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2017年6月2日金曜日

米海軍:中国は次回リムパックも招へい対象


中国が来年どうなっているかもわかりませんが、招へいには素直に応じるでしょう。ただし、その際は前回、海上自衛隊にあからさまな無礼を働いたことを再発させないようシーマンシップを発揮してもらいたいものです。それができなければやはり中国は異質な存在のままになるでしょう。

China among invitees to major US exercise 

米大規模海軍演習に中国も招へい対象

 By: Christopher P. Cavas, May 29, 2017 (Photo Credit: MC3 David Cox/U.S. Navy)

WASHINGTON — 米国が来年主催する環太平洋合同演習(リムパック)に中国が再度招へいされると米海軍が5月29日認めた。
  1. 「リムパック2016の参加26カ国はすべてリムパック2018に招かれる」と米第三艦隊(サンディエゴ)の広報官ライアン・ぺリー中佐は述べている。
  2. ペンタゴンは6月にサンディエゴで開かれる準備会合に中国も招くとライアン中佐は確認し、議会が定めた軍組織間、海軍間の中国との付き合い方のガイドラインを遵守していると述べている。準備会合はその後も二回予定され、中国招へいは都度承認が必要になるとライアン中佐は付け加えた。
  3. リムパックは隔年開催の世界最大の海軍演習の触れ込みでハワイ真珠湾を中心に展開される。米太平洋艦隊が主催し第三艦隊がホストとなり会期は数週間にわたり、海上での各種シナリオ演習の前に社交、競技イベントもある。
  4. 2016年に参加したのはオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、コロンビア、デンマーク、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェイ、中国、ペルー、韓国、フィリピン、シンガポール、タイ、トンガ、英国の各国が米国に加わっている。第三艦隊によれば水上艦45隻、潜水艦5隻、航空機200、25千名が参加した。
  5. 中国が招へいに応じれば2018年は中国人民解放軍海軍(PLAN)がリムパックに三回連続参加することになる。2016年にはPLAN艦艇5隻が参加した。駆逐艦、フリゲート艦、潜水艦救難艦、測量艦、病院艦各一だ。2014年には参加した4隻とは別に情報収集艦が演習に付きまとっていたが同艦はリムパックに正式に参加した艦ではなかった。
  6. ロシアはリムパック参加は2012年の一回にとどまっている。ロシアはその後招へい対象から外されており、情報収集艦と駆逐艦が2014年、2016年それぞれ演習を監視していた。
  7. 2018年演習の正式日程は今後の準備会合で決まるとペリー中佐は説明。
  8. 2018年演習ではチリが脚光を集めるとペリー中佐は解説。チリが各国混成群の指揮官を初めて務めるためだという。
  9. 米中関係はここにきて一歩前進一歩後退の様相を呈しているが米国は北朝鮮の核ミサイル脅威の抑え込みで米国が中国の支援に期待している。5月24日には米駆逐艦デューイが南シナ海ミスチーフ礁付近を航行し中国の神経を逆なでしている。その後、中国機が米哨戒偵察機に危険なほど接近する事案が少なくとも二回発生している。■

2017年3月1日水曜日

★★もし戦わば⑩ 日中海戦がいまあれば、勝者はどちらか



改革開放を始めたばかりの「素朴な」中国が三十年ほどでここまで「敵意むき出しの」脅威になったのは驚異です。ただ一国の海軍力は装備だけでは語れない部分があります。果たして本当にPLAN部隊が効力を発揮するのか、その実証の機会が来ないことを祈るしかありません。なんといっても海自の本分は抑止力にあるはすで望むらくはもう少し攻撃力を増やしてもいい気がしますが

The National Interest

Why War Between Japan and China Could Be the Ultimate Naval Clash (And Maybe World War III)


February 27, 2017


  1. 日中間の海上戦がここまで現実に近づいたのはごく最近にのことだ。1980年代の中国は沿海防御しかままならない海軍力だった。まして兵力投射を数百マイル先に行うなど想像でしかなかった。反対に日本はその時点でも新鋭駆逐艦部隊を運用し、数千マイル先の通商路の防御にあたることができた。日本は中国がいかなる対抗策を繰り出しても容易に対処できたはずだ。
  2. この状況は変わってしまった。四分の一世紀に渡り国防力整備を続けた結果、現在の中国軍事費は当時の10倍規模になった。中国国防費は2,000億ドルで、日本の防衛費430億ドルの5倍近い。このため海上自衛隊(JMSDF)には装備整備と訓練が深刻な課題になっている。
  3. 日中間の海軍戦の想定では、両国海軍の指導原理を検分する必要がある。海上自衛隊はほぼ純粋な防衛力であり、船団護衛、対潜戦、弾道ミサイル防衛、人道救難で訓練を積んでいる。兵力も防御中心で、対艦ミサイルは少数で巡航ミサイルは皆無だ。攻撃的な作戦は領土奪還の強襲揚陸を除き耳に入ってこない。これでは戦闘を日本に都合よい形では終了させられないだろう。
  4. 対して人民解放軍海軍(PLAN)に制約は少ない。PLANは攻撃手段をより多く配備しており、その好例が空母だ。さらに国内にはYJ-18対艦ミサイルがあることで艦載ミサイルを攻撃、防御に振り分ける柔軟活用ができる。またDH-10巡航ミサイルを艦載し、対地攻撃も可能だが、JMSDFにはこれがない。
  5. このため将来に両国海軍部隊が対決した場合、中国が攻勢、日本は防御にまわるはずだ。PLANは大規模任務部隊数波を東シナ海に派遣するはずで001A型空母二号艦を中心にするだろう。水上戦闘群ニ個の中心は052D型駆逐艦になる。各群に052B型C型駆逐艦、054Aフリゲート、056コルベットも加わるだろう。また093G型巡航ミサイル潜水艦も戦隊に加わる。
  6. では日本側はどうか。日本も三個の戦闘任務部隊を編成するだろう。内1つは「ヘリコプター護衛艦」かがを中心にに、残り2つはこんごう級駆逐艦をたかなみ級、あきづき級汎用駆逐艦を護衛に配置する。日本もそうりゅう級攻撃潜水艦を配置するはずだ。
  7. では勝者はどちらか。PLANは対艦ミサイルの数で勝り、攻撃力は大きい。ただし、防空と対潜を犠牲にしている。PLAN指揮官は海自水上艦、潜水艦または航空機を脅威と認識し、艦載ミサイル格納数に上限がある中で攻撃力を重視する。そうなるとPLANは空母と潜水艦を攻撃力の中心に置くはずだ。水上戦闘群ニ個は陽動作戦をしながら二次攻撃を加えてくるだろう。
  8. PLAN任務部隊には日本攻撃の選択肢はまだある。J-15「空の鮫」飛行隊が海自部隊の配置を探知する。12機ほどのJ-15飛行隊は対艦ミサイルを搭載し、海自防空網を制圧する。同時にPLAN潜水艦が海自部隊を攻撃すれば理想的だ。PLANには日本国内の自衛隊基地をDH-10巡航ミサイルで攻撃し、燃料補給等を妨害する選択肢もある。
  9. 日本側は一方的に攻撃を受けるだけではない。かがは対潜駆逐艦としてSH-60Kシーホーク対潜ヘリ7機を運用し、PLAN潜水艦を食い止めるだろう。こんごう他あたご級駆逐艦には強力な防空能力があり、Mk. 41垂直発射ミサイルサイロ96個でSM-2対空ミサイルやASROC対潜ロケットを運用する。中国攻勢を日本が無力にする可能性は高い。
  10. 攻撃で日本の選択肢は限られる。海自駆逐艦はハープーンまたは90式対艦ミサイルを8発しか搭載していない。四隻で構成する水上戦闘群で対艦ミサイルが32発にとどまるが、海自艦が中国の攻撃射程に入ってしまう。そうなると001A型空母の攻撃はそうりゅう級ディーゼル電気推進潜水艦に任せるのがよいだろう。PLANが対潜能力に劣るのは周知の事実で、潜水艦攻撃は成功の可能性が高い。
  11. 日中海上衝突は以前のような一方的な勝負にならない。両国の海軍力がここまで近づいたことはこの100年間ではじめてだ。そうなると勝敗を決するのはその他要因の影響が強くなる。たとえば陸上基地から運用する航空機、弾道ミサイル、宇宙装備、サイバーだろう。もちろん米海軍の強力な第7艦隊もある。だが、海自部隊に立ち向かう能力は中国で増える一方だ。空母がさらに増え、巡航ミサイル潜水艦を追加し、訓練を強化すれば、(いずれも十分実現可能だ)現在の不安定な日中間バランスは中国側に大きく有利に傾くだろう。
Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009, he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.