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2018年7月3日火曜日

日本がイージスアショア用高性能レーダー導入を決める

すみません当方は新聞を読まないので以下の記事はすでに報道ずみかもしれません。一つ言えることは今後中国が裏からイージスアショア反対運動を操ることで「住民運動」はじめ国会論戦でも野党議員の動きに要注意ですね。

Exclusive: Japan to buy advanced U.S. radar for missile defense system特報:日本が米製高性能レーダーをミサイル防衛用に購


TOKYO (Reuters) - 日本が来週にも(注 原記事は6月29日初出)米製高性能レーダー導入を決めミサイル防衛体制の実効力を高めつつ、米国との貿易摩擦を緩和しつつ北朝鮮や中国に対する備えを固めることが判明した。
日本政府関係者はイージスアショアについて「巨額の導入案件となりトランプ大統領によい贈り物になる」と述べている。
日本は早ければイージスアショア施設二か所向けにレーダー導入を決めるはずで2023年の稼働を目指す。この購入が8月に予定される次年度予算要求に入るとロイターは三か所の取材源から理解している。
選択候補としてレイセオンのSPY-6、ロッキード・マーティンの長距離判別レーダー(LRDR)があると消息筋が説明している。そもそも日本がイージスアショア導入を決めた時点でSPY-6を想定していたが、米側が同レーダー供与に難色を示している。
日本の予算要求はシンガポールで6月12日開かれた米朝首脳会談後に緊張が緩和する中で進められる。
日本側防衛当局は依然として北朝鮮を差し迫った危機と見ているが、中国の軍事力増強の方が長期的には深刻な脅威ととらえている。
人民解放軍ロケット軍は日本まで到達可能な弾道ミサイル数百発を管理下に置き、日本のミサイル防衛体制は世界有数の規模に整備されている。
日本側防衛関係者の試算はイージスアショアの二個施設導入を20億ドルとしている。さらにSPY-6あるいはLRDRまで含めれば総費用は軽く二倍に増えるとの見方がある。高性能レーダーは既存イージスシステムより数倍遠くの探知能力がある。
性能向上は当然のことながら高い出費を伴うが、トランプ大統領が望む米製軍事装備輸出拡大に沿うものだ。
トランプ大統領は昨年11月の訪日をきっかけに日本へ圧力を加え鉄鋼製品への関税引き上げ、自動車輸入への課徴金適用はじめ二国間貿易交渉を進めたいとしている。
6月の共同記者会見でトランプ大統領は安倍首相が「数百億ドル相当の追加製品購入」を約束したと発表した。
安倍首相は9月の国連総会で再度トランプ大統領と会見すると見られると日本政府関係者は説明したが、会談内容の推定は拒んだ。

レイセオンかロッキードか

レイセオンは三菱重工と共同でイージスアショア用のSM-3ブロックIIAミサイルを開発している。ロッキード・マーティンが主契約社だ。

SPY-6レーダーは米海軍のイージス装備艦艇向けに開発されており、LRDRは米国の地上配備中間過程防衛ミサイル迎撃システムと2020年までに統合される見込みだ。
ともに高性能レーダーであり日本は長距離迎撃ミサイルと併用して将来の中国ミサイルの脅威にも十分対応できるはずだ。
日本は5万名近くの米軍関係者を駐留させており、米海兵隊・海軍では世界最大の海外配備場所となっているが、北朝鮮が核兵器及び弾道ミサイルを永久に廃棄する明確な証拠が出るまでは現在の姿勢を崩さないとしている。
「イージスアショアは日本に必要であり導入を進めていく」と日本政府筋は述べている。
Reporting by Tim Kelly and Nobuhiro Kubo; additional reporting by Linda Sieg; Editing by Gerry Doyle

2017年5月4日木曜日

★長距離識別レーダーは北朝鮮ミサイル迎撃に重要な技術になる



北朝鮮問題は長期化の兆しを見せていますが、忘れてならないのがロシア、中国ももっと大量のミサイルで狙いをつけていることです。ミサイル自体に防御、欺瞞技術が導入されつつあるので迎撃側も対応しなければなりません。迎撃ミサイルも無尽蔵ではないので有効に活用しなければなりません。そのために正確な情報をより早く遠隔地点で入手する必要があります。今回の技術はその意味で有望と思われます。
ロッキードの両面長距離識別レーダーはアラスカに配備され北朝鮮ミサイルの早期探知に投入される。Lockheed Martin
Aerospace Daily & Defense Report

Lockheed Advances North Korea-facing Radar

ロッキード新型レーダーは北朝鮮対応に効果を発揮する
Apr 25, 2017 James Drew | Aerospace Daily & Defense Report



  1. トランプ政権が北朝鮮の核弾道ミサイル開発で米本土を狙うことを警戒する中、ロッキード・マーティン開発の新型レーダーがミサイル攻撃の阻止手段になるはずで、詳細設計段階に入りつつある。
  2. 完全新型のソリッドステート両極型超高周波レーダーはミサイル防衛庁が2015年発注し弾道ミサイル迎撃弾を大気圏上層部で迎撃させる際の誘導が目的で、とくに北朝鮮ミサイルを想定している。
  3. ロッキードは18月のシステム段階設計開発を経て、長距離識別レーダーLong-Range Discrimination Radar (LRDR) の重要部品・製造工程が成熟化し技術即応段階6に入ったと発表。つまり想定される環境下で端末間のモデリング、実証が完了したということだ。
  4. 重要な初期設計段階を終えLRDRの2020年配備にめどがついた。この年になると平壌はICBM能力を整備し核弾頭小型化でミサイル装着が実現していると予想されている。
  5. 巨大な両面レーダー構造体はアラスカのクリア空軍基地から西をにらみ、北朝鮮のみならずロシア、中国も警戒する。米軍にはロシア、中国の大量ミサイル攻撃を食い止める迎撃ミサイルが足りないので、MDAは北朝鮮の脅威に対応する。
  6. LRDRは米グローバル弾道ミサイル防衛ネットワークの一部となり標的データをボーイング製地上配備中間飛翔段階防衛装備に提供する。これはサイロ44個に配備した迎撃ミサイルでアラスカとカリフォーニアに展開している。
  7. ロッキードでLRDRを担当するチャンドラ・マーシャル部長は4月20日の報道向け説明会で設計審査が3月に終わり、MDAおよび国防長官官房が参加したと述べた。次の山場は9月の重要設計審査で、その2ヶ月後に最終設計審査の予定。
  8. 審査ではロッキード製レーダーが本格生産に円滑に移行でき、技術問題なく現地配備できるかを見る。マーシャル部長によれば本格生産は2018年春の予定だ。
  9. 開発テストの支援用にロッキードは縮小型の試作機とソリッドステートレーダーを組み合わせた施設をニュージャージー州ムーアスタウンに建設した。試験項目のほぼ9割がムーアスタウンで完結し、主要部品は2019年にアラスカに移し、実戦配備に入る。
  10. 「このレーダー性能でかぎとなるのが 弾道ミサイルの長距離探知判別能力です。このレーダーは現時点の各種レーダー両極型により従来より判別能力がまして飛翔軌道の情報も細かく正確に出せます」(マーシャル)
  11. この高周波Sバンドアンテナはソリッドステートの窒化ガリウム (GaN) 部品を使い長距離でも高出力のまま標的識別が可能。ミサイル、弾頭以外にチャフやおとり装置を区別できるので迎撃ミサイルは確実に真の目標を狙える。これで迎撃ミサイル発射数を減らし迎撃の可能性は高く維持できる。
  12. ロッキードはLRDR事業を2015年に784百万ドルで受注し、開発、製造、テストの各段階を行う。事業は全て予算内だという。
  13. 同レーダーにはロッキード製の艦船用のイージス戦闘システムの技術が流用されており、イージスアショアや宇宙フェンス技術も使われている。マーシャル部長はLRDRは小型化し陸上、海上への転用も可能だという。
  14. トランプ政権が米ミサイル防衛態勢拡張を決めれば、ロッキードはLRDR施設を必要な分生産できる態勢にあるという。「海上陸上両面で必要なソリューションを提供できます」とマーシャル部長は述べた。■