ブッチによると韓国も保有するイージス艦三隻の改修の打診を米海軍入れたという。ただし、米国防総省並びに海軍から日本または韓国向けのプログラムについてコメントはまだ出ていない。
  14. なお米海軍の弾道ミサイル防衛能力があるイージス艦は2011年度末の24隻から2018年には36隻に増強される予定だ。■

コメント 日 本の海上自衛隊では相変わらず9000トンクラスのイージス艦でも護衛艦の名称を使っていますが、ここは原文のデストロイヤーを駆逐艦として使わせてもら いました。DDGとしている以上、駆逐艦という名称がぴったりくるのですが、まだしっくりこないものを海上自衛隊は感じているのでしょうか。ひょっとして こんなことがまだタブーになって頭の中を支配しているのでしょうか。

2012年6月28日木曜日

SM-3最新型の弾道弾迎撃実験が成功

U.S. Downs Target Missile In High-stakes Test


aviationweek.com June 27, 2012

米軍のレイセオン製新型迎撃ミサイルが迎撃実験に成功。北朝鮮やイランのミサイル開発への有効な対策になりそうだ。

  1. 実験は6月26日夜半にハワイ沖合いで実施され、標的となったのは分離式中距離弾道弾だったとミサイル防衛庁が発表。模擬弾頭が実際に分離され攻撃シナリオを再現した形となった。
  2. 「ミサイル各部品は設計どおり作動し、きわめて正確に迎撃できた」と翌27日に同庁が声明文で発表。
  3. 使用されたのはレイセオンのスタンダードミサイル-3ブロックIBで、米海軍の最新のミサイル迎撃手段。
  4. 同ミサイルは2015年にルーマニア国内の陸上打ち上げ施設に展開される予定で、オバマ大統領のNATO東側地域をイランのミサイルから防衛する手段となる。
  5. レイセオン製ミサイルの迎撃実験成功はこれでわずか6週間のうちで二回目で2011年9月の初打ち上げでの失敗をカバーした形だ。
  6. MDAは今回の実験成功でオバマ大統領の欧州向け段階的適応型アプローチによるミサイル防衛の第二段階には重要な成果が生まれたと評価する。
  7. 今回のテストは通算28回の発射で23回目の迎撃成功となった。
  8. ハワイ標準時の26日午後11時15分、標的ミサイルがカウアイ島の太平洋ミサイル試射場から打ち上げられた。
  9. これに対しUSSレイク・エリーがハワイ沖合いでミサイルを発見、追跡捕捉し、搭載する第二世代イージスBMD兵器システムがSM-3ブロックIBミサイルを発射した。
  10. ミサイルは衝突時の運動エネルギーで目標を宇宙空間上で破壊し、いわゆる衝突破壊迎撃のパターンを実現した。
  11. SM-3は短距離から中距離弾道ミサイル迎撃に使用される。最新型ブロックIBには二色の赤外線シーカーを備え、推進力を正確に制御できる短いバーストが可能な機構がついている。これにより目標への接近が可能となる。


2012年5月13日日曜日

SM-3改良型が迎撃実験に成功

US Downs Test Missile With New Interceptor

By Jim Wolf/Reuters
aviationweek.com May 10 , 2012
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米海軍の弾道弾迎撃ミサイルのSM-3最新型が迎撃実験に成功し、北朝鮮やイランの脅威から同盟国の防衛がより有効になる。
  1. 目標弾道ミサイルはハワイ付近で5月9日に捕捉破壊された。迎撃したのはレイセオン製のスタンダードミサイル-3で「設計通りの効果を確認した」とミサイル防衛庁(MDA)が発表。
  2. 今回テストされたのはSM-3ブロック1Bで、昨年9月の初試験で目標迎撃に失敗したためレイセオンでは生産開始が遅れたままになっている。
  3. ヨーロッパを包むミサイル防衛の盾は地上配備、艦船配備のハードウェアと宇宙配備のセンサー類で構成する。
  4. SM-3ブロック1Bはまずルーマニアに2015年に配備され、オバマ大統領が提唱する段階的適合的アプローチの一部としてミサイル防衛英の任務にあたる。同ミサイルは米海軍のイージス対ミサイル防衛艦艇にも搭載される。
  5. 弾道ミサイル防衛にあたるイージス艦は合計27隻で、このうち米海軍が23隻、日本の海上自衛隊が4隻を運用。イージスシステムはロッキード・マーティン製。
  6. 5月9日の演習では目標となる短距離弾道弾が太平洋ミサイル試射場(ハワイ州カウアイ島)より発射された。迎撃ミサイルはUSSレイクエリーより発射され、同艦が目標を追跡し、飛行経路情報をSM-3ミサイルに送信した。
  7. SM-3から放出した弾頭が目標に衝突し、これを破壊した、とMDAが発表。ただ今回の演習で実戦で想定される囮目標への対応が想定されていたかについてはMDAは言及を避けた。
  8. こ れに対し国防管理協会Arms Control Associationの主任研究員トム・コリーナTom Collinaは敵の対抗手段の想定をしない迎撃実験では実戦での有効性は確認できないと指摘している。一方、ミサイル防衛を強く提唱するリキ・エリソン Riki Ellisonは軍と関係が強く、水曜日のテストは北朝鮮から発射されたミサイルから韓国を防衛するシナリオだったと語る。米海軍の第7艦隊所属イージス 艦が日本海から韓国軍、米軍地上部隊を防衛する設定だという。
  9. 現行SM-3との比較では新型は目標シーカーの性能が向上しており、コース調整の精度が改善されている。
  10. さらにあと2回のテストが今年中に予定され、その結果から生産開始の決断が下される。
  11. 今 回成功したことでイージスシステムは通算27回の発射で22回の迎撃成功となった。その他地上発射中間軌道防衛Ground-based  Midcourse Defense、高度戦域防衛最終飛行段階防衛Terminal High Altitude Area Defense、ペイトリオットのPAC-3PATRIOT Advanced Capability-3 の各種迎撃手段のテストも合計すると67回のテストで53回の迎撃成功になるとMDAは明らかにしている。