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2024年12月26日木曜日

米空軍はF-35計画を縮小する可能性があるとSECAFが発表(Defense One)―ロッキードの実績に不満ながら、マスクの有人戦闘機不要論にも我慢ができない様子、トランプが国防分野と関係ない人事を進めるのにも不安があるようです。

 Two U.S. Air Force F-35 Lightning IIs from the 388th Fighter Wing at Hill AFB taxi to the runway for takeoff to participate in a training mission at the Utah test and training range on September 20, 2024.

2024年9月20日、ユタ州の試験訓練場で行われる訓練に参加するため、滑走路にタキシングして離陸するヒル基地の第388戦闘航空団所属の米空軍F-35ライトニングII 2機。. U.S. AIR FORCE / SENIOR AIRMAN NICHOLAS RUPIPER



退任するフランク・ケンドール長官はイーロン・マスクによる最近の発言に反発している



退任が迫る空軍長官はF-35戦闘機の購入を縮小する可能性が空軍にあると発言した。

 「F-35の調達目標は1,763機だが 最終的に何機購入するかはわからないし、今は誰も予測できない。 もっと買うつもりだし、ある程度の期間買い続けるつもりだ。しかし、その準備ができているとは思わない」とフランク・ケンドールはミッチェル航空宇宙研究所開催のイベントで語った。

 ケンドールは、F-35がすぐに消えるわけではなく、仮にNGADプログラムの下で第6世代戦闘機の製造を決定したとしても、それは「非常に高価な機体」であり、数量を実戦配備するには少なくとも「数年」を要するだろうと強調した。

 しかし、国防総省はロッキー社に「より良いパフォーマンス」を求めている、とケンドールは言う。 同社は、F-35のアップグレードパッケージの技術開発の問題のため1年にわたりF-35納入の一時停止を余儀なくされている。

 「ロッキードは約束したものを提供できていないし、そのスピードも圧倒的に劣っている」とケンドールは語った。

 ロッキードとF-35プログラム室は最近、次の2つのF-35生産ロット-18と19について合意に達した。 これらのジェット機は、「さまざまな要因から」以前のロットより高価になるだろうとケンドールは述べ、ロッキード関係者の以前のコメントを繰り返した。

 トランプ次期政権は、F-35に関する計画を発表していない。トランプ大統領の重要顧問であり、「政府の効率化」を目指す取り組みの共同リーダー、イーロン・マスクは最近、同機を「時代遅れ」「クソデザイン」と酷評している。

 ケンドールはマスク発言を批判し、本人の軍事経験のなさを指摘し、「挑発的な」発言をする前に軍についてもっと学ぶよう促した。

 「イーロン・マスクはエンジニアとして尊敬している。 だが戦争の経験はないし、あそこまで壮大な発表をする前に、ビジネスについてもう少し学ぶ必要があると思う」とケンドールは語った。

 ある時点で、軍は有人戦闘機の代わりに自律型ドローンだけに頼るようになるかもしれないが、それは「何十年も先の話」だとケンドールは言う。 他の空軍首脳も同様に、有人航空機の時代は終わりつつあるとの指摘に反発している。

 新政権の発足まで、ケンドール空軍長官の任期はあと数週間しかない。 ケンドールはすでにトランプ政権移行チームと会談しており、国防総省を回り始めたと伝えられている。

 トランプはまだケンドールの後任を発表していない。 ポリティコは今週初め、トランプの大口献金者で小規模な投資顧問会社の代表アンドリュー・マッケナAndrew McKennaが最有力候補だと報じた。 もしマッケナが指名されれば、国防総省での経験がほとんどないトランプが国防総省のトップに指名した数人のうちの一人となる。

 ケンドールは、彼の後継者は、その人物が国家安全保障コミュニティ出身であろうとなかろうと、「学習モード」に身を置き、国防総省の専門家のアドバイスに耳を傾けるべきだと述べた。

 「このコミュニティーのことをよく知らない人が入ってくるのであれば、アドバイスとしては、キャリアを積んできた人たちの話に耳を傾け、できるだけ早く多くのことを学ぶことだ」。■


Air Force may curtail F-35 plan if newer tech pans out, SECAF says

Outgoing secretary Frank Kendall also clapped back at recent comments by Elon Musk about manned vs. unmanned systems.


BY AUDREY DECKER

STAFF WRITER

DECEMBER 19, 2024


https://www.defenseone.com/defense-systems/2024/12/air-force-may-curtail-f-35-plan-if-newer-tech-pans-out-secaf-says/401794/?oref=d1-homepage-river


2024年7月5日金曜日

三沢基地にF-35AがワイルドウィーゼルF-16と交代、嘉手納にはF-15EX初の実戦部隊が展開する

  

相次ぐ新型機材の配備で日本から運用される米空軍の戦力は大きく変わりそうですね。前線基地としての日本が重要である証拠でしょう。というと左巻きの人たちがすぐ戦争だと騒ぎそうですが、抑止力としての存在であることにいつになったら気づくのでしょうか。The War Zoneが伝えています。


空軍のF-35AやF-15EXイーグルIIが日本で初めて前方配備されることを含め、日本における米軍の航空態勢が今後大きく変化する。

米国防総省は、米空軍がF-35A統合打撃戦闘機を日本に前方配備すると発表した。ステルスF-35Aは、同軍が現在日本に配備しているF-16ヴァイパーに交代する。海兵隊も同国に展開中のF-35B部隊にも変更を加える。

さらに国防総省は、空軍がF-15EXイーグルII戦闘機を沖縄の嘉手納基地に配備することを確認した。本誌は、オレゴン州空軍第142飛行隊の司令官との独占インタビューで計画の詳細と内部情報を初めて入手した。第142飛行隊は、イーグルIIを手に入れる最初の作戦部隊であり、新型戦闘機を日本に届けるプロセスを支援する。

国防総省(DoD)は本日未明、日本における航空部隊の態勢変更を発表した。国防総省によれば、これは日本におけるプレゼンスを近代化する広範な取り組みの一環であり、「今後数年にわたり」実施され、「100億ドル以上の投資規模」となるという。これらすべては、太平洋地域における中国とのハイエンドな衝突の可能性に備え、米軍全体が準備を進める背景で行われる。

国防総省のプレスリリースによると、「米空軍はまた、三沢基地におけるプレゼンスを36機のF-16から48機のF-35Aにアップグレードし、戦術機の能力と能力を向上させる。「海兵隊岩国基地(MCAS)では、海兵隊の部隊設計近代化を支援するため、F-35Bの機体数を変更する。米海兵隊は、日本の防衛を支援するために必要な能力を確保するため、MCAS岩国における航空機の永続的かつローテーション的なプレゼンスを維持し続ける。

「米空軍は、F-15C/D48機に代わる36機のF-15EXを配備することで、嘉手納基地におけるプレゼンスをアップグレードする。「統合軍はこの移行期間中、嘉手納基地で第4世代と第5世代の戦術機のローテーションプレゼンスを維持し続ける。

三沢基地にある空軍のF-16バイパーがF-35Aに置き換わるとの発表は、大きな進展となる。同基地の第35戦闘航空団は、ワイルド・ウィーゼルの制圧/敵防空ミサイルの破壊(SEAD/DEAD)任務に最適化されたF-16CM型ヴァイパーを使用している。SEAD/DEADは、大規模な紛争において極めて重要である。

今日の国防総省の発表では明言されていないが、ここで期待されているのは、F-35Aがその任務を担うということだ。ジョイント・ストライク・ファイターは、レーダーを回避する設計と、電子戦および電子支援手段(EW/ESM)スイートを広範囲に内蔵しているおかげで、SEAD/DEADの達人である。同機のEW/ESM能力は、将来のブロック4アップグレードパッケージでさらに向上する。

F-35Aはまた、新しいAGM-88G高性能対放射誘導ミサイル(AARGM-ER)と、その派生型であるスタンド・イン攻撃兵器(SiAW)と呼ばれる空対地攻撃ミサイルを手に入れることになっている。AGM-88GとSiAWはF-35Aの内部兵装庫に収まるため、ステルス性を最大のまま搭載することができる。

日本には航空自衛隊(JASDF)も運用するF-35A向けサポート体制がすでにある。航空自衛隊もF-35Bを導入する予定だ。日本ではF-16は運用されていないが、派生型のF-2が運用されている。

空軍が2022年に嘉手納基地の2つのF-15C/Dイーグル飛行隊を閉鎖する計画を発表して以来、F-15EXが嘉手納基地に配備される可能性はますます高まっていた。この間、空軍はステルス戦闘機のF-22ラプターやF-35A統合打撃戦闘機など、他の戦闘機のローテーション配備によって嘉手納基地の存在感を高めてきた。

F-15EXは、嘉手納に配備されていたF-15C/Dを一対一で置き換えるものではないが、イーグルIIは格段に能力が高い。強力なAN/APG-82アクティブ電子スキャン・アレイ・レーダー、イーグル・パッシブ/アクティブ・ウォーニング・サバイバビリティ・システム(EPAWSS)電子戦スイート、大面積デジタル・ディスプレイを備えた2つのグラス・コックピット、29,400ポンド級のジェネラル・エレクトリックF110-GE-129エンジンを備えるF-15EXは、これまでに生産されたF-15の中で最も先進的な機種である。F-15EXは最先端のフライ・バイ・ワイヤ・システムも搭載しており、特に、2つの翼下ステーションに武器を搭載する。

嘉手納のF-15EX飛行隊は、イーグルIIを運用する最初の現役部隊となり、空軍の現在の計画に変更がなければ唯一の部隊になるかもしれない。現在98機とされるF-15EXの大部分は、、議会の介入により将来的に増加する可能性があり、空軍州兵部隊に割り当てられる予定である。これには、オレゴン州空軍の第142飛行隊、カリフォーニア州空軍の第144戦闘機飛行隊、ルイジアナ州空軍の第159戦闘機飛行隊が含まれる。

第142飛行隊長のマイケル・コスデルカ空軍大佐は先月、本誌にこう語っている。「12月頃から、嘉手納基地の現役兵がここに来ることになる......そして彼らは、機体のメンテナンスの仕方、操縦の仕方、必要なすべてのことを学ぶことになる。

「そして、ボーイングが2025年の7月頃からジェット機を納入できるようになると、機材は嘉手納の配備になる」とコスデルカは続けた。「そして、一度に十分な数のジェット機(6機程度)がここに到着したら、沖縄に移動させるための作戦を行うだろう」。

現状では、航空州兵はF-15EXを主に国土防衛任務として空対空の役割で使用することを期待している。しかし、F-15EXが提供する追加能力は、すでに空対地ミッションセットへの新たな関心を促している。本誌はまた、2人乗りのイーグルIIが、空軍が近々発表するCCA(コラボレーティブ・コンバット・エアクラフト)のような将来型ドローンの指揮統制機能を果たすのに、いかに適しているかを定期的に紹介している。太平洋上では、F-15EXが無人機を「クォーターバック」として展開させ、新しい極超音速兵器による長距離攻撃を実行する能力は、中国との戦いなど、将来の大規模戦において貴重なものになる可能性がある。

本誌がF-15EXの内幕を最初に報じて以来、我々はまた、イーグルIIの能力、特にその航続距離とペイロード容量(大型兵器やその他の備品を搭載する能力を含む)が、ハイ・ロー・ミックスの一部としてステルスF-22やF-35を補完するのに適していると強調してきた。また、空軍が計画中の98機のイーグルIIは、この航空機が提供するすべてを最大限に活用するには少なすぎるという懸念も引き続き残る。

岩国にある海兵隊のF-35B態勢にもたらされる変更についての詳細はより限られているが、海兵隊は部隊構造全体を全面的に見直中だ。この変更は、太平洋での大規模な戦いの中で、島を飛び回るシナリオに重点を置く、発展途上の分散型遠征作戦のコンセプトをサポートする。短距離離陸と垂直着陸が可能なF-35Bは、こうした計画の重要な構成要素であり、比較的小規模な海兵隊が、前方の(おそらく遠隔地の)ある場所から別の場所へ迅速に展開し、再展開することを想定している。

これらすべては、太平洋における中国との潜在的なハイエンド紛争を中心に計画された、より大きな米軍全体の軸の中にある。アメリカ政府関係者は、台湾をめぐる大規模な戦闘が10年以内に起こる可能性で警告を発している。太平洋には、南シナ海など、火種が存在する。中国とフィリピンでは最近対決が激化しており、フィリピンには米国との相互防衛条約がある。■

USAF F-35As To Be Based In Japan Replacing Wild Weasel F-16s

JOSEPH TREVITHICK

POSTED ON JUL 3, 2024 7:21 PM EDT


2022年8月16日火曜日

米空軍F-35Aが飛行業務再開。射出座席部品の再検査終了。ただし、米海軍にも同じ部品が供給されており、こちらは点検が終わっていない模様

 





NAVAIR


射出座席の推進システムの懸念のため、F-35は7月29日から飛行を停止していた



米空軍は、F-35の射出座席の安全審査が終了したことを受け、F-35を通常運用に復帰させた。

7月29日付のBreaking Defenseでは、航空戦闘軍団がF-35Aの全機について、カートリッジ作動装置CAD(緊急時に機外脱出するための爆発物)の不具合の可能性を指摘し、点検のために待機を命じたと初めて報じた。国防総省によると、マーティン・ベーカーの射出座席に使われているCADの一部の製造ロットに欠陥があり、交換が必要であるの同社が確認したという。

 当時は、CADに問題があるシートの数や交換にかかる工数などは不明だった。空軍のF-35Aについては、一部CADが「疑いあり」と認定されたが、後に問題なしと判断されたことが判明した。

 ACC広報官エリカ・フィーハン少佐は、8月15日の声明で「空軍は、一部を除き、すべてのF-35射出座席イニシエータカートリッジの時間遵守技術指令を完了し、全機が通常運用を再開した」と述べた。「空軍全体で、349機のF-35と追加供給分合計706個のカートリッジを検査した。カートリッジ4個が疑わしいと判断され、交換された。該当カートリッジは、その後、追加検査を受け、適合と判断された」と述べた。

 フィーハン少佐は、デポ内の機体はまだ検査を受けていないが、飛行状態に戻る前に検査を受けると付け加えた。

 CAD問題は、F-35だけにとどまらない。海軍はF/A-18B/C/Dホーネット、F/A-18E/Fスーパーホーネット、E/A-18Gグラウラー、T-45ゴーショーク、F-5タイガーII練習機の「限られたロット番号」を問題視し飛行を停止している。■



US Air Force F-35s return to service after ejection seat inspections

By   AARON MEHTA

on August 15, 2022 at 1:07 PM

https://breakingdefense.com/2022/08/us-air-force-f-35s-return-to-service-after-ejection-seat-inspections


2018年3月20日火曜日

★韓国向けF-35A一号機完成を盛大に祝わない事情とは

緊張緩和は韓国軍ではだれも信じていないのでしょうが、政府や国民が誤った考え方を強めているため「国民感情第一」の韓国では軍も大きな声を出せないのでしょう。大きな間違いでないことを祈るばかりです。前政権のすべてを否定したい現政権はなんでもいいから材料をさがしているのでしょう。実に非生産的な動きです。韓国聯合通信の記事です。



No hype expected for S. Korea's first F-35A stealth jet 韓国向けF-35A一号機では控えめな祝い方になりそう

A photo provided by Lockheed Martin of an F-35A (Yonhap)A photo provided by Lockheed Martin of an F-35A (Yonhap)


2018/03/17 10:10


SEOUL, March 17 (Yonhap) -- 韓国はF-35Aステルス戦闘機の韓国向け一号機ロールアウト式典は控えめに行うようだ。半島情勢に緊張緩和ムードがあることとロッキード・マーティン案件で汚職の疑いが出てきたことがあると防衛筋が指摘した。
韓国空軍は参謀次長Lee Sung-yong中将をテキサス州フォートワースの同社組立工場で3月28日に開く式典に派遣する。当初は空軍参謀総長Lee Wang-keun大将が参加すると見られていた。
国防調達事業庁 (DAPA)のJeon Jei-guk長官も式典に参列しないのは日程が合わないためと同庁は説明。
DAPAは韓国報道陣をソウルから現地へ招待する予定を取りやめた。
安全保障情勢がここにきて変化していることを指摘する筋がある。南北朝鮮の首脳会談とともにドナルド・トランプ大統領も金正恩との会談に合意している。昨年中の軍事緊張感と大違いだ。
さらにロッキードとの契約では贈収賄汚職があったと見る向きが多い。朴槿恵前政権の関与が疑われている。
韓国は2014年にF-35Aの40機調達を決めた。■

2018年2月21日水曜日

航空自衛隊向けF-35A20機程度追加調達へ

また日本のF-35で動きが出てきました。まず、F-35AですがF-15一部の代替としても期待され、F-35Bは別枠検討のようです。F-35B導入では海上自衛隊が運用するのかも検討課題でしょう。「海軍航空隊」を復活させるのか,ということで、もともと航空自衛隊の出自を考えると旧海軍の流れがJASDFに入っているので所属は航空自衛隊で海上自衛隊艦船で運用するのが筋ではないでしょうか。ロイター記事をーBusiness Insiderが紹介しています。


Japan is reportedly looking to buy an additional 20 F-35s, and possibly F-35s for its aircraft carriers日本がF-35を20機追加調達し、さらに空母用F-35導入の可能性も


 Tim Kelly and Nobuhiro Kubo,

Japan Air Self Defense Forces F 35
日本で完成したF-35一号機の初飛行状況TAugust 24, 2016.Flickr/Lockheed Martin
  • 日本がF-35Aステルス戦闘機の追加調達を今後6年間で最低でも20機検討中と判明した。.
  • 日本は一機当たり約1億ドルで合計60機以上導入したいとする。
  • これとは別にF-35Bの調達も検討し、ヘリコプター空母からの運用を実施したい考え。




TOKYO (Reuters) - 日本が今後6年間少なくとも20機のF-35A追加購入を検討し、機体は全機あるいは一部をロッキード・マーティンからの直接購入とし、国内生産にこだわらないと内部消息筋三か所が認めた。
 「予算状況と生産日程から約25機導入が妥当」と詳しい筋が語っており、米国から完成機体を購入すれば一機約1億ドルで国内生産より30百万ドル節約できるという。
 日本は42機を発注済みで大部分を三菱重工業が運用する「最終組立て点検」工場で生産する。この工場は米国外では二か所しかないうちの一つで、もう一か所イタリアではレオナルドが運用している。
中国が高性能戦闘機を続々と配備し、北朝鮮も核兵器弾道ミサイル開発を一向にやめない中でF-35の追加導入は日本の米技術依存を強めながら東アジアでの潜在敵国への優位性を高める。
 日本の防衛当局はF-35B導入も検討しており、遠隔島しょ部から東シナ海攻撃に使うとかいずも級ヘリコプター空母からの運用を想定している。
「まだ正式決定ではないが必要な戦闘機の機種は検討している」と小野寺五典防衛相は日本がF-35追加導入を決めたのかとの問いにこう答えている。
防衛省は防衛体制の検討結果として日本のめざす安全保障の目標と再来年度から五年間にわたる防衛装備調達案を今年末までに発表する。
 42機調達する航空自衛隊向けF-35Aの初号機は三沢基地に配備されており今週土曜日の正式な部隊編入式典に日本側関係者がロッキード・マーティン幹部と出席する予定だ。
 F-35はロッキード・マーティンの全収入の三分の一を占める存在で同社は1,800名をテキサス州フォートワース工場に投入して生産に当たっており、世界各地向けに3,000機の生産を見込む。ロッキード・マーティンは2023年までに年間生産を現在の三倍に引き上げ年間160機にする予定だ。
 日本組立てのF-35一号機はF-4ファントムと交代する機体でさらにその先にF-15も一部を用途廃止する予定だ。
 一方で日本は国産ステルス戦闘機の生産もめざし、F-3の呼称があるが開発費用が高額となるため海外提携先を模索して費用分担の必要が生まれると見られる。■

2018年2月3日土曜日

★三沢基地に航空自衛隊F-35A展開始まる、一方で部品供給は黄信号

航空自衛隊三沢基地にF-35Aが到着しましたが、国内生産では思わぬ苦労もあるようです....



Japan base welcomes 1st deployed F-35A, but industry hiccups delay fighter’s supplies 日本基地に初のF-35A配備、しかし産業界は部品供給に苦しむ



1月26日、航空自衛隊のF-35A配備一号機が三沢基地に到着し、歓迎式典が開かれた。. (Staff Sgt. Deana Heitzman/U.S. Air Force)


By: Mike Yeo 
MELBOURNE, Australia — 日本がF-35AライトニングII共用打撃戦闘機を北方の国内基地に初配備した。
機体は青森県三沢基地に先週金曜日到着し、航空自衛隊が歓迎式典を開いた。式典では第三航空団司令鮫島建一空将補が「F-35Aにより防空力が向上し、平和と安全の確保に大きく貢献する」と述べた。
三沢基地には米空軍第35戦闘航空団も駐留しており、F-16ファイティングファルコン多用途戦闘機を運用する。航空団指令R・スコット・ジョウブ大佐Col. R. Scott JobeはF-35は「戦闘能力での大きな技術進歩のみならず米日関係でも大きな進展を意味する」とのべ、配下の部隊は「JASDFとの訓練で日本の安全保障をさらに確実にする」ことを期待すると述べた。
日本でF-35Aをはじめて運用するのは航空自衛隊第302飛行隊で現在はマクダネルダグラスF-4EJファントムIIを百里基地で運用中だ。同隊は三沢に移駐しF-35運用部隊となる。
日本はF-35Aを計42機発注しており、最初の4機はロッキード・マーティンのフォートワース工場で、残りの38機は三菱重工業の名古屋FACO(最終組み立て点検施設)で完成させる。FACOでの完成初号機は2017年6月に完成しており、同FACOは北アジア太平洋地区での重整備修理点検改修施設に認定されている。
日本産業界はすでに日本向けF-35の最終組み立て以外に各種部品製造に参加している。
ただし、日本製部品が実際には使用されていないとの報道があり、IHIはエンジン試作品で品質合格認証を受けなかった。米国協力企業からの素材提供が遅れず、三菱電機も協力企業との問題に遭遇したという。
会計検査院によれば日本側協力企業の製造工程に不完全な部分があることを防錆装備庁が見つけており、同庁に対して米政府と協力してF-35製造に必要な部品が納期通りに利用できるよう努力する旨伝えているという。■

民生部品とは全く異なる世界で苦労も多いと思うのですが、初期に苦労したほうが必ずいい結果に繋がりますので各社には奮闘をお願いしたいところですね。部品点数、機能、品質要求などMRJの比ではないと思います。

2018年1月25日木曜日

ベルギー向けF-35売却を同国決定に先立って米国務省が承認

U.S. State Department clears potential (and likely) sale of F-35s to Belgium 米国務省がF-35のベルギー向け販売を承認

A Norwegian F-35 taxis in after landing on the runway June 29, 2017, at Luke Air Force Base, Ariz. (Airman 1st Class Alexander Cook/U.S. Air Force)

米国務省は1月19日にF-35のベルギー向け販売を事前承認し、同国が選定すれば同機売却が実現する。
販売案では総額65.3億ドルでロッキード・マーティンF-35A通常離着陸型34機とF135エンジン(プラットアンドホイットニー)38基を対象とする。
対象に電子戦装備、通信装備、ミッション訓練装置、ロッキードのALIS(自律型補給支援情報システム)、その他を含むと国防安全保障庁が述べている。
国務省が武器販売を対象国の決定以前に承認するのはまれだが、前例がないわけでもない。最近ではボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネット18機のカナダ向け販売を9月に承認した事例がある。この場合は米加間の貿易問題で最終合意が成立していない。
F-35はベルギーでは有望な選択肢と見られている。ベルギーは現行のF-16部隊54機の代替機種を求め、F-35を正式選定すれば最終的な販売価格は交渉時提示価格と変わる可能性があると国防安全保障庁も認めている。
競合相手はフランス政府が強く推すダッソー・ラファール、ユーロファイター・タイフーンだった。
そこにボーイングが2017年早々にスーパーホーネットを持ち込み、スウェーデンのSaabもグリペンEを提案してきため競合が激しくなった。
ただし4月にボーイングが提案を退けたのはF-35が優遇され公正な競争ができないと判断したためだ。
さらに7月にはスウェーデン政府がベルギーの作戦支援要求内容に答えられないとしてSaab選定の芽をなくした。
Saab撤退を受けてF-35の採用は確実と述べたのは投資コンサルタント業キャピタルアルファパートナーズのバイロン・キャランByron Callanだ。
「F-16導入した四か国のうち、ベルギーだけが選定していなかった。デンマーク、オランダ、ノルウェイはすでにロッキード・マーティンF-35を選定済み」とニュースレターで伝えている。■

横並びではないですが、各国の運用規模を考えると機種統一で合理的な運用をした方が費用対効果や相互運用が楽になりますね。ただしこれはF-35が宣伝通りの実力を発揮した場合で、ソフトウェア開発などまだ全部解決したわけではありません。

2017年12月22日金曜日

速報 韓国がF-35追加調達を決定か

South Korea reportedly plans to buy 20 additional F-35 aircraft

韓国がF-35を20機追加調達か
Reuters
f35a
F-35As on the flight line at Volk Field, August 22, 2016.Senior Airman Stormy Archer/US Air Force
SEOUL, Dec 21 (Reuters) - 韓国がF-35Aを20機追加調達するとの報道が地元紙に12月21日出た。ドナルド・トランプ大統領が韓国が数十億ドルの新規軍事装備品を購入すると発言して二か月未満だ。
韓国国防調達計画庁が20機調達で手続きに入ったと中央日報Joongang Ilboが複数政府筋の話として報道した。

韓国は2014年にF-35Aを40機導入すると決定している。■

2017年11月7日火曜日

UAE向けF-35売却検討の解禁は新たな中東の動きの一環になるか


北朝鮮や南シナ海、中国とともすれば我々の関心は近隣国に偏りがちですが(それだけ緊急性が高いのは当然ですが)中東へも関心を維持していく必要があります。その中でイラン包囲網としてアラブ諸国が仇敵のイスラエルと対立ばかりしてられない状況が生まれつつあるのでしょうか。F-35が販売できればロッキードは大喜びでしょうが、日本としても原油供給しか見ていないUAEの躍進ぶりには十分注意を払ってしかるべきでしょう。


Trump could let the UAE buy F-35 jets

トランプはUAEにF-35売却を許すのか

米空軍F-35AライトニングII。トランプ政権はF-35のUAE売却の検討に入る。 (Master Sgt. John R. Nimmo Sr./U.S. Air Force)

WASHINGTON ― アラブ首長国連邦向け拡大戦略協力の一環でトランプ政権はUAEが求めていたF-35共用打撃戦闘機の購入要請を検討することで合意した。
  1. 正式決定ではないが検討に合意したことでUAE向け機微情報ブリーフィングが可能となり、第五世代戦闘機取得の第一歩となればオバマ前政権の政策から大きな変化となる。オバマ政権は同国からのブリーフィング要請を2011年以来拒絶していたからで、その理由をイスラエルのいわゆる質的軍事優位性Qualitative Military Edge(QME)が脅かされるからとしていた。
  2. 湾岸諸国の専門家、産業界幹部へインタビューするとトランプ政権に対して米議会が求めているQME維持の動きを回避するよう望んでいるのが分かった。QMEではイスラエルが望む武器援助を提供して同国防衛の実現を優先して求めている。同時にワシントンは5月発表の米UAE防衛協力を拡大したいとする。
  3. 「トランプ政権は要請を検討することにした。これは『イエス』でないが、状況が落ち着けば実現するのは間違いない」とペンタゴン前高官がDefense Newsに語ってくれた。発言の裏にはUAE、サウジアラビア、バーレインがカタールと紛糾している事態がある。トランプ新戦略でイランの核・非核両面の脅威に対抗する動きを実行に移す前に解決が求められる問題だ。
  4. 専門家の間にはUAEがF-35にアクセスできる背景に同国が1991年湾岸戦争以降の米主導連合軍に唯一参加したアラブ国家であることを指摘する向きがある。同国は米空軍第380遠征航空団の駐留を受け入れた。
  5. まずイスラエルの紅海の都市エイラートから20キロしか離れていないサウジアラビアと異なりUAEはイスラエルと海上陸上いずれも国境線を共有していない。またサウジや他の湾岸協力協議会加盟国と異なり、UAE空軍はイスラエルとの演習に堂々と参加しているし、米空軍のレッドフラッグ演習にも参加している。
  6. イランの脅威で共通していること、ワシントンとの契約交渉のリードタイムを考えるとイスラエルは今後10年間は中東で唯一のF-35運用の座を守れそうだと関係筋は見ている。
  7. イスラエル国防省はF-35販売制限をUAEに解禁する可能性について論評を拒んでいる。ただしイスラエルはUAE限定で他のGCC加盟国になし崩し的に門戸を開かないのであれば反対しないと見る向きがある。
  8. 「両国に同盟関係はなく、友好国でもありませんが、UAEがイスラエル攻撃にF-35を使うなどと主張する人は現実を見ていないことになります」とワシントンに本拠をおくジューイッシュ政策センター専務理事のショシャナ・ブライエンは言う。
  9. 米UAEビジネス協議会を主宰するダニー・セブライトは米政策で技術移転が制約を受けてUAE政府に不満がたまっているという。「我が国の政策はイスラエル対アラブ各国という構図です。だがUAEはイスラエルには悪意はなく、対戦するつもりもありません。そのためアラブ諸国がイスラエルのQMEにどう影響するかという観点だけで決定が棚上げになっている状況ががまんならないのです」
  10. セブライトは米国政府はUAE要望を長期的提携関係の視点で検討し、UAEを域内安定化に貢献させるべきと主張する。新しく生まれた15年間有効の防衛協力合意は包括的でF-35のみならず最新鋭米装備や共同開発研究の実現に道を開いており、特殊作戦でも協力できその他の二国間事業が可能だと指摘する。
  11. 米UAEビジネス協議会が発表した13ページにわたる報告書でセブライトは対テロ作戦からアフガニスタン再建まで多様な分野を一覧にし、UAEが米安全保障に貢献した事実はアラビア湾を超えた範囲に及ぶと指摘。またUAEは米海外軍事販売の主要顧客であり国防支出で世界上位15カ国に入る。
  12. 「米UAE基地協定、共同訓練、武器販売だけが実績ではない。UAEは安全保障関連の消費国だけでなく湾岸地区中東全域で安全保障の提供国になっています」(セブライト)
  13. にもかかわらず米国が課す制約のためUAEは西側以外の供給先に目をむけるとセブライトは警告する。今年初めにUAEはロシアと第五代戦闘機をMiG-29原型から開発する意向書を取り交わし、モスクワはUAEがスホイSu-35調達に関心を示したと発表している。
  14. 「この事態をどう見るか。UAEが米調達プロセスに不満を感じているからでしょう」(セブライト) セブライトはF-35要望がいまだ実現していないのは特異な事例ではないとする。UAEは中国製UAVを導入したがプレデターが入手できなかったためだ。ワシントンは同機の攻撃能力を理由に要望を拒否したのだ。
  15. 「UAEは米安全保障にも貢献している...非西側サプライヤーからの購入を検討しても米国製装備を優先してくれる...米国による訓練支援を含め二国間安全保障協力を強化していくことが極めて重要だ」と報告書はまとめている。
  16. ワシントンインスティテュートの湾岸エネルギー政策研究をまとめるサイモン・ヘンダーソンからはサウジアラビアが米主導の演習に参加してイスラエルに対する同国の態度への懸念を払しょくする可能性を指摘している。
  17. 「米国はサウジがイスラエルへの脅威でないと判断できればF-35売却を検討するだろう。イスラエルへ脅威でないとなればサウジアラビアとイスラエルが同時に航空演習に参加できるようになる」(ヘンダーソン)■

Opall-Rome is Israel bureau chief for Defense News. She has been covering U.S.-Israel strategic cooperation, Mideast security and missile defense since May 1988. She lives north of Tel Aviv. Visit her website at www.opall-rome.com.