ラベル J-31 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル J-31 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年11月12日月曜日

J-31はこれから本格開発し、中国海軍空母に搭載する構想のようだ

Aviation Week & Space Technology

Avic’s J-31 Fighter Is a Winner After All AVICのJ-31は失敗機ではなかった

Nov 9, 2018Bradley Perrett and Steve Trimble | Aviation Week & Space Technology
J-31試作型の一号機は2014年の中国航空ショーに初めて姿を見せた。Credit: Yan Siming/International Aviation

Avic傘下の瀋陽航空機がJ-31戦闘機試作型の姿を2012年に初めて見せるとすぐさまアナリスト各位は中国軍向けの新型機ではないと見てきた。技術実証機以上の存在ではなく、国営企業の同社が二回連続で戦闘機競作に敗れて腹いせに作っただけの機体と見てきた。
そのJ-31が今や政府公認事業となり、J-15海軍版フランカーの失敗の穴埋め機材の位置づけになっている。実はJ-15のメーカーも瀋陽航空機であり、中国海軍のみならず空軍もJ-31を求めている。
他方で中国のもうひとつ国営企業、Avicの成都航空機が瀋陽航空機の提案に打ち勝って採用されたJ-10とJ-20の改良に取り組んでいる。11月6日から11日にかけて珠海で介されたエアショーチャイナでAvicが推力偏向ノズル付きJ-10を発表し、Cetcが展示したレーダーが広範囲の火器管制能力につながるとして注目を浴びていた。
J-31は国内向けで政府資金で開発が進められてきたと公式筋が説明している。同機は海軍向けの供用を想定していると同上筋は述べており、ここ二年ほどで浮上してきた噂や観測を裏づける格好だ。中国空軍もJ-31に関心を示していると同上筋は述べながらこれ以上の情報はもらえなかった。
瀋陽航空機はJ-31試作機を二機製造し、2016年に姿を表した二号機は一号機より大きい。
中国海軍がJ-31を艦載機としてJ-15の代わりに必要としているのは明らかだ。これも瀋陽航空機の製品であるJ-15は飛行中制御に難があるといわれ、空母着艦では大問題だ。
J-31はFC-31の別名でも知られ、海軍艦載機の地位を成都航空機のJ-20と競っていた。J-20は大型機であり空母搭載用途は考えにくい。失速速度を低く押させる必要があるが同機の主翼荷重は高く見える。
中国空軍がJ-31をここまで強く望んでいるとは意外だが海軍が本格開発を承認したことで説明がつく。空軍が瀋陽航空機のJ-31提案を8から10年前に一度却けたのはJ-10で迅速に機材を揃える必要があったためで、ここまでの高性能機は不要としたためでもある。第一線部隊に老朽機材が多く配備されていたのだ。その緊急性のためJ-10生産に全力を上げ輸出の可能性まで検討する余裕がなかったとAvic関係者が述べている。
だがJ-10は海軍向けJ-15の代替策にならない。同機は単発機であり、極端に高い信頼性がないと海上運用で安全性が深刻な問題になる。
当初のJ-31は最大機体重量が25トンだったが二号機は28トンに引き上げられたと中国報道で伝えている。海軍用途仕様では30トンになるとの情報もある。航続距離は1,500キロに延長されていると同報道にあるが、実際のミッションや兵装を特定しなければこんな数字に意味はない。■
コメント 本当にJ-31が今後本格開発されるのでしょうか。これまで塩漬けのままでFC-31として劣化版の輸出専用機友いわれていたのですが。これから開発し直すとして建造中の空母二号艦で試験運用するのでしょうか。もともとF-35の設計資料を大量に盗んでできたと言われる機体であり、東シナ海で日本のF-35Bがいわば本家としてこのバッタものの機体と対峙する日が来るのでしょうか

2017年11月28日火曜日

中国J-31がSUV広告に登場

この自動車メーカーですが本当に新規企業らしくよくわかりません。解放軍が設立した企業なのでしょうか。解放軍はかなりの数の企業を傘下に置いています。もっとも軍で正式採用されたわけではないのでメーカーとの交渉で実現したのでしょうね。それでなければ戦闘機を広告に出すのは同なのでしょう。お金だけ出せばなんでもありなのでしょうか。いずれにせよともに食指は動きませんが、J-31についてはいつどこで脅威にならないとも限らず情報収集は必要でしょうね。F-22やF-35が一般企業のイメージ広告に出たことはあったのでしょうかね。

China’s Stealth Fighter Is Helping to Sell Cars

中国のステルス戦闘機が自動車販売の引き立て役になっている

J-31 meets SUV

China’s Stealth Fighter Is Helping to Sell Cars
WIB AIR November 27, 2017 Robert Beckhusen


技術の結晶で未来イメージの中国のJ-31ステルス戦闘機の画像がSUVの広告に登場した。
J-31が中国の新興自動車メーカーHanteng AutosのSUVモデルX5の広告で姿を見せている。
広告では塗装が赤のSUV(「産業力」と「国力」を象徴)をジェット機とともに見せている。
すると新興企業が自社SUVを国家主義や軍と結びつけるマーケティングを展開しているのか。さらに興味を惹かれるのはやはり国営瀋陽航空機が開発したJ-31(FC-31)はステルス機で中国軍に正式採用もされていない中で異例の登場だ。
Above, at top and below — the J-31 as car salesman. Photos via Chinese Internet

J-31モックアップが空母遼寧に乗せられたことはある。イランやパキスタンのような海外顧客を狙ったのだろう。だが今度は同機が多用途車の販売を助けるわけだ。ただJ-31は顧客がまだないことが問題だ。

J-31はF-35共用打撃戦闘機の競合機種だ。機体サイズはほぼ同じでJ-31はステルス性で劣り、JSFのエイビオニクス、通信装備も搭載していない。ただしJ-31二号機が2016年12月に初飛行しており、新型赤外線センサーを搭載してやや大型になっているのが確認されている。今のところJ-31はこの試作型二機しか存在が確認されていない。

ただ公平を期すと、J-31は双発機である点がF-35と異なる。また中国機にはF-35Bの揚力ファンは内蔵していない。F-35ではこのために他の二型式でも設計上の妥協が必要となった。中国がF-35の設計資料を入手したといわれ、F-35の設計上の難点を回避してJ-31を製造したのではないかと言われている。
J-31試作二号機は一号機と異なり無煙エンジンも採用して、ステルス性にも寄与する。正式採用されれば空対空ミサイル12発と重武装の航空優勢戦闘機を目指すとみられる。だがまず採用国を見つける必要がある。中国海軍は可能性がある。あるいはF-35は手が出ないが競合上必要だと思う国だろう。
いずれにせよ将来の導入国には製品保証がついていることを祈ろう。■

2016年9月23日金曜日

★もし戦わば ④  F-35対 中国J-31、ロシアSu-35、そしてイーグル最強のF-15SAの勝利の行方は?



F-35を前面にたてた作戦ではこれまでの機材の場合と相当異なる様相になることが想像されます。しかし問題は何でもかんでも戦闘任務をこなさなければならない同機がどれをとっても中途半端な戦力になりそうなことで、今後数十年に渡り西側防衛体制で頭痛のたねとなるでしょう。

The National Interest


America's F-35 Joint Strike Fighter vs. China's J-31, F-15SA and Russia's Su-35: Who Wins?

September 20, 2016


ここ数十年で最も議論の対象になった兵器体系が米F-35共用打撃戦闘機で論議の種となっている。理由は明確だ。供用期間通じ1兆ドル超の事業経費、戦闘のあり方を根本から変える技術革新、ゆくゆく第四世代機に取って代わる期待も大きい。
F-35が戦闘に投入されたらどんな活躍をするのだろうか。たとえばF-15最新型にどこまで優勢なのか。中国の新型ステルス戦闘機に対してはどうか。また、ロシアの最新第四世代機Su-35が相手なら?
そこでデイヴ・マジュンダー(TNI防衛デスク)にそれぞれの予想を尋ねてみた。以下の記事を楽しんでもらいたい。執筆は数ヶ月前であると申し添えておく。

1) J-31対F-35
瀋陽J-31戦闘機の詳細情報が最近入手できたが、ロッキード・マーティンF-35に類似しているのは外観だけでなく空力学的性能も同等だとわかった。だが真の問題は中国がレーダーやエンジンのようなサブシステムをどこまで完成させているかだ。また中国が各種技術内容を機体と統合できているのかも疑問だ。

外観上はJ-31は双発にしたF-35クローンと言っても通用する。中国がJSF技術を盗んで同機を開発したと見ていい理由がある。ゆくゆくは米側戦闘機と互角の実力になるのか。「最終的には中国は米第五世代戦闘機と同等の性能を手に入れるでしょう。産業スパイ活動は今でも活発です」と米軍航空関係者が昨年記者に語っていた。

だが一対一では中国機はF-35と同等の性能を得る必要はない。中国の狙いは米側に打撃を与えて同機投入の代償を高くすることだ。あくまでも仮説だがF-22が中国J-11フランカーを相手にすれば撃墜30対1で優勢になる。だが戦闘投入可能なラプターはわずか120機。F-22もJ-31あるいはJ-20が相手なら優勢は3対1にまで低下する。つまり米軍は損耗率を意識せざるを得なくなる。「J-31やJ-20が出てくれば、3対1の撃墜率でも米側には高い代償になる」と米空軍高官がやはり昨年記者に語っている。

J-31の弱点がエイビオニクスであり、レーダー、赤外線探追尾装置、データリンクやデータ融合の分野である。同機は単独行動を前提とした機体であるが、各種センサーで集めた情報を融合することは極めて困難だろう。F-22でさえLink-16のデータを機内センサーに融合させるのはインクリメント3.2Aソフトウェア更新まで待っている。ここにF-35開発日程でロッキードが大きく遅れた理由があり、空軍がソフトウェア問題を一貫して懸念している理由でもある。

中国産業界がJ-31生産に成功できるかとの疑問が残る。ステルス機の製造では公差が低いのが特徴でF-22の場合は1インチの一万分の一の誤差しか許容されていない。F-35は更に厳しいといわれる。中国がここまでの誤差の精密仕上げをした実例がないこと、中国が国産ジェットエンジンで信頼性の高い製品を完成させていないことから、中国が米第五世代機の水準に追いつくまでにはまだ時間がかかるだろう。

J-31が技術面でF-35の水準に到達していないとしても中国が力を入れている分野がある。長距離ミサイルでPL-15の存在が確認されており、ヨーロッパのメテオ視野外攻撃ミサイルと類似している。ただし中国版はラムジェット推進方式で極めて長距離の有効射程と最終段階での目標捕捉能力を引き上げており、AIM-120 AMRAAMを凌ぐ水準にしている。AMRAAMのロケットエンジンは数秒間しか作動せず、目標捕捉方法は通常のミサイルと同じだし、AMRAAMはデジタル無線周波数メモリーによるジャミングの妨害を受けやすいという弱点を抱え,後継機種が必要とされている。

航空戦闘軍団(ACC)はこの問題を深刻に受け止めており、空軍上層部はここ数年内情を訴えてきた。「PL-15の射程を考えるとこちら側には対抗策が必要だ」とACC司令官カーライル大将がFlightglobalに語った。

2)F-15SA対F-35
ボーイングF-15Aの初飛行は1972年7月で、イーグルは究極の航空優勢戦闘機となった。高速で高高度を飛び、機動性が高く、APG-63パルスドップラー・レーダーを搭載した同機に対抗可能な機種がソ連になかった。他方で同機のもともとの製造メーカーのマクダネル・ダグラスは同機を多用途戦闘機に発展させF-15Eストライク・イーグルが生まれた。航空優勢用のF-15Cと攻撃を重視するF-15Eは今後数十年に渡り米空軍装備として残るが、サウジアラビアがイーグルの最新高性能仕様を発注している。この最新型はロッキード・マーティンのF-35と互角にわたりあえるのだろうか。

サウジアラビアは新造F-15SAを84機と現有ストライク・イーグルの性能改修キット70機分を発注した295億ドルの巨大商談は2011年11月に成立し、当時は米史上最大の軍事販売となった。その後ボーイングは性能向上型を開発テストし、ジェネラル・エレクトリックF110エンジン双発とし、プラット&ホイットニーF100を採用しなかった。同社は納入の準備が整い、今年4月にサウジ向けの1号機がセントルイス(ミズーリ州)工場からロールアウトしている。

F-15SAで最大の改良点はフライバイワイヤー操縦システムで、これまでのイーグルはハイブリッドのコンピュータによる機体制御を採用していた。フライバイワイヤーの採用でボーイングはこれまで使えなかった主翼下外側ハードポイント二箇所を再活用できるようになる。一番外側のハードポイント一号、9号に武装を装着すると機体安定度に問題があったのだ。

それ以外にF-15SAは高性能APG-63 V.3アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)を搭載し、今後の顧客にはより高性能のAPG-82も提供する。米空軍のストライク・イーグルが換装中のレーダーだ。F-15SAではBAEの高性能デジタル電子戦システム(DEWS)も搭載し、デジタル無線周波数記憶ジャミング能力が備わる。

このデジタル装備は周波数帯域を連続探査し探知可能性が低い(LPI)電子信号も見つけることができる。(F-22とF-35ではLPI技術で自機の出す電子信号を隠している) さらに干渉型アンテナは現行型より正確な方位測定が可能だ。

DEWSの性能はF-22やF-35の搭載する電子支援手段装置に匹敵するものだろう。元は同じ技術なのだから。米空軍の現有ストライク・イーグルよりはるかに高性能だ。米空軍ではイーグルにパッシブ・アクティブ警告残存装置(EPAWSS)が搭載されるまでは匹敵する性能は存在しない。

F-15SAではロッキード・マーティン製のAN/AAS-42赤外線探知追尾装置もついている。レーダー、赤外線探知追尾装置、電子戦装備がそれぞれ得た情報を融合し、明確な像を示す点でF-22やF-35と匹敵する内容だ。像はF-35同様の大型カラーディスプレイに表示し、前席後席で見ることができる。搭乗員両名は共用ヘルメット装着型指示出し装置をつける。このすべてでF-15SAは極めて強力な多用途戦闘機となり、米国が製造した第四世代戦闘機で最強だろう。

だがこれでF-35と堂々と対抗できるだろうか。長期的に見ればF-35は戦闘機市場で競争相手のない存在となるはずで、西側では特にそうなる。ステルスは大きなセールスポイントで高性能ロシア製中国製地対空ミサイルの普及を見越している。さらにF-35には米国政府の後ろ盾もある。だが短期的に見れば、ボーイングはF-15をお金持ち国に売る商機がある。高性能長距離ジェット機が必要な国は多く、イーグルの高価格に抵抗のない相手だ。そうなると中東とアジアが有望で特にF-35が手に入れられない国が狙い目だ。

だが忘れてはいけなのは戦闘機導入では機体性能や軍事要求を満たすことよりも地政学が重要となることだ。ある機種を導入することで他国と戦略的同盟関係が生まれる。たくさんの国がペンタゴンの装備とつながろうとすると高級店のように高価格な機体とともに高額の整備費用を負担することにつながる。

3)Su-35対F-35

ロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機はゆくゆくペンタゴンの戦術戦闘機部隊の主力の座につくはずだが、高価な第五世代戦闘機を難なく運用できる国ばかりではない。

ロシアや中国でさえ第五世代戦闘機のみで編成するつもりはないようだ。かわりに当面はスホイSu-27フランカー航空優勢戦闘機の改良型があちら側の戦術航空機材の中心となるだろう。極めて高性能なフランカ-派生型がSu-35で、エイビオニクスが大幅に改良され、エンジン、機体構造も同様だ。今後数年間で最新のフランカーEが世界各地に広がりそうだ。

フランカー各型が世界各地に拡散することに対抗して米空軍、海兵隊ならびに限定的ながら海軍はF-35各型を頼りにせざるを得ない。もともとF-35が航空優勢の確保を念頭に作られた機体ではないこともあるのだが。F-35は空対空戦でも十分な実力を持っているとは言え、攻撃機の性格が強い。もっともペンタゴンは同機は万能機だと主張しているが。

ではF-35の4機編隊がやはり4機のSu-35と対決したらどうなるか。一番考えやすいのはF-35編隊は針路を変更し、F-22ラプターやF-15Cの助けを求めるだろう。そうしながらF-35編隊は本来の標的探しに戻るはずだ。

だが歴史で明らかなように、戦争では多くの場合、最適な解決手段が選択可能なわけではない。もしF-35だけで対応することになれば、Su-35とは互角の戦いになるだろう。ただしうまく装備を活用出来ればだ。F-35のパイロットはステルス、各種センサー、さらに巧妙な戦術を駆使し、F-35の強みを活かしつつ弱点をつかれないようにするだろう。つまりステルスとセンサー能力で視界外から的編隊と交戦し、視界内での戦闘は避けるはずだ。F-35が弱点を露呈するからだ。

ラプターは最初から空対空での勝者を目指し高性能となっているが、F-35は事情が違う。ラプターはステルスと高硬度超音速巡航飛行(マッハ1.8超)が可能だ。これに対しF-35はアフターバーナーまで使ってマッハ1.6が精一杯である。またF-22には近接有視界内ドッグファイトでの機体制御が極めて優秀で旋回率、旋回半径、迎え角、高エネルギー性能を全高度帯で発揮する。

ラプター四機編隊は超音速巡航飛行を高度50千フィートで行い、空戦の主導権を自由に発揮できるが、F-35は低速低空飛行でうっかりすれば高性能敵機への対応を迫られる事態にもなりかねない。

さらにF-35ではAIM120空対空ミサイルに十分な発射エネルギーを与える高度速度が確保できない。ラプターはこれが可能で、JSFが発射するとミサイルは有効射程が短くなる。またF-35が搭載できるミサイルの本数は少ない。これは敵のデジタル無線周波数記憶型ジャマーによるAMRAAMへの妨害を考えると困った問題だ。

接近戦になるとJSFにはラプター同様の機体制御は期待できない。F-16やF/A-18にも劣る。どうしてもドッグファイトになれば、米F-35パイロットの技量と経験を使い撃墜を免れるしかない。F-35のステルス性は兵装を機内装備した場合のみ有効だ。AIM-9X視程外ミサイルは搭載できない。これが将来搭載可能となればそれだけの価値はある。F-35パイロットはどんなことをしても接近戦を避ける必要がある。

そうなると米側の統合航空部隊指揮官(JFACC)がF-35部隊に航空優勢ミッションを割り当てる可能性は極めて低い。他の機材が使える前提でだ。だがラプターが少数機しかなく、F-15Cも減耗していくことを考えるとJFACCとしてもF-35に航空優勢確保を命じざるを得ない事態が生まれるだろう。ただし、アメリカの空軍力が世界各地で直面する本当の脅威は敵航空機材ではなく敵の高性能統合防空装備となるはずだ。■



2014年11月27日木曜日

★パキスタンがFC-31戦闘機購入を交渉中 珠海ショー余聞③


インドとの軍事衝突に備えるパキスタンはかねてから中国との関係が深い装備を整備してきました。早速J-31の輸出版に食指を伸ばしている格好ですが、どうやらステルス性能は相当劣化させた機体のようですね、この輸出版は。

Pakistan in Talks to Buy China’s FC-31 Stealth Fighter

by BRENDAN MCGARRY on NOVEMBER 26, 2014

FC-31
パキスタンが中国とFC-31ステルス戦闘機購入の協議を始めたとの報道が出てきた。
  1. パキスタンの軍需生産大臣ラナ・タンヴェール・フサインが交渉が始まっていることを確認したとの報道がインドのANI通信から配信された。.
  2. 同機は第四世代戦闘機に分類され、今月初めに珠海航空ショーで飛行が公開され、注目を集めた。中国が開発中の機体を公開したのはこれが初めて。
  3. 機体は双発で瀋陽航空機製だが、ロッキード・マーティン共用打撃戦闘機に外形が酷似しており、伝えられるところでは設計上の欠陥があり、旋回を開始すると高度が維持できないとされる。
  4. FC-31は同じ瀋陽のJ-31の輸出版でエンジンはロシア製クリモフRD-93双発だ。同エンジンはMiG-29搭載エンジンの派生型。主任務は近接航空支援、航空阻止その他と言われる。
  5. パキスタン空軍は同機を30機から40機購入し、F-16の更新用機材としたい考えと伝えられ、ステルス機としてより戦術任務で地上軍支援に投入する構想らしい。■


2014年11月18日火曜日

★J-31はFC-31(輸出専用モデル)になるのか 珠海ショー余聞②



なるほど、J-31が国内呼称で、FC-31が輸出仕様の型式名称であることが判明しました。中国は米国の考えたハイローミックスは真剣に考慮していないのでは。それともJ-20が長い槍で、J-31とは別の短剣があるのか。これはいまはわかりません。広大な沿岸線を有する中国には防空体制の完璧な整備はなかなかむずかしいでしょうから、シンボリックな高性能機を配備することが費用対効果で意味があるのではないかと思います。

With J-31 Flight, China Makes a Statement

Nov. 15, 2014 - 03:45AM   |  
By WENDELL MINNICK   |   Comments

CHINA-ECONOMY-AVIATION
輸出を視野に入れる: 中国のJ-31ステルス戦闘機が珠海航空ショーで11月11日に展示飛行を行った。(JOHANNES EISELE/ / AFP/Getty Images)

ZHUHAI, CHINA —中国の双発ステルス機J-31が珠海航空ショーで飛行展示されたが、当日の曇天と対照的に、メッセージは明瞭だった。中国は新型戦闘機を売り出そうとする以上に中国の航空産業を世界に売り込もうとしているのだ。

  1. 中国はJ-31を輸出する意向だ。その顧客にはイランとパキスタンが並ぶ。J-31は世界市場をにらんだ初のステルス戦闘機で合衆国の輸出制限対象国やロッキード・マーティンF-35の予算が手当てできない国向けのものだ。
  2. J-31輸出の話はAVIC展示ホールで縮尺1:2のモデルが開幕前のプレス向けツアーでお披露目された際に出てきた。モデルにつけられた説明では「FC-31」となっており、中国の戦闘機には「J」がつき、輸出用機材には「FC」がつくのが通例だ。J-31がFC-31として紹介されたのはこれが初めて。
  3. 米議会が任命した米中経済安全保障検討委員会US-China Economic and Security Review Commissionの委員長ラリー・ウォーツェルLarry WortzelからはJ-31の初の公開展示飛行とFC-31の公開はAPEC会合(北京)およびオバマ大統領の訪中とタイミングを合わせたものと発言。
  4. これはロバート・ゲイツ国防長官(当時)の訪中時にCAC製J-20ステルス機が初飛行した2011年1月の出来事を想起させる。この時ワシントンでは米国訪中団に政治的なメッセージを送るものと解釈されたが、中国関係者は関連を否定した。オバマ訪中と珠海でのJ-31公開ではウォーツェルによれば「今回は少なくとも事前予告があった」点が違うという。
  5. 珠海で実機を公開したことから中国は輸出に本腰を入れるつもり、とダグラス・バリーDouglas Barrie ロンドン国際戦略研究所International Institute for Strategic Studiesで軍事航空の主任研究員、は言う。
  6. 「ただし中国の輸出相手先に第五世代戦闘機を導入する実力があるだろうか」と言い、成都J-7戦闘機ファミリーの後継機種ならCACのJ-10やJF-17/FC-1の方が現実的な選択となるはずというのだ。
  7. これに対して中国はすき間市場を狙っている観がある、というのがロジャー・クリフRoger Cliff (大西洋協議会Atlantic Council.でアジア安全保障構想Asia Security Initiativeを担当する非常勤研究員)だ。「F-35の価格は支払えない国でもMiG-29やF-16より進歩した機体をほしがるところは多い」とし、イランやパキスタンがFC-31に関心を示す可能性が十分あるという。しかしながら、開発費用を回収できる輸出需要があるだろうか、とクリフは不思議がる。「Avicは経済の理屈だけで動く会社ではないけど」
  8. クリフは中国空軍にJ-31購入の予定があるのか疑わしいという。ハイローミックスでいえば、ローの部分を構成する機体です。高性能機はJ-20ですが、珠海に姿を現さず、一方で着々と開発が進んでいると言われています」
  9. クリフは実力を誇示するのであればJ-20が珠海に展示されたはずだという。「中国が輸出用に性能が劣る機材を当ててきた前例があります」とし、JF-17/FC-1とJ-10戦闘機の組み合わせ、KS-1とHQ-9地対空ミサイルの例があるとする。
  10. 中国も模倣できていないのが高性能戦闘機用エンジンだ。ロシア製サトルンAL-31エンジンがJ-31試作機に搭載されているといわれる。これで同機がライセンス問題で輸出できなくなるというわけではない。クリフによればロシアがRD-93エンジンを搭載したFC-1/JF-17の再輸出を許した前例がある。
  11. 中国は国産WS-13エンジン開発を進めており、J-31搭載を狙っているという。成功すれば、ロシア製エンジンは不要となるという。
  12. 中国からJ-31外観が驚くほどF-35に似ているのはスパイ活動が最大の理由だといわれている。
  13. 「中国のスパイ活動で二重に被害が発生します。システムを盗まれて、それが販売されるからです」と説明するのはペンタゴンで技術評価部長を務めたエドワード・ティンパーレイク Edward Timperlake だ。「スパイはF-35の開発途中のソフトウェア設計を盗み、ソフトウェアの核心部分は米国が休まず改良しているので入手できず、いわば出席なしで試験結果だけ手に入れたようなものだ。成績は優でも最終試験は盗み切れていない」.
  14. 最終試験問題を入手しようと中国が動いている証拠がある。6月に連邦捜査局はカナダ在住中国人実業家Su BinがF-22ラプターとF-35の秘密情報を合衆国内の国防産業のコンピュータから盗もうとし逮捕されたと発表。SuはF-35のテスト日程と「青写真」で「中国が米国の水準に急速に追いつく」ことを目指したという。Suの電子メールが米法務省により公開されている。
  15. ではF-35と比較してJ-31はどれだけのステルス性を第五世代機として有しているのか。第五世代機とは単にステルス性能だけの存在ではないとクリフも言う。「スーパークルーズ、推力方向転換、AESAレーダー、高帯域低探知可能性データリンクがあります」という。
  16. この基準だとF-22やF-35も第五世代機として完璧ではないとクリフは指摘。「だが、J-31にはスーパークルーズや推力方向転換機能もないようですし、ステルスつきの第四世代戦闘機以上の存在だが、AESAレーダーや高帯域低探知可能性データリンクがついているか次第で評価がかわりますね。ちなみにF-35ではこれは全部ついています」
  17. J-31とF-35の外観上の類似性は中国がF-35のステルス外観設計を複製しようとした努力のあらわれとティンパーレイクも言う。
  18. 「もし同機が物理的にステルス性能を獲得して、大量生産に入れば、大きな問題になる」と地域内の同盟各国を指して発言。しかし、ステルス性とは生存可能性の問題にすぎず、専門家はもっと内部構造を検討する必要がある。ひとつはF-35の融合コックピットであり、中国がそこまでの水準に達しているかだという。
  19. 「融合の有無でJ-31が本当の競争相手なのかそれとも既存機を直線的に発展させた機体なのかが分かれます。性能が上がっているとしてもハブスポーク方式の戦闘管理、空中早期警戒統制システムと地上から操作する迎撃方式が不可欠でしょう」と指摘する。 ■


2014年11月8日土曜日

★★中国ステルスJ-31はF-22.F-35に匹敵する性能があると見る米関係者の声




U.S. Pilots Say New Chinese Stealth Fighter Could Become Equal of F-22, F-35

By: Dave Majumdar
Published: November 5, 2014 12:53 PM • Updated: November 5, 2014 http://news.usni.org/2014/11/05/u-s-pilots-say-new-chinese-stealth-fighter-become-equal-f-22-f-35

An undated photo of the Shenyang-J-31
瀋陽J-31 撮影日不詳

来週に開催の珠海国際航空ショーで中国が公開する瀋陽J-31ステルス戦闘機は米側のステルス戦闘機以上の実力を発揮するのではと複数の米側軍事関係者、業界関係者が見ていることが分かった。

  1. J-31は中国による第五世代ステルス戦闘機の最新版で、ロッキード・マーティンのF-22ラプターあるいはF-35ライトニングII共用打撃戦闘機と同等の性能とされる。

  1. F-35開発に詳しいある米国戦闘機パイロットが USNI News に語る。「開発中でありどうしても高性能機に見える」「わが方の第五世代戦闘機と同等の存在だろう。産業スパイ活動は活発に続けられている」
An undated photo of the Shenyang-J-31
瀋陽J-31 撮影日不詳


  1. J-31そのものがロッキード・マーティンF-35(開発費用総額4,000億ドル)から盗んだ技術で設計されたと信じる者は多い。

  1. 「F-35やF-22によく似ている」と空軍テストパイロットが USNI Newsに語っている。
A U.S. F-35 Joint Strike Fighter. Lockheed Martin Photo
F-35共用打撃戦闘機. Lockheed Martin Photo


  1. F-35に詳しい先のパイロットはF-16ファルコンの操縦経験も豊富で、 USNI News にJ-31は第四世代機であるファルコン、ボーイングF-15イーグル、海軍のF/A-18E/Fの性能を上回ると見る。「四世代機では手に余る存在だろう」

  1. 海外製ハードウェアに詳しい元空軍戦闘機パイロットからは中国との戦争になれば中国が送り出す多数の戦闘機対訓練で優れる米パイロットの戦いになると見ている。「機体よりも機数が心配だ」

  1. 「向こうの機体も兵装もきわめてすぐれている。ただし乗りこなすパイロットの技量はわからない」

  1. 「航空ショーはやはり航空ショーで、性能の水準をはかり知ることはできません。つまり航空ショーでは派手な操縦で関心をたかめて商談に結び付けるのが目的」

  1. 現役米空軍テストパイロットからは実際に中国製ジェット機の性能をはかり知ることは困難との発言があった。

  1. 「まだ実戦化されておらず、まともな評価はだれもできない仕事」

  1. 中国が新型機をどのように運用し、どんな兵装を搭載するのかなど多くの疑問が残っている。中でも中国製レーダーがどこまでの性能になっているか、アメリカ製品と比べてセンサーの感度がどこまであるかが最大の疑問だろう。

An undated photo of the Shenyang-J-31
瀋陽J-31 撮影日不詳

  1. 米産業界はJ-31が珠海ショーで公開されるのは中国が同機を海外に広く販売しようとしているためと見る。

  1. 「J-31の輸出可能性が報じられています。そうだとすれば、機体を見せることで購入意欲が高まるはずです」

  1. 中国の航空宇宙産業では多くの進展がみられる。しかし、ジェットエンジンは弱点のままだ。

  1. 珠海ショーではロシアの高性能型スホイSu-35フランカーEもデビューする。

  1. 伝えられるところでは中国は同機を24機購入する意向だという。

  1. 中国が同機をリバースエンジニアリングし、以前のフランカーの前例を踏襲するのではとの観測が見られた。

  1. 「Su-35を購入するのは無難な急場しのぎ策で、その間にJ-20やJ-31の実戦化を待つのでしょう」と業界筋は見ている。■