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2025年10月21日火曜日

ロッキード、ボーイング両社がペイトリオットを増産中(Aviation Week) ― 同ミサイルへの需要は増えるばかりですが、一方でウクライナ戦で消耗戦の怖さが痛感され、弾薬類の生産が増強されています

 

U.S. Army Patriot PAC-3

米陸軍のペイトリオットPAC-3。クレジット:米陸軍

ロッキード、ボーイング両社がペイトリオットを増産中(Aviation Week)

要が根強いペイトリオットPAC-3ミサイルセグメント強化型迎撃ミサイルでは、生産能力を継続的に高めている。ただし、現在進行中の政府機関閉鎖が影響を及ぼす可能性がある。

ボーイングは10月14日、2030年まで年間最大750基のペースで3,000基以上のPAC-3 MSEシーカーを供給する27億ドル契約を受注したと発表した。同社は6,000基目のシーカーを最近納入し、年末までに最大700基の納入を目標としている。

ボーイング統合防空ミサイル防衛部門のジム・ブライアン執行役員は、アラバマ州ハンツビルに新設した生産施設をはじめ同社が生産能力を拡大中だと述べた。同施設は今後数ヶ月以内に稼働開始予定だ。ペイトリオットは近年、特にウクライナや中東でその能力を発揮し、需要の継続的な増加を牽引している。

「陸軍の統合防空・ミサイル防衛能力において、これと同等の能力と成功を収めている兵器システムは他にない」と、ブライアンは米国陸軍協会会議の席上で述べた。

ペイトリオットの主要契約業者であるロッキード・マーティンは、生産台数を 650 台に増強しており、さらに大幅に上回る計画だと、同社副社長兼統合防空・ミサイル防衛部門長のジェイソン・レイノルズは述べている。

しかし、進行中の政府機関閉鎖が影響を与える可能性があると彼は言う。陸軍契約司令部は、PAC-3 プログラムに携わる従業員のほとんどを一時帰休させ、生産増に対応する未確定契約措置(UCA)に基づく一部の作業を中断させている。陸軍は「これまで」は迅速に対応してきたが、政府職員の不足でその取り組みは遅れている。

「UCA契約で資金枠組みは整っており、資材調達を進められる。ただ価格と契約条件が確定していないだけだ」と彼は説明する。「近い将来に決着する見込みだったが、少し時間がかかるだろう」。

現時点で資材の在庫は十分にある。しかし、政府機関の閉鎖が「長期間に及ぶ場合、悪影響が出る可能性がある」とレイノルズは述べた。

各社は、生産増に対応するため、PAC-3 MSE のほとんどの部品について、二次調達先を確保している。ロッキード・マーティンとミサイル防衛庁は現在、二次調達先を考慮して設計されていなかった高高度防衛ミサイル(THAAD)システムの二次調達先を探している。レイノルズによれば、ロッキード・マーティンは、不良率が高い部品や品質問題が発生している部品を優先的に調達しているが、具体的な部品名は明らかにしていない。■


Lockheed, Boeing Continue Patriot Production Increase

Brian Everstine October 14, 2025

https://aviationweek.com/defense/missile-defense-weapons/lockheed-boeing-continue-patriot-production-increase

ブライアン・エバースタイン

ブライアン・エバースタインは、ワシントン D.C. を拠点とする「Aviation Week」誌の国防総省担当編集者である。



2019年11月16日土曜日

そろそろオリンピックのセキュリティ対策を考えよう 航空自衛隊に新型ペイトリオット導入

Japan Wants Missile Defenses to Protect the 2020 Olympics (From North Korea)

But is there a real threat?
November 15, 2019  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryTechnologyWeaponsWarMissiles.
2020年7月に東京で夏のオリンピック競技が開催されるが日本にやってくるのは世界最高水準の選手たちだけではない。
 同時にミサイルががっちとガードしているはずだ。

防衛省はオリンピックを米製ペイトリオットミサイルでオリンピックを防衛すべきか検討中だ。

 オリンピックが開会する7月24日を控え、第一高射群にPAC-3MSE迎撃ミサイルで待機させ、弾道ミサイル、無人機、その他未確認機に対応させ東京の安全を守る、と共同通信が伝えている。

「性能向上型を装備した迎撃ミサイル部隊で首都の空を守る体制は4月から維持する」という。

 自衛隊が現時点で運用するPAC-3は旧型で千葉、神奈川、茨城、埼玉の各県に配備してある。オリンピックまでに改良型PAC-3MSEが導入される。「現行のPAC-3の有効射程は数十キロ程度であるのに対し、改良型は射程が倍増しさらに探知能力が上がる」(共同通信)「低空飛翔の巡航ミサイルへの即応能力が引き上がる」と航空自衛隊の高官が語る。

オリンピック防衛にミサイルが配備されるのは今回が初めてではない。2012年ロンドン大会ではレイピア、スターストリークの短距離ミサイル二型式が会場を守っていた。スターストリークは共同住宅の屋上に配備されていた。

だがPAC-3MSEはロッキード・マーティンのペイトリオットミサイルで最高性能版で配備されれば事情が異なる。ペイトリオットは移動式長距離対空・対ミサイル迎撃手段である。ペイトリオットミサイルの全長は20フィート近くで巡航ミサイル、弾道ミサイル、航空機のいずれにも対応する。

 ただし、2019年9月にイランとその息がかかったフーシ勢力が発射した無人機、巡航ミサイルの攻撃をサウジアラビアの石油施設が受けたが、サウジのペイトリオット六個部隊は攻撃阻止に失敗している。そのためPAC-3が小型飛翔体や低空飛行する標的には無効ではとの疑問が出た。

 もっと大きな疑問がある。東京オリンピックに対してミサイルを誰が発射するのか。テロ集団なら自殺攻撃を仕掛けるのではないか。あるいは高性能ライフルを使い1972年のミュンヘン大会を襲撃したパレスチナ戦闘員の例がある。アルカイダやISISの様な集団が航空機をハイジャックし9/11のように自殺攻撃を企てる可能性もあり、日本の空軍戦闘機はアラート体制に入るだろう。
 北朝鮮には弾道ミサイル、巡航ミサイル双方がある。(ロシアも同様だが、第三次世界大戦を始めるのを急ぐはずはない)日本はイージス・アショア2箇所分を導入するが、予定箇所は津波の被害も想定され20億ドルを投じるプロジェクトに疑問も出ている。また日本は「2022年度までPAC-3全部隊の性能改修」を行い、令和2年度予算でそのための予算を要求している」と共同通信は伝えている。

 イージス・アショアとペイトリオットの導入は日本にとって合理的な選択である。北朝鮮には核兵器があり、地上発射、潜水艦発射双方の運搬手段がある。また同国は日本沖合に向けミサイルを頻繁に発射しており、世界から迷惑視されても意に介していない。とはいえ、オリンピック期間中にミサイル発射すれば、日本、米国、韓国との戦闘が始まりかねない。

 東京オリンピックでは数々の脅威に対応が必要だ。ミサイル攻撃が唯一の脅威ではない。■
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.