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2025年6月8日日曜日

カタール寄贈機の大統領専用機への改修費用は4億ドル以下(マインク空軍長官)(POLITICO)

 


カタールの747をエアフォース・ワンに改造する見積もりは、数十億ドルとする見方が他方にある


 President Donald Trump waves from the steps of Air Force

2020年10月30日、ミネソタ州ロチェスターで演説を終え、エアフォース・ワンの階段から手を振るドナルド・トランプ大統領。 | チップ・ソモデヴィラ/Getty Images


防総省がカタール寄贈のジェット機をエアフォース・ワンに改造する費用は4億ドル以下になりそうだと、トロイ・マインク空軍長官が木曜日に議員を前に語った。

 機体改造の具体的な費用については言及を避けたマインク長官だが、下院軍事委員会公聴会で、巨額の費用がかかるという民主党議員の懸念に対し大まかな数字を挙げた。

 空軍関係者は、暗号化通信をインストールし、防御を強化し、米国の敵対者から保護するための電子的およびその他の対策を配置するため、機体を解体する必要があるため、一部見積もりでは、数十億ドルとされている。

「10億ドルという数字が飛び交っているが、関連費用の多くは、経験したことのある費用だ。「改修費用は、おそらく4億ドル以下だろう」。

 マインク長官は、カタール機に防諜上の脅威がないことを確認するために、当局が「深い探査」を行う必要を認めた。 しかし、空軍はドナルド・トランプ大統領に提供できるよう、スケジュールを前倒しするために「できることは何でもする」と述べた。

 ボーイングはすでに、エアフォース・ワンとして使用する2機の747型機を改修する複数年にわたる取り組みで遅延している。 民主党と一部の共和党議員は、カタール機を受け入れることの倫理的・財政的影響について懸念を表明している。 しかし大統領は、納税者の節税につながると主張している。

 ジョー・コートニー下院議員(民-コネチカット州選出)は、2018年のエアフォース・ワンのオーバーホール費用が39億ドルに達したことを引き合いに、カタール機改修にかかる費用が膨れ上がる可能性があるのではないかと空軍長官をけん制した。「別の目的のために作られた飛行機をエアフォース・ワンに改造し、それが無料であると期待することはできない」と同議員は述べた。

 大統領専用機計画に詳しい元空軍関係者も、匿名で、コストが高騰する可能性が高いと警告した。「エアフォース・ワンは1機20億ドル以上するので、機体コストと、それをエアフォース・ワンにするために必要なコストには、ほぼ10倍の差がある」。 「システムを導入することで、数十億ドルの機体コストが発生する。 それを数カ月や1年でやることはできない」。■


Air Force chief: Qatari jet will cost less than $400 million to retrofit

Other estimates for transforming the plane into Air Force One have reached the billions.


President Donald Trump waves from the steps of Air Force one after delivering a speech on Oct. 30, 2020, in Rochester, Minnesota. | Chip Somodevilla/Getty Images

By Jack Detsch

06/05/2025 01:21 PM EDT

https://www.politico.com/news/2025/06/05/meink-jet-cost-air-force-one-trump-00389325




2025年5月13日火曜日

カタールから贈られる豪華747-8はエアフォースワンとしてセキュリティとアップグレードで支障をきたす可能性を専門家が指摘(Defense News)

 

トランプ政権はカタール王室から747-8機の贈与を受けるかもしれない。専門家は技術的な問題やセキュリティ上の問題が山積すると指摘している。(USAF)


タールから寄贈されたボーイング747をドナルド・トランプ大統領用の新しいエアフォース・ワンに改造するには、莫大な資金が必要となり、完成まで何年もかかる可能性がある。

 ABCニュースが日曜日に最初に報じたが、トランプ政権はカタール王室から4億ドル相当の豪華な747-8を受け入れ、残りの任期中同機をエアフォース・ワンとして使用する準備を進めているという。ABCが報じたところによると、空軍がこの13年前の飛行機を所有し、大統領の使用に適したものに改造し、2028年末までにトランプ大統領図書館財団に譲渡される予定だという。

 ウォール・ストリート・ジャーナルは今月初め、L3ハリスがテキサスにあるカタールの747機を暫定的なエアフォース・ワンに改造することになったと報じていた。

 軍用機の専門家であり、エアロダイナミック・アドバイザリーのマネージング・ディレクターであるリチャード・アブーラフィアは、倫理的な懸念はさておき、同機をエアフォース・ワンにすることは、さまざまな理由から厄介なことになると述べた。

 「それはすべて、エアフォース・ワンが何をするための機体なのかという、恥ずべき誤解に基づいている」とアブーラフィア。 「空の上の金メッキの宮殿であり、それ以上のものでないなら、好きにすればいい。 核戦争のような最悪の事態で使われる実際の道具であるなら、これは違う」。

 ボーイングは当初、VC-25Bプログラムのもと、2024年に2機のエアフォース・ワンを納入する予定だった。この期限は、パンデミック(世界的流行病)の混乱、サプライチェーンの問題、そして同社にストレスを与えるその他の問題の中で、数回にわたり延期されてきた。

 空軍は2015年、747-8のペアを新大統領専用機にすると初めて発表した。しかし、そのコストはトランプ大統領の不興を買い、第一次政権は価格を引き下げるためにボーイングと強硬な交渉を行った。トランプはボーイングの計画の遅れに我慢できなくなり、同社への不快感を露わにした。

 新しいエアフォース・ワンは現在、トランプ大統領が退任した後の2029年までに準備できないかもしれないが、空軍関係者は先週、2027年の納入を可能にする要件の変更が現在検討中と議員に語っていた。

 ボーイングとL3ハリス両社はコメントを拒否した。 空軍はホワイトハウスに問い合わせるよう求めてきた。

 トランプ大統領は日曜日の夕方、トゥルース・ソーシャルへの投稿で747の取引の可能性に触れ、「国防総省は航空機を無償で贈与してもらう」と主張した。

 エアフォース・ワンは、アメリカ大統領を世界中に運ぶために使われるだけでなく、第三次世界大戦のような大災害の際、最高司令官が米軍や政府を指揮するための空飛ぶ司令室としての役割も担う。

 このような航空機は、安全な通信システム、軍用電源システム、敵対的攻撃から大統領を守るための機密自衛システム、医療施設などの機能を備えてアップグレードされている。

 ミッチェル航空宇宙研究所のダグ・バーキー事務局長は、「エアフォース・ワン機は、地球上で最も精巧な通信スイートを備えている。 「想像を絶するような過酷な状況下で、指揮統制センターとして機能する。 日常でさえも、常時接続されているのだ」。

 過去のエアフォース・ワンは、何かが故障しても重要なシステムが作動し続けられるように冗長性を持たせて作られている。

 「もし(トランプ大統領が)エアフォース・ワンのすべての機能と特徴を望むのであれば、これは後退になる」とアブーラフィアは言う。「VC-25Bプログラムで取り組んできたことをもう一度やり直さなければならないのです」。

 このような能力を持つ747をゼロからアップグレードするには、2030年代までかかる可能性があり、「何十億ドルも何百億ドルも」かかるとアブーラフィアは言う。

 「暗号化された通信で世界中の軍隊を管理し、通信する能力でさえ、途方もなく高価な事業です」とアブーラフィアは言う。「VC-25Bプログラムに予定されている)他の747-8では何年も前から進行中です。同じ機体でもう一度やり直すとなると、もっと時間がかかるだろう」。

 空中給油は、これまでのエアフォース・オンが誇ってきた機能のひとつであり、カタールの747改修機で省かれる可能性がある。この機能は、VC-25Bからも削除された。核戦争が勃発した場合、大統領はこの機体を使って国家の舵取りをすることになるかもしれない。


 アブーラフィアによれば、カタール王室から航空機を提供されたこと自体が非常に問題であり、機体は徹底的に調査され、盗聴器がないか調べられる必要があるという。そのためには、機体の内部に深く潜る必要があるだろう、と彼は言う。「安全保障上の重大な問題です」。

 VC-25Bジェット機は10年以上前から開発が進められているが、747-8を数カ月でエアフォース・ワンにアップグレードすることは可能か、という質問に対し、バーキー、軍と政権が何を決定するかによる、と答えた。「タイムラインは基本的に、要求の規模と範囲に依存する」。■

Experts: Qatar-gifted Air Force One may be security, upgrade disaster

By Stephen Losey

 May 13, 2025, 05:15 AM


https://www.defensenews.com/air/2025/05/12/experts-qatar-gifted-air-force-one-may-be-security-upgrade-disaster/


スティーブン・ロージーについて

スティーブン・ロージーはディフェンス・ニュースの航空戦担当記者。 以前はAir Force Timesでリーダーシップと人事問題を、Military.comでペンタゴン、特殊作戦、航空戦を担当していた。 米空軍の作戦を取材するため中東を訪れたこともある。


トランプ政権にカタール王室が豪華ボーイング747-8を贈呈(Simple Flying)

 


Photo: Dirk Daniel Mann | Shutterstock


以下ははT1 T2共通記事です。


数の報道によると、トランプ政権はカタール王室からの贈り物として豪華なボーイング747-8を受け取る準備を進めている。このジャンボジェットを受け取った後に法的な問題が指摘されているにもかかわらず、新たなエアフォース・ワンとして使用するためにアップグレードされる見込みだと報じられている。

 ボーイングが、大幅に遅れている次世代エアフォース・ワンの引き渡し時期として2027年を提案した数日後のことである。大統領は、当初2022年に予定されていた引き渡しが遅れていることに怒っていると伝えられている。


正式発表はこれから

Exterior of a 747 on the tarmac.

写真:ボーイング


 カタールの747-8が新エアフォース・ワンとなることについての詳細は、日曜日時点では明らかにされていない。しかし、トランプ政権はすでにL3Harrisに、大統領専用機の要件を満たすためのオーバーホールを依頼している。

 この取り決め案を直接知る高官はニューヨーク・タイムズに同機は大統領の任期終了後にトランプ大統領図書館財団に寄贈され、私人として使用できるようになると語った。

 ABC Newsによると、この豪華な贈り物は、トランプ大統領が2期目最初の外遊となる来週カタールを訪問する際に正式に発表される見込みだという。大統領は2月にパームビーチ国際空港(PBI)に駐機中の同機を見学ずみと報じられている。その贅沢な機能と豪華な構成から、747-8は "空飛ぶ宮殿 "と呼ばれている。


贈与は合法


 アメリカ政府が受け取った外国からの贈答品としては、過去最大となる可能性が高い。しかし、この航空機の記念碑的価値を考えると、その手配をめぐる倫理が注目されている。本誌は以前、新型機747-8のコストが4億ドルを超えると報じた。また、大統領退任後に大統領自身がこの航空機を使用することが合法かどうかも疑問視されている。

 トランプ大統領はすでに、"トランプ・フォース・ワン"と呼ばれるプライベート757-200を所有している。老朽化した機体は2010年に1億ドルで購入された。747-8が寄贈されれば、757の後継機となる可能性がある。

 ABCニュースによると、ホワイトハウスの顧問弁護士事務所と司法省の弁護士は、贈与は合法であると結論づけた。国防総省が航空機を受け取り、それを後にトランプ図書館財団に譲渡することは、贈収賄を禁止する法律や、アメリカ政府高官が "いかなる王、王子、外国からも "贈り物を受け取ることを禁止する憲法の名誉条項には違反しないとされている。

 パム・ボンディ司法長官とホワイトハウストップのデイヴィッド・ワーリントン弁護士は、トランプ大統領の任期終了前に大統領図書館に航空機を寄贈することは "法的に許容される"と述べたと報じられている。 報道によると、747-8は計画通りであれば、遅くとも2029年1月1日までに譲渡される。さらに、関連費用はすべて米空軍が負担する。


ボーイングへの発注の可能性を集めるトランプ大統領の中東歴訪


 トランプ大統領の今回の中東歴訪は、航空を含むいくつかの分野に広く影響を及ぼすと予想されている。 米大統領はサウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールを訪問する予定だが、これら3カ国はいずれもトランプ大統領のご機嫌を取ろうと必死になっている。

 直近では、カタール航空がボーイングから100機という驚異的なワイドボディ機を購入する契約を結ぶ予定が明らかになった。これにより、ボーイングの中東での優位性はさらに強固なものとなり、米国の雇用は今後何年にもわたって維持されることになる。情報筋がブルームバーグに語ったところによると、この発注は主にボーイング787とボーイング777Xで構成されるという。これとは別に、格安航空会社のフライドバイも、今後導入予定の787ドリームライナーに搭載する70基のGE製エンジンを探しているようだ。

 トランプ大統領の訪問中に、この地域で他の航空会社がボーイングと契約するかどうかは、すぐにはわからない。サウジアラビアでは、新興企業のリヤド航空が最大50機のワイドボディ機を求めているようだが、これらは必ずしもボーイング向けではない。 また、情報筋がブルームバーグに語ったところによると、エミレーツはボーイング777Xの増機を検討しているとのことだが、このような発表はドバイ・エアショーで行われるのが通例だ。

 このような合意は、ここ数週間、地政学的な不安定さに関連した一連の問題に直面しているボーイングにとって、大きな勝利となるだろう。 最も顕著なのは、先月から続いている関税貿易戦争の影響で、中国政府が航空会社にボーイングの納入を停止するよう命じたことだ。■


Trump Administration To Be Gifted A Luxury Boeing 747-8 From The Qatari Royal Family

By 

Channing Reid

 & 

Dillon Shah


https://simpleflying.com/trump-administration-gifted-luxury-boeing-747-8-qatari-royal-family/?utm_medium=newsletter&utm_campaign=SF-202505120750&utm_source=SF-NL&user=bmFvc2hpbWl3YUBnbWFpbC5jb20&lctg=b5fc42e5d3d56717f18d5a31f72403caf2d11ce650555377a5d5f99b966a56b9



2019年3月1日金曜日

空飛ぶホワイトハウス、次期エアフォースワンはVC-25Bの制式名称に

次期エアフォースワンとなる機体は今から製造するのではなく出来上がり機材を改装するだけのはずなのになんでこんなに時間がかかるんでしょう。改装対象が相当高度なのでしょう。日本向け777がいとも簡単に出来上がったのと対照的です。要求水準が違うんですね。それ以上に現行のVC-25(747-200)を30年にわたり米空軍が必死に整備していることが伺えますね。

 

The new Air Force One arrives in 2024. Here's what we know so far. 次期エアフォースワンは2024年供用開始予定。今のところ判明していること

This Presidents Day, consider the past, present, and future of the airborne White House. 大統領の日に空飛ぶホワイトハウスの過去現在未来を見てみよう。

By Rob Verger February 18, 2019

Air Force One
ジョージ・H・W・ブッシュ葬儀で飛んだエアフォースワン。2018年12月3日。U.S. Army photo by Spc. James Harvey

べて計画通りなら2024年に米大統領が誰になるにせよ次期エアフォースワンとなる新型機材2機を受領する。現行機種はボーイング747で次期機材も同じだが新型機種となり全長翼幅共に増え航続距離・巡航速度も増加する。
ホワイトハウス同様にエアフォースワンは大統領の象徴だ。「大統領個々人とは関係ありません」と述べるのは戦略国際研究センターで航空宇宙安全保障部門長のトッド・ハリソンだ。「大統領、米政府の顔です」
以下エアフォースワンの新型機となる米空軍制式名称VC-25Bで判明している内容だ。
Air Force One
1959年から1962年にかけて専用機のボーイング707には青白塗色は使われていなかった Boeing

大統領専用機の歴史

各大統領がボーイング747を使ってきたわけではない。エアフォースワンで著書のあるケネス・ウォルシュはトルーマン大統領はプロペラ機「インディペンデンス」を専用機とし、「鷲のように見える塗装だった」という。
その後アイゼンハワー時代にボーイング707になり、当初は「軍用機調」だったという。
その同じ機体が現行機同様の青白塗装になったのはケネディ時代で「エアフォースワン」の呼称も生まれた。
「航空管制で区別できるコードネームが必要だったのでエアフォースワンには堂々たる響きもありましたからね」とウォルシュは言う。このコードネームが一般大衆にも知られることになった。
ケネディは同機を「大統領専用機」らしくし、結局同機は1959年から1990年にかけて稼働した
Air Force One
1962年から1990年までのエアフォースワンは引き続きボーイング707だったが大統領らしい塗装となった Boeing

電磁パルスにも対応可能

現在のエアフォースワンはH.W.ブッシュ政権に稼働開始しており、ボーイング747-200はVC-25Aとして現在も供用中だ。

「機材更新の理由は機材老朽化が一番だ」とハリソンは言う。新型機に切り替えれば恩恵は明らかでエンジン燃費が向上し信頼性も引き上がり、新型防御・通信装置の搭載も期待できる。
たとえば2001年9月11日、ジョージ・W・ブッシュ大統領は機内から通信に苦労していた。当時U.S. News and World Reportのホワイトハウス特派員として大統領の移動に300回同行していたウォルシュによれば「ブッシュ大統領は通話中に何度も途切れた電話に戸惑っていた」とし、「今回は完全に解決したようだ」としている。
ウォルシュによれば9/11以降は大統領が機内から全国放送できるようになっている。
現行機には極秘の防御装備がついている。「わかっているのはエアフォースワンの機体表面には核戦争の際に発生する電磁パルスを受け付けない加工がされていることです」とし次期機材でも同様の構造だろうとする。
ウォルシュは現行機には携行型熱追尾ミサイルのような兵器への対応能力もあり、離着陸時のリスクに備えるとする。「対抗装置があることがわかっています」とし、小型ミサイルを「受け付けない」のだという。
「それ以上は軍も話したがりません」とウォルシュは述べ、「報道陣としては他の防御装備もあると見ていますが、秘密の壁で守られています」
Air Force One
1990年からエアフォースワンはボーイング747-200で2024年まで2機が飛び続ける Boeing

「あらゆる国家非常事態」に備える機体

米空軍は新型機747-8について以下説明している。

「改装作業では詳細は運用上の安全の観点からすべて明かすことはできない。通信装備、医療装備、執務室内部、防御装備、自己完結型地上運用体制等である。VC-25Bは空のホワイトハウスとして最高司令官が憲法上の責務に従って移動中も執務しながら、最高水準の指揮統制機能を軍事力を対象に行い国家の安全を維持する機能をいかなる国家非常事態や緊急事態の中でも確立するのが目的だ」
Air Force One
次期エアフォースワンの想像図 Boeing

次世代エアフォースワンには空中給油機能はついていない問われるが、ウォルシュは本当にそうなのか疑わしいという。「エアフォースワンは緊急時にも大統領を乗せたまま安全に飛び続ける必要があります」

なお機材調達予算は39億ドルである。■

2018年2月27日火曜日

韓国が大統領専用機の更新を検討中

機体選定に日本が頭の中にあるのはまちがいなく、日本が777なら自分たちは747を千tなくするのではないですか。ただ仕様と価格のバランスが取れず結局メーカーとのハードネゴになるのでは。面子にとらわれた思考の人たちは大変ですね。Defense Newsの記事です。現行のKALリース機も韓国国旗も反映して機体もカラフルになっていますね。

South Korea looks to buy its own Air Force One 韓国が自国エアフォースワン導入を検討中


文在寅大統領を乗せた専用機がハンブルグに到着した。 July 6, 2017. (Patrik Stollarz/AFP via Getty Images)

By: Jeff Jeong
SEOUL, South Korea —韓国の大統領府青瓦台Cheong Wa Daeは現状のVIP仕様リース機材を新型機に切り替えたいとし、政界では借り上げ機材の経済性で議論が巻き起こっている。
 現在は改修したボーイング747-400旅客機を大韓航空からリースで供用している。200人乗りの同機は2001年完成で高性能通信装置や防御対策を搭載し、レーダー信号妨害装置やフレアも搭載していると韓国空軍は説明。
 「VIPジェット機の10年契約があと二年で切れ政府としてリース契約更新か新型機導入かの決断に迫られる」と青瓦台関係者(匿名)は述べ、「入札手続き、予算、機体製造の決断は今年上半期に下す必要がある」という。
与党民主党は韓国の国際イメージも考慮して新型の大統領専用機調達を望んでいる。
 韓国議会では異例だが各党派超えたほぼ全会一致で大統領専用機の更新が必要と認識が生まれている。
 「韓国は世界最大のスポーツイベント主催国として世界第五番目の国であり平昌冬季五輪が進行中である」と与党のCho Seung-rae議員が主張。「VIP専用機の導入を遅らせる理由はなく、最大限の努力でエアフォースワンの必要性を訴え関連予算を確保すべきである」
 一方野党はエアフォースワン購入は予算上から反対だ。
「高価格の大統領専用機を経済が苦しい時期に導入するのはよい考えとは言えない」とHong Moon-pyo議員(自由韓国党)が主張。「国家元首が外交訪問をリース機材で行っても何ら不都合はない」
 予算問題が米国でも次期エアフォースワンに影響を与えている。米空軍は昨年8月に破産したロシアエアライン向けに製造済みのボーイング747-8二機を購入すると決め老朽化してきたVC-25Aと置き換えるとしていた。
 韓国でも予算問題が前政権が下した大統領専用機の調達の動きに支障が出ている。
 2010年の李明博政権時代の入札ではボーイングは747-8旅客機を提示し単独入札者となった。エアバスが辞退したためだだった。
 李政権は新造747-8VIP仕様を460百万ドルで購入したいと申し出たがボーイングに却下された。
「韓国政府はエアフォースワンをその時点のハイテク装備満載で考えていたのですが、その予算では全部は無理だったのです」とボーイングコリア関係者が匿名条件で明かしている。
ボーイング関係者は日本政府により選定された777改装機が韓国のVIP機でも候補になると見ている。韓国は次期大統領専用機をVC-Xと呼称し経済性分析を重視している。
 エアバスは本誌の照会へ回答していない。
 韓国国防調達事業庁DAPAは新規VIP機入札の準備に入っている。
「空軍がVIP機の要求内容を検討しますが予算を考慮します」とDAPA広報官Kang Hwan-seokが述べている。「要求内容が決まれば入札を開始し海外企業の参加を求めます」
 リースの747以外に韓国空軍はボーイング737-300とCASACN-235を各一機政府関係者の移動用に運行している。
 このうち737は1983年から供用しており2000年には南北会談に向かう金大中大統領を乗せ平壌まで運んだ。
 2007年に青瓦台はシコースキーS-92を大統領専用ヘリコプターとして導入しているが、これも供用期間の10年が来る前の機材交代となった。■
Email: jeff@defensenews.com

Mike Yeo contributed to this report.

2017年11月9日木曜日

トランプ大統領の各地訪問はこれだけの支援体制で実現している


The Presidential Motorcade Is on Full Display as Trump Tours Asia

トランプアジア歴訪で大統領車列の偉容を見せつける

With tensions simmering between the US and North Korea, the Secret Service has clearly spared no expense for the trip.

米朝間の緊張高まる中、シークレットサービスはすべての対策を惜しまない

SUH MYUNG-GUN/YONHAP VIA AP
BY JOSEPH TREVITHICKNOVEMBER 7, 2017

米大統領の海外訪問では警備要員が大量に随行し緊急時に最高司令官および政府上層部を安全な場所まで誘導できるよう待機する。朝鮮半島の緊張が過去最大限に高まる中でもいつもどおりアジア歴訪では大統領車列の偉容を見せつけている。
トランプの歴訪は11月3日にハワイから開始した。日本へ11月5日移動し、韓国へ二日後に到着。その後中国、ヴィエトナム、フィリピンを訪問する。
韓国でトランプは首都ソウルを警察大部隊の護衛の下で移動した。ロイター記者ジェイムズ・ピアソンが車列をまじかから撮影しているので下を参照してほしい。ピアソンによれば朴槿恵前大統領の支持派と反対派が混在したが警察が後者を車道から排除したという。支持派はトランプを好意的を見ているといわれる。
ピアソンの画像で主要車両がよくわかる。まず警察の「掃除屋さん」が先導し、その後を米側車両が続く。
Trump motorcade passes through central Seoul and group of former president Park Geun-hye supporters. Anti-Trump demo blocked by police buses
その後に大統領専用リムジン二両が続き、うちニックネーム「ビースト」にトランプが乗り、もう一台は予備・おとり車だ。シークレットサービスは大統領が乗る方を「駅馬車」、予備車を「スペア」と呼ぶ。タイラー・ロゴウェイが以前まとめた記事では二台はジェイムズ・ボンド顔負けの性能で大統領の身を守るが制約もあるという。
「ビーストには最高級の防弾装甲、暗視赤外線操縦装備、完全閉鎖型車内で核生物学化学(NBC)攻撃に耐えるほか大統領と同じ血液型の予備まで備える。うわさでは赤外線煙幕、油膜散布、催涙ガス放出もできるというのはトム・クランシー小説の世界だ。さらに高性能通信装備でインターネットと秘話交信が可能だ。
「『ビースト』は2009年にオバマ大統領就任に合わせて登場し、一見キャディラックSTSとMRAP(対地震車両)のあいの子に見える。だが実は乗用車というより強襲トラックに近い。ただし強襲トラックの地上高はない。狭い市街地での運転にはコツがいるといわれ、車重が極めて大きく海外運用で故障したこともある。ちなみに旧型専用車では故障事例はなかった。」
その後に続く黒塗りSUV数台は大統領警護の対応強襲チームCounter Assault Teams (CAT)、指揮統制部隊、通信用車両(「ロードランナー」)、情報機関要員、防御手段各種を搭載した車両で後者は電子戦ジャミングで道路わきの爆発物や小型無人機の妨害も想定する。
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In case you were wondering... The Beast and our special agents made it to the next stop with #POTUSinAsia #Japan
ただし目に入らないのが有毒物質中和処理部隊を運ぶ大型トラックだ。もう一台白塗りのヴァンが加わるがおそらく救急車だろう。随行報道陣はバスに乗り、銀色SUV数台は韓国治安部隊等を乗せているのだろう。
車列は相当の偉容だ。201711月4日にシークレットサービスが今回のアジア歴訪の支援体制をツィートしており、車列の規模を強調していた。
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With #POTUSinAsia we couldn't very well leave The Beast behind!
「#POTUSinAsia(大統領アジア歴訪)に随行するビーストは本国に置いていけない」と伝えている。米空軍C-5ギャラクシー輸送機内に専用車両含め10台ほどが見える。大型車両は写っていないが別の軍用輸送機で同時に搬送されたのだろう。
さらにヘリコプター部隊やその他必要機材の輸送が日本に向け必要となり、その後も移動する。日本では海兵隊VH-3D大統領専用ヘリコプター(マリーンワン)がトランプ大統領を各地に移動した。
韓国ではレックス・ティラーソン国務長官、在韓米軍司令官米陸軍ビンセント・ブルックス大将が海兵隊VH-60N「ホワイトホーク」に同乗している。運用は海兵隊第一ヘリコプター飛行隊(HMX-1)だ。
THE WHITE HOUSE
President Donald Trump, along with Rex Tillerson and U.S. Army General Vincent Brooks prepare to board a VH-60N "White Hawk" in South Korea.
大統領がVC-25Aに大統領が搭乗するとエアフォースワンと呼ばれるが、実際に乗るのは二機のうち一機だ。随行機は整備上で何らかの必要が生じた際やその他緊急時の予備機だ。
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En route to Japan, 5hrs - 40min left...
それで終わりではない。本国や海外で米軍及び連邦政府法執行機関が完全体制で大統領外遊を支援する。2016年12月にタイラー・ロゴウェイが以下伝えている。
「大統領の移動にはマリーンワンのヘリコプター一組をC-17で、各車両をC-5ないしC-17数機で移動させるのが常だ。これを訪問地すべてで行う。マリーンワンが地上車両の代わりに使われる場合は、MV-22オスプレイも自力移動ないし輸送機で搬送される。さらに関連ホワイトハウス職員やシークレットサービス要員が民間機あるいは政府機材で移動する。予備の指揮命令機材(通常はC-20C)も付近の飛行場で待機する。これだけの移動となると訪問するたびに数十万ドル数百万ドルの経費が移動だけで発生する。
「海外移動では機材はさらに増え、あたかも空軍全体がエアフォースワンと移動するようなものだ。C-5、C-17、MV-22、VH-3D、VH-60N、C-20、C-32、C-37に加えE-4Bが移動する。E-6Bマーキュリーが支援する場合もある。機材の大部分は大衆の目に触れることはない」
北朝鮮がミサイル発射の挑発を繰り返し水爆爆発まで明示してているためE-4Bナイトウォッチ指揮統制機がトランプに寄り添って移動しているのは驚くべきことではない。同機は嘉手納航空基地に移動し大統領ミッションを支援中だ。E-4Bは大統領到着空港を決して使用せず、通常は数百マイル以内の地点で待機する。
地域大ではおそらくもっと多数の機材が待機中だろう。いわゆる「政府機能継続」手順に従い、緊急時対応も意識しているはずだ。大統領同行機材にはC-40やC-32が加わり、ホワイトハウス職員の残り、保安要員、報道陣他を乗せている。
大統領歴訪の間に北朝鮮が挑発行動をとる可能性は十分あると関係者等は指摘している。また突如武力衝突になる可能性もある。今のところ、金正恩に軍事力を行使する動きがないのが何よりだ。
大統領は非武装地帯(DMZ)訪問を中止したため力の誇示の機会を逸したが、マイク・ペンス副大統領がDMZへ赴き境界線の彼方を注視した。
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White Senior Staff stand outside the limo as @realDonaldTrumpattempted to make a surprise, unscheduled visit to the Demilitarized Zone separating North and South Korea this morning. The trip was foiled by a bad weather call and his helicopter could not fly.
11月14日までの日程中に突発事件が発生することなく、警備隊が特段の行動をとる必要がないよう祈ろう。■
Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com