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2023年10月22日日曜日

イージス駆逐艦カーニーが紅海でフーシが発射したミサイル3発をSM-2で撃破(10月19日)。イスラエルへの攻撃を未然に防いだのか。(USNI News)

   

米駆逐艦がイエメンが発射のミサイル3発をSM-2で撃墜したと国防総省が発表

USS Carney (DDG-64) transits the Suez Canal, Oct. 18, 2023. US Navy Photo

海軍の誘導ミサイル駆逐艦がイエメン西部海岸から発射された陸上攻撃ミサイル3発を撃ち落としたと米政府当局者が10月19日認めた。

 国防総省によれば、USSカーニー(DDG-64)はイエメンのフーシ支配地域から発射された3発のミサイルと多数の無人機を「撃墜」した。

 「今回の行動は、中東で構築してきた統合的な防空・ミサイル防衛体制を示すものであり、地域内パートナーとわれわれの利益を守るため、必要であればいつでも利用する用意がある」。米国防総省のパット・ライダー報道官は25日、記者団に対し、「米軍に死傷者はなく、地上の民間人に被害はなかった」と述べた。

 USNIニュースによる初期評価によると、カーニーは紅海上空の陸上攻撃ミサイルと西イエメンから発射された8機の無人機を撃墜するためスタンダードミサイル2を発射した。評価書によると、同艦に脅威はなかったという。

 ミサイルが何を狙っていたのかは不明だが、ライダーは記者団に対し、ミサイルは北に向かっており、「イスラエルの標的に向かう可能性がある」と語った。

 しかし、ライダーは発射されたミサイルの種類については明言しなかった。イエメン西海岸はイスラエル最南端から1000マイル以上離れている。

 イエメンの反体制派フーシ派は以前からイスラエルとの戦闘に関心を示していたと、民主主義防衛財団のベーナム・ベン・タレブル上級研究員はUSNIニュースに語った。彼らは、最近の攻撃やイスラエルとハマスの2021年の紛争を受け、再びその関心を高めている。


Houthi forces on parade with a Quds-2 land attack cruise missile


 ベン・タレブルによれば、フーシ派は、イランが供与したクッズ・シリーズの陸上攻撃巡航ミサイル含む、進化した長距離攻撃能力を持っているという。「イエメン北部のフーシ支配地域から発射された場合、例えばエイラートのようなイスラエル南部に到達できる」。

 今回のミサイル迎撃は、イスラエルに対するハマスのテロ攻撃を受けて、アメリカ海軍が東地中海に部隊を集結させている中に行われた。ロイド・オースティン国防長官は、フォード空母打撃群とアイゼンハワー空母打撃群、そして第26海兵遠征隊を擁するバターン水陸両用準備群をこの地域に派遣するよう命じた。

 フーシはイエメンでサウジアラビアが支援する政府と10年近く戦っている民兵組織で、イランから対艦巡航ミサイルや陸上攻撃兵器など、さまざまな兵器を供給されてきたと、海軍アナリストのクリス・カールソンは25日、USNIニュースに語った。

 カーニーは現在単独で派遣されているが、スペインのロタ海軍基地に配属された4隻の誘導ミサイル駆逐艦の1隻として、ヨーロッパにおける海軍の前方展開部隊の一部として2020年まで展開していた。米第5艦隊の発表によると、同艦は水曜日に地中海からスエズ運河を通過し、紅海に入った。

 紅海では2016年、米軍艦への攻撃が相次いだ。USSメイソン(DDG-87)は、紅海南部で米艦船に対する攻撃を阻止した最初の事件で、イエメン沖の艦船群に向けて発射された2発のミサイルに対抗するため、スタンダード・ミサイル2発と進化型シースパロー・ミサイル(ESSM)1発の組み合わせで2発のミサイルを迎撃した。

   

U.S. Destroyer Used SM-2s to Down 3 Land Attack Missiles Launched from Yemen, Says Pentagon - USNI News

By: Sam LaGrone and Heather Mongilio

October 19, 2023 5:12 PMUpdated: October 20, 2023 1:01 PM


2016年2月10日水曜日

★米海軍>SM-6対空ミサイルを対艦攻撃手段に開発中と認める



対空ミサイルが対艦ミサイルにも使えれば、一見、費用対効果は高いように見えますが、課題も多いようです。短期間で開発を完了するということですが、実際に使える武装になるのか注目です。それにしても米海軍もトップの交代と中国ロシアのなりふり構わぬ振る舞いにさすがにこれではいかん、と方向性を変えてきましたね。

SECDEF Carter Confirms Navy Developing Supersonic Anti-Ship Missile for Cruisers, Destroyers

By: Sam LaGrone
February 4, 2016 5:00 PM

Launch of a SM-6. US Navy Photo
Launch of a SM-6. US Navy Photo

米海軍がレイセオンのスタンダードミサイル-6を改良し、超音速対艦攻撃手段にする開発を続けていることがアシュ・カーター国防長官の発表で明らかになった。射程は200カイリだという。

  1. 「全く新しい性能を実現する。SM-6を改造しミサイル防衛に加え艦船攻撃能力を付与する」とカーター長官はサンディエゴで記者団に語った。
  2. SM-6の最高速度はマッハ3.5で現行のボーイングRGM-84ハープーン対艦ミサイル(1970年代実用化)の性能を上回り巡洋艦・駆逐艦部隊の射程を伸ばす。
  3. 改良型SM-6には今後5年間で29億ドルを投じる。実現すれば強力な対艦攻撃能力となり、現有の誘導ミサイル巡洋艦・駆逐艦の威力が強化される。海軍が進める「分散攻撃力」 “distributed lethality” 構想にも合致する。.
  4. 「これまで長い間動きはなかったのに、海軍作戦部長の中国への姿勢が変化し、中国を同等の戦力を有する国家と認識する言い回しの変化に気づきました」と業界筋はUSNI Newsに先月語っていた。「これまでは攻撃されるまで待つ、という海軍の姿勢がアクションを主体的にとる方向に変わったのか。どんな効果がこれから出るかを注目です」
  5. 海軍は巡洋艦・駆逐艦部隊が高性能を有する中国・ロシアのような敵対勢力に対応可能にしようとする。課題は再装填が難しい垂直発射システムを最大限に活用することだ。
  6. aegissm-61

  1. 「海軍は搭載装備を柔軟活用し、とくにミサイルの有効活用をめざしている」とエリック・ワーサイム(米海軍協会出版「世界の戦闘艦船」の編者)はUSNI Newsに語ってくれた。
  2. 「驚くべきことではない。SM-2ですでに可能だった。今回は運用の柔軟性を強調しているにすぎない」
  3. 海軍はレイセオンとSM-6の対艦ミサイル転用可能性について口を閉ざしていた。前のモデルSM-2には対艦攻撃モードが設定されている。
  4. USNI Newsが昨年に国防総省高官を取材し海軍がSM-6を対艦攻撃用に投入する用意があるのか聞いてみたところ、答えは「誰に聞いてもこの点は確認できないよ」だった。
  5. ではどんな改良が必要になるのか。レイセオン関係者がUSNI NewsにはブロックIAの作業が進行中と告げていた。「今お話しできるのはGPS機能の追加だけです」
  6. SM-6は対空、対ミサイル用に開発されており、制限付きながら弾頭ミサイルにも対応する。弾頭は小さめでハープーンが500ポンド弾頭を付けているのとは対照的だ。改良で弾頭部も手直しするのかは不明だ。
  7. もう一つの疑問は対艦モードSM-6でもネットワーク機能が付与されるかだ。対空ミサイルとしてNIFC-CA(海軍統合対空火器管制)構想のネットワーク武器となる。
  8. NIFC-CAではノースロップ・グラマンE-2D改良型ホークアイが収集した標的情報を統合し、情報をSM-6に送り空中の標的を駆逐艦・巡洋艦の射程外で攻撃できる。
  9. 「E-2でSM-6を敵の水上目標に向けて長距離誘導することになるのだろうか」とワーサイムも疑問に感じる。■