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2021年9月3日金曜日

いずもでの米海兵隊F-35B運用は11月に。米国が各同盟国との防衛協力で見直しをかける中、日米海軍部隊の連携はさらに深まりそう。

 


海上自衛隊のヘリコプター駆逐艦JSいずも(DDH-183)。マラバール2017演習にて。 US Navy Photo

 

 

海兵隊所属のF-35BライトニングII共用打撃戦闘機が海上自衛隊のいずもから今年11月に運用されることを海兵隊総監デイヴィッド・バーガー大将が8月25日に明らかにした。

 

実現すると英海軍航空母艦HMSクイーン・エリザベスへ配備された海兵隊飛行隊と同様の事業が今後生まれそうだ。

 

「一時的だが米海兵隊所属のF-35部隊が日本艦から運用される」とバーガー大将は述べている。

 

日本政府は2019年に海兵隊に対し、海上自衛隊のJSいずも(DDH-183)、JSかが(DDH-184)の改修作業と並行して航空機の交換事業を提案していた。

 

今回の対象はJSいずもになりそうだ。いずもは第一次改修を7月に完了しF-35運用が可能となった。改修では飛行甲板に線が描かれ、耐熱塗装が施されたとNaval News記事にある。

 

「第二次改修で艦首は現在の台形から四角形に代わり、F-35B運用を楽にし、その他には艦内区画割の変更も予定している」とNaval Newsが伝えている。

 

いずも、かがの改修はF-35B42機調達と並行し進み、自衛隊初のF-35Bは2023年度中に納入される予定だ。

 

日本がF-35の拡充をはかるのは中国の海軍力整備を進めるのに呼応した動きだ。いずも、かがでのF-35運用は防御策とみる向きがある。

 

第31海兵遠征部隊所属のF-35BライトニングII共用打撃戦闘機が前方配備の強襲揚陸艦USSアメリカ(LHA-6)艦上で発艦に備えていた。 Aug, 25, 2021. US Navy Photo

 

 

「海上自衛隊の水上部隊を巡航ミサイル(あるいは極超音速滑空ミサイル)から防御するためいずも級の改修でF-35BSTOVL機の運用が必要となった。F-35Bの行動半径は数百マイルあり、対艦ミサイルを発射できるが、艦搭載の対空ミサイルの有効射程は平均100マイルしかない」と米太平洋艦隊司令官デニス・ブレア大将等が2019年の米海軍協会紀要に投稿していた。

 

「短距離ながら対艦ミサイルを搭載したF-35Bは大量の監視艇あるいは海上民兵を乗せた漁船を同時に投入する戦術に有効に対応可能だ。『島しょ部奪回』シナリオでは日本の新規編成水陸両用団の奪回作戦でF-35Bが局地航空支配を確立し、有益な存在となる」

 

海兵隊のいずも運用はテスト用の短期限定だが、日米両国でF-35Bを運用することで両国のきずながさらに深まる効果が期待される。日本艦での海兵隊機材運用は米国が域内同盟国とのつながりを再定義する一例に過ぎない。

 

大西洋のNATOは多国構成だが、太平洋では一対一での構図となる。バーガー大将は同盟国やクアッド対象国との情報共有が絶えず問題だと認めており、クアッドでは新しい形の協力関係を域内に形成する。

 

「クアッドがゆっくりと静かに発足したことに大きな異議がある」「オーストラリア、日本、南朝鮮、フィリピンとは情報共有の枠組みはすでにあるが、各国と一対一の関係だ。クイーン・エリザベスが展開中だが事態を注視している」とバーガー大将は述べている。■


US Marine F-35Bs to Operate off Largest Japanese Warship Later This Year - USNI News

By: Sam LaGrone

September 1, 2021 2:34 PM


2021年7月20日火曜日

JSいずもの第一期改修が完了。かがの工期も判明。ただし、いずもを離着艦するのは米海兵隊F-35Bになる模様。海上自衛隊は運用ノウハウを慎重に習得する姿勢だ。

 Japan's Izumo Helicopter Destroyer Modified To Operate F-35B Fighters

いずも飛行甲板に新しいマーキングがついた。今後のF-35B運用に対応したものだ。 Picture by Japanese ship spotter @Alsace_class

 

上自衛隊のDDHいずもでのF-35B運用改修が第一段階を完了した。いずもは1年3カ月にわたる改修を終え2021年6月25日に横須賀母港に戻ってきた。

 

改修はF-35B運用能力の付与が目的で、5年ごとの大規模保守点検と並行してジャパンマリンユナイテッド横浜で2020年3月から行われていた。改修は二段階で、第一段階としてF-35B発艦用に飛行甲板全長にわたり黄色線がひかれ、同時に耐熱塗装が施されたと思われる。

 

防衛省は2020年度防衛予算で31億円をいずも改装に確保した。第二段階は2024年度末に予定され、次回の点検時に合わせ実施され、艦首部が現在の台形形状から四角形に変更され、F-35B運用に合わせる他、艦内区画も変更する。

 

姉妹艦かがも改修を受ける。中国新聞は2021年度末に予定と伝え、工期は14カ月としている。いずも改修は二期に分かれるが、かがは一回で完了させる。防衛省は2021年度予算で203億円をかが改修に計上している。ただし、Jane’s Defence Weekly東京特派員の高橋浩祐はかがの艦内区画改装は2026年度予定の大規模保守整備と併せて実施され、いずものF-35B運用改修が先に完了すると伝えている。

 

他方で航空自衛隊はF-35Bの42機調達のうち、2023年度までに18機を導入する。さらに2021年7月16日岸信夫防衛相から新田原航空基地(宮崎県)をF-35B配備先に選定したとの発表が出た。毎日新聞は2024年度に6機、2025年に2機がそれぞれ配備され、最終的に20機程度の飛行隊一個を編成すると伝えた。同基地は南西諸島にも近く、海上自衛隊の呉基地からも近い。かがは呉が母港なので周辺部の島しょ防衛含むかが運用に理想的な立地条件だといえる。

 

航空自衛隊のF-35B部隊の完全運用まで数年かかり、その間のいずもでの運用は想定していない。このため、改修後のいずもは米海兵隊のF-35B運用から開始し、海上自衛隊がF-35B運用のノウハウを体得してから航空自衛隊のF-35Bが同艦で離着艦を始めることになろう。■


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Japan's Izumo Helicopter Destroyer Modified To Operate F-35B Fighters

Yoshihiro Inaba  20 Jul 2021


2018年12月21日金曜日

いずも「空母化」で失うものはないか、冷静に考えよう

今年はこの話題が後半の中心になりました。伝えられるところでは自民党の強い主張で決まった方針だそうですが、形ばかりの「空母」でお茶を濁すのではなく、「あるべき姿」を想定して今後30-50年間の国防を展望した政策を政治指導部が提示できるのでしょうか。いささか不安ではありますが、「多用途」で結局一つも満足な機能を果たせないのでは困ります。練習艦となるのであれば次の「空母」が期待できますし、対潜作戦の中心をひゅうが級に任せるにしても後継艦の必要は早晩でてきそうですね。

Are Japan’s New Naval F-35s Bad For China – Or Japan?
日本がF-35を海軍作戦に導入すれば中国それとも日本に凶になるのか

This might be a bad idea. Here's why.いずもの空母改装案は悪い結果に終わるのではないか。


by Michael Peck
December 20, 2018  Topic: Security Region: Asia  Blog Brand: The Buzz Tags: JapanJapanese NavyAircraft CarriersChinaF-35B
https://nationalinterest.org/blog/buzz/are-japan%E2%80%99s-new-naval-f-35s-bad-china-%E2%80%93-or-japan-39417


本が対潜ヘリ空母をF-35B戦闘機運用可能な空母に改装する。

これで日本に有益な空母が生まれるのだろうか。それとも強力な対潜戦闘艦を失う代償に限定能力の空母が生まれるだけになるか。

「日本にこの能力が本当に必要なのでしょうか」と指摘するのはアジア安全保障の研究者コリー・ウォーレスだ。「各地に広がる島しょ部を有し飛行施設が限られる日本にとってF-35Bは意味のある機体です。一方で強力なASW兼揚陸艦を訓練空母にしてしまうリスクが生まれます」

問題の本質は海上自衛隊の「ヘリコプター駆逐艦」が小型空母の形になっていることだ。13千トンの二隻といずも級19千トン二隻がそれぞれヘリコプター飛行隊を搭載するのは対潜用であり揚陸作戦を想定するからだ。各艦を「空母」と呼ばないのは、日本の戦後憲法が攻撃兵器の保有を禁じているためで通常の米国型の空母はこれに抵触してしまう。

だが日本は空母のルビコン川を渡る覚悟のようだ。日本はF-35B計42機を導入し、いずもで運用すると発表した。短距離離陸垂直着陸型のF-35Bなら小型甲板でも運用可能だ。
海軍艦船でも何かを得れば何かが犠牲になる。日本は空母を手に入れて何を失うのか。「いずも級各艦でF-35Bなら20機を搭載可能です」と政策研究大学院大学の道下成重がNational Interestに語ってくれた。

「ただしいずも級にはスキージャンプがなく、カタパルトもありませんので、F-35Bの作戦半径は限定されます。F-35多数を搭載すれば対潜機能が使えなくなることがもっと重要で、これが同艦の本来の役割なのです。このためいずも級へのF-35B搭載は防空能力を向上し敵の勢力圏内で対潜行動を行うことにあるのでしょう」
アジア安全保障の専門家ベン・リムランドは日本が空母を整備するのは中国が領有を主張する尖閣諸島を取り巻く政策の変化が背景にあるという。「V/STOL機を導入し、改いずも級に搭載するのは日本が琉球列島で基地分散をめざすのと関連がある。離島に小型飛行施設を構築して空母と同時運用すれば有効活用できる。当然中国の作戦設定は難度が高くなるだろう」
リムランドによればF-35Bの運用が海上自衛隊になるのか航空自衛隊か不明だ。空自となれば自衛隊の統合運用の新しい例になる。「海自空自で共通の戦術リンクを採用し協調作戦運用が実現すればよいのですが」とリムランドは続け、「空自が海自艦艇の防御に当たるとすればF-35Bの一部はCAP(戦闘哨戒飛行)を空母周辺で行うのではないか」
いずも級は純粋の空母ではないため、リムランドも訓練用途を想定している。その点で旧ソ連艦を入手して就役させた遼寧、さらに、能力を高めた国産空母建造がその後に続く中国の姿とかぶらせた。■

Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.

Image: Wikimedia Commons.

2018年1月1日月曜日

USSワスプが佐世保へ回航中、F-35B運用能力が注目される

ワスプは排水量41千トンといずもより大型艦ですが、全長はそんなにかわらないのですね。佐世保に来ればいずもの改装前に大いに参考になる点をつぶさに見られるのでしょうか。先代のワスプ級空母には日本は散々な目にあいましたが今度は一緒に抑止効果を狙うことになるとは歴史の皮肉というやつでしょうか。ボンノムリチャードはフランス人の名前なのでリシャ―ルと無理な表記をしていることが多いのですが、米人はリチャードと呼ぶはずですのでこう表記しました。

 

USS Wasp with stealthy F-35B makes stopover on way to Japan 

F-35運用可能なUSSワスプが日本へ回航中


US Navy 071004-N-1189B-012 U.S. Marine Corps MV-22 Ospreys, assigned to Marine Medium Tiltrotor Squadron (VMM) 263, Marine Aircraft Group 29, prepare for flight on the deck of the multipurpose amphibious assault ship USS Wasp (
By U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Zachary L. Borden [Public domain], via Wikimedia Commons
December 28, 2017
Updated December 28, 2017 2:03pm

襲揚陸艦USSワスプ(LHD-1)がパールハーバーに本日到着した。同艦は日本への回航の途中でF-35B艦載能力を有し、北朝鮮や中国が控える緊張の高い地区に配属される。
全長843フィート(257メートル)の同艦はUSSボンノムリチャードと交替し前方配備揚陸部隊旗艦として佐世保を母港とし西太平洋の守りにつく。
ステルスF-35Bは海兵隊仕様の共用打撃戦闘機で短距離発艦垂直着艦が可能だ。
「最先端の航空戦力が前方配備される意義は大きい」とワスプ艦長アンドリュー・スミス大佐がノーフォーク(ヴァージニア州)で昨年述べていた。「F-35Bと組み合わせ第七艦隊の精密打撃能力が増強される。ワスプはインドアジア太平洋地区の海上安全保障と安定に責任を果たす米国の努力の一助となる」
海軍によればワスプは「戦力増強した遠征打撃群」の中心となり、三隻で構成する揚陸即応部隊の戦力が増強されるという。
打撃群には揚陸輸送ドック型艦USSグリーンベイもあり、第31海兵遠征部隊の2,200名強が展開できる。
打撃群と海兵遠征部隊の組み合わせは「危機対応で最高の部隊となり西太平洋で対応できる。プレゼンスと抑止効果による安全の確保に加えてワスプESGはあらゆる種類の緊急事態に直ちに対応可能で人命救難災害援助活動もここに含む」と海軍は述べる。
今年1月に海兵隊第121戦闘攻撃飛行隊がF-35B飛行隊としてアリゾナ州ユマの海兵隊航空基地から岩国海兵隊航空基地へ移動していた。
F-35BライトニングIIはF/A-18ホーネット、AV-8Bハリヤー、EA-6Bプラウラーの後継機種として開発されている。海兵隊はF-35Bを「戦力増強手段」と見る。

「この機種にしかないステルス、先端レーダー・センサー技術、電子戦装備を搭載した最新鋭戦闘機であり、爆撃機であり全天候運用可能な支援機材のいずれにもなる」と言うのが海兵隊の見解だ。■

2017年5月3日水曜日

★★なぜ いずも を護衛任務につけたのか、これからどこへ向かうのか



なるほどいずもを単艦で米補給艦リチャード・E・バード(T-AKE-4)を護衛すると聞いて違和感がありましたが、こういう事情なのですね。報道では四国沖から分かれて南方海域に向かうなんて言っていますが、ここでは逆に日本海に抜かうのではと大胆に予測しています。はたしてどうなるでしょうか。

Japan Koreas TensionREN ONUMA—AP

Japan's Biggest Helicopter Carrier To Provide Escort For US Supply Ship

日本最大のヘリコプター空母が米補給艦を護衛

The Izumo will bring its potent anti-submarine capabilities to protect the US supply vessel.

いずもの対潜能力で米補給艦を守る

BY TYLER ROGOWAYMAY 1, 2017

  1. 日本が最新かつ最大のヘリコプター空母いずもを米補給艦の護衛に派遣した。補給艦は東京から南下し日本海に入りカール・ヴィンソン空母打撃群に合流すると思われる。その時点でいずもは朝鮮半島沖合で展開する各国海軍部隊による演習に参加する可能性が大で北朝鮮へ圧力をかけ金正恩がミサイル発射や核実験に踏み切った際に即応する狙いがある。
  2. このミッションにはどこか妙な感じがある。米補給艦は通常は護衛なしで移動しており、今回は力を示威し各国部隊との共同運用体制の確認が目的のはずだ。また有事の際に同等の能力を有する敵が相手なら脅威が皆無のシーレーンはなく潜水艦の活動がとくに脅威になるものだ。

いずも AP
  1. 補給物資、予備部品、ジェット燃料他の補給が止まれば米スーパー空母や揚陸強襲艦は無用の長物になるし、護衛艦艇も海域にとどまるため大量の燃料補給が必要だ。「兵站で戦勝は決まる」といわれ、米補給艦が自由に必要な地点に向かうことが最重要な要素だが武力衝突が発生すれば大きなこれが課題となる。
  2. そこでいずもの能力が効果を発揮する。同艦は対潜任務に特化し、搭載ヘリコプター部隊で艦の周囲に対潜スクリーンを敷ける。また機雷対策、監視、指揮統制他の能力に加え予備燃料から他の誘導ミサイル駆逐艦に航空燃料を補給できる。
ひゅうがはSH-60Kを運用する USN
  1. いずも級は先行ひゅうが級より艦体が大きくなったが、やはり「ヘリコプター護衛艦」で、補給艦の護衛任務ならひゅうが級が適任のはずである。ひゅうがは満載排水量19千トンでいずも級の27千トンより小さい分だけヘリコプター搭載もいずもの28機より少ない20機だ。だがひゅうがにはマーク41垂直発射管システム(VLS)が二基搭載されており自艦で防空能力があり、随行艦も守れる。16発のVLSにはRIM-162改良型シースパロウミサイル (ESSMs)、RUM-139垂直発射式ASROCロケット推進対潜魚雷も搭載できる。
停泊中のひゅうが、甲板後方にマーク41VLS二基があるのがわかる AP
  1. この二つの装備と対潜ヘリコプター部隊でひゅうが級には自艦ならびに護衛対象の艦艇に対潜、対空能力を提供する。ESSMによりひゅうがはイージス駆逐艦の助けなしに脅威環境に乗り込むことが可能だ。
  2. 護衛任務は相当の労力を消費し、米海軍はこの種のミッションの実施体制ができていない。ひゅうが級が高度の対潜能力とならび広域防空も可能なのが効果を上げる要素だ。また追加護衛艦艇なしで単独行動できる。
  3. だが大型のいずも級にVLSは搭載されておらず、ローリング・エアフレイムミサイルとファランクスCIWSの近接自艦防御装備しかない。ミッション時は護衛艦艇があるのを前提にしたためだろう。ただ同艦の海兵搭載能力は400名で軽車両なら50台を搭載する。日本の海軍作戦用回転翼機はSH-60とMCH-101が主力だが、いずもなら自衛隊のヘリコプターはいずれも運用できる。チヌークやアパッチも発着でき大輸送力に加え必要なら攻撃力も展開可能だ。
着岸操艦中のいずも AP
  1. 北朝鮮には海上作戦中艦艇に現実の脅威となる航空戦力はないが、沿岸防衛体制を強化する兆しがあり、Kh-35対艦ミサイルを国産化している。ミサイル海防艦や少数の大型水上戦闘艦は旧式ソ連製装備を使っており、対艦巡航ミサイルも旧式で敵に接近しないと命中がおぼつかない。ミサイルをあてずっぽうで発射する一か八かの勝負に出ることになり結果は誰にもわからない。
  2. いずもでは強力なレーダー、デコイ、電子戦、早期警戒で近接防御は十分に行えるはずだ。ただし、いずもは北朝鮮沿岸に近づくことなはく、護衛対象とともに北朝鮮水上艦艇の脅威を受けることは僅少だ。
  3. 脅威になるのは北朝鮮の旧式とはいえ大量のディーゼル電気推進式潜水艦部隊だ。北朝鮮戦力で一番過小評価されている部隊だろう。この潜水艦部隊が「高ノイズ」で「錆びている」としても数の威力が質を凌駕する。以前も北朝鮮が潜水艦部隊を突然一斉に展開したことがあり、米韓等との対決が高まれば潜水艦多数を同時運用できる体制ではないか。
  4. 低性能ではあるが潜水艦部隊は空母打撃群には十分危険な存在で、韓国海軍や海上自衛隊の対潜部隊があるとはいえ、無防備で護衛のない補給艦や油槽艦が同じ海域に移動すれば状況は全く変わる。
  5. 北朝鮮が米、韓他の補給艦に魚雷攻撃をしかければ一気にエスカレーションになるが前例がないわけではなく、最悪の事態に備えた訓練を実施するのは悪い案ではない。ここにいずもミッションの意義がある。いずもがカール・ヴィンソン空母打撃群や各国水上艦艇と合流する可能性もある。
海上自衛隊のひゅうが USN
  1. このミッションでいずもの三か月間にわたる南シナ海以遠への展開が開始となるのかは不明だ。発表では5月初旬に開始すると見られていた。
  2. フランスもミストラル級揚陸強襲艦のミストラルを世界を半周させて派遣し、佐世保に寄港している。
フランス海軍のミストラル AP
  1. ミストラルは英海軍ヘリコプターも搭載しており、テニアン島で多国間揚陸演習を数週間後に実施する。その後、南シナ海に向かう予定だが、朝鮮半島情勢次第では変更の可能性が十分ある。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com