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2026年6月30日火曜日

もがみ級フリゲート艦の10番艦「ながら」が就役(2026年6月29日)

 

2024年12月進水時の「ながら」 Wikipedia Commons


海上自衛隊の新型フリゲート10号艦「ながら」が就役


2026年6月29日、海上自衛隊のもがみ級フリゲート10番艦「ながら(FFM-10)」の引渡式・自衛艦旗授与式が、三菱重工業長崎造船所にて執り行われた。「ながら」の建造費は約523億円(令和4年度計画艦)で、2023年7月に起工、2024年12月に進水した。

同艦は就役後、呉基地に新設された哨戒防衛群・第2哨戒防衛隊に配属された。

もがみ級の特徴と深刻な人員不足への対応

もがみ級フリゲート(満載排水量約5,500トン)は、多目的性と高度な自動化を両立した最新鋭の水上戦闘艦です。その開発背景には、日本の急激な人口減少に伴う海上自衛隊の深刻なリクルート難がある。

  • 乗組員数の大幅な削減: 従来の護衛艦が約200名体制であるのに対し、もがみ級は統合デジタルシステムや戦闘情報センター(CIC)の自動化で、約90名での運用を可能にした。

  • 効率化された艦橋運用: 従来の7〜8名体制から、通常航行時は当直士官、操舵手、レーダー操作員、見張りの計4名にまでスリム化。作戦日誌のデジタル化や電子海図(ECDIS)の導入により、記録担当の要員も不要となった。

  • ワンマン操船システム(ISHS): 操舵装置と船首スラスターを1本のジョイスティックで直感的に操作できる「統合船舶操縦システム」を搭載。好条件下ではタグボートの支援なしで単独離着岸が可能。

兵装および今後の配備計画

「ながら」は、7番艦以降の標準仕様として、16セルのMk41垂直発射システム(VLS)を当初から装備して就役した(初期建造艦は後日装備、または順次装備中)。なお、対機雷戦用の無人水中艇(UUV)や無人水上艇(USV)は今後搭載される予定。

海上自衛隊は2027年度末までにもがみ級を計12隻、さらに2032年度末までに性能向上型の「新型FFM」を計12隻、合わせて24隻のFFMシリーズを揃える。

海外からの高い評価と関心

同艦の優れた省人化・自動化技術は国際的にも注目を集めている。

  • オーストラリア: 次期汎用フリゲート(SEA 3000)計画において新型FFMを選定。計11隻の調達を計画しており、初期艦は日本で、以降は現地での建造を予定している。

  • ニュージーランド: 次世代フリゲート選定において、新型FFMが英国のタイプ31フリゲートとともに最終候補(ショートリスト)に残っており、2027年末までに最終決定される見通しだ。

主な仕様と搭載システム

  • 推進方式: CODAG(ディーゼル・ガスタービン複合推進)

    • MAN 12V28/33D STC ディーゼルエンジン ×2

    • ロールス・ロイス MT30 ガスタービン ×1

  • 最大速力: 30ノット以上

  • 主要兵装・センサー:

    • 127mm単装砲(Mk 45 Mod 4) ×1

    • 12.7mmリモートウェポンステーション(RWS) ×2

    • Mk 41 VLS(16セル)

    • 近接防空ミサイル(SeaRAM) ×1

    • 17式SSM 4連装発射機 ×2

    • OPY-2 多機能レーダー

    • OAX-3 水上捜索・監視装置

    • OQQ-11 対機雷ソナー / OQQ-25 ソナーシステム



2026年5月25日月曜日

もがみ級FFM9号艦なとりが海上自衛隊に就役

 Mogami-class FFM JS Natori

就役式を終え出航する「なとり」。三菱重工提供。

もがみ級フリゲート9号艦「なとり」が就役!

  • Naval News

  • 2026年5月22日公開

  • 文:高橋幸佑

菱重工業(MHI)は「なとり」の引き渡し式および「自衛艦旗掲揚式」を行った。これにより、もがみ級FFMの9番艦は海上自衛隊(JMSDF)に正式に就役した。

この行事は、オーストラリアが改良型「もがみ級」次期フリゲート艦の候補に選定したことを受け、国際的な関心が高まる中、またニュージーランドインドネシアからも関心が示される中で行われた

「なとり」は、青森県の大湊基地に新設された第5哨戒防衛群の第5哨戒防衛隊に配属された。

なとりは、によど(7番艦)およびゆいべつ(8番艦)に続き、就役当初からMk 41垂直発射システム(VLS)を搭載した3番目のもがみ級フリゲートとなった。同型艦の最初の6隻については、VLSが後日搭載される。

同艦は、日本の2022年度調達計画に基づき、2023年7月6日に起工され、2024年6月24日に進水した。「なとり」の建造費は約514億円(3億2300万ドル)であった。

30FFM CIC「もがみ級」の艦内にあるCIC(戦闘情報センター)は非常にユニークで360度見渡せる巨大な壁面、14+4基の多機能コンソール、そして大型タッチパネルテーブル2基を備えている。

自動化を重視した軍艦設計

「もがみ級」は、自動化を大きく重視し、乗員ん数を削減している点で国際的な注目を集めている。

従来の海上自衛隊駆逐艦では通常約200名の乗組員を要するが、「もがみ級」は約90名で運用される。この人員削減は、レーダー、ソナー、電子戦、戦術データを統合し、一元化されたリアルタイムの作戦状況図を提供する先進的な戦闘情報センター(CIC)で実現されている。

CICは、探知された脅威に対する交戦プロセスを、攻撃命令の発令から兵器発射に至るまで指揮する。従来の海上自衛隊の駆逐艦と比較して、もがみ級は、戦闘管理機能だけでなく、対潜戦ソナー運用や機関制御システムも統合した、大幅に再設計されたCICアーキテクチャを特徴としている。

状況認識の共有を強化するため、CICは大型ディスプレイに囲まれており、オペレーターはセンサーデータと戦術データをリアルタイムで切り替えることができる。円形レイアウトの中央にある集中指揮エリアには、艦長や当直士官を含む上級士官が配置される。

このアーキテクチャは、日本がネットワーク中心戦(NCW)へと向かう広範な転換を反映している。すなわち、各フリゲート艦を統合海上戦闘ネットワーク内の指揮・データ共有ノードと位置づけ、同クラスの無人システム能力が成熟するにつれ、UAV、UUV、USVとのリアルタイム連携の基盤を築くものである。

また、艦橋の運用要員も大幅に削減された。海上自衛隊によると、通常の艦橋運用要員は4名のみで、従来の駆逐艦の7~8名から大幅に少なくなった。

こうした設計上の選択は、自衛隊が直面する長期的な人口動態や人員確保の課題にもかかわらず、海上戦闘能力を維持する日本の決意を如実に物語っている。

仕様とシステム

同クラスの他艦と同様に、なとりはレーダー反射断面積を低減することを目的としたステルス志向の艦体設計を採用している。

2基のMAN 12V28/33D STCディーゼルエンジンと1基のロールス・ロイスMT30ガスタービンからなるディーゼル・ガスタービン複合(CODAG)推進システムを搭載し、最速30ノット超を発揮する。海上自衛隊の水上戦闘艦として初めてCODAG構成を採用した。

同艦は以下の装備を備えている:

  • BAEシステムズ製 5インチ(127mm)Mk 45 Mod 4艦砲 ×1

  • 日本製鋼製 12.7mmリモートウェポンシステム ×2

  • Mk.41 VLS(16セル)

  • レイセオン製 SeaRAM ×1

  • 17型対艦ミサイル発射機 ×2

  • 三菱電機製OPY-2多機能レーダー

  • 三菱電機製OAX-3 EO/IRセンサー

  • 日立製OQQ-11対機雷ソナー

  • NEC製OQQ-25対潜ソナー(VDS/TASS)

対機雷作戦用のUUVおよびUSVは、後日搭載が計画されている。

新型FFM計画の進展

防衛省は、現行の「もがみ級」フリゲートに代わる、大型で高性能な改良型フリゲート(日本国内では06FFMまたは新型FFMとして知られる)の調達をすでに開始している。

既存のフリゲートと比較して、新型FFMはより大型船体を備え、ミサイル搭載能力も大幅に拡大される。設計上、現行のもがみ級に搭載されている数の2倍にあたる32基のMk.41垂直発射システム(VLS)セルを搭載するほか、対空・対潜戦能力も強化される見込みである。

また、新造艦には23型艦対空誘導ミサイル(A-SAM)や、現在開発中の長距離スタンドオフ兵器の改良型12型艦対艦ミサイルが搭載される見込みである。

新型FFMで最初の2隻は2028年度に就役する予定で、計画通りに建造が進めば、12隻が2032年度までに就役する。■

高橋幸佑

高橋幸佑氏は、日本を拠点とする防衛問題のライターである。高橋氏は『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』、『ジェーンズ・ネイビー・インターナショナル』、モンチ・パブリッシングに寄稿している。高橋氏はハフポスト・ジャパンの元編集長であり、朝日新聞社およびブルームバーグの元スタッフライターでもある。高橋氏は1993年に慶應義塾大学経済学部を卒業した。朝日新聞社およびダウ・ジョーンズ社での勤務を経て、コロンビア大学ジャーナリズム・スクールおよび国際公共政策大学院(SIPA)で学び、2004年にジャーナリズム学修士号および国際関係学修士号を取得した。1993年に朝日新聞の記者として入社する前は、川崎市の姉妹都市プログラムの一環としてボルチモア経済開発公社に交換研修生として勤務し、日米間の貿易問題について調査を行った。その功績により、1988年にボルチモア市の名誉市民に選出された。


Japan Commissions Ninth Mogami-class Frigate ‘Natori’ 「なとり」

2026年4月19日日曜日

「もがみ級」フリゲート艦の発展型3隻の建造契約を三菱重工に交付

 

Upgraded Mogami-class Frigate改「もがみ級」フリゲートのイメージ図。三菱重工提供。

三菱重工が改「もがみ級」フリゲート3隻の建造契約を獲得

Naval News

2026年4月17日公開

高橋浩祐

菱重工業(MHI)は、防衛装備庁(ATLA)から、改「もがみ級」多目的フリゲート(FFM)3隻の建造契約を総額1,286億円(8億600万ドル)で受注した。

3隻は、海上自衛隊の「もがみ級」フリゲートの改良型である新型4,800トン級FFM(東京では「新型FFM」、06FFMとも呼ばれる)の3番艦から5番艦にあたる。

契約は2026年2月16日に交付され、三菱重工業が主契約者となった。新型FFMは、基本設計のもがみ級を基盤としつつ、対機雷能力の強化や無人システム統合の向上を図り、海上自衛隊の次世代水上艦隊の中核プラットフォームとして位置づけられている。

改良型FFMは防空能力とレーダー能力が大幅に強化されると見込みで、その役割と能力はミサイルフリゲート(FFG)に近づく。ATLAは以前、2025年3月27日に同級最初の2隻の建造で約796億円の契約を三菱重工業に発注しており、今回の契約はそれに続く追加発注となる。

予算と契約価格の乖離

この1,286億円の契約は、日本の2025年度防衛予算との明らかな乖離で注目を集めている。予算では、同じ3隻(3~5番艦)に対して3,148億円が計上されており、1隻あたりのコストは約1,049億円となる。これに対し、契約額からは1隻あたりのコストが約428億円と算出され、大きな乖離があるように見える。

しかしATLAによると、この差は数値の算定範囲の違いに起因するものだという。3,148億円の予算配分には、船体建造だけでなく、レーダー、ソナー、通信機器などの搭載システムの調達も含まれている。一方、1,286億円の契約額は造船所分、具体的には船体建造のみが対象で、搭載システムの費用は除外されている。したがって、428億円という数字はプラットフォームのコストのみを反映しており、完全に装備された軍艦の総コストではない

この差は、船体建造と任務システムが別々に契約されるという、現代の防衛調達における一般的な特徴を浮き彫りにしている。センサーや戦闘システムのコストが上昇し続ける中、これらはプラットフォーム総コストに占める割合をますます大きくしている

インフレによるコスト上昇

日本の防衛省および海上幕僚監部のデータによると、もがみ級およびその改良型後継艦の単価は、近年大幅に上昇している。

世界的な資材費の高騰、通貨安、インフレが相まって、造船コストの上昇につながっている。

改良型「もがみ級」:三菱重工とJMUによる産業連携

2023年の競争入札を通じて確立された調達枠組みの下、三菱重工が主契約者となり、ジャパン・マリン・ユナイテッド(JMU)が下請けとして参画する。

すでに契約済みの最初の5隻については、建造責任は次のように分担されている:

  • 1~2番艦(2025年3月契約):三菱重工とJMUが各1隻

  • 3~5番艦(2026年2月契約):三菱重工が2隻、JMUが1隻

海上自衛隊の艦艇番号は通常、進水時に割り当てられるため、現時点で艦番号は未定である。

改「もがみ級の展望と輸出の可能性

改良型FFMは計12隻の建造が計画されている。日本の2026年度予算には、6番艦のために1,043億円が計上されている。

同設計はオーストラリア海軍の将来の汎用フリゲート計画の基礎としても選定されており、日本の防衛輸出戦略の重要な柱となっている。東京は、三菱重工業(MHI)の輸出プログラムに関連する取り組みを支援するため、約151億円の補助金を承認した。

改良型FFMの能力と兵装

基本型の「もがみ級」(満載排水量5,500トン)と比較して、新型FFMは大型化しており、満載排水量は約6,200トン、標準排水量は約4,800トンである。全長は約142メートル、全幅は約17メートルに拡大した。最大速力は30ノット以上を維持している。

最も重要な改良点は、船体の拡大によって可能となったミサイル搭載能力の増強である。新型FFMには以下の装備が搭載される見込みである:

Mk41垂直発射システム(VLS)のセル数は、もがみ級で16基だったが、新型FFMでは32基へ倍増する予定であり、これにより防空能力が大幅に向上する。

その他の改良点としては、多機能レーダーのアップグレードやソナーシステムの強化があり、対潜戦(ASW)能力が向上する。

戦略的意義

今回の契約は、日本の水上艦隊の近代化に向けた一歩であるだけでなく、同国の海軍造船産業基盤を維持する上で重要な要素でもある。

また、新しいFFMプログラムが国際協力の旗艦プラットフォームとして機能することで、防衛輸出を拡大するという日本の野心を後押しするものとなる。■


高橋浩祐は、日本を拠点とする防衛問題のライターである。Janes Defence Weekly、Jane’s Navy International、Monch Publishingなどに寄稿している。元ハフポスト・ジャパン編集長であり、朝日新聞社およびブルームバーグの元スタッフライターでもある。高橋氏は1993年に慶應義塾大学経済学部を卒業した。朝日新聞社およびダウ・ジョーンズ社での勤務を経て、コロンビア大学ジャーナリズム・スクールおよび国際公共政策大学院(SIPA)に留学し、2004年にジャーナリズム学修士号および国際関係学修士号を取得した。1993年に朝日新聞の記者として入社する前は、川崎市の姉妹都市プログラムの一環としてボルチモア経済開発公社に交換研修生として勤務し、日米間の貿易問題について調査を行った。その功績により、1988年にボルチモア市の名誉市民に選出された。

Japan’s MHI awarded contract to build three Upgraded Mogami-class Frigates

2025年10月13日月曜日

オーストラリアが日本から導入する最先端フリゲート艦もがみ級で生まれる重大な意味(National Defense Journal) ― 米国でももがみ級を現地建造させては?(妄想)

 

オーストラリアが日本から導入する最先端フリゲート艦もがみ級で生まれる重大な意味(National Defense Journal) ― コンステレーション級はフリゲートと言いながらどんどん肥大化しており、途中で挫折する予感がします。先進性という点で米国にももがみ級を現地建造させたほうがいいのではないでしょうか(妄想)

Mogami-Class Frigateもがみ級フリゲート艦。画像クレジット:クリエイティブ・コモンズ

要点と概要 

オーストラリアが日本から先進的もがみ級フリゲート艦11隻を購入する契約を8月に結んだことは、米国造船業界に厳しい警鐘となっている。

対照が物語る:日本は2019年以降、もがみ級フリゲート艦8隻を迅速に建造してきた一方、米海軍自身のコンステレーション級フリゲート艦は数年遅れたままだ

オーストラリア向けもがみ級フリゲートは、最初の米国向けコンステレーション級が就役する前に引き渡される可能性すらある。

この契約は、米国が造船速度で遅れを取っているだけでなく、ハイエンド艦艇輸出市場で競争力を失ったことを明らかにしている。

最先端の「もがみ級」がオーストラリアへ

オーストラリアは8月、日本から新型フリゲート艦11隻を購入する契約を締結した。この売却は、新型軍艦の超近代的な構造と外観だけでなく、日本が高性能艦艇輸出市場へ大きく踏み出したことを示す点でも注目に値する。

An artist rendering of the U.S. Navy guided-missile frigate FFG(X). The new small surface combatant will have multi-mission capability to conduct air warfare, anti-submarine warfare, surface warfare, electronic warfare, and information operations. The design is based on the FREMM multipurpose frigate. A contract for ten ships was awarded to Marinette Marine Corporation, Wisconsin (USA), on 30 April 2020.

米海軍の誘導ミサイルフリゲート艦FFG(X)のアーティスト・レンダリング。この新型小型水上戦闘艦は、対空戦・対潜戦・対水上戦・電子戦・情報作戦を遂行する多目的能力を有する。設計はFREMM多目的フリゲートを基にしている。2020年4月30日、10隻分の契約が米国ウィスコンシン州のマリネット・マリン社に授与された

日本の現代的な艦艇がこれほど迅速に建造・設計できる一方で、米国のプロジェクトが延々と続く再設計の苦境に陥っている現状を米海軍は注視し、深く考察すべきである。

もがみ級とは?

オーストラリアが購入したもがみ級は中型の新鋭フリゲート艦であり、排水量5,500トン、全長435フィートである。

ロールスロイス製ガスタービンを動力源に30ノット超の速度を発揮。垂直発射システム16セルを搭載し、対空・対水上兵器の両方を装備可能と見られる。さらに、射程400キロメートル(将来の改修で延伸の可能性あり)の日本製17式対艦ミサイルを計8発搭載可能なミサイルキャニスターを備える。

本艦は流線型でステルス性に優れ、高度に自動化されており、通常時で約90名の乗組員で運用される。

広範なセンサースイートは世界最高水準の指揮統制センターによって統合管理される。

なぜオーストラリアがもがみ級を求めるのか?

もがみ級は、1990年代後半から就役しているオーストラリアのアンザック級フリゲート8隻と交代する。

オーストラリアはドイツ、韓国、スペインからも提案を受け、ドイツと日本が最終選考に残った。

現代の防衛輸出契約の多くと同様、本契約には日本からオーストラリアへの技術・ノウハウ移転が含まれる。最初の3隻は日本国内の造船所で建造され、残る8隻はオーストラリアの造船所で建造される。

同艦はアンザック級から大幅な性能向上を実現し、混雑と危険が増す太平洋戦域において、オーストラリアに信頼できる対空・対水上戦能力をもたらす。

もがみ級は大型で高速、武装も強化されながら、乗組員数を削減できる——人員不足に悩むオーストラリア海軍に重要な要素だ。この契約はまた、歴代のオーストラリア政府が重視してきた目標の同国の軍事造船産業の活性化を促す。

米国への影響は?

同盟国間で先進戦闘艦が輸出されても、米国には危機的状況を示すものではないように受け止められる。

米国の同盟ネットワークはより柔軟で自立的なものとして設計されており、米国は同盟国が潜在的な侵略者から自らを守れる環境を提供する。

問題は、米国がオーストラリアとの間で今回の取引を概念的にすら成立させられなかった点にある。

米国はもはや艦艇を輸出していない。その理由は、重要な技術を保護するため、造船能力の制約、そして米海軍艦艇が耐用年数終了時に他国海軍で使用できないほど老朽化しているためである。

こうした制約により、ヴァージニア潜水艦のオーストラリアへの移転を想定したAUKUS協定の条件を満たすことが困難となっている。

今後の展開は?

日本は2019年に最初のもがみ級フリゲート艦の起工を行った。現在8隻が海上自衛隊で就役中であり、今後2年以内にさらに4隻が加わる見込みである。

インドネシア向けフリゲート艦4隻の追加輸出契約は昨年破談となった。

対照的に、米海軍は当初2020年にコンステレーション級フリゲート艦1番艦の起工を予定していた。コンステレーション級は2024年にようやく起工され、現在も建造中の唯一のフリゲート艦であり、就役は2029年以降と見込まれている。オーストラリア初の「もがみ」級フリゲートも2029年の引き渡しを予定しているが、おそらく最初のコンステレーション級がシャンパンの瓶を割るより前だろう。

コンステレーション級の進捗が遅く、もがみ級の進捗が速い理由はあるが、米国造船業の危機的状況を正当化する言い訳にはならない。

米国は高性能艦艇の輸出市場に再参入する道を見出せないかもしれない。それでも米海軍は何らかの対策を講じる必要がある。■


Australia’s Mogami-Class Frigate Buy from Japan Is a Big Deal

By

Robert Farley

https://nationalsecurityjournal.org/australias-mogami-class-frigate-buy-from-japan-is-a-big-deal/

著者について:ロバート・ファーリー博士

ロバート・ファーリー博士は2005年よりパターソン・スクールで安全保障・外交学を教授。1997年にオレゴン大学で学士号、2004年にワシントン大学で博士号を取得。ファーリー博士は『地上化:米国空軍廃止論』(ケンタッキー大学出版局、2014年)、『戦艦図鑑』(ワイルドサイド社、2016年)、『特許による軍事力:知的財産法と軍事技術の拡散』(シカゴ大学出版局、2020年)、そして最新刊『金で戦争を遂行する: 国家安全保障と金融領域の変遷(リン・リナー社、2023年)を著している。また『ナショナル・インタレスト』『ザ・ディプロマット:APAC』『ワールド・ポリティクス・レビュー』『アメリカン・プロスペクト』など多数の学術誌・雑誌に寄稿している。さらに『Lawyers, Guns and Money』の創設者兼シニアエディターも務めている


Mogami-Class Frigate. Image Credit: Creative Commons.